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合併症のサービスにご用心!糖尿病

 
今回、「糖尿病」についてお話を伺うのは、国立病院機構九州医療センター、代謝内分泌内科、医長の吉住秀之(よしずみ・ひでゆき)先生です。

■糖尿病の原因は?
放っておくと次から次に色んな合併症が出てくる病気、糖尿病。厚生労働省の調査によると、糖尿病の疑いが強い人は全国におよそ890万人と推定されていますが、その約4割はほとんど治療を受けていないとされています。
糖尿病はインスリンというホルモンの作用不足のために、慢性的に血糖値の高い状態が続くことによって、色々な合併症が起こってくる病気です。生活習慣の乱れから生じる2型の糖尿病以外にも、免疫の異常で起こる1型糖尿病や、肝臓病や膵臓病、薬剤の作用、そして妊娠をきっかけにして起こってくる糖尿病などがあります。特に2型の糖尿病では、動物性脂肪のとり過ぎや運動不足による肥満などから、インスリンが効きにくくなる状態が起こって、血糖が上がるとされています。

■インスリンの働きについて
私たちが食べ物を消化して吸収すると、血液の中にブドウ糖が取り込まれます。すると、すい臓からインスリンが分泌されて、ブドウ糖が筋肉や臓器でエネルギーとして使われたり、脂肪や肝臓にエネルギーとして蓄えられる働きを助けます。
糖尿病とはインスリンが不足したり、その働きが悪くなったりする病気で、利用できなくなったブドウ糖が血液中にあふれ出すために、血糖値が高くなってしまうのです。

■糖尿病の3大合併症
糖尿病の症状としては、高血糖からくる喉の渇きや尿の増加、体重の減少などがよく知られていますが、多くの場合は症状が出ないことが少なくありません。そのためにしばしば放置されてしまい、動脈硬化やその他の合併症が進むまで、なかなか気づかれにくいことがあります。
糖尿病に特徴的な合併症には、毛細血管がダメージを受けて起こってくる目の網膜症や腎臓の腎症、神経がダメージを受けて起こってくる神経障害などがあります。これらの3つの合併症は非常によく見られることから、糖尿病の3大合併症と呼ばれています。
3大合併症の中で最も早く現れるのが神経障害です。手足の痺れや感覚の鈍化といった知覚神経障害、たちくらみや食後の異常発汗といった自律神経障害、筋肉の萎縮や顔面神経麻痺といった運動障害などが起こります。
網膜症はある程度進展するまで自覚症状がありません。目のかすみや視力障害、眼底出血による視力低下が主な症状で、年間およそ三千人が糖尿病網膜症で失明しています。
腎症は腎臓の働きが次第に低下して、最終的には腎不全に至ります。新たに人工透析を始める患者のおよそ4割にあたる年間1万6千人ほどは、糖尿病性腎症が原因だとされています。

■糖尿病予備軍は動脈硬化にご用心!
糖尿病には3大合併症以外にも色々な合併症があります。特に比較的太い血管に起こってくる動脈硬化は、糖尿病になると健康な人の3倍の確率で起こりやすいとされています。なかでも脳に行く血管が閉塞を起こす脳梗塞、心臓の冠動脈と呼ばれる血管が閉塞を起こす心筋梗塞、それから足に行く血管が閉塞を起こす閉塞性動脈硬化症には注意が必要です。
こうした動脈硬化は、必ずしも糖尿病が発症してから始まるのではなく、糖尿病予備軍(空腹時血糖値が110〜126mg/dl)と呼ばれる状態から、症状もなく進行していくことがあります。つまり糖尿病予備軍は、今はまだ病気ではなくても、動脈硬化を引き起こす深刻な状態だと考えられるので、何らかの症状がでる前に動脈硬化を早期発見・早期治療することはとても大切です。

■動脈硬化の検査とは?
動脈硬化かどうかを調べるには、手足の血圧を測るCAVI検査があります。血圧が上がると健康な血管は大きく膨らみますが、動脈硬化で硬くなっているとあまり膨らみません。つまり血圧が上がった時の動脈の膨らみ具合で血管の硬さが分かります。
さらに横になった状態では、手足の血圧は同じ位か足の方が少し高くなりますが、足の動脈が詰まっていると足の血圧が低くなります。そこで手足の血圧を比べることで、足の動脈硬化が診断できます。
また動脈硬化が進むと血管の壁が厚くなったり、プラークと呼ばれるコブができて管内が狭くなります。その様子を超音波画像でチェックする頸動脈のエコー検査も動脈硬化の早期発見に効果的です。

