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ユーウツな毎日にはならないで!花粉症

 
花粉症 2010年02月20日放送

今回、花粉症についてお話をうかがったのは国立病院機構 福岡病院アレルギー科 医長の岸川 禮子(きしかわ れいこ)先生です。

★今年の花粉
今年は、スギ花粉は少ないと予測されています。
岸川先生の予測では…ヒノキ科(の花粉)は昨年よりは多くなるのではないかというふうに予測しています。そうするとスギ花粉が飛んで、後から3月ころからヒノキ(花粉)が飛び出すわけですが、今年はスギ花粉症が終わって良かったなあと思っても、またヒノキが飛び出して去年より多いのでちょっと症状が長引くんじゃないかと予測しています。

★花粉症とは
目や鼻から侵入した花粉がもとで起こる季節性の「アレルギー性鼻炎」と「結膜炎」のことです。アレルギー反応とは本来、外敵から体を守る“免疫反応”が過剰に働いて体に不利益な働きを起こすというもの。
まずアトピー素因というアレルギー体質を持つ人の体内に花粉が侵入すると体は外敵と判断し、それに反応する“抗体”を作って排除しようとします。その後も花粉が長い期間に渡って侵入を続け、抗体が一定量を超えると花粉症を発症する準備ができた状態になります。そこへさらに花粉が入ると花粉は鼻や目の表面にあるマスト細胞に付着、その表面にある抗体と結合し、“ヒスタミン”、“ロイコトリエン”といった物質を放出させます。これらが目や鼻の神経に作用して、花粉症のさまざまな症状を引き起こすのです。
主にヒスタミンが作用して起こるのは、くしゃみ、鼻水。その後から起こってくるのが、ロイコトリエンという化学伝達物質が作用して起こる鼻づまりです。鼻の粘膜が腫れてくるのです。
そうすると息を吸おうとしても吸いにくくなっていく。その腫れた状態はいわゆる鼻づまりで、これはアレルギー性鼻炎の重症化の指標になっています。その他にも人によっては口呼吸になることでのどに不快感を感じたり、耳のかゆみ、頭痛やせき、呼吸の際、ゼーゼーと音がする喘鳴(ぜんめい)、皮膚炎などが起こります。それから花粉を飲み込んで起こると言われている下痢、胃痛、腹痛。非常に多彩な症状があります。
また、花粉症はいわゆる“働き盛り”に多いと言われていましたが、最近では子どもでも症状を発症する傾向が強くなっています。花粉症の両親から生まれた子どももやはり花粉症になりやすいという体質の遺伝が考えられます。

★原因は
戦後、復興事業として植林されたスギが伐採されないまま成長し、花粉をたくさん飛散させるようになったこと。排気ガスなどによる都市部での空気の汚れ。空気中を漂うチリには、花粉と結びついてアレルギー反応を促進する作用があること。さらには食生活の欧米化に伴って、タンパク質の多い食品を食べるようになったこと。マンションなど気密性の高い住宅様式になったこと。これらが複雑に絡み合って現代、花粉症が増加していると言われています。

★花粉症対策
・外出時はマスクやメガネをつけて、花粉が付きにくいナイロン製の衣服を着る。
・屋外から中に入る前に服や髪についた花粉をよく払い落とす。
・花粉が多く飛びそうな日の外出はなるべく避ける。
・部屋の中はこまめに掃除し、外に干した洗濯物や布団はよくはたく、など。
・睡眠時間はなるべくちゃんと取るということ。
・食事もバランス良く。
体力がある状態だと花粉症の体質を持っていても発症しにくいと言われています。ぜひ体調に気をつけるということも予防法になると思います。
今年の花粉飛散量は少なめと言われていますが、それでも花粉が飛ばないというわけではありません。例年、症状でお悩みの人は“この季節が来たな”という気持ちの準備と併せて病院で早めに診察を受け、治療や対策を行うことが大切ですよ。

