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子どものインフルエンザ

 
子どものインフルエンザ  09年11月28日放送

今回、子どものインフルエンザについてお話をうかがったのは、国立病院機構 福岡病院 統括診療部長の岡田 賢司(おかだ けんじ)先生です。

★子どものインフルエンザの現状
今は小学校の低学年から高学年、5歳〜10歳くらいの子どもたちがインフルエンザにかかって、入院している子どもたちが全国的に非常に多くなっています。今のように新型と季節型がだんだん一緒に流行り始めてくると非常に細かな観察が必要になってきます。

インフルエンザとは、かぜウイルスのひとつである “インフルエンザウイルス”に感染して起こる急性の呼吸器疾患です。

空気が乾燥するこれからの季節は、すでに世界的に猛威をふるう「新型」に加え、「季節型」の発症も始まるため、両方のインフルエンザに注意が必要となります。

★今年の新型の特徴は
インフルエンザ脳症は、新型の場合には5歳〜7歳くらいと比較的大きい子どもたちが多いです。またインフルエンザの肺炎はこれまでは多くはインフルエンザの治りかけに肺炎を起こしてきていたのが、今度の新型の場合には熱が出てすぐ肺炎になったりするような比較的症状が出てくるまでが早いというのが特徴です。
しかしそのほかの症状は基本的にはほとんど同じようです。

★症状は
「新型」・「季節型」を問わずインフルエンザでは普通の風邪で見られる、のどの痛みや鼻水、咳やくしゃみなどに加え、38度以上の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛など全身に症状が現れます。
また「新型」は「季節型」に比べると下痢など、消化器症状が多いと言われています。

★子どもに重症例が多い!
ところで今回の新型インフルエンザではとりわけ子どもに重症例が多く見られ、重症患者発生率は5歳から14歳までの年齢層で圧倒的な割合を占めています。
その理由は何かあるのでしょうか?
大人にワクチンをしたときに、大人は1回でちゃんと免疫ができたようです。今のところ推測されているのは、大人が今までかかったウイルスの中にもしかしたら今回と近いようなウイルスがあったのかもしれない。もう今まで何度かインフルエンザにかかったような大人たちは今回と似たようなウイルスにかかっていて、免疫を持っているかもしれない。
ただ子どもたちはかかっておらず、ワクチンも接種してなかったりすると、今まで一度もかかったことがないようなウイルスのため、みんなに広がっていっているのかなということが推察されます。

★子どものインフルエンザで最も深刻なのがインフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症にかかると、炎症を引き起こす原因物質「サイトカイン」が異常に増え、けいれんや意味不明な言動、意識障害などが起こり、しばしば生命にかかわります。
だんだん分かってきたことは、まず早めにステロイドホルモンをたくさん注射をして炎症をとりあえず抑えることです。サイトカインを押さえこむ治療をすることは、多くの小児科医が経験をしてきてだんだん分かってきたことです。

★「新型」と「季節型」のワクチン接種
両方とも受けられる人は、もしうまく予約が合えば季節型と新型と(一度に)両腕にやることもできます。なかなかうまく予約が合わなければ、季節型をやって1週間以上あければ新型を接種することができます。
「新型」ワクチンの予防接種には優先の順番があり、「季節型」ワクチンも数に限りがあるのが現状ですが、とりあえず、参考にしてみてくださいね。

★かかってしまったら
子どもに限らず、インフルエンザにかかったら、
水分を補給し、できるだけ食事も取りながら、安静にすることが大切です。
・家庭では感染した人を部屋に隔離する
・看病する際にはマスクを着用する
・看病のあとには入念な手洗い、そしてうがいを忘れずに
・二次感染を防ぐために回復しても2日程度は登園、登校を控えましょう


「新型」、「季節型」。私たちは今までに経験したことのない、ふたつのインフルエンザが蔓延する危険をはらんだ冬を迎えています。インフルエンザを取り巻く状況は刻々と変化しています。普段から予防、対策を心がけ、最新の情報を把握しましょう。

おじさんの困った宿命!?前立腺肥大症

 
前立腺肥大症 09年11月21日

今回、前立腺肥大症についてお話をうかがったのは九州大学大学院、泌尿器科、准教授の関 成人(セキ・ナリヒト)先生です。

★前立腺とは
膀胱の出口にある臓器で、男性にしかありません。精液の一部を作る役割があります。若い頃は、ちょうどクルミ大ぐらいの大きさですが、加齢とともに少しずつ大きくなってきて40代後半から50代ぐらいから徐々に肥大し、80歳ぐらいになると8割前後の男性の前立腺が肥大します。

★原因は
詳しい原因はハッキリとは分かっていません。
高齢になるほど前立腺肥大症の患者数が増えることなどから、加齢と男性ホルモンが何らかの影響を及ぼしていると考えられています。