■健康診断の結果をチェックしよう!
糖尿病の合併症は一度起こると、非常に治療が難しい病気になります。そこで糖尿病の進行前に早期発見・早期治療することが大切です。そのためには毎年の健康診断の結果をみて、単に正常範囲であるからいいとするべきではなく、その値が次第に上がってる場合や前の年よりも悪くなってる場合には、動脈硬化も進行している場合がありますので、医師の適切なアドバイスの元に早期に治療を始めましょう。

糖尿病な医師の指導をきちんと守って、適切な血糖コントロールを続ければ、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることができます。自覚症状がないからといって血糖値が高い状態を放置せずに、しっかり対処して糖尿病や合併症のリスクを回避しましょう。

認知症

 
今回、認知症についてお話を伺ったのは田北メモリーメンタルクリニック 院長の
田北 昌史(たきた まさし)先生です。


■認知症とは?

何らかの原因で脳が障害を受け、もともと持っていた記憶力や判断力などが落ちて、日常生活に支障をきたすようになった状態です。現在、認知症の患者数は65歳以上のおよそ8,5%に当たる240万人ほどと言われていますが、高齢化の進行とともに今後、その数は上昇すると考えられています。


■認知症の種類

認知症で代表的なものは、“アルツハイマー型認知症”という認知症です。
はっきりした原因はまだ分かりませんが、脳の中に“アミロイド”という特殊なタンパクが溜まっていくもので、日本の認知症患者の5割以上を占めると言われています。
他に“脳血管性認知症”と言って、脳血管障害のあとに認知症になるもの。
“レビー小体型認知症”と言って、脳の中にレビー小体という物質が溜まってきて、手の震えや幻覚などが出る認知症が多いとされています。


■認知症の症状

認知症では“中核症状”という、記憶に障害が起きる、時間や場所、人が分からなくなる、言葉が出てこないといった症状が見られます。さらにそういった中核症状の他にも不眠や徘徊、幻覚や妄想といった“周辺症状”と呼ばれる精神的な症状が出現します。一般的に中核症状はほとんどの認知症患者に見られますが、周辺症状はすべての患者に見られるわけではなく、また心身の状態などで、その度合いも大きく変化します。




■症状の特徴

記憶障害はどちらかと言えば新しく覚えることが苦手になってくるのが初期症状のひとつです。
例えば、年齢が分からなくなるということは比較的早く出てきます。
年齢は毎年毎年ひとつずつ増えていく“変わる記憶”だからです。ところが生年月日は比較的覚えている人が多いです。これは一度覚えたら“変わらない記憶”だからです。


■認知症と物忘れの違い

記憶や行為の一部を忘れている場合では、単なる物忘れが考えられます。
記憶や行為そのものを忘れている場合では認知症の可能性が考えられます。
また有名人の名前が出てこないということがありますが、これもそんなに心配しなくて良いものだと考えられます。
しかし、身近な家族の名前が出てこないというのはちょっと心配です。


■注意点

認知症の物忘れというのは次第に進行していきます。
ご家族は物忘れが出た場合にその物忘れが最近出てきたか、それが進んでいるかをよく確認してください。
もともとできていたことができなくなるということはやはり心配です。
逆に若いころから“財布を忘れて買い物に行くような人”は、
年をとって同じような感じでも心配はないかもしれません。


■認知症の治療

認知症の治療では症状の進行を遅らせるための薬物療法。
リハビリテーションなどを中心とした非薬物療法。そして介護。
この3つが柱とされています。
薬物療法では今年、2種類の新薬が登場しています。そのひとつは体に貼るタイプで薬を飲みこむことが困難な患者や、飲み忘れの防止に有効です。

