なぜ人気?“なんもしない人”レンタル 利用者は…

06/10 17:23 更新

 「心の隙間」を埋める不思議なレンタルサービスに注文が相次いでいる。ただ、そこにいるだけでいい、名付けて「なんもしない人」。一体、どんな人が利用しているのだろうか。  求めているのは家族でもなく、恋人でもなく、友達でもない。何もしないで一緒にいる人。東京・池袋のカラオケ店。1人はひたすら物まねの練習を繰り返し、もう1人はそれを見ているだけ。この2人、友達ではない…。  物まねをただ見ていてほしいと依頼を受けたのは森本祥司さん(35)。「レンタルなんもしない人」という驚きのサービスを去年6月から始めた。レンタル料金は驚きの無料。交通費など経費のみを受け取る。依頼者の数はこの1年で延べ1000人を超える。依頼のなかには訳ありなものも…。  過去に池袋でぼったくり被害に遭い、それから池袋恐怖症になった男性(20代)。克服したいので池袋を一緒に歩いてほしいという。雑談しながら歩くこと40分。  依頼者(20代):「(森本さんと)道中、話せて気が楽だった 。気を紛らわせられた。友達だと逆に気を遣わせてしまうだろうし」  後を絶たないのがこうした赤の他人である森本さんに話を聞いてほしいという依頼。こちら、来年に結婚を控えている女性もそうだ。  依頼者(20代):「私はレンタルさん(森本さん)に話を聞いてもらえて本当に助かった。心が救われた…」  現在、レンタル業の収益はゼロで貯金を取り崩して生活している。森本さん、前は文章を書く仕事もしていたが、元々、何もしたくないという気持ちが強く、そのままサービスにしてみただけだという。親しい人よりは遠く、他人よりは近い。そんな、なんもしない人との距離感を求める人が増えている時代なのかもしれない。