金正恩氏が軍事パレード強行!平昌五輪前日になぜ?

02/08 21:02 更新

 9日はいよいよ平昌(ピョンチャン)オリンピック開幕。しかし、そんな平和の祭典に参加する北朝鮮が8日、軍事パレードを行いました。新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星15」も初披露。このタイミングでの軍事パレード。北朝鮮の狙い、そして思惑とは。  北朝鮮の朝鮮中央テレビが8日午後5時半から、朝鮮人民軍創建70年の記念日を祝う大規模な軍事パレードの様子を放送しました。韓国国防省関係者によりますと、北朝鮮は平壌で午前11時半から軍事パレードを行ったということです。そして、金正恩委員長は李雪主(リ・ソルジュ)夫人とともに出席しました。金委員長は、核・ミサイル開発を続ける意向を示しました。  そして、パレードの後半に登場したのが、金委員長が開発を続ける意向を示したミサイルの数々です。そして、最後に現れた片側9輪の車両で運ばれていたミサイルが「火星15」。そう、去年11月に発射を成功させ、射程圏内はアメリカ全土といわれている、あのICBM「火星15」をこのタイミングでお披露目してきたのです。これらのミサイルを見つめる金委員長は満面の笑顔です。  韓国の平昌で行われるオリンピックの開会式を9日に控えるなか、北朝鮮は今回の軍事パレードを国内の祝賀行事と位置付け、海外の高官や報道陣は招待しませんでした。平昌オリンピックに向けて韓国との関係改善を図る一方で、圧力を強めるアメリカに対して核・ミサイル技術を誇示する狙いがあるとみられます。  一方で、美女応援団が韓国入り。8日午前には北朝鮮選手団の入村式に登場。ダンスと音楽で選手たちを激励していました。さらに、金委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)氏が韓国入りの予定。それは歴史的なこと。ロイヤルファミリーとしては初のことなのです。開会式を9日に控え、華やかなセレモニーが行われるなか、朝鮮半島情勢はオリンピック後を見据えてなのか、着々と動き出しています。  CNNによりますと、アメリカのトランプ大統領が、ワシントンでの軍事パレード実施を検討するよう国防総省に指示を出していたことが明らかとなったのです。  そして、9日には日韓首脳会談が行われます。焦点は北朝鮮問題とみられていますが、その北朝鮮を巡って注目される問題が、有事の際の「在韓邦人退避」。現在、在韓邦人は3万8000人ほど。観光客を合わせると6万人に上るとされています。そんな6万人がいる朝鮮半島で、もし有事が発生したらどう退避させるのか。実はその退避計画に様々な問題があることが分かってきたのです。  話は今から24年前に戻ります。朝鮮半島が有事寸前まで緊迫したことがありました。時代は、アメリカはクリントン大統領、日本は細川総理大臣の時代。クリントン大統領は、北朝鮮の核開発を発端に核施設攻撃を計画していたといいます。そして、北朝鮮を追い込むために日本に協力を求めてきたというのです。この時、日本政府に突きつけられたのは、有事の際、韓国にいる日本人をどう避難させるかという問題。  細川政権で官房副長官・石原信雄氏:「当然想定されておりました。朝鮮半島でコトが起これば当然、在留邦人を気にしなきゃなりませんし、それから韓国の人たちも相当避難してくるだろうし」  この時はカーター元大統領の電撃訪朝で北朝鮮との話し合いが持たれ、危機は回避され、邦人退避は実施されませんでした。  石原信雄氏:「大量の避難民をどう受け入れるという具体的な手順まで議論したというところまで至らなかった。当時は、朝鮮半島の問題に関しては、関係者は危機意識を持っていましたけど、それを国内に知らせることは逆に不安を醸成するようになりますから、あえてしなかった」  この大きな課題に対し、当時の政府では十分な議論はなされなかったと言います。しかも、あれから24年たった現在も…。  石原信雄氏:「根底まだシミュレーションできてないわけですよ。今ではまだ」  現在、邦人退避計画は存在しています。実行するのは自衛隊。タイなどでも在外邦人救出訓練を進めています。しかし、永岩俊道元空将は、在韓邦人への情報提供や救出には韓国や他の省庁との連携が不十分だとしています。  永岩俊道元空将:「自衛隊の中では訓練しているんですけども、まさにいずれかの空港に邦人を集めるという役割は別の官庁なんです。そことの連携をうまく実施できた訓練というのはなかなかできていない。残念ながら今の状況では安全保障にかかわる今言った具体的な枠組みをきちんと議論することすらできていませんので」  そして、政府の「在韓邦人の退避」計画書には、基本方針として「自助努力による退避」と記されています。つまり、自己責任です。いつ起こるか分からない朝鮮半島有事。政府の避難計画は在韓邦人の安全を守ることはできるのでしょうか。