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アナウンサールーム > 富田薫 > 日記

富田薫|いやいやいやいや〜富田デス。

「ホントにこんなことがあったのか!」という驚き。
「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」

2018/03/27

メリル・ストリープとトム・ハンクスでなければ醸し出せないムードが…。

「ペンタゴン・ペーパーズ」が世に出るいきさつには驚きますよ。

原題は「The Post」。ワシントン・ポスト紙がまさに社運を賭けて政権側と渡り合う。

スティーヴン・スピルバーグ監督の熱意がひしひしと伝わってきます。

(c)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC
 試写会場に行く前からこの作品には特別な想いがあった。

 今から42年前の1976(昭和51)年の「大統領の陰謀」も報道の使命を担う新聞社が舞台であり、それを映画館で見た自分にとっては「両作品を比較して見る」という貴重な体験になるからだ。

 主要登場人物は、ワシントン・ポストのトップで発行人のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と編集主幹のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)。いずれもアカデミー賞受賞の名優だけに、演技はまさに真剣勝負。

 ベトナム戦争が泥沼化していた1971年。アメリカにとって旗色が悪いこの戦争を調査・分析した7千ページもの文書が存在し、その一部を入手したニューヨーク・タイムズがスクープする。

 先を越された格好のワシントン・ポストも当然ながら後を追う。そこでこの文書に絡んでいるニクソン大統領陣営が記事をストップさせようとして…というストーリー。

 しかも、主人公2人と政権関係者との「人間関係にまつわるエピソード」が描かれ、まさに「事実は小説よりも奇なり」状態なのだが、単に当時の内幕を暴露するだけではなく、ジャーナリズムの存在意義にまで言及する重厚な作品だ。

 2時間ほどの上映時間はあっという間で、まばたきすらできないほどの緊迫感が漂う。その演出はあたかもスリラー映画のようであり、突然「ドアノブ」がアップになって恐る恐る開けてみるとそこには…という感じ。

 「ドアノブ」はエンディングにも登場し、その先には70年代のアメリカ政治とは切っても切れないシーンが登場するのであった。

※3月30日(金)から「T・ジョイ博多」「ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13」「福岡中洲大洋」ほかで全国ロードショー

「ブラックパンサー」大ヒットの要因は…

2018/03/01

(c)Marvel Studios 2018 All rights reserved.
 なんといっても「マーベル」である。しかも、主人公は2016年の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に登場しているが、秘密がすべて明かされたわけではない。さらに、GW公開の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」につながる重要な物語…と何拍子もそろっているからヒットするとは思ったが、アメリカでのオープニング(2月16日〜)週末興行収入が映画史上歴代5番目を記録。2週目の週末(2月23日〜)も1億ドルを超える(約110億円)大ヒットになっているのだ。

 具体的に、これまでの全米公開2週目の週末興行成績ランキングを見てみると、トップが「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015)」、2位がこの作品で3位に「ジュラシック・ワールド(2015)」、4位「アベンジャーズ(2012)」、5位「美女と野獣(2017)」なので、もはや「ティラノサウルス」も「アイアンマン」も「野獣」も「黒豹」の前でショボンとしているのである。

 興行成績の話が長くなったが、主要登場人物がすべて黒人というのがこの映画の特徴だ。体の鍛え方がハンパないチャドウィック・ボーズマン演じるブラックパンサーは「アフリカ大陸にあるとされる国の国王にしてアベンジャーズの一員」という設定で、このキャラクターを50年以上前の1966(昭和41)年に生み出した文化度の高さには恐れ入る。

 民族衣装に身を包み、アフリカ文化を反映したメイクで格闘技を行うかと思えば、一転してSFの世界になだれ込み、返す刀でアジアの街角でアナログなチェイスが展開される。

 荒唐無稽な展開だが、それを破綻なく進める監督(ライアン・クーグラー)には、技量と共に「映画に対する愛情」を感じた。

 とは言え、アクション・シーン連発で最後はハッピーエンドという単純な話ではない。「人を傷つけるのは悪いに決まっているが、やむを得ない時もあるのでは?」といった倫理面にまで踏み込む演出もさすがマーベルだ。

 現代社会を「マイノリティの側」から見て主要先進国の価値観を批判し、決め台詞が「愚か者は壁を作るのだ!」とくれば、トランプ政権への皮肉なのは一目瞭然だ。

 ただ、映画館で拍手喝采する国民がこれほど多いということは、この作品の興行成績はアメリカ社会の「フラストレーションの大きさ」に正比例していると思えたのである。

 ※3月1日(木)から「ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13」「T・ジョイ博多」ほかで全国公開中。
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