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アナウンサールーム > 富田薫 > 日記

富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

日ごろの考え方を反省させられる作品「はじまりへの旅」。

2017/04/04

主演のヴィゴ・モーテンセン(赤いジャケット)のアカデミー賞ノミネートには納得。

子役が上手いし、この演技を引き出す監督の手腕にも脱帽。

「ほかの人と違うこと」も大切なはずですが…。

「スティーブ」という名前のバスが登場。バックミラーを介した会話が上手い!

「教育にまつわる対立」があっても、それは子供を愛しているからであって…。

(c)2016 CAPTAIN FANTASTIC PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
 この映画「はじまりへの旅」に対して、山田洋二監督からの応援コメントが新聞などに掲載された。それは「アメリカの映画界はまだまだ希望を託するに足る…そう思わせる素敵な作品」というもの。

 確かに興行成績を狙ってはいないが、アメリカでの公開スタートがたった4館とはあまりにも過小評価。結局、全米600館まで拡大して、主演のヴィゴ・モーテンセンもアカデミー賞ノミネート。さらに数々の映画賞を受賞したのは久々に「考えさせられる作品」だったからだろう。

 当初は「ある家族にまつわるロードムービー」と聞いて劇場に足を運んだが、オープニングの非日常的な狩猟のシーンからただならぬムードに。「山奥の森で社会から隔離(といっても自らの意思で)された生活をする一家が、あることをきっかけに旅に出る。そこで何が起きるか?ゴールには何が待っているのか?」というお話。

 その道中で「子供に本当に教えなくてはいけないことは何か」がテーマになってくる。誰しも親である以上は多かれ少なかれ教育の悩みを抱えていて、時として両親の間で論争となるが、それはあくまで学校の成績や進学問題。主人公が説く「人間の生き方」に比べれば小さいことだとわかる。

 ただ、その教育方針は「世捨て人」とか「文明社会に背を向けた存在」になる危険性をはらんでいる。ここをきちんと描けたのは、監督・脚本兼任のマット・ロス自身が「子供のころに北カリフォルニアとオレゴンのコミューンで生活し、テレビや最新テクノロジーのない人里離れた場所にいた」と語る実体験に基づいているからだ。

 本当は「みんな違ってみんないい」はずなのに、それは理想主義者の考え方と一蹴され、人と違えば住みにくい社会が広がっていますよね…と彼は問いかけてくる。

 「教育」以外に「食育」を考えさせられるシーンもあり、山田監督から「まあ、アメリカの映画界はまだ希望を託せるとして、日本のテレビ業界はどうなの?」と聞かれているようなエンディングだった。

※2017年4月1日(土)から全国ロードショー
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