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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

まさに恐怖映画! 「クワイエット・プレイス」

2018/09/27

まさに「音を立てたら、即死」の異常事態で…。

常に「絶対に音をたてない」というプレッシャーと闘っているのです。

この状況から抜け出そうと思っても、まったく手の打ちようがなく…。

パパ役のジョン・クラシンスキー自身が監督を務めています。

ママ役のエミリー・ブラントが妊娠していることがわかり…。

まさに熱演!

主人公一家の運命やいかに…。

(c)2018 Paramount Pictures. All rights re
served.
 「これってどんなジャンルの映画?」と聞かれると、いささか困ってしまう。ホラーだしサスペンスでもある。サバイバルの要素もあるし「ダーク・ファンタジー」だと思う人もいるかもしれない。

 ただ、この作品を表現するのに便利な日本語がある。その言葉は「恐怖映画」。ほぼ100%の方が、それで納得するはずだ。

 すでに話題になっているこの作品。舞台は荒廃したアメリカのとある場所。そこでは「ある理由」によって音を出すことイコール「死」を意味する状況になっている。

 映画のPRでは「音を立てたら、即死。」とあるが、ズバリその通りで、冒頭の数分間(もっと長く感じる)は、咳払いもできないような緊張感が漂っていた。

 主人公一家の会話は主に「手話」。自宅の周りには砂をまいて裸足で歩き、音をたてないように工夫している。居室には防音が施され、密閉された空間であれば、ひそひそ話程度はOKだ。

 とはいっても「調理とか食事の時はどうするの?食材の確保は?」というツッコミを予想して「なるほど、そういうことね〜」と納得できる説明が行われる。

 そんななか、この家族の一員でエミリー・ブラントが演じる人物が妊娠していることがわかる。ちょっと待った!赤ちゃんは「泣くことが仕事」のようなもので、いくら防音しても、背中にスイッチがあるかのごとくベビーベッドに寝かせたとたんに泣き出すような存在。これはいったいどうなってしまうんだ!?となるが、物語は意外な展開に…。

 このあたりから私生活でもエミリー・ブラントの夫であるジョン・クラシンスキー演じる父親と子供たちとの「人間関係」にスポットがあたる。

 子供の扱いに難儀する父親、その父親を遠ざけようとする子供。永遠に分かり合えないかも…と思わせる関係は、我々の日常にもあるはずだ。

 そして、死につながる「ある理由」を排除する方法がわかったところで物語は突然終わる。まさにカットアウトなのだ。見ている方は「エッ!これからが見どころじゃないの?」と狐につままれたようになるが、我に返るとこの映画の本当のテーマがわかってくる。

 それは親子の情愛であり、よく言われる「親の愛は海より深く山より高い」というお話だったのだ。「その後」を描いてしまうと典型的な「B級映画」になってしまい、アメリカでの大ヒッにはつながらなかっただろう。

 見終わって、日本の「最近の親子関係」を調べてみたくなり、2017年度の児童虐待の相談件数が13万3778件で過去最悪(厚生労働省の調査)というデータに行き着いた。

 そんな日本の怖さを再認識させられた点でも「恐怖映画」だったのである。

 ※9月28日(金)から全国ロードショー
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