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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

劇団四季『ソング&ダンス65』で日本のミュージカル史を体感しよう!

2018/12/05

『ソング&ダンス65』これまでの公演より
撮影:荒井 健
 1999年に劇団四季の創立45周年を記念して始まり、節目の年に披露されてきた『ソング&ダンス』シリーズの第9弾が、12月9日(日)まで『ソング&ダンス65』のタイトルで上演(福岡市・キャナルシティ劇場)されている。

 『ソング&ダンス』は、ミュージカルに登場する名曲の数々を歌(ソング)と踊り(ダンス)で紡いでいく企画。

 オリジナルの衣裳や舞台装置は登場せず、まったく別の演出が施されていく。言わば「ミュージカルのベスト盤」的なステージだ。

 冒頭、今年亡くなった日下武史、浅利慶太両氏のポートレートが投影され、創設者の偉業に敬意を表して舞台の幕があがる。

 昭和30年代と思われる初期作品の「フライヤー(チラシ)」の映像は「これって手書きじゃない!」という手作り感が満載。半世紀以上の歴史の重みが伝わってきた。

 前半の一幕は『ウェストサイド物語』『青い鳥』『コーラスライン』『赤毛のアン』『壁抜け男』『リトルマーメイド』といったおなじみの作品に続き『クレイジー・フォー・ユー』メドレーまで名曲のオンパレード。

 特にブロードウェイ・ミュージカル『ウィキッド』からの「自由を求めて(Defying Gravity)」では、オリジナルにはない女性ボーカリスト3名が登場するサービスぶりで、あっと言う間に1時間が過ぎ去った。

 休憩時間を挟んでの二幕は、ディズニー&アンドリュー・ロイド=ウェバー作品だからファンにはたまらない。

 『ピノキオ』ではじまり『アラジン』『ムーラン』『塔の上のラプンツェル』『美女と野獣』と文句なしのパフォーマンスが続く。

 特に『ノートルダムの鐘』からの3曲は、オリジナルの重厚さを失わないビジュアルで、すべてのミュージカルへの愛情を感じさせるステージに仕上がっていた。

 そしてロイド=ウェバーも代表作の連発。『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』ときてトリは『ライオンキング』の熱唱で幕を閉じる。

 あのサバンナの物語を久しぶりに劇場で見たいな〜と思わせる演出だが、タイミングの良いことに来年(2019)3月からの福岡公演が決まっていた。

 申し上げておきたいのは、これらが劇団四季による四季ファンのための「おいしいパフォーマンス大会」ではないということだ。

 特に1983年初演の『キャッツ』にはじまるブロードウェイ文化の輸入が、日本のミュージカル・シーンにどれほど大きな影響を与えたかがわかってくる。

 欧米のミュージカル文化がここまで日本に根付くかどうか、80年代に確信を持っていた人物は故・浅利慶太氏以外にはいなかったはずだ。

 その視点で見ていくと浮かび上がってくる事実がある。この作品は「劇団四季の65周年記念」であると同時に「65年間の日本演劇・ミュージカル史」なのだ…と。
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