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富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

実写版ミュージカルの新記録達成は確実!「美女と野獣」

2017/04/20

(C)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
 いまさら説明の必要はないが、アニメ映画史上初のアカデミー・ノミネート(作曲賞と歌曲賞は受賞)作品。1991年のディズニー・アニメーションの実写版である。

 さらに、ディズニー初の劇場ミュージカルとしてブロードウェイでも上演され、トニー賞(1994年)9部門にノミネート。その舞台は日本でもおなじみで、劇団四季による京都公演が現在でも(2017年5月21日まで)行われている。

 そうなると難しいのは「どんな映像にするか」という点。自らがこの作品の熱烈なファンと語る監督のビル・コンドンが、アニメの完璧さを認めるがゆえに「この作品に近づきたくなかった」と語る心境もよくわかる。

 人間のイマジネーションは無限大なので、それを上回る映像を生み出すのは至難のワザ。主役に「ハリー・ポッター」のエマ・ワトソンが決まっても安心できなかったはずだ。

 しかし、想像以上の映像エンターテインメントが展開されているのである。

 ボールルームで野獣とベルが踊るシーンは、オマージュとなっている黄色いドレスを含め、アニメのCGを意識した作り。

 「Be Our Guest」の楽曲でおなじみ「ひとりぼっちの晩餐会」のシーンは準備から撮影、ポストプロダクションを経て完成まで1年間かけるって気合入りすぎ。

 「スター・ウォーズ」のユアン・マクレガー(オビ=ワン・ケノービ役)や「ロード・オブ・ザ・リング」のイアン・マッケラン(ガンダルフ役)といった主役クラスの名優でさえ「素顔で出るのは1分間程度」という贅沢な起用。

 アリアナ・グランデとジョン・レジェンドがこれでもかと歌いあげれば、エンド・タイトルでセリーヌ・ディオンの歌声も聴くことができるし、アラン・メンケンとティム・ライスのコンビが新曲3曲をご披露とまさに「出血大サービス」。

 スクリーンから「アニメに負けてなるものかオーラ」が伝わってくる。

 ちなみに日本の「実写版ミュージカル映画興行収入ランキング」を調べてみると…
 第1位「レ・ミゼラブル(2013)」58・9億円
 第2位「オペラ座の怪人(2005)」42億円
 第3位「シカゴ(2003)」35億円
 第4位「マンマ・ミーア(2009)」26億円
 第5位「スウィーニー・トッド(2008)」20・5億円
…となっていた(日本映画製作者連盟の資料)。

 大ヒットしたアニメ版から26年が経過していることを考えると「親子で劇場へ」というよりも「じいちゃん・ばあちゃんからお孫さんまで三世代にわたって楽しめる作品」だから新記録樹立は間違いない。「プレミアム吹替え版」もあるし。もちろん大切なのは興行収入だけではないが…。

 なんだか劇団四季が上演するものが実写化されていく感じなので「アラジン」もウケるのではと思ったが、すでにガイ・リッチー監督でプロジェクトが進んでんでいるという。

 そうなると「ウィキッド」がスクリーンで見られるのもそう遠い日のことではないかもしれない。

※4月21日(金)全国公開

この「スカヨハ」は必見!「ゴースト・イン・ザ・シェル」
※本文中に一部ネタバレがあります。

2017/04/07

c 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
 まずはじめに、自分の携帯電話はいまだに「ガラケー」で、仕事でパソコンは使うが、スマホがなくても生きていける程度の「電脳生活」なので、その点では世界標準の人間ではない。

 だから、士郎正宗氏の原作漫画「攻殻機動隊」、押井守監督のアニメ版「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(もちろんイノセンスも)」ともに読んでもいないし見てもいない。

 タイトルは知っていたが、今回のルパート・サンダース監督の実写版を見るまでは、北野武扮する荒巻大輔を悪役と思っていた。本作に詳しいスタッフは「富田さん、何を言ってるんですか〜」という反応だったが、どう見てもあの髪型は「正義の味方」ではない。
 
