「子ども作れない…」41年連れ添った妻へ最後の告白

05/17 17:24 更新

 障害者らに強制的な不妊手術が行われていた旧優生保護法を巡り、男女3人が謝罪と賠償を求めて国を提訴した。長年連れ添った妻に真実を隠し続けた男性の苦悩を取材させて頂いた。  2人に子どもはいない。夫が14歳で不妊手術を強いられたからだ。  旧優生保護法のもと、本人の同意がないまま障害者に不妊手術が行われていた当時、夫も素行が悪いという理由で手術を受けさせられたという。やがて妻と見合い結婚。  不妊手術で国を訴えた北三郎さん(仮名・75):「(Q.ハンサムですね)若い時だからね」  この時、不妊手術のことを妻に告げられなかったことが夫を苦しめ続けた。  不妊手術で国を訴えた北三郎さん:「よその子どもをあやして(いると)、目を背けて喉から手が出るくらい子どもが欲しかった」  言えないまま41年がすぎ、妻が病に倒れた。最期の時、それまで隠してきた秘密を夫は打ち明けた。  不妊手術で国を訴えた北三郎さん:「『俺、隠していることがちょっとあるんだけど』って。(妻が)『なあに?』って言うから『子どもが生まれないような手術を俺したんだよ』と言ったら『ふうーん』ってうなずいて、『ご飯だけはちゃんと食べてね』と。まもなく息を引き取った」  「ごはんを食べて」とだけ言い妻は旅立った。  あれから5年。妻の遺骨は寺に預けてある。墓はつくらないと決めた。  不妊手術で国を訴えた北三郎さん:「子どももいないし、誰も(墓を)守ってくれる人がいないし」  夫は17日、国を訴えた。  不妊手術で国を訴えた北三郎さん:「(Q.国にどのような対応を求める?)今までの人生を返して下さい。思いを伝えたい」  札幌や仙台でも不妊手術を強制されたとして一斉提訴が行われた。