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急な痛みにご用心!腰痛

 
今回、「腰痛」についてお話を伺うのは、福岡大学病院、病院長の内藤正俊(ないとう・まさとし)先生です。

■急な腰の痛みの正体は?
突然、腰に激痛が走り、その場から動けなくなるほどの痛みがあるにもかかわらず、検査を行っても骨や神経に異常がない場合は、ぎっくり腰あるいは急性腰痛症と診断されます。ぎっくり腰は一過性の痛みで、安静にしているだけで数日から2〜3週間で治ります。ただし再発しやすく、無理をすると慢性化することがあります。
また腰痛と同時に下肢へのしびれや放散痛がある場合、もしくは長い時間同じ姿勢でいると腰やお尻への痛みと共に、下半身への重苦しい痛みがある場合は、椎間板ヘルニアが疑われます。

■ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰には様々な原因がありますが、主に筋肉の疲労、骨格の歪み、急な過負荷の3つが中心となって引き起こされると考えられています。
筋肉は毎日必ず疲労します。本来は自然に回復しますが、睡眠や運動の不足、偏った栄養バランスなどが続くと、回復しきれずに少しずつ蓄積されてしまいます。
また座りっぱなしや立ちっぱなしなど同じ姿勢が続くと、体の柔軟性が失われて同じ部分に負担が集中します。その結果骨格が歪み、周囲の筋肉にさらなる疲労が蓄積されます。
こうして筋肉の慢性的な疲労が蓄積されている所に、静止している状態から突然動いたり、動きを急激に切り替えたりするなどして、腰にいきなり大きな負荷がかかると、ぎっくり腰を起こしてしまうのです。

■ただの腰痛にあらず!?椎間板ヘルニア
同じ腰痛でも、椎間板ヘルニアはぎっくり腰と痛みのメカニズムが異なっています。椎間板は比較的柔らかい組織で、背骨への負担を和らげるクッションの役割をしていますが、重い物を持ち上げようとしたり、スポーツなどで大きな力が加わると、椎間板の組織が本来の位置から飛び出すことがあり、この状態が椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアでは椎間板が飛び出すことや、飛び出した椎間板が周りの組織を圧迫することで腰痛が起こります。また、飛び出した椎間板の組織が脊椎管内の神経を圧迫すると、下肢への放散痛やしびれ、下肢の筋力の低下の原因となります。
椎間板ヘルニアによるしびれの範囲は、神経が圧迫されている部分によって異なります。椎間板が神経に浅く接触するとお尻や太ももに、神経の中心を圧迫すると、左右の両足の先にしびれが生じます。

■椎間板ヘルニアの治療
椎間板ヘルニアの治療は、必ず手術をしなければならないと思われがちですが、重度のマヒを伴わない限り、ほとんどの場合は安静だけで治ります。
一般的な治療法は。鎮痛効果がある湿布や内服薬の投与です。痛みの程度や症状によっては骨盤を引っ張って椎間板を広げる牽引療法、患部の負担を和らげるコルセットの装着、患部に麻酔薬を注射して痛みを取り除く神経ブロックなどの保存療法が行われることもあります。
保存療法で効果がなければ、MRI検査や脊髄造影検査を行って、場合によっては手術が必要になることがあります。椎間板ヘルニアの手術では、飛び出した椎間板組織の摘出や切除が行われます。通常は5〜6cmの切開で行われますが、ヘルニアの飛び出し方によっては、最近では内視鏡により1〜2cmの切開でヘルニアの摘出や切除が可能になっています。

■こんな人は腰痛に要注意!
腰痛になりやすい人は、普段から腰回りの筋肉に負担をかけてる人が多いようですが、逆に日頃から体を動かさない人にも少なくありません。
特に座った姿勢は立った姿勢よりも腰への負担が増えるので、デスクワークなどで座りっぱなしの人は要注意です。家庭で家事をこなす主婦も、料理や掃除で前傾姿勢を続けることが多く、腰への負担が増えてる状態が続くので油断は禁物です。

