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『自分らしく生きるために!乳房再建』

 
今回、「乳房再建」についてお話を伺うのは、ナグモクリニック福岡 院長の北村 薫(きたむら・かおる)先生です。

■もとのバストに!乳房再建
乳がんは女性が最もかかりやすいがんです。日本では1年間におよそ4万人の女性が、新たに発症しています。一方で乳がんによって死亡する割合は、発症する割合の3分の1にも達していません。これは乳がんが他のがんと比べて治りやすく、適切な治療によって完治する可能性が高いことを表しています。
ところが、乳がんの治療のためには、女性にとって大切な乳房を切除しなければならないこともあります。「命が助かったのだから、多少の犠牲は仕方がない…」乳がんを克服した女性の中には、そんなあきらめにも似た感情を抱えて、乳房の喪失や変形による様々な苦痛や不都合に耐えている人も少なくありません。つまり、乳房再建によって失った乳房をとり戻して初めて、患者は乳がんという病気から本当の意味で解放されるのです。
乳房は女性のシンボルとして外に出ている、非常に特殊な臓器です。そのため多くの女性にとって、乳がんを治す時に乳房の形を考えないわけにはいきません。患者にとって最も理想的なのは、乳房が手術前となるべく同じ形、同じ状態に戻った上でがんが治ることなので、乳がんの治療に乳房再建は必須とも言えます。

■乳房再建の方法について
乳房再建とは、乳がんで失われた乳房をとり戻す形成外科手術のことです。まず乳房のふくらみを作り、乳輪や乳頭が切除されている場合は最後にこれらを形成します。
現在行われている乳房再建には主に3つの方法があり、1つは胸にシリコン製の人工乳房を挿入するインプラント法、もう1つは体の他の部分から皮膚や脂肪、筋肉を移植する筋皮弁法、そして自らの脂肪を移植する方法です。

■最も一般的なインプラント法
乳房再建で最も一般的なのがインプラント法で、仕上がりを美しく調整しやすいのが特長ですが、乳がんの切除後に、胸の筋肉が残されていることが適用の条件となっています。
乳がんの手術で乳房の皮膚を残す、いわゆる皮下乳腺全摘術をした場合には、乳がんの手術と同時にインプラントを挿入するができます。ところが従来の乳房切除術は、乳頭や乳輪、さらにその周りの皮膚を広範囲に取ってしまいます。そのため1回の手術でインプラントを挿入するのは難しい場合があります。そこで組織拡張器というバッグを、将来的にインプラントを入れる場所に埋め込んでおいて、そこに生理食塩水を徐々に注入していくことによって少しずつ乳房の皮膚を伸ばします。そして健康な側の乳房と同じ程度の大きさになった所で、組織拡張器を抜きとってインプラントに入れ替える手術をもう一度行うという形で、2回の手術が必要になることもあります。
インプラント法は手術が比較的に簡単であることと、自分の乳房に合った形や大きさのインプラントを選べるという点に大きなメリットがあるとされています。

■自然な柔らかさの乳房を作る筋皮弁法
筋皮弁法には背筋と腹筋を用いる方法があり、それぞれ根元は切り離さずに血流を保ったまま、皮膚の下を通して皮膚や脂肪、筋肉を移植します。筋皮弁法は他の方法と比較して、より自然な柔らかさの乳房を再建できますが、背中やお腹に20cm以上の大きな傷が残り、背中の皮膚がへこんだり腹筋の力が弱くなるといった欠点があります。

■部分切除に有効な脂肪移植
現在日本における乳がんの手術では、乳房温存術といって乳腺の部分切除、つまりがんの部分だけをくり抜く手術が主流になりつつあります。温存術という名前からは再建など必要なさそうですが、実は切除した乳房の範囲や場所によっては、手術後に乳房の変形をきたす場合が少なくありません。
そこで腹部やももの脂肪を吸引して、乳房の変形部分に注入する手術を行うと、少なからず改善することができます。このように自らの脂肪を移植する方法は、乳房温存術の後の再建としては、非常に有効な方法だと考えられています。

■乳房再建で後悔しないために…
主治医と話し合いをする上で、「ずべてお任せします」といったように丸腰で臨むのではなくて、例えばインターネットで的確なキーワードを入れて検索するなど、乳房再建について自ら学ぶことが大切です。自分にとって本当に重要な情報だけをピックアップするのは難しいかも知れませんが、少なくとも自分の意見や主張もある程度できるようにして、自分に1番合った再建方法を選びましょう。
医療技術が進歩した今、乳房再建は決して特別なことではありません。乳がんという病気を克服するだけでなく、命と引き換えに失ったものをとり戻す…そしてその後の人生を自分らしく生きるために、乳房再建があるのです。

脳内出血

 
今回、脳内出血についてお話を伺ったのは
国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター長の岡田 靖(おかだ やすし)先生です。


■脳卒中のひとつ「脳内出血」とは?

