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『予防は社会のエチケット!インフルエンザ』

 
今回、「インフルエンザ」についてお話を伺うのは、国立病院機構九州医療センター・名誉院長、
博多駅前かしわぎクリニック・院長の柏木征三郎(かしわぎ・せいざぶろう)先生です。

■ウイルスの蔓延を防ごう!
去年の夏から冬にかけて、世界的に新型インフルエンザが大流行しました。あれから1年…今年もまたインフルエンザの季節がやってきました。去年の大流行以来、すっかり影を潜めた新型インフルエンザと、毎年流行を繰り返す季節性インフルエンザ。この冬の流行は一体どうなるのか?いつにもましてインフルエンザへの警戒が必要です。もうすでにかかっている人も、まだかかっていない人も、しっかり対処してウイルスの蔓延を防ぎましょう。

■新型インフルエンザの特徴は?
去年流行した新型インフルエンザは、主に19歳以下の若年層の間で流行し、高齢者でかかる人は極めて少なかったことが分かっています。
症状は従来の季節性インフルエンザと、基本的には変わりませんが、やや軽いとされています。しかし、高齢者がかかると重症化する傾向があり、65歳以上の致死率は非常に高くなります。
ただし、日本では新型インフルエンザの死亡者数は202人で、世界で最も少ないという結果になりました。これは実際に診察した多くの医師が、早期に診断して早期に抗ウイルス剤を投与したことが、死亡者数の抑制につながったとされています。

■流行は小学校から!?
日本におけるインフルエンザの流行は、新型も季節性も主に小学校から始まると考えられています。 小学生はインフルエンザに感染する割合が高いことが分かっていて、帰宅した子どもから大人へと家庭内で感染が広がるのです。特に高齢者は感染率が低いにもかかわらず死亡率が高く、インフルエンザは“老人の最後の命の灯を消す病気”とも言われるなど、高齢者にとっては命とりになりかねません。
また、インフルエンザにかかった場合に重症化しやすく、場合によっては死亡してしまうような人たちをハイリスク群と呼びます。主なハイリスク群は65歳以上の高齢者、慢性の心疾患や肺疾患、糖尿病を患っている人、免疫不全のある人が最も要注意とされています。さらに妊娠後期の妊婦や5歳以下の乳幼児もハイリスク群に入ります。

■インフルエンザを防ごう!
インフルエンザの感染は、主に飛沫感染によって引き起こされます。そのためせきやくしゃみなどの症状がある人は積極的にマスクを着けて、周囲への感染を防ぐように心がけましょう。また気温が低く乾燥している時には、ウイルスが空気中を漂うなどして空気感染が起こります。そこでインフルエンザの流行中は、できるだけ外出を避けて人混みに行かないことが大切です。
インフルエンザの予防で最も大切なのはワクチン接種です。ただし、ワクチンの効果は6ヵ月ぐらいしか続かず、しかも流行するウイルスは毎年少しずつ変化しています。つまりその時の流行にあったワクチンが必要になるので、ワクチンは毎年接種する必要があります。
ちなみに今年は新型と季節性のA香港型、さらにはB型の流行が予想されているので、これら3種類のウイルスが入ってるワクチンが用意されています。
またインフルエンザに限らず、冬は感染症にかかりやすい季節なので、普段から十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事、適度な運動などを心がけて、健康を維持することも大切です。特にみそや納豆、ぬか漬け、甘酒、キムチ、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品は、免疫力を高める効果があるので、食べ方や組み合わせを工夫して、積極的に毎日の食事に取り入れましょう。

■新薬登場で広がる治療の選択肢
インフルエンザの治療薬として従来から使用されているタミフル、リレンザに加え、今年の1月からは静脈注射用のペラミビル、10月からは吸入用のイナビルという新薬が使えるようになりました。特にイナビルはたった1回の吸入で十分な効果が得られるということで、非常に画期的とされています。
ただし、いずれの抗ウイルス薬も発症後48時間以内の服用が効果的です。したがってインフルエンザにかかったと思ったら、できるだけ早めに病院を受診することが大切です。

インフルエンザは症状が治まっても、しばらくの間はウイルスが体から排出されるので、周囲に感染させる恐れがあります。熱が下がったからといって、すぐに職場や学校に復帰するのではなく、2日間ほどはなるべく外出を控えて、感染拡大を防ぎましょう。