■姿勢と動作で腰痛予防
腰痛を防ぐには普段から正しい姿勢を保って、腰に負担をかけないことが一番大事です。
立った姿勢ではまずあごを引いて、腹筋と背筋のバランスを良くする、そして1本の棒が真っすぐ立つようなイメージで背筋を伸ばすという3つのポイントを意識しましょう。座った姿勢でも同じように、お尻から1本の棒が立っているようなイメージを持つことが大切です。背もたれのあるイスに座る時は浅く腰掛けるのではなく、深く腰掛けるようにすると腰への負担が小さくなります。またベッドや布団から起き上がる時は、まず横向きになってから腕を使って起き上がると、腰に負担がかかりません。さらに重い物を持ち上げる時は、片足を1歩出して膝を床につけてから、物を手前に引きよせて持ち上げましょう。洗面所でかがむ時は、踏み台などに片足を上げると腰に負担をかけずに済みます。

■腰に激痛が…!応急対処について
突然、腰に激痛が走ったら、まずは安静にすることが大切です。ソファなどの柔らかい場所を避けて、畳や出先ならばベンチの上など、固い所で横になり腰を丸めてじっとしましょう。横になれる場所がない場合は、壁に寄りかかりながら腰を少し曲げてじっとしているか、うずくまる姿勢をとるとかなり楽になります。
しばらくして痛みが少し治まってきたら、ひざを軽く曲げて歩く時の衝撃を吸収させながら、腹筋に力を入れてゆっくりと移動します。
そして1週間以上しても痛みが軽くならない場合や、下半身への痛みやしびれがある場合は、我慢しないで整形外科の専門医を受診しましょう。

腰痛は普段の姿勢やちょっとした動きなど、何気ない生活習慣から引き起こされます。引越しなどで重い荷物を持ち上げる時は、しっかり膝を曲げてから持ち上げることを忘れないで下さい。

ちくのう症(副鼻腔炎)

 
今回、ちくのう症(副鼻腔炎)についてお話を伺ったのは、福岡大学筑紫病院 耳鼻咽喉科 診療部長の坂田 俊文(さかた としふみ)先生です。


■ちくのう症(副鼻腔炎)とは?

鼻の周りの骨に広がる空洞“副鼻腔(ふくびくう)”にさまざまな原因で炎症が起こり、膿が溜まる病気です。最近ではアレルギー性鼻炎や花粉症などがもとでちくのう症を起こす人が増えています。


■鼻の仕組みとは?

鼻は大きく鼻腔(びくう)と副鼻腔に分けられます。鼻腔は鼻の入り口から喉に至る、空気が出入りする部分、副鼻腔は鼻腔を囲む骨にある大小の空洞部分のことで、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)から成り立っていています。鼻腔と副鼻腔は小さな穴でつながっていて、通常、副鼻腔内に溜まった分泌物などはその穴を通って鼻腔から排せつされますが、そこが詰まってしまうと副鼻腔内に膿となって溜まり、副鼻腔炎、つまりは ちくのう症を発症することになります。


■副鼻腔の役割とは?

声をよく通す、響かせるという“共鳴箱”のような役割をしています。また人間の頭は重いので、少しでも空間があった方が軽量化につながる、さらには外傷を受けたときに脳を守る“衝撃吸収構造”としての働きがあるとも言われています。


■ちくのう症の原因とは?

風邪やインフルエンザ、アレルギー性鼻炎や花粉症などによるアレルギーがきっかけで起こります。その他にも左右の鼻を仕切る壁がどちらか極端に曲がっている鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)。あるいは上の歯にできた虫歯などで発症する場合もあります。


■ちくのう症の症状とは?

