追突直後に「はい終わり」 法廷で“瞬間”の映像が

01/15 16:54 更新

 バイクに乗った大学生を車であおって追突して殺害した罪に問われている男の初公判で、一部始終を記録した映像が公開された。  遺族の心の整理もつかぬまま迎えた初公判。紺色のジャケットを着た中村精寛被告(40)は落ち着いた様子で法廷に立って殺意を否認した。大阪府堺市でバイクに乗っていた大学4年の高田拓海さん(当時22)が車に追突されて死亡したのは去年7月。検察は車を運転していた中村被告がバイクに追い抜かれたことに腹を立て、執拗(しつよう)にあおったうえで故意に追突したとして、あおり運転では異例の殺人罪で起訴していた。しかし、中村被告は15日に行われた初公判で事故を起こしたことは認める一方、殺人罪については無罪を主張した。一方、検察側は追突すれば被害者もろとも転倒する危険を認識しながらあえて追突したと主張。  一部始終が記録された中村被告のドライブレコーダーの映像を公開した。現場となったのは交通量の多い府道。午後7時半ごろのことだった。中村被告の車が車線変更した後、目の前を走る高田さんのバイクに接近。クラクションを鳴らしながらあおり運転を繰り返す。当初、時速70キロほどだったが、約1キロにわたって追い掛け、追突する際には100キロ近くに達していた。ブレーキを掛け始めてからわずか1、2秒後のことだった。さらに、ドライブレコーダーには衝突後、しばらく走行した後に中村被告が発した声も記録されていた。「はい。終わりー」とつぶやくと、中村被告はようやく速度を落として停止した。傍聴席にはすすり泣く声が響いた。  検察側:「これらの証拠から被告人が本件を事故と合理的に説明できない場合、本件は事件」  これに対して弁護側は…。  弁護側:「被告人が被害者に立腹し、追跡。故意に衝突した事実はない。バイクに危険を感じ、被害者にクラクションで危険を知らせたかった」  そう主張し、事件ではなく事故。過失運転致死の罪にとどまるとしている。