飲み込めないだけじゃない!?嚥下障害

 
嚥下障害  2010年2月13日

今回、嚥下障害についてお話をうかがったのは久留米大学病院長、久留米大学医学部耳鼻咽喉科、頭頚部外科(トウケイブゲカ)教授の中島格(ナカシマ・タダシ)先生です。

★嚥下障害(えんげしょうがい)とは
食べ物や飲み物を口に入れて、喉から食道を通じて胃の中に送る過程のどこかに不具合が生じて、食べ物や飲み物をうまく摂取できないことです。この嚥下障害が起きると、食物摂取障害による栄養低下、あるいは食べ物が気道に流れる誤嚥、それによる肺炎が大きな問題になります。食べられないのは精神的にもつらいことで、生活の質を大きく損なうことにもなります。

私たちが普段、無意識に行っている嚥下運動は、食べた物が移動していく順に、
@口全体を使って奥に送る口腔期、
A反射的に食道へ送る咽頭期、
B食道のぜん動運動で胃まで運ぶ食道期の3つの段階に分けられます。

のどは食べ物の通り道であると同時に
空気の通り道でもあり、「嚥下」と「呼吸」という2つの役割を兼ねています。
そのため嚥下運動と呼吸の仕組みには
密接な連携が必要で、これらの複雑な運動に関わる神経や筋肉に何らかの不具合が生じると、嚥下障害が起こるのです。

★嚥下障害の原因は
@静的障害・・・炎症や、腫瘍などの病気によって喉の粘膜が腫れたり喉が狭くなって、食べ物が上手く通過できなくなる状態。
A動的障害・・・脳梗塞などの脳血管障害や、パーキンソン病といった病気によって嚥下運動に関係する神経や筋肉がうまく働かなくなった状態、すなわち、嚥下と呼吸の切り替えが上手く、いかなくなる状態。
そのほか、老化に伴う飲み込む力の低下も嚥下障害の原因となりますが、入れ歯の不具合や、向精神薬などの薬の副作用によっても引き起こされることがあります。

★嚥下障害の主な症状
咳き込み・・・食道ではなく、誤って、喉頭から気管へ行った食べ物を出そうと、反射的に咳が出て咳き込みが目立つようになります。特に粘度の少ない水分を多く含んだ物を食べる時に見られることが多く、ひどくなると唾液でも、せき込むことになります。ただし高齢者や、脳梗塞を繰り返すなどして寝たきりになっている場合は、口の中に食べ物が停滞して細菌が繁殖していても、反射的にせき込むことができません。
肺炎、発熱、食欲の低下・・・唾液と一緒に、誤嚥するなどして肺炎になりやすく、発熱や食欲の低下などが症状として現れることになります。

★嚥下障害の診断は
まず問診によって、症状や食事の様子を確かめることが大切。本人だけでなく周囲、特に家族や付添者から、食事に時間がかかっていないか、食物の内容が偏っていないかなどを知ることが大切です。嚥下障害が疑われる時は内視鏡検査やX線検査を行う必要があります。
内視鏡検査・・・最近は、直径が5o程度の細いファイバーを、鼻から通す経鼻内視鏡が広く普及しています。内視鏡を挿入したまま、色素入りの、水を飲むなどして、誤嚥の有無を目で、確かめることができます。
X線検査・・・造影剤の入った食べ物を飲む様子を透視で見ながら舌やのどの動き、あるいは造影剤の通過状態を観察します。

★嚥下障害の治療は
基本的には保存的な治療です。まず現実に嚥下障害が起きている方には、誤嚥物の吸引や栄養管理。積極的な訓練としては
・息止めをして、のどを強化する
・のどにたまっている状態を少なくするために繰り返し嚥下する訓練
・さらには嚥下反射と食べ物の送り込みのタイミングを合わせる訓練
間接的な訓練としては
・唇や頬、あるいは喉、あごなど、嚥下に関連する筋肉の強化
・誤嚥を防止するため発声訓練や痰を排出する訓練も
さらに、食べ物に適度なとろみをつけるなどの食事の内容の検討、食事のとり易い姿勢や食器の工夫も大切です。

