2012/3/30
韓国で定番の中華料理のひとつにチャンポンがあります。店によって違いますが5000から6000ウォン(350円〜420円)と手頃でジャジャン麺と人気を二分する存在です。(赤い)チャンポン専門のチェーン店も街のあちこちで見えるほど。ただ、私たち日本人になじみのあるチャンポンとは見た目も味も大きく違っています。豚肉やイカ、エビなどの魚介類、白菜、にんじんなど様々な具材が入っているのは同じですがスープの色は真っ赤。大量の唐辛子の粉が入っているためです。それだけに相当な辛さで、日本で食べる濃厚なスープを想像していると痛い目にあいます。辛いもの好きにはおいしいものなのですが・・・

いっぽう白いスープのチャンポンは長崎チャンポンとして区別して認識されています。居酒屋など日本食を出すところで食べることができます。麺料理ではなく鍋料理として提供しているところもあり、肉、野菜とスープだけで麺が入っておらず驚いた経験もあります。こうした韓国式長崎チャンポンが少し前から韓国でブームになっているのです。火付け役は韓国の三養食品が発売しているインスタント麺、その名も「長崎ちゃんぽん」。日本でもおなじみの「辛ラーメン」を脅かすほどの売り上げで、「白いスープの反乱」と韓国メディアが取り上げたほどです。ただ味は日本の長崎チャンポンとは似て非なるもの。スープは白いのですが青唐辛子が効いてひりひりと辛いのです。辛いもの好きの韓国人好みにアレンジされてしまっている印象です。
韓国では日本料理がアレンジされることは珍しいことではありません。おでんもそのひとつ。ネタはほとんどの店が練り物のみ。醤油ベースのだしであることは間違いありませんが唐辛子も入っていて辛いのです。これはこれでおいしいのですが、おでんかと言われると「?」と首を傾げてしまいます。
「本場と違う味が長崎チャンポンとして定着してしまうのはまずい」 今月22日、韓国釜山(プサン)市で本場の長崎チャンポンの実演講習会が開かれました。企画したのは長崎市。長崎から料理人を招き、プサン市内の飲食店関係者に本場の味を伝授しました。釜山市では韓国式長崎チャンポンをウリにチェーン展開している居酒屋が多いということで早めに手をうったのです。

年間500万人が行き交う日本と韓国。若者を中心に本場の味を楽しみたいと言う人達は確実に増えています。長崎市釜山事務所の佐々木康夫所長は韓国式長崎チャンポンのブームについて「悪いことばかりではない」と見ています。本場の味を浸透させ輸出を増やすことがひとつ。また、それ以上にチャンポン効果で長崎の名は今や全国区です。ブランド力を活かした多くのビジネスチャンスにつながる可能性があるというのです。実演講習会ではチャンポンだけでなく長崎の蒲鉾を使った本場のおでんも好評を博していたとか。「本場の味の反乱」となるか、長崎のチャンポン戦略が始動しました。

ANN特派員
野村友弘
鹿児島県出身。 九州大学大学院工学研究院修了後、1999年九州朝日放送入社。
報道部→「テレビ朝日報道ステーション」ディレクタ―を経て再び報道部へ。
2010年10月からテレビ朝日系列(ANN)特派員としてソウル支局に在任。
