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宗像 沖ノ島〜祈りの原点をたずねて〜

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水虫

 
今回、水虫についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 福岡東医療センター皮膚科 医長の
古賀 哲也(こが てつや)先生です。


■水虫とは?

白癬菌というカビが
皮膚の最も外側の角質層に感染して起こる病気で、
梅雨場から夏にかけて増えてきます。
水虫は日本人の5〜10人にひとりはかかっていると言われ、
年々増加傾向にあります。
以前は男性に発症が多かったのですが、
近年では女性にも多く見られます。
これは女性の社会進出が増えたことや、
夏場でもブーツを履くことなどに由来しているとされています。


■水虫の種類は?

「趾間(しかん)型」では足の指の間が赤くなり、
その後かゆみを伴い皮がむけます。
「小水泡(しょうすいほう)型」では
足の裏やふちに小さい水泡やできて、強いかゆみを伴います。
「角質増殖型」では足の裏の角質が分厚くなり、
表面がザラザラして皮がむけますが、かゆみは伴いません。
また白癬菌が爪の中に侵入し、
変形したり欠けたりする「爪白癬」もあります。








■注意点は?

水虫を放置すると指の間がじゅくじゅくしたり、
皮がむけたりして、細菌の感染からリンパ管炎や
蜂窩織炎(ほうかしきえん)を合併することがあります。
その場合には足が赤く腫れあがり、熱が出て、
歩けない状態になることもあります。
また重症の糖尿病患者さんの場合には
そういった感染症がきっかけで
糖尿病性壊疽(えそ ※腐る)という状態を
引き起こすことがあるので要注意です。


■感染経路は?

白癬菌は皮膚組織の最も外側にある角質層に含まれる、
“ケラチン”というタンパク質を栄養源としています。
そして古くなってはがれた角質と一緒に床などに落ち、
数カ月に渡って生息します。その後、他の人の皮膚に付着し、
そのまま1日から2日を経ると角質層に侵入していきます。
白癬菌は皮膚がふやけたお風呂上がりにもっとも落ちやすく、
足ふきマットやタオルを介して感染します。
また共用のスリッパやサンダルから感染する場合もあります。


■水虫の検査は?

水虫は症状だけで診断できることもありますが
水虫と似たような症状を呈するような
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、
汗疱(かんぽう)、足湿疹などがあるので、
最終的な確定診断は顕微鏡で
白癬菌を確認する必要があります。



■水虫の治療は?

小水泡型、趾間型は塗り薬で治療を行います。
最低1ヵ月間、症状によっては2、3ヵ月間の治療が必要になります。
一方、角質増殖型は塗り薬だけではなかなか効果がなく、
飲み薬での治療が必要になります。
通常では治療によって かゆみなどの症状はおさまりますが、
白癬菌がまだ角質内に潜んでいる場合があります。
市販薬、病院での処方薬を問わず、
症状がなくなった後も1カ月程度は使用を続けましょう。


■水虫の予防、対策は?

日頃から足をよく洗って乾燥させる。
自分が水虫になってしまったら周りの人にうつさないよう
足ふきマットやタオルは別々に。
スリッパやサンダルは共用しないことなどが大事です。
水虫は命に関わる病気ではありませんが、
かかってしまうと本人だけではなく
家族など、周囲の人にうつす可能性が高い病気です。
自然に治ることは決してありませんので、
症状が出たら早めに病院を受診して
適切な治療を受けましょう。


子宮頸がん
〜ワクチンで防ごう!〜

 
今回、子宮頸がんについてお話を伺うのは、九州大学大学院医学研究院・保健学部門長・教授の加来恒壽(カク・ツネヒサ)先生です

■若い女性は要注意!
子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部という所にできるがんで、日本では年間およそ1万5千人が発症し、3千人あまりの女性が亡くなっています。患者数は最近増加傾向にあり、20〜30代ではすべてのがんの中で、子宮頸がんの発症率が最も高くなっており、特に若い女性に増えているがんです。
また子宮頸がんは初期にはほとんど症状がなく、自分で気付くのは難しいとされています。そのため不正出血やおりものの増加、性交時の出血などで異常に気付いた時には、がんが進行していることも少なくありません。

