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イシバシ特派員のビシバシ韓国通信
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第13回 板門店
【2006.10.13】
北朝鮮が核実験を実施したと声明を発表した2日後の10月11日、南北軍事境界線にある板門店を訪れた。
韓国と北朝鮮の兵士が24時間睨み合い、常に緊張状態が続く南北境界線。
私自身、過去何度か板門店を訪問したことがあるが、北朝鮮が核実験を実施した直後ということで、どれほど緊張感が漂っているのだろうか・・・。
今回は、私もいつになく緊張してくるのを感じていた。

僅か数十メートルのところで、睨み合う南北の兵士たち。我々取材団が到着するとすぐ、北の兵士たちがたくさん集まって来た。見える範囲で12人。これほど多くの北の兵士を目の当たりにするのは初めてだ。ずんずん韓国側に迫ってくる。あり得ないことだが、韓国側に入ってくる勢いだ。
そして連合軍(韓国側)と北朝鮮軍の4人対4人の協議がおよそ10分間行われた。

その場で駐韓米軍から説明があった。
北の兵士たちは「なぜこんなに多くのマスコミが来ているのか!?」と厳しい表情で問い質してきたという。
実はそもそも、この南北の協議は予定されていたものだった。
今年7月、北朝鮮を襲った大雨で、北朝鮮では数百人とも数千人とも言われる人が亡くなった。民家は流され鉄道や道路は寸断された。甚大な被害が出た。その時、一人の北朝鮮兵士が行方不明となり、その兵士の遺体が川に流され、韓国側にたどり着いたという。
突然行われたと思われた南北の軍事協議は、その遺体の引渡しを巡る話し合いだったのだ。

北朝鮮兵士は我々マスコミの方に顔を向けていたので、じっくり顔の表情を伺うことが出来た。怒ったような厳しい表情をまったく変えようとしない。何に怒っているのか、時々我々マスコミに視線を移し睨み付けてくる。思わず、負けてなるものかと睨み返すが100人近くのマスコミの中、私の視線に気づく兵士はいない。私の睨み返した視線は空しくそのまま宙を泳いだ。

在韓米軍広報官にインタビューした。

「この板門店、普段と変わりは無いか!?」
「南北兵士のモチベーションは変化したか?」
「緊張感は一段と高まったのか?」


彼によると、

「この板門店は普段からでも緊張状態にある。しかし、この2日間、いつにも増して緊張感が高まっている。特に北朝鮮の兵士はピリピリしている。彼らは北朝鮮が10月9日に核実験を実施したと声明を出したことを知っているようだ」

ということだった。さらに在韓米軍広報官は、

「気持ちが高揚しているのだろう。韓国側の兵士を前に、俺たちは核兵器を持っているんだと優越感に浸り、北朝鮮軍の士気が高まっているようだ。」

と、続けて解説してくれた。

北朝鮮の金正日体制は緩んできたのではないかと指摘する専門家がいる。本当に核実験を行ったのかどうか各国が調査しているが、アメリカを中心とした制裁に対する報復、核の保有を主張し軍事力を誇示することで世界での発言力を強める、などと核実験実施宣言の目的の背景を巡り、様々な指摘が飛び交っている。
しかし、板門店で取材した限り、北の目的の一つだったと見られる、軍の士気高揚は間違いなく達成できたようだ。
追加の核実験が近く行われるのではないかとの観測もあり、気の抜けない日々が続く・・。
奥の兵士は北朝鮮軍 手前で韓国軍が打ち合わせ
マスコミ約100人が板門店を訪れる
奥の建物は北朝鮮の軍施設「板門閣」
突然始まった南北軍事協議
足元のコンクリートを互いに踏み越えてはならない
北朝鮮の軍施設「板門閣」
小屋のような建物で普段、協議が行われる
板門店近くの都羅山展望台
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