保存的治療では十分な回復が見込めないなど、重症の場合には手術が行われることもあります。手術には、発声機能を温存して食べ物が食道へ通りやすくする嚥下機能改善手術と、発声機能を失っても誤嚥をなくすことを優先して、気管と食道を分離する誤嚥防止手術の2つの方法があります。いずれの場合も、手術をすればすぐに何でも食べられるようになるというものではなく、手術後に新しい飲み込み方を身につけるための訓練が必要です。

嚥下障害は原因によって対処法は様々ですが、まずは原因となる病気の診断と、治療を優先させるべきです。中枢性疾患が背後にあり、その治療で改善することも、珍しくありません。食事中によくせき込む・物が飲み込みにくい・声が枯れて息がしにくい・肺炎になりやすいなど、嚥下障害が疑われる時には早めに耳鼻咽喉科を受診して、専門医へ相談をすることが大切です。食べることは人生の大きな楽しみの1つ。豊かな老後を過ごすためにも、嚥下障害は放置しないで、きちんと治療することが大切ですよ!

進めよう!室温の“バリアフリー”

 
入浴と血圧  10年02月06日

今回、入浴と血圧についてお話を伺ったのは、九州大学大学院 芸術工学研究院 教授の栃原 裕(とちはら ゆたか)先生です。


日本人はお風呂が大好き!冬場になると非常に熱いお湯に肩までつかります。
非常に外が寒いので気持ちがいい…こういった日本人の特徴的な入浴の方法が、特に高齢者では大きな事故につながりやすく、たくさんの方が亡くなっているんです。

★入浴中の死亡が1位!
厚生労働省の平成20年度の統計によると、65歳以上の家庭内での不慮の事故死の1位が溺死となっていて、これは入浴時が大半を占めています。
本来、安全で快適な家の中、実は高齢者にとって深刻な事態を招きかねない危険地帯でもあるんです。

★入浴中の事故が多い原因
入浴中は、主に血圧の変動が非常に大きくなります。しかも、その血圧の変動を感じないのです。さらに、「熱いお湯を好む」というのも原因です。自分ではあんまり感じないけれども体の方では大きく負担が増えているということが一番大きな原因です。
入浴に伴う血圧の変動は屋内での温度変化が大きな原因です。それによって高齢者にさまざまな危険が発生します。まずエアコンのきいた暖かい居間から寒い脱衣室にうつり、さらに衣服を脱ぐことで血圧は急上昇し、脳出血を引き起こす可能性が生じます。そして温かい浴槽へ。しばらくすると血管が拡張し、今度は血圧が下降。血流の不足による心臓疾患を引き起こしやすくなります。
その後、汗をかき体内の水分が減ると、血液の粘り気が増し、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい状態になるのです。さらには浴槽から急に立ち上がると、起立性低血圧から失神、浴槽の中に倒れて発見が遅れると溺死の危険もあります。

★福岡県がワースト!
実は福岡県は、「入浴死」がワースト1位なんです。
逆に部屋の暖房が整った札幌とか北海道はかなり少ないのです。九州でも冬場はかなり寒くなりますが、そこで暖房をしないと、危険な入浴になりがち、ということなんです。

★入浴時の注意点
・お酒を飲んだ後の入浴を控える。入浴中に急激な血圧の低下や失神を引き起こす危険があります。
・お風呂に入る前に暖房器具で脱衣室の暖房を行い、浴室はシャワーや溜まったお湯の湯気で温めましょう。
・高齢者は一番風呂を避け、入浴中は家族がこまめに声かけを。
・入浴前後に水分補給を行う。
・長湯を避け、40℃以下に。
・暖かい浴室での半身浴は体への負担も少なくオススメです。

★リスクを減らそう!
高齢者の方はどうしても、一戸建ての築年数の古い、北側の窓の大きいところでお風呂に入ることが多いですが、マンションに比べるとどうしても、浴室、脱衣室の温度が低いです。
リスクが高い入浴をできるだけ避ける工夫をぜひ、行ってくださいね。

日本では全室暖房を行う住宅は少なく、長い時間いる居間は暖房されていても、浴室や脱衣室、廊下やトイレは冷え切っているという場合も少なくありません。
特にお年寄りのいる家庭では、そうしたところの暖房に気をつけることが不慮の事故の予防につながりますよ。

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