★自覚症状
前立腺肥大症において自覚症状というのは非常に大切です。一般的には肥大した前立腺が膀胱の出口から尿道を圧迫して、いわゆる排尿困難などいくつかの症状が出ます。症状の程度は、国際前立腺症状スコアというもので、重症度が判定されます。

【国際前立腺症状スコア】
最近1ヵ月の排尿状態について7つの質問項目それぞれについて、6つの選択肢(まったくなしは0点、5回に1回以下は1点、2回に1回以下は2点、2回に1回は3点、2回に1回以上は4点、ほとんどいつもは5点)の中から選んだ答えの合計点を求めます。
この機会にぜひチェックしてみて下さい。そうであって欲しいという希望ではなく、現在の自覚症状や印象について率直に答えて下さいね。
・排尿後に残尿感がありますか?
・排尿後2時間以内にトイレに行きたくなることがありますか?
・排尿中に尿が途切れることがありますか?
・尿意を我慢できないことがありますか?
・尿の線が細いことがありますか?
・排尿し始める時にいきみますか?
・夜寝ている間、何回トイレに起きますか?(この問題は答えの回数がそのまま点数になります。)
答えの合計点が7点以下なら軽症、8点から19点で中等症、20点以上であれば重症だと判定されます。ただし軽症と判定された場合でも、4点以上の項目が1つでもあれば、精密検査が必要な場合もあります。

前立腺肥大症は、基本的には良性の病気でガンとは違います。ただし放っておくと尿が全く出なくなる、さらに進むと腎臓に影響を及ぼして腎不全と、いう状況になる場合があります。症状を自覚した場合は、自分で判断して放置することなく、なるべく早めに泌尿器科の専門医を、受診することをおすすめしています。

★前立腺肥大症の検査は
まずは「直腸診」です。患者さんの肛門から直接指を入れ、前立腺を触り、それによって大きさや硬さを診断します。この検査で肥大症が疑われる場合は直腸から超音波を入れ前立腺の大きさを測るという検査があります。それと尿の勢いを測る「尿流量測定」という検査があります。

★前立腺肥大症の治療
大きく分けて薬物療法と手術療法があります。
薬物療法は膀胱出口から、前立腺の筋肉をゆるめる、α1遮断薬と、いうお薬が最も良く使われます。これ以外に「抗アンドロゲン剤」いわゆる男性ホルモンを出にくくする、あるいはその作用を弱める薬です。こういう薬を使うことによって前立腺の大きさを少し小さくします。ただし薬物療法は対症療法で、これだけで前立腺肥大症が完治するということはありません。
手術療法としては内視鏡手術が一般的です。下半身麻酔を施して尿道から内視鏡を挿入し、電気メスで肥大した前立腺を削り取ります。
所要時間は30分から1時間程度で、3日から7日間の入院が必要です。
さらに最近では、同じく尿道に挿入した内視鏡からレーザー光線を照射して、前立腺の組織を焼いて蒸発させるレーザー療法も行われるようになってきました。

★日常生活の上で注意すること
・まず第一は膀胱に尿をため過ぎないこと
・身体を適度に保温して冷やし過ぎないこと
・市販の風邪薬の中には尿が出にくくなる成分が混じっている場合があるのでかかりつけの医師に確認した上で飲む

前立腺は程度の差こそあれ、高齢になるとほとんどの男性が肥大します。
排尿で困ったことになる前に、なるべく早めに専門医の診察を受けましょう。 

女性の心強いサポーター!低用量ピル

 
低用量ピル 09年11月14日放送

今回、低用量ピルについてお話を伺うのは九州中央病院、副院長の野崎雅裕(ノザキ・マサヒロ)先生です。

★低用量ピルってどんなお薬??
ピルとは「経口避妊薬」のことで、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンを配合したものです。特に卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が30μg以下のものを低用量ピルと言っています。
卵胞ホルモンというのは女性らしさを作る女性ホルモンの一種。黄体ホルモンというのは妊娠した時に妊娠を安定させるという役割があります。この2つを組み合わせることで、避妊の作用が、生まれてきます。

★服用方法は
一般に低用量ピルのは、毎日1錠ずつ21日間飲み続け、その後に飲まない期間を7日間設定した、28日間を1周期として繰り返します。
現在日本で処方されている低用量ピルは、含まれる女性ホルモンの配合比率によって、一相性と三相性の2種類に分けられます。
一相性のピルは21錠全てが同じ配合比率のため、飲み間違いが起こらないというメリットがあります。
三相性のピルは、女性ホルモンの生理的な動きに合わせて、配合比率を1周期の中で3段階に変化させたもので、全体として女性ホルモンの量を減らせるというメリットがあります。ただし服用する順序が決まっているために、飲み間違いが起きやすく、不正性器出血や乳房の張りなど月経前症候群と似た症状が起こりやすいとされています。

