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| 【2006.11.7】 北朝鮮@からつづき 北朝鮮に入ると雰囲気は一変する。北朝鮮軍の兵士が辻々に立哨し、金剛山に立ち入ることが出来るとはいえ、自由に取材することは許されない。バスの移動中の撮影も一切できない。バスの窓越しには北朝鮮兵士が睨みをきかせている。 ミサイル発射や核実験宣言など、世界を敵に回し、国連による制裁決議が採択される中、今後の北朝鮮の出方に注目が集まっているが、その北朝鮮はまさに軍事独裁政権であることを再確認した。 北朝鮮にとって、金剛山は外貨獲得のための貴重な観光資源だ。98年に始まった金剛山観光はこれまでに136万人もの人が訪れている。そのうち、韓国人以外の外国人はおよそ8000人程度で、日本人は僅か800人しか訪問していない。(※データはすべて観光事業を推進する現代峨山発表)もちろん第2次世界大戦以前、日本が朝鮮半島を占領していた時代は多くの日本人が訪れたであろうこの金剛山は、今も南北朝鮮民族にとって、最も有名でシンボリックな景勝地だ。金正日総書記が金剛山を訪問したときの写真が、朝鮮中央テレビで放映されたのを見たこともある。 泊まった金剛山ホテルでは、少し画面が乱れていたとはいえ、韓国からの主要テレビも普通に見ることが出来る。ホテルの部屋は少し硬いがベッドが二つ、シャワーもお湯も問題なく使用できる。実に快適な部屋だった。 今年オープンするはずだった建設中の金剛山ゴルフ場を訪れた。背景に金剛山を望む絶好のロケーションだ。韓国側の代表者に聞くと、ミサイル発射・核実験実施宣言以降、建設資材が思うように届かず、オープンは来年夏にずれ込むことになったと言う。 しかし小高い丘の上から見た周囲の風景は、実に美しかった。 南北が共同で開発を進める農業事業所を訪ねた。広大な敷地には、数十にものぼる大きなビニールハウスの中で、唐辛子やナス・キュウリ・大根などを栽培していた。その広大な敷地を囲むフェンスの先でも北朝鮮兵士が我々に睨みを利かせていた。そのさらに先に、小さな民家をいくつも望むことが出来、屋根からは白い煙が幾筋も上がっている。民家から、我々とは一切接触できない北朝鮮市民の姿が見えた。粗末な服で身をまとい、こちらを伺っている。そのすぐ傍には北朝鮮兵士が歩いている。フェンスの先で兵士を横目に暮らす北朝鮮市民には、果たして我々がどのように映っているのだろうか…。 ツアー最終日には多くの観光バスが駐機する大きな土産物屋を訪ねた。人目を引くようなものは何一つ見つからなかったが、その中にちょっと違和感を感じる店を発見した。看板には「アメリカ直輸入免税店」と書かれており、朝鮮人参酒や健康サプリメントなどが売られていた。 その土産物屋から程近いところには、日本でもお馴染みのコンビニエンスストア「ファミリーマート」もあった。商品はすべて韓国から持ち込まれたもので、値札はUSドルで表示されている。旅行者は金剛山に500ドルまで持ち込むことが出来るが、土産物屋でもコンビニでも、USドルと韓国ウォンが使えると店の人は教えてくれた。 北朝鮮に流入する外貨ストップを声高に叫ぶ世上の中、ドルもウォンも使える矛盾に戸惑いつつ、店でものを買う気は完全に失せてしまった。 金剛山観光事業を手がけている韓国の企業「現代峨山」の人から面白い話を聞いた。金剛山観光で働いている北朝鮮人は金剛山で生活している人だけで、他は、韓国人と中国人だという。(中国人は中朝国境の中国人朝鮮族で、金剛山まで呼んで働かせているということだった。)金剛山で垣間見ることができる若干開かれた資本主義の姿を、平壌やその他の地区の北朝鮮一般民には見せたくないという北朝鮮政府の本音が見え隠れする。 ★注意:日本外務省は10月13日、北朝鮮に対する渡航情報(危険情報)を発出した。北朝鮮への渡航・滞在を予定されている方は、引き続き目的の如何を問わず、渡航を自粛してください。というものだ。取材を通し安全確保が得られると判断できたために私は北朝鮮に入ったが、一般の方は北朝鮮行きについては十分熟考をお願いしたい。 |
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