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『まっ白に燃えつきる前に…!?防ごう!脂肪肝』

 
今回、「脂肪肝」についてお話を伺うのは、久留米大学医学部 消化器疾患情報講座 内科学講座
講師の川口 巧(かわぐち・たくみ)先生です。

■脂肪肝は生活習慣病の始まり!?
脂肪肝とは肝臓に脂肪が過剰にたまる病気で、患者数は年々増加傾向にあります。検診で10人が受診すると、2〜3人に脂肪肝が見つかると言われるほどありふれた病気です。
脂肪は本来、人間が生きるために必要なエネルギーですが、エネルギーとして使われずに余った脂肪は肝臓に蓄えられます。そして徐々にたまって、肝臓の3分の1を超える肝細胞に脂肪が蓄積されると、エコー検査やCT検査で脂肪肝と診断されるようになります。
脂肪肝は症状がないのであまり深刻に考えない人もいますが、放置すると糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こします。また患者の一部は肝硬変や肝がん、さらに最近では膵臓がんや大腸がんにも関係してくることが分かってきましたので、早期の診断と治療が必要です。

■暴飲暴食が招く!脂肪肝
脂肪肝の主な原因は食べ過ぎと運動不足による肥満やお酒の飲み過ぎで、特にお酒はカロリーの過剰摂取に加え、アルコールそのものが脂肪に変化して肝臓に蓄積されます。
また、一般には脂肪の摂り過ぎが脂肪肝の原因と考えられがちですが、それだけではありません。
例えば炭水化物や糖分は肝臓で脂肪として蓄えられます。このためご飯やスナック菓子ばかり食べるような偏食は、脂肪肝の原因になります。

■新しい生活習慣病!非アルコール性脂肪性肝疾患
以前は飲酒が脂肪肝の主な原因と考えられていましたが、過剰に飲酒しないにもかかわらず、脂肪肝を認める場合があることが分かってきました。このように飲酒以外の原因で脂肪肝になった病気をまとめて、非アルコール性脂肪性肝疾患と言います。この非アルコール性脂肪性肝疾患は食生活や運動不足が原因となっている場合が多く、新しい生活習慣病として注目されています。非アルコール性脂肪性肝疾患の患者は全国におよそ1千万人と推定されています。特に太り気味で、お酒を飲まないのに健康診断で肝機能の異常を指摘された人は要注意!ただしやせているから安心…というわけではありません。
肝臓に蓄えられた脂肪を利用するためには、たんぱく質が必要です。ところが極端なダイエットなどでたんぱく質の摂取量が不足すると、肝臓に蓄えられた脂肪を効率的に使うことができず、脂肪肝になってしまいます。このようにやせた人でも脂肪肝になっている場合があるので、肝機能の異常を指摘されたら専門医を受診して、きちんと検査を受けましょう。

■脂肪肝の治療は原因の解消から!
脂肪肝の原因は多岐に渡るため、その原因を見つけて解消することが一番の治療法となります。特にアルコール性の場合は、お酒を飲み過ぎないことが第一の治療となります。生活習慣に問題がある場合は、適切な食事と運動が基本治療となります。食事の量だけでなく、きちんと噛んで、ゆっくり食べることや、偏りなく食べることが治療のポイントとなります。
また非アルコール性脂肪性肝疾患の中には、比較的急速に病状が進行することがあります。その場合には内服薬も使って治療を行います。

■研究が進む脂肪肝の最新治療
久留米大学病院ではリハビリテーション部の志波直人教授と消化器病センターが中心となって、脂肪肝の新しい治療法の研究が行われています。“ハイブリットトレーニングシステム”と呼ばれる治療法で、九州工業大学や宇宙航空研究開発機構と共同して、宇宙ステーションでの筋力トレーニングを目的に開発を進めていたところ、脂肪肝をはじめとした様々な病気の治療にも効果があることが分かってきたのです。
“ハイブリットトレーニングシステム”は太ももに貼った電極をサポーターで固定して、痛みの少ない特殊な電流で筋肉を刺激しながらトレーニングすることで、太ももの表と裏、両側の筋肉を同時に鍛えることができます。この時、運動のエネルギーとして肝臓に蓄えられた脂肪が消費されるので、脂肪肝の改善に効果があることが分かっていて、現在は医療だけでなく、宇宙や福祉分野での実用化が並行して進められています。

■脂肪肝を防ごう!
脂肪肝を防ぐには、栄養バランスのとれた食事と、適度な運動を心がけることが大切です。
お酒についても必ず禁酒しなくていはいけないということではありません。1日の飲酒量が日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本程度であれば大丈夫ですが、それ以上は飲み過ぎとなるので注意が必要です。
また最近では、コーヒーによって脂肪肝が予防されるといった研究結果も明らかになっています。砂糖やミルクは入れずにブラックで、1日に2〜3杯を目安にコーヒーを飲んで、脂肪肝を防ぎましょう。

脂肪肝は生活習慣と密接に関連しているので、脂肪肝の予防は肝臓の病気を防ぐだけでなく、
メタボリック症候群やがんの予防にも繋がります。症状がないからと油断しないで、まずは問題のある生活習慣を見直すなど、早めの対策が肝心です。

足の動脈硬化

 
今回、足の動脈硬化についてお話を伺ったのは
九州大学大学院 医学研究院 病態修復内科の
小田代 敬太(おだしろ けいた)先生です。


■足の動脈硬化とは?

