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アナウンサールーム > 富田薫 > 日記

富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

まさにドンピシャな邦題「レディ・ガイ」

2018/01/31

「ワイルド・スピード」のミシェル・ロドリゲスがまさに熱演。

シガニー・ウィーバーは怪しいムード全開で…

「悪い奴を矯正する」って主張するけど…

銃の扱いは「男の時代」に身についているわけで…

そりゃ人間関係もややこしいことになりますわな。

(c)2016 SBS FILMS All Rights Reserved
 原題は「The Assignment」。直訳すると「課題」と出てくる。確かに主人公は「大きな課題」を抱えているが、そのタイトルでは何が何だかわからない。

 本作の邦題「レディ・ガイ」は本質をズバリとおさえた、本当に秀逸なタイトルだ。

 ミシェル・ロドリゲスが演じる主人公がある朝目覚めると、肉体が女になっていた…って、彼女は「ワイルド・スピード」シリーズで有名な女優だから、もともと女じゃん!と思ったあなた、そこがこの映画の最大のポイントなのですよ!

 「彼女」は凄腕の殺し屋だったが、各方面から恨まれていたため、拉致されて性転換手術により「男から女に替えられてしまった」のであります。

 彼女が「男だった殺し屋時代」も特殊メイクで熱演。女にされてしまってからは「体当たり演技」というより、まさに「体を張っちゃっている」のです。このあたりが「R15+(15歳未満の入場・鑑賞禁止)」になった理由かも。

 監督、脚本は「ストリート・オブ・ファイヤー」「ラストマン・スタンディング」「48時間」のウォルター・ヒル。プロデューサーとして「エイリアン」シリーズにも関わった人物。

 彼は「この映画のテーマは復讐だ」と語る。確かに、男には戻れないことがわかった彼女は、そんな仕打ちをした連中に次々と復讐していく。

 性転換手術を施した最も憎むべき医師は、これまた「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバー。この2大スターの共演は監督の人脈によるところが大きいと思えた。

 ただ、気になる点がないわけではない。映画制作に関する資料の中で「性転換した人間を悪役として描いたこと」「性転換手術を罰のように扱ったこと」への批判があると指摘するインタビューアーに対し、監督はいずれも強く否定し、テーマはあくまで「復讐」だと強調した。

 最近クローズ・アップされている「LGBT」のことを重ね合わせる向きもあろうが、作品を観ていただければ、それとは切り離された「復讐」が描かれていることは一目瞭然だ。

 エンディングはどんでん返しではないのに「そういうことだったか!」とビックリするより「だまされた〜!」と感じた。

 それは「あなたにとって、死ぬよりつらいことは何かな?」と監督から問われたようだった。

※2月10日(土)から「 福岡中洲大洋」などでロードショー

この旅の本当の目的地はどこ?「ロング,ロングバケーション」

2018/01/26

ドナルド・サザーランドとヘレン・ミレンの演技を見るだけでも価値あり!

50年の結婚生活を振り返るシーンでは「それってあるある!」の連発。

アメリカ大陸を北から南に縦断。まさに「珍道中」で笑いの連発。

そりゃ息子夫婦は「親父とお袋が消えちゃった」って心配しますわな。

旅の終わりに近いフロリダ・キーウェストの空はなぜか明るくて…。
(c)2017 Indiana Production S.P.A
 アルツハイマー病が進行する夫に寄り添う妻も末期がんで余命宣告を受けている。

 そんな夫婦が、ある日キャンピングカーに乗ってアメリカ・ボストンの自宅からフロリダのキーウエストへと向かうロードムービー。

 その道中には笑いあり涙ありのエピソードが満載だが、話が進むにつれて気になってくることがある。それは「この旅の終わりには何が待っているのか?」。

 なんといっても、82歳のドナルド・サザーランドと72歳のヘレン・ミレン、二人の名優が秀逸。

 墓場に持っていくような夫婦間の話もセンスの良いユーモアに変え、スライド写真でそれまでの人生を振り返るシーンでは、2人の後ろから覗き込むギャラリーの気持ちになってしまった。

 旅の目的地は、ノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイが住んでいた家で、現在は博物館として旅行客に公開されている場所。

 ドナルド・サザーランドは、ヘミングウェイを敬愛する元・文学教師を演じるため、彼の全ての作品を読み直したというから恐れ入る。

 監督のパオロ・ヴィルズィは「人間の値打ち」「歓びのトスカーナ」などで知られるイタリアの名監督で、ハリウッドからのオファーを断り続けていたが、プロデューサーたちから送られてくる多くの小説の中にあったこの作品にピンと来たという。