乳がん

 
今回、乳がんについてお話を伺ったのは、
高木ひろみ乳腺レディースクリニック院長の
燒リ 博美(たかき ひろみ)先生です。


■乳がんの現状

一番新しい数字では日本人女性の16人にひとりが
乳がんになると言われています。
女性がかかるがんの中で一番多く、
しかも年々増加傾向にあります。
比較的若い年代から見られ、
発症数は急激な上昇カーブを描きながら
40歳代後半でピークを迎えます。

■発症のメカニズム

乳がん発症には、
「エストロゲン」という女性ホルモンが深く関係しています。
エストロゲンは月経時に分泌が高まりますが、
このホルモンに長い期間さらされるほど
乳がんを発症しやすいと言われています。
具体的には妊娠や出産、授乳の経験がない。
閉経が遅い。肥満といったものです。

■乳がんの症状

乳がんは乳房のしこりや乳頭からの分泌物によって
自分で気がつく場合もありますが、
初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
検査で見つかると「本当に私が乳がんなの?」と
驚く人が多いくらいです。
ただし放置していると乳房、
さらには全身に広がっていきます。
■乳がんの検査

まずは触診です。
またエコー検査では乳房に超音波を当てることで
触診では発見が難しい数ミリといった
小さながん組織を見つけることが可能です。
さらにマンモグラフィでは
乳房を装置に挟んで圧迫して撮影し、
小さいしこりや、しこりになる前の
石灰化した微細ながん組織がないかを丹念にチェックします。
これらの検査はそれぞれに特性があるので、
乳がん検診では触診、エコー検査、マンモグラフィを
セットで受けることが重要です。

■自己検診の注意点

自己検診は触診とエコー検査と
マンモグラフィをきちんとセットで受けて
自分の乳房が健康であることを
確認したあとに始める検診です。
全く検診を受けずに自己検診だけで安心するのは危険です。
自己検診は必ず検診を受けてから、次の検診に行くまで
月に1回、生理が終わってから行いましょう。

■乳がんの治療

手術と抗がん剤と放射線の3つが
乳がんの主な治療法です。
早く見つければ乳房を残すことができる
小さい手術で済みます。
ある程度の大きさで見つかっても
手術まえに抗がん剤でがんを小さくしてから
手術が進められるので
それによって乳房を残すことは可能です。
また乳房全部を失っても乳房用インプラントを挿入して
乳房を再び取り戻す方法もあります。



■乳がんの予防対策

特別なものはありませんが、
妊娠や出産、授乳経験のない人、
閉経後に肥満になった人は
比較的なりやすいと言われています。
また乳がん発症は遺伝的な要因が高いとされているので、
家族に乳がん経験者がいる場合には
できるだけ早い年齢で検診を受けることが大事です。


■まとめ
乳がんは早く見つければこわくないがんです。
“私に限って乳がんなんてならない”と思わないで、
「触診、エコー検査、マンモグラフィ」の3つが同時に受けられる
質の高い検診を年に1回、受けましょう
乳がんは初期ではほとんど自覚症状がないので、
早期で発見し、治療を受けるためには
定期的に検診を受ける以外に方法はありません。
たとえ思い当たる症状がなくても、30歳になったら
以降、毎年きちんと検診を受けることが大切です。


『高齢化社会の宿命!?認知症』

 
今回、「認知症」についてお話を伺うのは、田北メモリーメンタルクリニック、院長の田北昌史(たきた・まさし)先生です。

■高齢化で増加中!
世界でも有数の高齢化社会を迎えた日本…長生きは万人の願いですが、いろいろと困った事態も起きています。その1つが認知症です。高齢化と共に患者は年々増加する一方で、その数は全国に200万人以上とも言われています。さらに今後も増え続けて、十数年後には300万人を超えると予想されているのです。患者と一緒に介護する家族も増えるのですから、決して他人ごとではありません。