■先生より介護についてひと言

介護は毎日、常に精一杯を続けていると心身ともに疲れ果て、介護の質も低下してしまいます。
ときにはデイサービスなどを利用し自分の時間を持ってショッピングを楽しむなど、上手に気分転換を行いましょう。
認知症の介護をしている方の55%は、うつ状態になっているという研究結果もあります。
認知症の介護というのはなかなか先が見えません。
“いつまで介護すればいいのか分からない”。
このような重みが介護する家族にとっては非常な負担になります。
我々、医師や介護の専門家はご家族がその負担につぶれないように、上手くサポートしてあげないといけないと考えています。


静かな耳のトラブル!!難聴

 
今回、「難聴」についてお話を伺うのは、九州大学大学院医学研究院、耳鼻咽喉科、教授の小宗静男(こむね・しずお)先生です。

■難聴は自覚しにくい!?
年をとれば体力が落ちていくように、耳だって多少は聴こえにくくなるのも仕方がない…なんて思ってやしませんか?日本における難聴者の数は、人口のおよそ15%にあたる1994万人と推定されていますが、そのほぼ半数は、聴力の低下を自覚していないと考えられています。周りとうまくコミュニケーションがとれていないのなら、それは難聴のせいかも知れません。
騒音に満ちた現代社会では、知らず知らずの内に耳を酷使していまいがちです。難聴は決して他人ごとではありません。

■難聴の初期症状
難聴とは文字通り耳が聴こえにくくなるということですが、軽い場合はなかなか気づきません。どうも最近片方の耳が詰まったような感じがしたり、テレビの音が少し小さくなった気がしたり、会議などで人の声が少し分かりにくいといったことで難聴に気づくことが多く、時々耳鳴りを伴う場合もあます。このような自覚症状がある時は難聴を疑いましょう。

■音が伝わる仕組み
音の正体は空気の振動です。この空気の振動が耳の穴を通って鼓膜を振動させると、鼓膜に隣接した小さな骨“耳小骨(じしょうこつ)”が振動して、この骨の振動が“蝸牛(かぎゅう)”と呼ばれる器官へと伝わります。蝸牛の中にはリンパ液が満たされていて、耳小骨の振動が伝わると、このリンパ液が振動します。すると蝸牛の中で電気信号が発生して、聴神経から脳へと伝わるのです。
このように音は空気の振動から鼓膜の振動、耳小骨の振動、リンパ液の振動、電気信号と伝わっていきますが、この過程のどこかに1つでも障害が生じると、音が伝わり難くなって難聴を引き起こすのです。

■難聴は3タイプ
難聴には大きく分けて3種類のタイプがあります。耳の入口から鼓膜までを外耳、鼓膜の内側から耳小骨までを中耳、それより奥を内耳と言いますが、外耳から中耳までの間に障害を受けて起こる難聴を伝音性難聴と言います。代表的なものには慢性中耳炎や、鼓膜の内側に水がたまる滲出(しんしゅつ)性中耳炎があります。
内耳から聴神経、脳までの間に障害がある難聴を感音性難聴と言います。代表的なものは老人性難聴で、ある日突然起こる突発性難聴も感音性難聴になります。
そして伝音性と感音性の両方の症状が見られるのが混合性難聴です。ほとんどは中耳炎によるもので、中耳炎の炎症が内耳に及んで、中耳だけでなく内耳の細胞も破壊されていきます。

■老化の現れ!?老人性難聴
難聴には他にも色々ありますが、その中で老化による自然現象とも言えるのが老人性難聴です。内耳の蝸牛には音を感じとる有毛細胞がおよそ1万5千個もあり、その位置によって認識する音の周波数が異なり、蝸牛の入口ほど高く、奥に向かうほど低い周波数の音を認識します。音自体は周波数の高低に関係なく蝸牛の入口から入って来るため、年をとるにつれて入口に近い有毛細胞ほど徐々に劣化したり減少したりしていきます。そのため老人性難聴では高音域から聞こえにくくなっていきます。一方で比較的周波数の低い母音は聞き取ることができるため、本人には聞こえにくいという実感が乏しく、難聴に気づくのが遅れてしまいがちです

■難聴の治療法
難聴の治療は、伝音性難聴であれば外科手術で聴力の回復が望めますが、感音性難聴については一般に治療が難しいとされています。ただし重症の感音性難聴では会話ができることを目指して、人工内耳の手術を行うこともあります。
また、聴力を取り戻す機械には補聴器があります。補聴器は音を大きくして耳の中に入れる機械なので、基本的には伝音性の難聴に有効です。しかし耳の穴が狭い人や広過ぎる人、生まれつきできてない人の場合は、骨を通じて音を振動として伝える骨伝導の仕組みを用いた骨導補聴器を使うと、きちんとした音を取り戻して会話を可能にすることができます。

