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高血圧ワクチン

 
今回、高血圧ワクチンについてお話を伺ったのは、
大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 教授の
森下竜一(もりした りゅういち)先生です。


■高血圧ワクチンとは

高血圧ワクチンとは薬を飲むことなく、
1回の注射で長期間、血圧を安定させることを目的としたワクチン
です。
現在、森下先生のグループで研究が進められていて、
すでに日本とアメリカ、ヨーロッパで特許を取得、実用化に向けて
開発が続けられています。


■高血圧ワクチン研究の経緯

通常、血圧が高いといわれた場合は減塩など生活習慣を改善する、
あるいは体重を減らすということになるわけですが、
それらだけではなかなか改善しないのが現実です。
そうすると薬を飲んでもらうことになるのですが、
薬を飲み忘れる方、あるいは薬自体を飲みたくない方も多いです。
薬を飲み忘れている方は血圧のコントロールが
うまくできていないので、心筋梗塞や脳梗塞になるケースが多いです。
そこで、高血圧ワクチンを打つと
心筋梗塞や脳梗塞の発症が減るのではないかと考えて研究を始めました。


■血圧とは

血圧とは心臓から送り出された血液が血管を通るときに血管の壁に
かかる圧力のことです。
診察室で測った際に、いわゆる上の血圧が140mmHg以上、
または下の血圧が90mmHg以上であれば高血圧と診断されます。
高血圧は遺伝的な要因のほか、塩分の取りすぎ、喫煙、睡眠不足、
肥満、ストレスなど日ごろの生活習慣が大きく関係しています。


■高血圧ワクチンが効く仕組み

高血圧の仕組みのひとつとして、“アンジオテンシンU”という
血圧を上げるホルモンが作用することによって起こるケースが
あります。
実際にアンジオテンシンUを抑える薬は
“アンジオテンシン受容体拮抗薬”といって、
非常に多くの高血圧の患者さんが飲まれています。
私どものアイデアはこのアンジオテンシンUを抑えるような抗体を
ワクチンで作って、
薬と同じような作用を注射で再現させようというものです。

抗体とは細菌やウイルスといった異物が体内に入っていたとき、
それらを追い出すために作られる対抗物質のことです。
高血圧ワクチンが体の中に投与されると
アンジオテンシンUを異物とみなして抗体が作られます。
これによってアンジオテンシンUの作用が弱まり、
血圧の上昇を持続的に抑えることができるとされています。


■高血圧ワクチンのメリット

高血圧ワクチンが実用化されると、
薬の服用が要らなくなることで“飲み忘れ”がなくなります。
また24時間に渡って効果が続くことで早朝や夜にだけ血圧が上がる、
いわゆる“隠れ高血圧”の患者さんにも有効とされます。
また高血圧の患者さんは今、非常に多いので、
実は多くの薬剤費、医療費がかかっています。
さらに最近では厳格な血圧のコントロールが
心筋梗塞、脳梗塞の予防に重要であるということで処方薬の数も増えていて、
ますます医療費が増えている状況にもなっています。
1回の注射で数年間、血圧のコントロールができるワクチンが実用化できれば、
このような医療費も大幅に削減できることが期待できるのではないかと思います。

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