■認知症の症状とは?
認知症とは認知機能の低下によって、日常生活に様々な支障が出てくる病気です。基本的に徐々に症状が進んでいきます。認知症の症状は大きく分けて2つあります。
1つは中核症状で、1番早く出てくるのが物忘れ、しかも短い期間の物忘れです。また、見当識障害と言って時間や場所が分からなくなったり、物の名前がうまく言えなくなる失語、行動がうまくとれない失行、時計を見てもうまく読めない失認など、いろんな症状が出てきます。
もう1つは周辺症状と呼ばれる精神的な症状です。非常に興奮して怒りっぽくなったり、逆に気持ちが落ち込んだり、物盗られ妄想と言って、財布を盗られたというような妄想が出てくることもあります。周辺症状は出る場合と出ない場合があり、出る時期と出ない時期がありますが、認知症患者の約5割には何らかの周辺症状が出てくると言われています。

■物忘れと認知症の違い
いわゆる普通の物忘れは、例えば朝食に何を食べたか思い出せないなど、体験の一部を忘れてしまう現象です。何よりも本人が物忘れを自覚しているので、日常生活にさほど影響はありません。
これに対して認知症は、朝に食事をしたことを覚えていないなど、体験そのものを忘れてしまうのが特徴です。本人が物忘れを自覚していないことが多く、しかも徐々にひどくなっていくため、日常生活に支障をきたすようになります。

■認知症の原因は?
認知症は、いろんな脳の病気で起こることがあります。最も多いのがアルツハイマー型認知症で、脳の中にアミロイドという物質がたまって、ゆっくりと認知機能が低下していきます。次に脳血管性認知症といって、脳出血や脳梗塞が起こった後に脳の血流が悪くなって、認知症が発症します。さらに最近多いと言われているのがレビー小体型認知症で、認知機能の低下と共に幻覚、特に人がいるというような幻視が出てきたり、手が震えたり、動きがギクシャクしたりするような症状が出てきます。
また、うつ病による感情の落ち込みや集中力の低下から、覚えたり考えたりする意欲を失うことで、認知症に似た症状が起こることもあります。
他にも精神安定剤や睡眠剤が原因で、認知症に似た状態になることがありますが、この場合は薬の量を減らすことによって症状は改善します。

■認知症の診断と検査について
認知症の診察で最も大切なのは問診です。特に患者本人には物忘れなど症状の自覚がないので、家族など介護や世話をしている人からも詳しく話を聞きます。
他にも図形を描いたり色んな質問に答える神経心理学的検査で、認知症かどうかを診断することもあります。その1つ、レーブン色彩マトリックス検査は、イラストの空白部分に当てはまる図柄を、6つの選択肢の中から選ぶという問題が36問あります。1問あたり1点、36点満点で、例えば70歳代は平均26.9点、80歳代は平均24.9点ですが、これらの点数を下回ると、認知症が疑われます。

■早期治療が肝心!
認知症の治療には大きく分けて、薬を使う方法と使わない方法があります。
薬を使う薬物療法の場合、アルツハイマー型認知症に対しては、症状の進行を遅らせる内服薬が1種類あります。
一方で薬を使わない非薬物療法の場合、例えばデイサービスに行ってリハビリテーションをしたり、音楽療法や昔の品物を見て昔話をする回想法という方法など、様々な方法があります。
認知症の治療では完治は望めませんが、早期に始めるほどより効果的です。豊かな老後を過ごすためにも、気になる症状に気づいたら早めに専門医の診察を受けることが大切です。

■認知症介護の心構え
認知症患者を自宅で介護する場合、家族や介護される方に様々な負担がかかります。介護している人の半分以上がうつの状態にあるという報告もあり、認知症は「患者と家族、2人の患者を作る」という言い方もされます。ですからあまり無理をせずに、時には施設に頼ったり、時には病院に頼ったりして、ある程度柔軟性を持って介護する心構えが大切です。認知症の介護には終わりがなく、先が見えない状態が続きます。しっかり介護するためにも100%の力で全力疾走するのではなく、時々息を抜いたりオアシスに立ち寄ったりしながら、長期戦の気持ちで介護することを心がけましょう。

認知症の介護に伴う苦労は、なくすことはできなくても減らすことはできます。どうすればうまく介護できるのか、まずは一人一人が認知症について学び、自分自身で考えて工夫していくことが大切です。くれぐれも無理をし過ぎないように注意しましょう。

メニエル病

 
今回、メニエル病についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 耳鼻咽喉科 教授の
中川 尚志(なかがわ たかし)先生です。


■メニエル病とは?