■補聴器の最新事情
さらに最近では、骨導補聴器の中でも半埋め込み型の骨導補聴器が開発されています。ボーン・アンカード・ヒアリング・エイド、略してバーハと呼ばれる補聴器で、従来の補聴器が音を増幅して鼓膜を振動させていたのに対して、骨導補聴器の場合は、音の振動が骨を伝わって直接内耳に届くので、頭蓋骨に当てさえすればどこからでも音が聞こえるようになっています。
バーハを実際に使用するには、耳の後ろにチタン製のインプラントを埋め込んで、そこにバーハの本体を装着します。インプラントを骨に埋め込む手術は局部麻酔で行われ、所要時間は15分程度です。費用は自費で150万円程度ですが、おそらく来年ぐらいから日本でも保険適用になる可能性が非常に高いとされています。
欧米ではすでに数万人がバーハで聴力を取り戻しています。日本でも当たり前にバーハの手術を受けられる日が、1日も早く実現することが望まれます。

難聴を克服するには家族をはじめとした周囲の理解と協力が欠かせません。補聴器をつけても聴力は完全には戻らないので、周りの人はゆっくりとメリハリをつけるなど、聞き取りやすい話し方を心がけましょう。

高血圧症

 
今回、高血圧症についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター高血圧内科 医長の土橋 卓也(つちはし たくや)先生です。


■高血圧症とは?

心臓から送り出された血液が血管に与える圧力を血圧と言いますが、高血圧症とは収縮期血圧と言われる上の値が140(mmHg)以上、拡張期血圧と言われる下の値が90(mmHg)以上のいずれかに該当する状態です。
日本で最も多い生活習慣病で、男性では50歳以上、女性では60歳以上の2人にひとりは高血圧症だと言われています。


■高血圧症の発症要因

家族に高血圧症の人がいるといった遺伝的要因に加え、肥満、運動不足、喫煙、お酒の飲みすぎ、ストレスなどさまざまな生活習慣上の問題が複雑に絡み合っています。
最も大きなリスクファクターが塩分の取りすぎです。塩分を取りすぎると血液中の塩分濃度が上がり、それを下げるために体内の水分が血液中に送り込まれます。
その結果、全身を流れる血液の量そのものが多くなって血管を押す圧力が上がる、つまり血圧が上がってしまうのです。


■高血圧症の症状

高血圧患者さんの多くは特別な症状を訴えません。
しかし何も症状がないからと言って放置していると、5年、10年と経過するごとに“動脈硬化”といわれる、動脈が固くなるような症状が出てきます。そうなると脳卒中、狭心症・心筋梗塞、腎不全といった大変な状態がもたらされることが危惧されます。
というわけで高血圧の治療は何も症状がないときから管理することがとても大切です。






■高血圧症の管理のポイント

血圧の管理は病院や健康診断での計測と併せて、家庭で定期的に計る“家庭血圧”が大事です。
血圧は人によっては“白衣高血圧”といって、自宅で計ると正常範囲内であるのに、病院や健康診断などで計ると、緊張して高い値を示し、高血圧症と診断される可能性があります。

また反対に家でたとえば朝、血圧を計ったら高かったけれど、
その後、お薬を飲んで病院に行ったら血圧は低かったというようなパターンがあります。
そうすると病院で計った血圧がとても良いので血圧の管理が上手くいっているというふうに先生から言われるかもしれませんが、実は朝の血圧は高いという病態、これを“仮面高血圧”と呼んでいますが、こういった仮面高血圧の人は脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高いと言われているので、たとえ病院での血圧が良好であっても、家での血圧もしっかり管理してください。
家庭で計った場合での高血圧症の基準は、上の値が135(mmHg)以上、または下が85(mmHg)以上とされています。
測定は時間や環境など、できるだけ同じ条件で行いましょう。


