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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

絶対に日本では出てこない人!「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス」

2018/12/14

どこからどう見ても77歳には見えません!

「早く終わらせてよ!」「セックス・ピストルズのことは話さないわ」と言いたか放題。

若手スタッフとも互角に闘って…。

自らのファッションも「超斬新」。

自らのブランド経営についても赤裸々に語り…。

これからの人生を「環境問題」にささげるという。

(C)Dogwoof
 そのファッションセンスまでは知らなくとも、名前は聞いたことのあるイギリスのデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドのドキュメンタリーだ。

 1992年にエリザベス女王から大英帝国勲章を受け、男性における「サー」と同じように「Dame(デイム)」の敬称付きで呼ばれる彼女。77歳で現役の世界的なファッションデザイナーというイメージを打ち砕く意外な言葉で幕があく。

 それは「撮影はとっとと早く終わらせたいの…」。あたかも観客に啖呵を切るようなコメントに「これはひと筋縄ではいかない人物だな…」と感じたとおりの人生がスクリーン上で展開される。

 数々のファッションに身を包む彼女のショットは、そのどれもがまさに「唯一無二」のモノ。ナレーションなどなくとも「すでに他の人がやっていることはやらないわ!」という主張が伝わってくる。

 ファッション・ショー前夜の舞台裏でもとても70代には見えないパワフルさだ。

 身内のスタッフが指示通りにしなかったとは言え、絶好のプロモーションの場なのに品のない言葉で自らの作品にダメ出しをする。ただ、その振る舞いによって逆に信頼感が増してくるから不思議である。

 デザイナーになったきっかけにも驚いた。「キリストが十字架に磔(はりつけ)の刑となった絵画を見て人生が変わった。人間が傷つけあうことを食い止める騎士のようになろうと思った」と語る。そんな信念でファッションに関わっている人物はいるだろうか?思想家になっていてもかなりの地位を築いたはずだ。

 最初の結婚を「古臭い茶番劇」と切り捨て、マルコム・マクラーレンと共にしばらく人生を歩むことになる。彼は「セックス・ピストルズ」の仕掛人で、デビュー前の「アダム&ジ・アンツ」のマネージメントにも手を染めた。なるほど、ここで彼女のファッションの根底に「パンクムーブメント」があることがわかる。

 これが「半裸になったモデルのケイト・モスが、アイスを食べながらランウェイを歩く」という発想につながったのだ…と。

 終盤、環境保護団体グリーンピースのメンバーとともに北極圏の気候変動を視察するシーンでは「人類は絶滅の危機にある」と言い切る。

 環境保護に取り組む自らの敵を「腐った経済システムで、9つの頭を持った怪物」と呼ぶ様はまさに「異端児」そのもの。
 
 それにもかかわらず、ブリティッシュ・ファッション・カウンシルから3回も「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受けたと聞いて、何事も右へならえの日本のシステムの「時代おくれ感」がひときわ目立つのだった。

※KBCシネマで12月28日(金)からロードショー
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