耳の奥にある“内耳”の異常でめまいなどを起こす病気です。
フランス人医師であるメニエルに名前が由来します。
比較的女性に多く、発症のピークは40歳前後です。
めまいは耳の不具合から起こるものと、
頭の中、いわゆる中枢神経系の障害を原因とするものに分かれますが、
耳の不具合によるめまいが全体のおよそ7割を占めると言われています。
そのうちの3分の1、めまい患者全体のおよそ2割がメニエル病と考えられています。


■メニエル病の原因は?

まだはっきりとは分かっていませんが、症状を発症している人の内耳には
“内(ない)リンパ水腫”という、水ぶくれのようなものが見られます。
私たちの内耳には体の平衡感覚をつかさどる“半規管(はんきかん)”と“耳石器(じせきき)”、
さらに鼓膜から伝わった音を電気信号に変えて
脳へと情報を送る“蝸牛(かぎゅう)”という組織があります。
蝸牛の一部は“内リンパ液”という液体で満たされていますが、
何らかの要因でこれが内耳に過剰に溜まると内リンパ水腫ができます。
これがメニエル病の発症に関係しているとされています。

■メニエル病の症状は?

反復するめまいと耳鳴りや難聴など、聴こえの症状が見られます。
めまいはぐるぐると回る “回転性の発作”です。
乗り物に酔ったときと同じで、吐き気や冷や汗といった症状も伴います。
回転性のめまいは30分から数時間続き、ふらつきも数日残ります。
めまい発作がおさまっても徐々に難聴が進行していくことがありますが、
難聴症状を繰り返し生じるタイプは主に“蝸牛型メニエル病”で、
“低音障害型感音難聴”と呼ばれることもあります。


■メニエル病での注意点

症状を繰り返さないためには最初の発作が起きたときに
的確な治療を受けることが大事です。
またメニエル病だと自己判断して放置していることは危険です。
めまいの原因として脳血管障害や脳腫瘍がありますが、
これらは放置しておくと命にかかわってきますので、
最初に脳組織(中枢神経系)の異常による「危ないめまい」でないことを
確認してもらうことが大切です。


■メニエル病の診断・検査は?

「回転性のめまい発作を反復する」・「耳鳴りや難聴など聴こえの症状を伴う」
「めまいや難聴を起こす他の原因(病気)がない」という診断基準があります。
また聴力検査が必要なのでメニエル病の診断は耳鼻科で行います。
発作の最中には目が規則的に揺れる“眼振 (がんしん)”が起こりますが、
それを特殊な眼鏡や赤外線カメラで観察します。

■症状を感じたら…?

メニエル病と診断されている人で回転性のめまい発作が起きたら
慌てずに横になって安静にしてください。また意識を失った、
うまく言葉を喋れないという症状を伴っているときは
「危ないめまい」の徴候ですから、必ず近くの救急病院を受診して下さい。


■メニエル病の治療は?

メニエル病の治療は薬物療法が基本です。
抗めまい薬、吐き気止めといった症状に合わせたお薬から
注射や点滴、場合によっては手術が行われます。
通常では適切な治療によっておよそ7割の人はめまいがおさまり、
残りのうちの2割の人も症状が軽くなるといわれています。


■メニエル病の予防・対策は?

メニエル病の発症にはストレスが関係していると考えられています。
過労や睡眠不足などでストレスを溜めないよう注意しましょう。
またスポーツやウォーキングなどで汗を流す。
さらには1日1500cc以上の水分を摂ることも
めまい発作の予防になるといわれています。

■メニエル病の総論

メニエル病そのものは命を脅かすような病気ではありませんが、激しいめまい発作や難聴などの耳の不具合を繰り返すことで、“また起こるかも…”と憂うつな気分になり、
その人のQOL“生活の質”が著しく低下してしまいます。
しかし、めまい発作が起きていないときには通常の生活がおくれますので、
メニエル病と適切に付き合って、発作の回数を減らすことが大切です。
めまいは多くの人が経験するものだけに本人はもちろん周りの人も
“その程度で病院に行くなんて”と思うかもしれません。
しかしめまいはメニエル病をはじめたとした耳の病気、
さらには脳血管障害や脳腫瘍など、
命に関わる疾患のサインの場合もありますので
思い当たる症状を自覚したら耳鼻科を受診して下さい。



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