 「医者や自分の子供たちに強制される入院からの反逆に惹きつけられた」と語る彼だからこそ、ハリウッドの価値観に「反逆」するようなエンディングを描けたのだろう。

 それは、目的地フロリダの「常夏の空の色」で表現したかった「人間の生き方」であると同時に、主人公をわが身に置き換えて真剣に考えさせてくれる映像でもあった。

※1月26日(金)からKBCシネマなどで全国公開

ロシア映画ってだけで興味沸きますよね!「ガーディアンズ」

2018/01/18

セリフが英語だったらロシア製とは気付かないかも…。

ヒーロー&ヒロインの素性や生い立ちがベールに包まれていて…。

「ガーディアンズ」に指令を出すのも怪しい美女。

(c)2017, Enjoy Movies LLC
 制作国はロシアでセリフもロシア語、主要キャストの出身地はロシア・アルメニア・カザフスタン・シベリアだというのに、ストーリーはマーベルやDCコミックスのノリ。だから興味は膨らむ一方だった。

 SFXやCGのクオリティは高く、ハリウッド作品にも引けを取らない。映像における特殊効果の進歩は、世界標準になっていることの証明だろう。

さらに、上映時間89分の製作費「3億ルーブル」は、日本円にしておよそ6億円!SFアクション映画としては「格安」で、まさに「コスパの良さ」が際立っていた。

 ストーリーは…冷戦下のソヴィエトでは遺伝子操作で特殊能力を持つ兵士を生み出す計画が進行していた。彼らは「岩石を自由自在に操る」「透明人間になる」「超音速で移動し敵を倒す」そして「熊に変身して大暴れする」といった特殊能力を持っている…って、ハリウッド映画でも観たことがあるキャラ。
 
 それって「熊」が「アライグマ」だったらギャグになっちゃうよね〜って感じ。

 舞台としてロシア国内の「名所」もいくつか登場するが、この映像が新鮮。ただ、露出時間が短いのでもったいない気がした。

 そういえば、登場するヒーロー&ヒロインの出生の秘密や生き様が省略されているのが気になった。
 
 そのあたりも出てきそうな続編への期待が高まると同時に「実態はどうなのか?」という点が、国家としてのロシアが持つ「ミステリアスな部分」と重なるのであった。

※1月20日(土)から「ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13」ほかで全国公開。

原作にまつわるエピソードもドラマチック!「ルイの9番目の人生」

2018/01/17

(c)2015 Drax (Canada) Productions Inc./Drax Films UK Limited.
 「これって、どんなジャンルの映画?」って聞かれると、困ってしまう作品だ。

 主人公の少年ルイは、生まれてから9度死にかけ、9歳の誕生日に起こったある出来事によって昏睡状態なり病院でベッドの中。しかも同じ日にパパ(アーロン・ポール)も姿をくらましてしまう。
 
 なるほど、その謎を解くサスペンスなのねと思って見ていると事態はあらぬ方向に展開する。

 やっぱりこれはファンタジーか、いや実はサイコ・スリラーなのでは…といった要素が加わり、さらに話が進むとオカルト的な空気も漂ってくる。

 それぞれのエピソードが時系列で並んでいないことと合わせ、観客を翻弄するような演出の連続だ。

 原作はイギリス人作家リズ・ジェンセンの世界的ベストセラー小説。「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー賞監督賞を受賞したアンソニー・ミンゲラが映画化を熱望していたが、実現しないうちに彼は世を去り、息子のマックス・ミンゲラがプロデューサー兼脚本家として完成にこぎつけたという曰く付きの作品。

 彼らがこだわっただけあって、そのプロット(ストーリー上の重要な出来事)は秀逸だが、原作者のジェンセン自身の家族にまつわる話が元になっているのには驚いた。

 それは、彼女の祖母が行方不明になった自らの息子を探していてスイスで崖から転落してしまった、というものだった。

 つまり、この原作は稀有な実話とそこから創造された小説が混在しているのである。

 怪しいママ(サラ・ガドン)とハンサムな医師(ジェイミー・ドーナン)とのシビアな人間関係や、まだまだ解明されていない精神世界のエピソードなどで息詰まるシーンが続くが、最後は、ルイ役のエイダン・ロングワースをはじめ、スタッフ・キャストに心の中で拍手を送ったほどのハッピーエンドだった。

 ※1月20日(土)からT・ジョイ博多などで全国ロードショー。
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