■原因はウイルス
子宮頸がんの原因は、皮膚や粘膜の接触によって感染するヒト・パピローマウイルスで、多くは性交渉によって感染します。ヒト・パピローマウイルスは、私たちの皮膚の上に普通に存在している、ごくありふれたウイルスで、約80%の女性が一生に一度は感染すると考えられていることから、性行動のあるすべての女性に、子宮頸がんが発症する可能性があります。
ただしヒト・パピローマウイルスに感染したからといって、必ずがんになるわけではありません。仮に感染しても、その多くは免疫の働きや皮膚の新陳代謝によって、自然に排除されます。またウイルスが排除されなくても、がん化するのはおよそ0.15%とごく少数ですが、数年から十数年の長い時間をかけて、感染した細胞ががん細胞に変化して、徐々に広がっていきます。

■子宮頸がんを予防するワクチンの登場
ヒト・パピローマウイルスは100種類以上のタイプがあり、そのうちの15種類ほどが子宮頸がんの原因となります。なかでも16型と18型の2種類が、子宮頸がんを発症している20〜30代女性の70〜80%に見つかっています。そこで特に発がん性の高い、数種類のウイルスに対する予防ワクチンが開発され、すでに100ヵ国以上で予防接種が実施されています。日本でも昨年末から、一般の医療機関でワクチンの予防接種を受けることができるようになりました。特に11〜14歳の性交渉前の女児に対して、積極的なワクチン接種が推奨されています。
ワクチンとは病気の原因となるウイルスをあらかじめ接種しておくことで、そのウイルスを攻撃する抗体を体内に作り、感染した時に直ちに反撃できるようにして病気を防ぐ方法です。子宮頸がんの予防ワクチンは十分な抗体をつくるために、半年の間に3回の接種が必要とされています。肩に近い腕の筋肉(上腕三角筋)に注射しますが、接種後にアレルギー反応が起こることもあるので、ワクチン接種が終わってもすぐには帰宅せずに、少なくとも30分間はその場で安静にするなどして、様子を見る必要があります。

■子宮頸がんワクチンQ&A
Q)ワクチン接種の年齢制限は?
A)性的な活動があれば年齢に関係なく、ワクチン接種の対象になります。
Q)ワクチンの効果は?
A)60〜70%のウイルスに対して有効で、有効期間は約20年と推測されています。
Q)ワクチン接種の費用は?
A)3回接種で計5万円前後ですが、現在産婦人科学会などが国の公費負担を求めています。
Q)ワクチンの副作用は?
A)アレルギー症状が現れることもありますが、命に関わる副作用はありません。
Q)ワクチンは必ず3回接種する必要がある?
A)3回接種しないと、十分な予防効果は得られません。
Q)ワクチンに治療効果はある?
A)ワクチン接種で子宮頸がんを治すことはできません。
Q)ワクチン接種期間(6ヵ月)に妊娠したら?
A)妊娠したらワクチン接種を中止して、出産後に残りのワクチンを接種します。

■ワクチンと検診で完璧な予防を!
子宮頸がんワクチンは、原因ウイルスの約70%に対して有効ですが、残りの30%のウイルスからは身を守ることができません。一方で子宮頸がんは、ウイルスに感染してからがんが発生するまでに、数年から十数年かかります。つまり20歳以上の女性に推奨されている2年に1回の子宮頸がん検診を受けていれば、仮にがんが発生しても早期に発見して治療することができます。ワクチンを接種すれば、子宮頸がん検診は受ける必要がないということではありません。検診も合わせて受けていく事で、完全に子宮頸がんを予防することができるのです。
初期の子宮頸がんは病巣を切り取れば完治しますが、進行すると子宮を摘出しなければならず、
妊娠や出産ができなくなってしまいます。命だけでなく人生を大切にするためにも、ワクチン接種と定期検診で、子宮頸がんをしっかり防ぎましょう。

食中毒

 
今回、食中毒についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院 総合診療部 診療部長の
鍋島 茂樹(なべしま しげき)先生です。