★低用量ピル服用のメリット
低用量ピルを正しく服用した場合の避妊失敗率はおよそ0.3%、時々飲み忘れた場合でも8%とされており、他の避妊法と比べてかなり確実な避妊効果が期待できます。
さらにメリットはそれだけではないんです。
・卵巣ガンになる可能性が減る。→ 排卵と言うのは卵巣の卵胞が毎月破れて、お腹の中に卵が1個排出される現象。破れた後は修復され、また次に別の所が破れて卵が出る繰り返しですが、排卵を抑制されることで毎月卵巣表面が破れることもなくなり、将来的には、卵巣ガンが半分以下に減るという副効用があります。
このほか、
・子宮内膜ガンになる可能性が減る。
・ニキビが減る。
・月経の量が少なくなることで、貧血が改善される。

また最近では、若い女性の間で増えている子宮内膜症の治療に、低用量ピルが使われるようになってきました。子宮内膜症とは月経時にはがれ落ちる子宮内膜が子宮以外の場所で増殖し、月経の度にそこで出血してしまう病気で、月経痛の悪化、月経期間の長期化、月経時の出血量の増加といった症状の他に、不妊の原因になるとされているのです。

欧米では以前から子宮内膜症に対して低用量ピルが処方されており、他の薬と比べて副作用が少ない上に、症状を軽くしたり病巣そのものを小さくすることが分かっています。

★服用についての注意
低用量ピルを服用すると、最初の周期はちょっと吐き気がしたり、頭痛や不正出血があることがありますが、段々と慣れます。また血栓症の副作用がありますが、これは普通の人にはほとんど、心配はありません。ただしタバコをよく吸う人や高血圧の人は、ピルを使う場合はぜひ医師に相談してくださいね。
ちなみに飲み忘れてしまった場合は、1日だけなら翌日に前日の分も含めて2錠飲めば大丈夫ですが、2日飲み忘れてしまったら、その周期はもう低用量ピルでの避妊はできませんので注意が必要です。

神経逆なでされてビリビリ!? しびれ

 
しびれ  09年11月7日放送

今回、しびれについてお話をお聞きしたのは、飯塚病院 神経内科 部長の村井 弘之(むらい ひろゆき)先生です。

★しびれとは
普通、“しびれ”といっているのは「感覚障害」。
そのほかにも、感覚が鈍く感じる「感覚鈍麻」逆に強く感じる「感覚過敏」、それからじんじん、あるいはビリビリするような「異常感覚」があります。

★しびれの原因は
私たちの体には頭から手足にまで網の目のように神経が張りめぐらされています。そして外から感じた感覚の情報は末梢神経から神経根、脊髄、脳幹、視床といった経路を通り、最終的に大脳に到達します。しびれはこれらの神経のどこかが障害を受けることで起こり、その原因は多岐に渡ります。
@脳に原因がある → 脳の中の感覚をつかさどる部分に病変が起きた場合です。
そのような場合には顔面や手足にしびれが起きることがあります。
A脊髄に原因がある → 「脊髄梗塞」や「脊髄炎」など脊髄自体に原因がある場合もあるが、より頻度が多いのは、頸椎とか腰椎など骨格系の変形によって脊髄や脊髄から出る神経根が機械的に圧迫されて起きるという場合です。この場合は手がしびれたりあるいは足がしびれたりします。
脊髄から枝分かれした末梢神経の異常は糖尿病やアルコールのとり過ぎが要因となる場合が多いと言われています。
その他にも自己免疫疾患である膠原病、腎臓病やアレルギー、栄養障害も末梢神経に障害をきたすことがあります。このような場合では多数の末梢神経が同時に障害を受けることが多く、ちょうど手袋と靴下で覆われたほどの範囲にしびれが起こります。
B1本の(末梢)神経だけが障害される → 例えば“手根管(しゅこんかん)症候群”。手の正中(せいちゅう)神経が手首のところで圧迫されると手の平がしびれるとがあります。最近、パソコンなどを使う人が増え、この病気自体も増えております。

★特に注意が必要!突然起きるしびれ
突然起きるしびれの中には脳梗塞など、脳血管障害が原因として隠れている場合がありますので注意が必要です。

しびれの症状を訴える人の中には運動麻痺によって手や足に力が入らなくなったことを
しびれと思いこむ場合があるそうです。またしびれは、糖尿病などの病気に由来することも少なくありません。いずれにしても症状を感じたら自己判断は避け、病院で診察を受けましょう。

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