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毎週土曜 午前10:00~

放送内容

5歳児健診

2024年04月20日

[過去の放送内容]

今回、5歳児健診についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院 小児科 主任教授の
永光信一郎 (ながみつ しんいちろう) 先生です。

■5歳児健診とは

5歳児健診とは、
標準的には、4歳半から5歳半になる子どもが受ける健診になります。
法定健診ではないために、自治体によっては自費で行われていましたが、
今年より、国から補助金が出ることになりました。


■5歳児健診の意義

小学校入学前の秋から冬にかけて“就学前健診”がありますが、
就学目前ということもあり、
子どもの困り事や発達の相談について十分に聞く時間がありません。
5歳児健診は、入学する1年から1年半前に行われるので、
十分に時間を取れます。
勉強についていけるかな?集団行動ができるかな?などについて
入学前に相談を受けることができます。
もし必要があれば支援を始めることもできるので、
困り事や悩み事を抱えたまま入学しなくて済みます。


■内容

5歳児健診の内容は、自治体や担当する医師により違いがありますが、
基本的には、身長や体重などの計測や問診、
就学準備や栄養についての相談などが行われます。


■3歳児健診との違い

3歳児健診は実施が義務付けられている法定健診ですが、
こちらでは、主に名前や年齢が言えるかを確認します。
5歳児健診では、すでに就園している子どもがほとんどなので、
行動面や情緒面の発達を確認することになります。


■具体的な確認

5歳になって、言葉のやりとりができるようになると、
本人が発する情報量も増えます。
5歳児健診では、そのやりとりの中から、
困っていることや不安なことがないかを見つけていきます。
例えば、指示に従えない、呼んでも無視する、こだわりが強い、
一人遊びが多い、落ち着きがない、言葉の発音が不明瞭だ、
そのような相談が多いと思います。
そのような場合は、保育園や幼稚園の先生からも情報をいただいて、
実際にその場面を観察させてもらうこともあります。
そして、子どもが困らないようにするにはどうしたらいいのかを、
関係者と連携しながら検討を重ねていきます。


■さらに注意点が

保護者のみなさんに気をつけて欲しいのが、睡眠です。
日本の子どもは、世界で最も睡眠時間が短いと言われています。
睡眠時間と子どもの発達成長は大きく関係していると言われているので、
適切な睡眠環境と時間を確保することが大切です。


■ある研究成果

最近、5歳児健診を受けることである成果を得られたという、
興味深い研究結果が報告されました。
今は不登校の子どもがとても増えています。
大分県のとある地域での研究では、
2009年~2011年、不登校の発生率が0.45%だったのに対して、
2012年~2014年、
5歳児健診をほとんど受けた学年の不登校の発生率は0.04%で、
約10分の1にまで下がったという研究の成果があります。
この成果については、5歳児健診で困り事や不安な事を事前に見つけて、
いち早く対策をしたことが良かったのではと考えられています。


■まとめ

勉強についていけるだろうか?友達を作れるだろうか?
集団で上手くやっていけるだろうか?
保護者の方々は悩みを抱えておられます。
そんな保護者の方々に対して、
医療・教育・福祉・保健が連携して支援をして、
子どもが健やかに楽しく小学校生活を送れるようにすることが、
5歳児健診の目的となります。
5歳児健診の受け皿が十分に整い、
全国に広がっていくことが期待されています。

過去の放送内容