日本人の死因、第3位の脳卒中には脳の血管が詰まる「脳梗塞」と、
脳の血管が破れる「脳出血」があります。
さらに脳出血は くも膜下腔という空間に張り巡らされた血管が破れる「くも膜下出血」と、
脳を取り巻く細い血管が破れる「脳内出血」に分けられます。
脳内出血の原因でもっとも重要なのが高血圧です。
それ以外には多量の飲酒、喫煙も関係しています。
また毎日の生活でのストレスや疲労も引き金になるとされています。


■脳内出血と高血圧

脳内出血の一番の原因は高血圧です。
高血圧は一時、効果的な治療が広く行われ減少傾向にありました。
しかし最近は経済状況の悪化もあってか、自分の健康管理を怠る人が増えています。
そのために高血圧を放置したり、お酒を飲み過ぎたりして
脳内出血を起こす人が増えています。特に40歳以上で高血圧の人は注意が必要です。

■脳内出血の特徴

寒い時期や興奮した時、
さらには睡眠中よりも血圧が変動しやすい日中に起こりやすいという特徴があります。
脳内出血は一番の原因である高血圧が長く続くと脳の血管に持続的に圧力がかかり、
そのために血管がもろくなったり、小さなコブができたりして
そこが破れることで脳内に出血をきたすと言われています。
脳内出血は脳のどの部分にどの程度の出血が起きるかによって症状に違いがありますが、
多くの場合、頭痛、めまい、吐き気を訴えます。
また後遺症として、半身まひや言語障害、意識障害などが残ることがあります。
死亡率は比較的高くておよそ15%と言われています。重症の場合では意識障害が強く、
急速に呼吸が停止して早い段階で亡くなることもあります。


■脳内出血の治療法

脳内に広がった血の塊が小さい場合は内科的な治療で血圧を下げたり、
脳の腫れが引くような薬物療法を行ったりします。
血の塊が大きなもので生命の危険がある場合には開頭手術で血の塊を取りだしますが、
最近では頭に小さな穴を開けて針で血の塊を吸い出したり、
内視鏡で取り出すといった、患者さんに負担の少ない治療も行われています。


■脳内出血の予防、対策

第一歩は血圧の管理です。普段から血圧を測る習慣を持って、
高血圧があればしっかり治療を受けましょう。
他には食事面では高血圧につながる塩分を控える。
喫煙や大量の飲酒は控える、お酒は一日に一合までを心がけましょう。
適度な運動を心がけ、太り過ぎに注意。
十分な睡眠と休養でストレスを溜めないことなどです。
脳内出血は働き盛りの方で自分の健康管理を少し忘れて飲み過ぎたり、
仕事を頑張り過ぎるような人に突然襲ってきます。
自分の血圧、適正な体重を知ってしっかり健康管理することが大事です。

 
今回、痔についてお話を伺ったのは
相良外科肛門科医院 院長の
相良 泰至(さがら やすよし)先生です。


■痔の種類について

いぼ痔と呼ばれる痔核(じかく)、切れ痔と呼ばれる裂肛(れっこう)、
あな痔と呼ばれる痔ろうの3つがあります。
痔核は肛門部分の血流が悪くなって膨れるもので、
直腸と肛門の境目である歯状線より内側にできるものを内痔核(ないじかく)、
外側にできるものを外痔核(がいじかく)と言います。
裂肛は固い便などで肛門の皮膚組織に傷がついて激しい痛みを伴うものです。
痔ろうは歯状線の小さなくぼみの中に、
便に含まれる細菌が入りこんで化膿するもので、
しばしば皮膚を突き抜けて膿を出します。


■痔の原因や特徴について

痔核や裂肛は便秘が原因であることが多いと言われ、
痔ろうは下痢が原因であることが多いと言われています。
また女性はお産の際にお尻にうっ血をきたしやすいことから
妊娠・出産時に痔を発症する・または悪化させる傾向があります。
他にもアルコールや香辛料など刺激物の取りすぎ。
長い時間のデスクワークなどで
ずっと同じ姿勢でいることも影響を及ぼします。
さらにストレスは腸に強い刺激を与え
固い便を作って便秘の要因になったり、
反対に便に含まれる水分をきちんと吸収できなくなって
下痢の要因になったりします。

■症状が進行すると…

痔核では排便時に肛門から脱出した内痔核が、
指で押し戻さないと戻らない。
あるいは指で押しても戻らないといった具合になります。
それがさらに進むと、肛門から脱出した内痔核が
お尻の周りの括約筋という筋肉によってきつく締め上げられる
嵌頓(かんとん)痔核が起こり、激しい痛みがくるようになります。

裂肛では固い便で粘膜組織に傷が入って切れる。
それによる痛みのため排便したくない。
それでも便が溜まって無理やり出すとまた切れて
さらに傷が深くなるという悪循環におちいります。

