パレード内容も中朝友好アピールも随所に対米意識か

09/09 17:25 更新

 建国70年を迎えた北朝鮮で軍事パレードを取材した森林華子記者から報告です。  (森林華子記者報告)  今回のパレードはこれまでのものとは違って国際社会、特にアメリカへの配慮を強く感じました。9日午前10時から始まったパレードでは、金正恩委員長が中国の最高指導部序列第3位の栗戦書氏と金日成広場の檀上に姿を現しました。米朝首脳会談で北朝鮮が約束した非核化についての発言が注目されましたが、演説は金委員長ではなく、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が行いました。これまで核やミサイルなどアメリカの武力に対抗する発言が多く見られましたが、今回はアメリカを名指しする表現は一切ありませんでした。さらに、弾道ミサイルは1つも登場しませんでした。また、パレードの時間は2時間とこれまでとそう変わらないのですが、登場した兵器の数は極端に少なく、軍人や市民の行進の時間が非常に長く感じました。アメリカと非核化を巡る協議が難航するなかで、今は「刺激しない」という意図があるとみられます。今回、特に印象深いシーンがありました。檀上で金委員長は中国の栗氏と手をつないで中国と北朝鮮の友好をアピールしましたが、現場で見ていると金委員長の積極さに比べ、栗氏はやや控えめな印象を受けました。中国は北朝鮮の「後ろ盾」としての存在感を示しつつも、その役割に疑いを抱くトランプ政権をことさらに刺激するのは得策ではないと判断したとみられます。