 ただ、スタートからメインタイトルが出るまでのそう長くはない映像で、監督の熱意や作品にかける意気込みが容易に理解できるし、これがクールジャパンのソフトであることに誇りさえ覚える内容だったのである。

 成功した最大の要因は、主役の「少佐」を演じるスカーレット・ヨハンソンのキャスティングに尽きる。決まったので小躍りしている監督の姿が目に浮かぶほどのハマり役。原作にはないシーンだがネタバレを恐れずに言えば、ある相手から「なぜ、あなたはそんなに美しいの?」と問われた時の彼女のアップ。このシーンを「生身」で演じなくてはならないが、観客も「確かにそのとおり!」と納得してしまう美しさなのだ。

 これをきっかけに、この作品が単なる「勧善懲悪ドラマ」でないことがわかり、案の定、人間が生きる上で重要なのは「過去」ではなく、もっと大切なものがある…という展開になる。
 
 エンディングも「さあ、この後はいったいどうなったでしょう?」なんて「謎の名作」を気取ることなくきちんと描かれていて「2」「3」への期待も高まった。

 これほどの作品なのに実写化までに30年近くかかり、しかもハリウッド製なのは、色々な理由(原作のファンはご存じかもしれない)があるにせよ、クールジャパンと評される日本文化も映画に関しては「ガラパゴス状態」だったのね〜と感じたのである。

※4月7日(金)から全国公開中

日ごろの考え方を反省させられる作品「はじまりへの旅」。

2017/04/04

主演のヴィゴ・モーテンセン(赤いジャケット)のアカデミー賞ノミネートには納得。

子役が上手いし、この演技を引き出す監督の手腕にも脱帽。

「ほかの人と違うこと」も大切なはずですが…。

「スティーブ」という名前のバスが登場。バックミラーを介した会話が上手い!

「教育にまつわる対立」があっても、それは子供を愛しているからであって…。

(c)2016 CAPTAIN FANTASTIC PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
 この映画「はじまりへの旅」に対して、山田洋二監督からの応援コメントが新聞などに掲載された。それは「アメリカの映画界はまだまだ希望を託するに足る…そう思わせる素敵な作品」というもの。

 確かに興行成績を狙ってはいないが、アメリカでの公開スタートがたった4館とはあまりにも過小評価。結局、全米600館まで拡大して、主演のヴィゴ・モーテンセンもアカデミー賞ノミネート。さらに数々の映画賞を受賞したのは久々に「考えさせられる作品」だったからだろう。

 当初は「ある家族にまつわるロードムービー」と聞いて劇場に足を運んだが、オープニングの非日常的な狩猟のシーンからただならぬムードに。「山奥の森で社会から隔離(といっても自らの意思で)された生活をする一家が、あることをきっかけに旅に出る。そこで何が起きるか?ゴールには何が待っているのか?」というお話。

 その道中で「子供に本当に教えなくてはいけないことは何か」がテーマになってくる。誰しも親である以上は多かれ少なかれ教育の悩みを抱えていて、時として両親の間で論争となるが、それはあくまで学校の成績や進学問題。主人公が説く「人間の生き方」に比べれば小さいことだとわかる。

 ただ、その教育方針は「世捨て人」とか「文明社会に背を向けた存在」になる危険性をはらんでいる。ここをきちんと描けたのは、監督・脚本兼任のマット・ロス自身が「子供のころに北カリフォルニアとオレゴンのコミューンで生活し、テレビや最新テクノロジーのない人里離れた場所にいた」と語る実体験に基づいているからだ。

 本当は「みんな違ってみんないい」はずなのに、それは理想主義者の考え方と一蹴され、人と違えば住みにくい社会が広がっていますよね…と彼は問いかけてくる。

 「教育」以外に「食育」を考えさせられるシーンもあり、山田監督から「まあ、アメリカの映画界はまだ希望を託せるとして、日本のテレビ業界はどうなの?」と聞かれているようなエンディングだった。

※2017年4月1日(土)から全国ロードショー
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