■高血圧症の予防・対策

予防、対策は何より塩分を控えることです。
高血圧症の人では1日6g未満とされていますがそうでない人もこれくらいを意識しましょう。
また野菜や果物に含まれるカリウムはナトリウムを尿と一緒に排出させる働きがあります。
毎日30分程度の有酸素運動は血液の循環を促し、血圧を下げるのに効果的です。
アルコールは1日で、ビールでは中瓶1本、日本酒や焼酎では1合程度までを目安としましょう。
さらにタバコは血管の老化を進める張本人なので禁煙をお勧めします。


ガマンしないで治そう!更年期障害

 
回、「更年期障害」についてお話を伺うのは、野崎ウイメンズクリニック、院長の野崎雅裕(のざき・まさひろ)先生です。

■更年期障害をガマンしすぎないで!
多くの女性にとって更年期は、家庭で家事に追われたり職場で仕事を任される時期と重なって何かと忙しく、自分の体調を気にする余裕もないまま、更年期障害のつらい症状にひたすら耐えている…そんな女性が少なくありません。女性であれば仕方がないと思われがちですが、日常生活に支障をきたすようならきちんと治療を受けることを考えましょう。

■更年期の正体
更年期とは閉経の前後10年くらいの期間のことで、日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳と言われているので、一般的に更年期は大体45歳から55歳の間と考えることができます。
女性の体は40代になると卵巣の機能が衰え始め、閉経を迎えると卵巣から分泌される女性ホルモンの量が急激に減少します。すると女性ホルモンの減少を感知した脳が、視床下部から卵胞刺激ホルモンを分泌して、卵巣に女性ホルモンを分泌するよう促します。
ところが機能が衰えた卵巣では、その命令に応えることができないため、女性ホルモンの減少と卵胞刺激ホルモンの増加というホルモンバランスの乱れが生じてしまいます。さらに、卵巣から十分な女性ホルモンが分泌されないことで、命令を出した脳の視床下部が混乱してしまいます。視床下部には自律神経を調節する働きもあるため、この混乱が自律神経の失調を招き、ほてりやのぼせといった様々な症状につながるのです。


■更年期障害の症状は?
女性は40歳前後になると、誰でも女性ホルモンが低下し始めます。すると最初に生理不順が見られるようになります。続いて顔が赤くなるほど火照ったり、のぼせて大量の汗がふき出したりする“ホットフラッシュ”と呼ばれる症状や、動悸、睡眠障害、頭痛、めまい、目や口の乾き、喉の奥に何かつかえたような感じがするといった症状が起きるようになります。
30代後半から50代すぎぐらいの女性のおよそ80%には、この様な何らかの症状が出るとされています。そして一般的にはその中の約半数ぐらい方が、何らかの治療によって症状が軽くなると言われています。

■診断と治療について
更年期障害は症状が非常に多彩で多岐に渡っています、そのため更年期障害ではなく、影に他の病気が隠れていることが十分に考えられますので、診察ではその他の病気の可能性を除外していくという事が大切になります。また検査では血液のホルモンを測るなどして、更年期に見られるホルモンの変化の有無を調べます。
更年期障害は精神的なストレスに大きく影響されます。そこで治療では、話し合いを通して心理的な緊張を和らげたり、ストレスの対処法を見つける心理療法によって、心の負担を軽くすることで症状の改善を目指します。また症状が比較的軽い場合は漢方薬による治療が効果的です。漢方薬は効果が出るまでに時間がかかることがありますが、副作用が少ないので長く使用できるなどの利点があります。
また最近では足りなくなった女性ホルモンを補う、ホルモン補充療法が広く行われるようになっています。女性ホルモンを貼り薬や飲み薬で補充していくのですが、これまで心配されていたような乳がんのリスクやいろんな副作用に対しては、きちんと検査をして、その人にとって最も適切な量を補充していけば、ほとんど問題はないと言われています。また更年期障害の症状が治まった後も、女性ホルモンが低下していると骨粗しょう症や動脈硬化症が進行することがあるので、将来の骨折や心筋梗塞を予防するためにホルモン補充療法を少量で継続する場合もあります。

女性の更年期は様々な悩みが重なる時期でもあり、こうしたストレスも更年期障害を引き起こしたり悪化させる原因となります。気持ちが楽になれば症状が軽くなることも多いので、いつも身近にいる家族が、たまにはじっくり話を聞いていあげることも大切ですよ。

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