■食中毒とは、

病気のもとになるウイルスや細菌がついた食べ物や、
有毒な物質がついた食べ物を取ることによって起こる病気です。
近年、生活環境が衛生的になったにもかかわらず、
年間2、3万人の食中毒患者が発生しています。
これから気温が上がって湿度も上がるなか、
細菌やウイルスの活動も活発になりますので、
食中毒が増え、注意が必要になります。


■食中毒の原因となる病原菌

卵などに付着するサルモネラ、
魚介類などに付着する腸炎ビブリオなどが中心でしたが、
衛生管理の徹底によってそれらは減少傾向にあります。
代わって近年では肉類に付着するカンピロバクターや、
魚介類に付着するノロウイルスに由来する食中毒が増えています。













■カンピロバクタ−

鶏刺しや牛刺し、生レバ−などといった生肉や、
加熱が不十分な肉類を取ることによって感染します。
最近では生肉を食べる機会が増えてきたため、
カンピロバクタ−による腸炎が増加しています。
そういった生肉摂取が必ず食中毒につながるというわけでは
ありませんが、ひとつのリスクになるということは
頭に入れておいていいと思います。
また家庭、飲食店を問わず、焼肉を食べる時などに、
生肉をはさんだお箸を使ってそのまま食事をすることで
カンピロバクターに感染する危険があるので注意が必要です。


■ノロウイルス
魚貝類を介して感染するノロウイルスは
感染力が非常に強く、この10年間で急増しています。
その理由は、食べ物からうつるというだけではなく、
患者さんの嘔吐物とか便に入っているウイルスを介して他人に感染し、
一度に大量の患者が発生することがあるからです。
またノロウイルスは型がたくさんあり、免疫を逃れて
何度も感染することがあるということが知られています。


■症状と注意点

食中毒では感染して数時間から数日経て
下痢や腹痛、吐き気や発熱といった症状が起こります。
通常では3日程度で症状は快方に向かいますが、
カンピロバクターに由来する腸炎では
さらに数日間、下痢が続くことがあります。
また食中毒では子どもの場合に脱水をきたしやすい、
それから高齢者の場合は吐物を誤嚥して
非常に重篤な肺炎になっていくことがありますので
注意が必要です。

■診断と検査

細菌やウイルスによる食中毒は特有な症状や何を食べたかとか、
周りに同じような症状の人がいないかなどを
聞くことによって推測ができます。
その他にも必要であれば便の検査をしたり
血液検査をすることがあります。
また特別な治療法というものはなくて、
症状に合わせて輸液をしたり、
ときに抗生剤を使ったりすることがあります。


■予防と対策

食中毒予防の3大原則は、
病原菌を“つけない、増やさない、退治する”。
これに基づいて日頃の生活の中で注意することが大切です。

ひとたび食中毒と思われる発熱や下痢、腹痛などが起きた場合に
自己判断で安易に下痢止めを服用すると、
病原微生物が体内に留まってしまうことになります。
また食中毒のように見えて実は他の疾患であるということがよくありますので、
症状を自覚した場合は病院で診察を受けましょう。
“身のまわりで食中毒は起こるものだ”という意識を持つことが大切です。


口腔ケア

 
今回、口腔ケアについてお話を伺うのは、九州大学病院口腔総合診療科・教授の樋口勝規(ヒグチ・ヨシノリ)先生です

■口腔ケアの意義
口腔ケアとは、口の中の清掃、プラークや歯石の除去、入れ歯の手入れ、簡単な治療などによって、口腔を原因とする様々な病気の予防や健康の増進を目的としたものです。
特に高齢者の場合、口腔ケアを適切に行うことで、高齢者の死因の上位を占める誤嚥性肺炎を防ぐことができるだけでなく、認知症の予防や全身的な健康維持にも役立ちます。
さらに最近の研究によって、若いうちからしっかりと口腔ケアを行うことが、糖尿病をはじめとする様々な生活習慣病の予防にもつながることが分かってきました。

