アサコレ!コラム富田薫ひとり語り。日々の発見やチャレンジなどをつづります。(6:10放送)
2016年11月10日放送
渡り鳥はいつ眠るのか? 〜眠れぬ夜〜
福岡市東区の和白干潟に「冬の使者」…クロツラヘラサギとミヤコドリが飛来しています。クロツラヘラサギは絶滅危惧種に指定されていて、本来はベトナム・台湾・香港などで越冬しますので貴重な姿。ミヤコドリも繁殖地はロシアなどで、中国南部や日本で越冬します。
では、こういった渡り鳥、最長でどのくらい長距離飛行をするのか?スウェーデン・ルンド大学の研究チームが、夏に飛んで来る渡り鳥「ヨーロッパアマツバメ」に約1グラムの小型装置を付けて確かめたところ…約10カ月間にわたり一度も着地せずにヨーロッパとアフリカ大陸との間を往復していることがわかりました。
この「ヨーロッパアマツバメ」は、全長20センチほどで、春先にヨーロッパなどで巣を作り、秋以降はアフリカ南部で冬を越します。飛ぶのに適した流線形の体で、生活の多くを飛びながら過ごすことで知られていました。ヒナを育てる約2カ月以外は、食事も空中で昆虫を捕まえて済ませます。
でも、大きい疑問があります。それは「10カ月も空中を飛び続けていったいいつ寝るのか?」ということ。
このヨーロッパアマツバメ、夜明けごろ数キロ上空まで上昇したあと地上に向かって滑空し、その際に眠っているんだそうです。よく「特技はどこでも眠ることができる」なんて方がいますが、上には上があるものですね。
M「眠れぬ夜」オフコース
※イルカやマガモなどでは大脳の半分ずつが眠る「半球睡眠」が知られています。