痔ろうは長年放置していると、
がん化することがあると言われているので、
早い段階で手術を受けた方が良いとされています。

■痔と大腸がんについて

痔核や裂肛では、しばしば出血が起きますが、
大腸がん、あるいは炎症性の大腸炎でも同様に出血が起きます。
痔核や裂肛は直接、命に関わる病気ではありませんが、
大腸がんは命に関わる病気なので、
お尻から出血があったら痔と決めつけないで
病院で一度、調べてもらった方が良いでしょう。

■痔とトイレとの関係についてのトピックス

最近、“温水トイレ症候群”というものが注目されています。
温水トイレは使うと気持ちが良くて、
清潔に保てるということで痔には非常に良いのですが、
使いすぎることで、例えば子どもでは
温水トイレではない便所では排便したがらない。
また、高齢者でお尻の筋肉が少し緩んだ人が強い水圧で使用すると
直腸にまで温水が入り、そのあと液体が漏れて
お尻の周りがただれたり、かゆくなったりすることがあります。
本来、温水トイレはお尻を清潔に保つための強い味方ですから上手に使いましょう。

■痔の治療について

痔核や裂肛は基本的に便秘が原因なので
便秘をしないようなお薬や、傷を治すための座薬や軟膏を使用します。
さらに食事・排便習慣の改善を目指した生活指導が行われます。
一方、痔ろうではおよそ4割の患者さんに手術が行われます。
また腫れた部分を切開して膿を出したり、
できた穴をくりぬくなどの治療も行われます。

■痔の予防、対策について

刺激物であるアルコールや香辛料を控え、
便秘予防に効果的な食物繊維や水分をきちんととる。
座り仕事が多い人は、たまに軽く歩いたりして血行を良くする。
規則正しい生活を心がける。本や新聞を読んだりせず
3分程度でスムーズな排便を心がけましょう。
痔そのものは命に関わる病気ではありませんが、
毎日の生活の質を低下させることにつながります。
お尻のトラブルだけになかなか人にも相談できず…、
というところかもしれませんが
進行すると自然に治ることはありません。
症状にお悩みの方は一度、病院で診察を受けましょう。


『健康への道しるべ!食育』

 
今回、「食育」についてお話を伺うのは、料理研究家・食品保健指導士の徳永睦子先生(とくなが・むつこ)先生です。

■生きる力を育む!食育とは?
食育は人が生きていく上での基本になるもので、生涯をいきいきと過ごしていけるように、生きる力を身につけるための教育のことです。
私たちは1日に約2キロの食事をとると言われていますが、仮に100歳まで生きると、一生で73トンも食べることになります。それだけの量を何も考えずに飲んだり食べたりしていると、人生に大きな影響を及ぼすことになります。そこで食べることの大切さをもう一度、1人1人がきちんと考えましょうという意識の高まりが、食育へとつながっているのです。

■食育が必要とされるワケ
いつでもどこでも好きな物を好きなだけ食べられる、豊かな現代社会…その一方で、栄養の偏りや不規則な食事による生活習慣病の増加、肥満や過剰なダイエット、さらには食の安全に対する信頼の低下など、食をめぐる様々な問題が指摘されています。そんな中、平成17年に食育基本法が制定され、これまで教育の基本としてきた知育、徳育、体育に加えて、それらの基礎となるべきものとして、未来を担う子どもたちを対象とした食育に、国をあげて取り組むことになったのです。
食育には、基本となる3つの柱があります。1つは本物の味が分かる味覚を育むこと、2つめは安全を見極めて食材を選ぶ力を育むこと、そして3つめは感謝の心を育むことです。食事の時に「いただきます」や「ごちそうさま」を、きちんと言えるように子どもたちに教えることも、大切な食育の一つなのです

■食育は家庭で実践しよう
食育は基本的には家庭で、毎日の生活の食を通した関わりの中で、育んでいくことが大切です。例えば子どもにいきなり料理をさせるのではなく、食事の準備をする時に箸置きの置き方やご飯茶碗の位置、汁物のお椀の位置などを教えるようにします。その中で、食に対する興味や関心が養われていくのです。
また、味覚は3歳から10歳ぐらいまでの間に育成されると言われています。五味と呼ばれる味覚のうち、甘い・しょっぱい・旨いというのは本能的に備わっている味覚ですが、すっぱい・苦いというのは育てていく味覚です。これらの味覚は経験を積むことでしか育んでいくことができませんので、子どもがすっぱい物も美味しい、苦い物も美味しいと思えるように、親は色んな物を食べさせて、将来、健全な食生活を送ることができるようにしてあげましょう。

■食育の原点・お茶の間をとり戻そう!
以前は茶の間と呼ばれる空間が、どこの家庭にもありました。茶の間といえば家族が集まる場所であり、美味しいご飯が食べられる場所でもあります。そういう場所に家族の団らんがあり、親子で話したり友人同士で話したりといった日々の積み重ねで、子どもの心は育っていきます。
家族の幸せを願うなら、まずは親子で楽しく食卓を囲みましょう。食育は子どもだけでなく、家族みんなを健康へと導く道しるべ、ですよ。

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