大統領の思惑は パレスチナ訪問直前に反発招く行動

05/23 17:08 更新

 外遊でイスラエル重視をアピールするトランプ大統領ですが、現在、イスラエルと緊張関係にあるパレスチナ自治区を訪問中です。  (山下達也記者報告)  オバマ前大統領はイランにかなり近付いたので、敵対するイスラエルやサウジアラビアが怒っていたのは確かです。一方で、イランの核開発をある程度、抑えるという合意をしました。これについて、実はアメリカ国内でも共和党を中心に不十分だという批判はずっとありました。トランプ大統領もそれを代弁しているといえます。一方、この合意は、ヨーロッパや中国、ロシアも含めて枠組みで合意したものです。簡単にひっくり返せないもので、トランプ政権も代わりにどうするか全く示せていないです。今回、トランプ大統領は外遊で、イランを過激派組織「イスラム国」と並べて強く批判しています。これは、北朝鮮に次ぐ新たな政権浮揚の材料にする標的にしているという指摘もあります。そして、今回のアッバス議長との会談では、トランプ大統領から中東和平の具体策が提示されるかというふうには、アメリカメディアも含めて思っていないです。むしろ、トランプ大統領こそ、ちょっと火種になっているとの指摘が出ています。というのは、嘆きの壁の訪問もパレスチナの反発を買い、中東が大もめになるといわれているアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移すという案もくすぶっています。トランプ大統領お得意の、まず高めの球を投げて“かます”という戦略だと思いますが、複雑な情勢の中東のなかでは、なかなか通用しないとみられます。実は、トランプ大統領はネタニヤフ首相との会見で、中東和平について「最も難しい取引だと聞いた」というふうに語り、今さらになってこの中東の複雑さを学んだのではないかと心配する声も出ています。