■細菌が増えやすい口の中
常に37℃前後に保たれた温度、唾液という水分、栄養となる食べ物など、細菌が増えやすい環境が整っている口の中には、数え切れないほどの細菌が生息しています。そして一般的にその3割ほどが、虫歯や歯周病を引き起こす悪玉菌だとされているのです。
口腔ケアを怠ると、歯と歯ぐきの溝に細菌が繁殖してプラークと呼ばれる固まりができ、これを放っておくと石灰化して歯石になり、さらにプラークができやすくなってしまいます。
このプラークの中の歯周病菌によって、歯ぐきに炎症を起こすのが歯周病で、悪化すると歯を支える骨を溶かしてしまうため、年をとって歯が抜け落ちる大きな原因になっています。
日本では中高年の5人に4人が歯周病を患っているとされていますが、実は歯周病菌がむしばむのは口の中だけではありません。

■歯周病菌と全身疾患との関係
糖尿病の患者さんが歯周病になりやすいことは、以前から知られていましたが、最近になって、歯周病になると糖尿病を発症しやすいという逆の関係も明らかになってきました。
さらに歯周病菌は血管を通して全身に運ばれ、毒素を出して動脈硬化の進行を早めたり血栓をできやすくするために、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、足や指の血管が詰まるバージャー病の原因になります。高齢者によく見られる誤嚥性肺炎は、寝ている間などに、歯周病菌が唾液と一緒に誤って、肺や気管支へと流れ込むことで引き起こされることも分かっています。
また女性は妊娠すると女性ホルモンの血中濃度が高くなりますが、歯周病菌の中にはこの女性ホルモンを利用して増殖するものがあるため、妊娠中は歯周病になりやすいとされています。
さらに歯周病菌が出す毒素や炎症性物質が、血液中に入って胎盤を刺激すると、胎児の成長に影響を与えたり子宮の収縮を促すなどして、早産や低体重児出産のリスクが高まることが明らかになっています。

■実践しよう!正しい歯みがき
健康な人にとって、口腔ケアの主な目的は虫歯と歯周病の予防です。その原因となる口の中の細菌をゼロにすることはできませんので、まずは歯みがきなどのセルフケアで、細菌の数を少なく保つことが大切です。そこで細菌を効果的に除去する正しい歯のみがき方をご紹介しましょう。
まず歯ブラシは力の加減がしやすいように、鉛筆と同じように持ちます。
次に歯と歯ぐきの間に毛先が入るようなイメージで、歯ブラシを歯に対して斜めに当てましょう。
そして毛先を細かく左右に動かします。くれぐれも力を入れ過ぎないように注意して下さい。
歯みがきにかける時間の目安はおよそ10分。特に歯周病予防には、就寝前の歯みがきが効果的です。

■プロの口腔ケア!PMTCとは?
ただし歯石が沈着した場合は、歯みがきだけでは除去できません。そこで少なくとも半年に1度は、歯科医院を受診して歯石やプラークを除去し、虫歯や歯周病になりにくい口内環境を整えることが大切です。
歯科医院で行われる口腔ケアのことをPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といいます。直訳すると“プロが機械で行う歯のお掃除”です。その内容を簡単に説明すると、まずは研磨剤と回転ブラシを使って、歯の表面や根元の部分の汚れをこすり落とします。その後さらに粒子の細かい研磨剤を使って、歯をキレイに磨きあげます。仕上げにフロスで、歯と歯の間の汚れもしっかり落とします。PMTCを行うと歯がキレイになるだけではなく、プラークなどの汚れが付きにくくなるという利点もあるんです。

■歯科受診のすすめ
最近では歯科人間ドックを実施する病院が、全国的に増えています。歯科人間ドックでは虫歯や歯周病の検査をはじめ、噛み合わせや顎関節症、がん検診まで幅広く検査することで、口だけでなく全身の健康状態も調べることができます。
日本には歯周病の定期健診を行う習慣がなく、初期にはほとんど自覚症状がないために発見が遅れがちで、人知れず症状が進行している事も少なくありません。歯周病だけでなく、様々な生活習慣病を予防するためにも、食後や就寝前の歯みがきはもちろん、定期的な歯科受診による歯の清掃で、今からしっかりと口腔ケアを続けることが大切です。

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