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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

人間にはまだまだ未解明なところがあって・・・。 「彼女が目覚めるその日まで」

2017/12/01

彼氏ともうまくいってるし・・・

仲間にも恵まれ・・・

「ニューヨーク・ポスト」紙の記者というステータスもあったのに・・・

或る日突然、信号も見分けがつかないようになってしまう。

家族も心配するが、なす術がない状況に。

症状は悪い方へと進んでいくのでした。

果たして彼女は無事生還することはできるのか?

(c)2016 On Fire Productions Inc.
 失敗しないことで有名な大門未知子でさえ苦戦するかもしれない「病気」がテーマである。

 アメリカでベストセラーになったノンフィクションの映画化なのでベースは実話。原作ではニューヨーク・ポスト紙の女性記者が原因不明の体調不良に襲われ、その後実際に起こったエピソードが描かれる。

 書くのは自分自身のことなのに、前後不覚になってからの記憶はないので、目撃者の証言や治療中に収録された映像をもとに執筆されたという。

 感情がコントロールできなくなり、幻聴を訴え、支離滅裂なことを言い始めるから、まわりの人々は彼女の精神疾患や麻薬使用を疑うが、考えられる限りの検査ではすべて「異状なし」。

 家族や恋人もなんとか彼女を救いたいと努力するが、症状はますます悪化していき…という展開。

 病名は物語の後半で明かされ、日本でも年間1千人ほどが発症していると聞いて驚いた。

 どんなにシビアな症状でも、言葉で書くなら無数の表現方法があるが、主人公を演じるクロエ・グレース・モレッツは、体やセリフを駆使した「演技」でそれを表現しなくてはならない。

 しかも通常は見ることのない症状なので中途半端だと説得力に欠けてしまう。彼女の起用がなければこの映画は成立しなかっただろう。「キック・アス(2010年)」のころから「タダ者ではない!」と思っていたが、まだ20歳と知って舌を巻いた。

 映画の邦題「彼女が目覚めるその日まで」は、ともすると「不幸な病気を乗り越える涙のストーリー」と勘違いしてしまうが、原題は「BRAIN ON FIRE」であり、KADOKAWAから出版された翻訳本(スザンナ・キャハラン著・澁谷正子訳)のタイトルも「脳に棲む魔物」であって、ニュアンスはこちらの方が近い。

 「魔物」とはいってもハリウッド的なCGを駆使した「おどろおどろしい演出」ではなく好感が持てたが、カナダ・アイルランドの共作だったことがあるかもしれない。

 医療技術が進歩した現代でも、まだまだ解明されていないところがある人間の奥深さや、データ至上主義の医療現場の脆弱さを感じるところもあった。なので、いずれは「ドクターX」のエピソードにこの病気が登場するかもしれない。

 ※12月16日(土)よりKBCシネマ他全国ロードショー
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