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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

製作・脚本・監督のトム・フォードに舌を巻く「ノクターナル・アニマルズ」

2017/11/02

エイミー・アダムスは「魔法にかけられて」のお姫様と言われなければわからないほどの存在感。

彼女のもとに届けられた小説は「元夫」が書いたもので・・・。

ジェイク・ギレンホールは映画の中での「元夫」と小説の主人公の二役をこなします。

ある犯罪に巻き込まれ捜査に協力することになるが・・・。

捜査は難航し意外な展開に。

現実世界では昔のロマンチックな想い出がフラッシュバック。

彼と別れてからは新しい家族も生まれて。

「あんな男とは別れなさい」「娘は母親に似るものよ」と言われても納得はできず・・・。

(C)Universal Pictures
 「映画の内容以前に、トム・フォード監督作品だから見ておいた方がいいですよ」と詳しい方からのアドバイスがあった。まさにそれがピッタリの作品だった。

 グッチやイヴ・サンローランのクリエイティブディレクターだったトム・フォードは、2005年に自身のブランドを立ち上げている。「007 慰めの報酬」以降、ボンドが
着用するスーツの衣装提供を行っているが、ある意味「天が二物も三物も与えた」かのような才能の持ち主だ。

 タイトルの「ノクターナル・アニマルズ」は、訳すと「夜の獣たち」。劇中に登場する小説の題名でもある。ある日、エイミー・アダムス演じる主人公のもとに郵便で届けられるが、著者はジェイク・ギレンホール演じる彼女と20年前に別れた元夫。それは、ある殺人事件にまつわるサスペンスもので、彼女の頭の中で描かれる場面の数々が映像化され、スクリーンに投影される。

 小説の「ノクターナル・アニマルズ」は不幸ではあるが緊迫感に満ちた秀作で、そのストーリーが実際に起きたエピソードとの関係を暗示するようになり…というお話。「殺人を犯したヤツは許せない」といった当たり前のことが進行する中で、人間が持つ別の愚かさがクローズアップされてくる。

 小説の中の何とも言えない虚無感と現実世界の建築やインテリア、ファッション、豪華な美術品との対比が秀逸。監督の美的センスの高さも尋常ではない。

 これからご覧になる方のために申し上げておくと、冒頭は恥ずかしいほどのエグい映像で始まり「いったいこの先どうなるの?」と心配になるが、エンディングでその真意が痛快なほどに明かされる。今後は「監督トム・フォード」のクレジットだけで映画館に行くようになること請け合いだ。

 ※11月3日(金・祝)からKBCシネマにて公開
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