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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

この旅の本当の目的地はどこ?「ロング,ロングバケーション」

2018/01/26

ドナルド・サザーランドとヘレン・ミレンの演技を見るだけでも価値あり!

50年の結婚生活を振り返るシーンでは「それってあるある!」の連発。

アメリカ大陸を北から南に縦断。まさに「珍道中」で笑いの連発。

そりゃ息子夫婦は「親父とお袋が消えちゃった」って心配しますわな。

旅の終わりに近いフロリダ・キーウェストの空はなぜか明るくて…。
(c)2017 Indiana Production S.P.A
 アルツハイマー病が進行する夫に寄り添う妻も末期がんで余命宣告を受けている。

 そんな夫婦が、ある日キャンピングカーに乗ってアメリカ・ボストンの自宅からフロリダのキーウエストへと向かうロードムービー。

 その道中には笑いあり涙ありのエピソードが満載だが、話が進むにつれて気になってくることがある。それは「この旅の終わりには何が待っているのか?」。

 なんといっても、82歳のドナルド・サザーランドと72歳のヘレン・ミレン、二人の名優が秀逸。

 墓場に持っていくような夫婦間の話もセンスの良いユーモアに変え、スライド写真でそれまでの人生を振り返るシーンでは、2人の後ろから覗き込むギャラリーの気持ちになってしまった。

 旅の目的地は、ノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイが住んでいた家で、現在は博物館として旅行客に公開されている場所。

 ドナルド・サザーランドは、ヘミングウェイを敬愛する元・文学教師を演じるため、彼の全ての作品を読み直したというから恐れ入る。

 監督のパオロ・ヴィルズィは「人間の値打ち」「歓びのトスカーナ」などで知られるイタリアの名監督で、ハリウッドからのオファーを断り続けていたが、プロデューサーたちから送られてくる多くの小説の中にあったこの作品にピンと来たという。

 「医者や自分の子供たちに強制される入院からの反逆に惹きつけられた」と語る彼だからこそ、ハリウッドの価値観に「反逆」するようなエンディングを描けたのだろう。

 それは、目的地フロリダの「常夏の空の色」で表現したかった「人間の生き方」であると同時に、主人公をわが身に置き換えて真剣に考えさせてくれる映像でもあった。

※1月26日(金)からKBCシネマなどで全国公開
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