足の血管が動脈硬化で詰まる症状は、
“下肢閉塞性(かしへいそくせい)動脈硬化症”と呼ばれ、
命に関わる全身疾患の発症、
その引き金にもなる、油断のならない状態です。

■動脈硬化とは?

動脈硬化とは血管の壁がもろく、固くなり
内部にコレステロールや脂肪が溜まって
血流が悪くなるというものです。
動脈は心臓から体の隅々にまで張り巡らされています。
動脈硬化が首もとを走る頸(けい)動脈で進むと脳梗塞、
心臓を取り巻く冠状動脈で進むと心筋梗塞を引き起こす
危険があります。さらに腎臓の血管で進むと腎不全になったり
人工透析が必要になる場合があります。
足に動脈硬化が起こるということは
心臓の血管、脳の血管、大動脈など全身の血管に
動脈硬化が進行しているというサインになります。


■足の動脈硬化での影響は?

足に動脈硬化があると、心筋梗塞、脳卒中といった
深刻な疾患を引き起こしやすいとされています。
またアメリカのある調査では、下肢閉塞性動脈硬化症と
いくつかのがんの5年間の死亡率を比べたところ、
近年、発症が増えている乳がんや大腸がんよりも
その率が高いという結果が報告されています。

■足の動脈硬化での症状は?

“間歇性跛行(かんけつせいはこう)”と呼ばれる、
歩いているときのふくらはぎやすね、足先のしびれや痛み、
重たい感じなどがあります。
進行すると安静にしていても足にしびれが起こり、
併せて足が青白い、冷たい。傷が治りにくい、
潰瘍ができるといった症状が見られます。
また糖尿病や高血圧、“脂質異常症(ししついじょうしょう)”と
いった生活習慣病にかかっている。喫煙習慣がある。
家族に動脈硬化の人がいるといった場合では特に注意が必要です。
下肢閉塞性動脈硬化症は歩くと足が痛くなって歩けなくなります。
糖尿病などの生活習慣病では歩くことことが改善のために必要なので
歩けないということは生活習慣病の治療の障害ともなります。

■足の動脈硬化の診断、検査は?

足のしびれや痛みを伴う病気には、
動脈硬化に由来するもののほかにも
神経が圧迫されて起こる脊柱管狭窄症(せきちゅうかん きょうさくしょう)や
椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどがあります。
鑑別のための検査ではまず触診で脈を触る。
そして足の血圧を測る。
さらにはエコー検査で血液の流れを調べることが大事です。

■足の動脈硬化の治療法は?

大事なのはまず食事療法、運動療法です。
それらで改善しない場合では内服治療で薬を飲みます。
それでもなかなか改善しなかったり、
腸骨動脈、大動脈など大きな血管内が狭くなっている場合には
血管内治療が行われます。
血管内治療とは動脈内に風船のような器具を先端につけた
“バルーンカテーテル”という細い管を入れ、患部で膨らませ、
脂肪分などで詰まった血管内を押し広げる治療です。
さらに押し広げたあとの患部が再び狭くならないよう
“ステント”と呼ばれる金属の網を設置する場合もあります。

■足の動脈硬化の予防、対策法は?

第一は禁煙です。
またバランスの良い食事で脂肪分を取りすぎないこと。
そして適度な運動。決して激しいものではなく
週に3回、20分以上のウォーキングといった、
軽めで長く続けられるものが効果的とされています。
その他にも、ストレスをためない。十分な休養と睡眠をとる。
生活習慣病があればきちんと治療を受けることなどが大切です。

■まとめ

歩いたときに足がしびれる、重い、痛いという人は
足の動脈硬化による下肢閉塞性動脈硬化症でないかを調べることが大事です。
また、整形外科に通っていても症状がなかなか改善しない場合も同様です。
さらに、じっとしていても足が冷たい、潰瘍ができているという場合には
至急、専門医の診察をお勧めします。
足の動脈硬化は全身の動脈硬化にも影響を与え、
心筋梗塞など深刻な疾患の引き金にもなりますので十分に注意しましょう。


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