丹精込めた特産品が一瞬で…農業の復興・再建に暗雲

07/16 17:04 更新

 今回の西日本豪雨は、農林水産業にも甚大な被害をもたらした。被害額は436億円。豪雨が残した爪痕は、被災した人たちの生活再建に暗い影を落としていた。  丸々と実った桃。出荷を今か今かと待ちわびていたという。しかし…。岡山県総社市福谷地区。川からあふれ出た濁流が特産品である桃の木を直撃していた。あの豪雨から1週間。農林水産業への被害が明らかになってきた。その額、436億9000万円。内訳は農作物や農地林道や水産物など多岐にわたっている。15日に続いて2日連続の猛暑日。地区の住民らによる復旧作業が行われていた。この場所で50年あまりマスカットを作り続けてきた仮谷さんは…。  マスカット農家・仮谷真戊留さん(71):「本当に収穫を待つばかりの状態で、半年丹精込めて作ったんですけど、一瞬にしてこういう状態になってます」  被害額はマスカットだけで約250万円。東京で買えば1房4000円から5000円の高級品だという。さらに、今回の豪雨は復興へ踏み出す気持ちさえ折ってしまっていた。  専業農家・仮谷昌典さん:「被害額だけでいうと(この地区)全体で1億くらいいくんじゃないですかね。(若いので)先頭切ってやらなきゃいけないと思うんですけど、5年に一回浸水するような地区、50年に一回こんな災害があるような地区で、もう一回こういうことを始める勇気がちょっと今は湧かないですね」  JA広島市の職員:「約10棟は崩壊ですね。ここに38棟、約40棟あるんですけど、ほとんど水につかっているような冠水状態」  広島市安佐北区白木地区。このハウスではお盆用の青ネギなどの収穫が始まっていたという。4棟のビニールハウスが被害に遭った橋本さん。  専業農家・橋本光弘さん(47):「うちの総面積の4分の1が ここにあったので、これから先が不安です」  橋本さんには高校生と中学生の子どもが2人、従業員も5人雇っている。  専業農家・橋本光弘さん:「(ハウスの支払いが)1600万円です。8年払ってあと2年。現実問題、そっちがやっぱり気になりますよ。子どももまだ育てないといけないし従業員もいるし」  一方、愛媛県内で有数の柑橘の産地、宇和島市吉田町では被害の把握のためドローンが飛ばされた。急斜面に作られたミカン畑など広い範囲での被害を確認した。