ロヒンギャ虐殺と性暴力 邦人助産師が見た実態は?

02/20 21:05 更新

 去年8月、ミャンマーの治安部隊とイスラム系少数派「ロヒンギャ」の武装集団の間で衝突が起こりました。あれから半年が過ぎた今、70万人近いロヒンギャがバングラデシュにいるということです。そんななか、19日に現地で支援活動を行ってきた「国境なき医師団」の医師ら3人が日本に帰国、会見を行いました。彼らは現地で一体、何を見てきたのでしょうか。  仏教徒の多いミャンマーでイスラム系少数派のロヒンギャはバングラデシュからの不法移民とされ、長く差別と迫害を受けてきました。去年8月からロヒンギャの武装勢力と治安部隊の衝突が続き、事態は深刻化しています。先月5日にはイスラム系ロヒンギャの武装組織が治安部隊の車両を襲撃し、3人がけがをしました。そして、ロヒンギャの武装勢力とミャンマー政府との対立が続くなか、バングラデシュに避難する人が後を絶たないといいます。バングラデシュの難民キャンプを捉えた映像、地上にあるテントすべて、ロヒンギャの人々が逃れてきて生活しているというのです。避難したロヒンギャは悲惨な現状を語っていました。  難民キャンプに避難したロヒンギャの男性:「女性はレイプされ、乳房を切り落とされている人や首を切り落とされている人が散乱していた」  女性は刃物で切られたのでしょうか。首筋には生々しい傷痕が残っていました。  難民キャンプに避難したロヒンギャの女性:「家に入った直後、私が抱っこしている子どもを強引に取り上げ、私の目の前で投げ殺したのです。そして、私たちはレイプされました」  国連の推定では、隣国のバングラデシュに避難したロヒンギャは65万人を超えているといいます。現地でロヒンギャの支援活動を行う国境なき医師団が難民キャンプの人々の生活を捉えた映像、感染症が蔓延(まんえん)するなど、子どもたちの健康状態は深刻な事態に陥っているといいます。この事態は解決できないのでしょうか。去年11月、ミャンマーとバングラデシュとの間で避難民の帰還に向けた合意を発表。日本の河野外務大臣は先月、ミャンマーを訪れてアウン・サン・スー・チー国家顧問と会談しました。  河野外務大臣:「避難民の帰還は分断を作り出すのではなく、融和を進めながら細心の注意を払って進めていく必要がある」  そして、迫害を受けているロヒンギャの状況を改善し、ミャンマーへの帰還を促すために25億円余りの支援を表明。バングラデシュ政府は帰還開始を先月23日に予定していましたが、避難民のリスト作成が遅れていたため、延期していました。  そんななか、19日にロヒンギャ難民の支援活動をバングラデシュで行っていた国境なき医師団が東京都内でその厳しい現状の報告会を開催。助産師の小島さんは女性への性暴力の苛烈(かれつ)さを訴えました。  国境なき医師団・小島毬奈助産師:「大体の人が家族の前で繰り返しレイプされて、(家に)火が付いていたというのがほとんどの人に共通するストーリーだと思った」  これが多くの人が語るというストーリー。空き家に入れられて気を失うまで強姦(ごうかん)された人や逃げる途中に妹が撃たれたなど、目を覆うような凄惨(せいさん)な現状を目の当たりにしたといいます。しかもこれはすべて1人の女性が体験したことだといいます。一体、誰がそんな凶行に及んでいるのでしょうか。  国境なき医師団・小島毬奈助産師:「制服を着た人だったと。警察だったというのもあったみたいで、『制服を着た人が突然、家に来て…』と話していた」  しかし、ほとんどの被害者がその事実を口にできないといいます。その理由は、ロヒンギャの人たちは「結婚前の妊娠は一族の恥」だという考えがあるからだといいます。さらに、被害者のなかには幼い子どもたちも。  国境なき医師団・小島毬奈助産師:「一番、小さい被害者が8歳から9歳になったばかり。話を聞くことで、また精神的に追い込む部分があった。その辺りが難しいところ」  被害に遭うのは力なき者たち。国境なき医師団のベッドには体中に傷を負った子どもたちの姿が。