主な症状は鼻水や鼻詰まり、臭いが分かりにくくなるというものです。鼻水は花粉症のときに見られる、透明で水っぽいものとは違い黄色や緑色のネバネバしたものになります。また鼻以外では頭痛や頭が重い感じ、人によってはうつむいた際にほっぺたや眼のまわりが痛いといった症状も見られます。
さらに合併症として膿を含んだ濃い鼻水がのどに流れて気管支炎が起きたり、副鼻腔の近くにある視神経や脳に影響が及び、
視力障害や脳に炎症が起きたりすることもあります。


■最近のトピックスは?

最近増えているちくのう症として“好酸球性副鼻腔炎”というのがあります。例えばぜん息を持っている人、ある種の薬に対してアレルギー症状を示す人に多く出ると言われています。
この病気の特徴はなかなか薬だけで治りきれない、といって手術をしても完全に治すのが難しいということで、長期間に渡って病院に通う必要があります。


■ちくのう症の診断とは?

レントゲンを撮って鼻腔の様子を確認します。さらに内視鏡カメラを使って鼻の中を観察します。そういった検査でほぼ確実にちくのう症の診断はできます。


■ちくのう症の予防、対策法は?

体の免疫力を高めて細菌やウイルスの侵入を抑えることです。
そのためにも規則正しい生活、十分な睡眠など日頃からきちんとした生活習慣を心がけましょう。


■まとめ

ちくのう症は症状が出だして早いうちであれば比較的、薬で治すことができる病気です。しかし症状が長引いてしまうと、
手術をしないと治りづらくなってきます。ちくのう症は決して命に関わるものではありませんが、毎日の生活を憂うつにします。できるだけ発症して早いうちに治療を受けることが大事です。

『知らんと困る大事な話!慢性腎臓病』

 
今回、「慢性腎臓病」についてお話を伺うのは、福岡赤十字病院、副院長兼腎臓内科部長の平方秀樹(ひらかた・ひでき)先生です。

■新たな国民病!?慢性腎臓病とは?
慢性腎臓病は慢性的に腎臓の障害が続いて、徐々にその機能が低下していく病気で、英語(Chronic Kidney Disease)の頭文字をとってCKDとも呼ばれています。日本にはおよそ1330万人もの患者がいると考えられていますが、これは成人のおよそ8人に1人がこの病気にかかっていることになり、がんや糖尿病に続く新たな国民病とも言われているのです。
慢性腎臓病は2002年に提唱された新しい病気の概念で、腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下するか、タンパク尿や血尿などで示される腎臓の異常が、3ヵ月以上続く状態を言います。放置して腎機能の低下が進行するとやがて末期腎不全に至り、人工透析や腎臓移植を受けなければ生きていけなくなってしまいます。日本における人工透析患者は30万人を超えていて、その数は毎年1万人ずつ増え続けています。そのためなるべく早く慢性腎臓病を発見して、適切な治療によってその進行をくい止めることが大切です

■尿を作るだけじゃない!腎臓の働き
腎臓では毎日140ℓもの血液がろ過されています。そして老廃物を尿として体の外へ排泄することで、私たちの体内はいつもきれいな状態に保たれているのです。
さらにナトリウムやカリウムなどのミネラルや水分の量を維持したり、血圧を調整する、体内の酸性とアルカリ性のバランスを保つ、血液を作るホルモンを分泌する、骨を健康に保つなど、腎臓には様々な働きがあります。そのため、腎臓の働きが悪くなると、体を正常な状態に保てなくなってしまうなど、まさに腎臓は“肝腎かなめ”の臓器なのです。

■慢性腎臓病の症状と危険因子
慢性腎臓病は初期にはほとんど自覚症状がありません。病状が進行するにつれて夜間尿やむくみ、貧血、倦怠感、息切れなどが現れますが、こうした症状を自覚する頃には、かなり重症化している可能性があります。つまり体調の変化に気をつけているだけでは、慢性腎臓病の早期発見は難しいと言えます。
特に高血圧や糖尿病、コレステロールや中性脂肪が多い脂質代謝異常、肥満やメタボリック症候群、喫煙者、さらに他の腎臓病を患っていたり家族に腎臓病の人がいる場合は要注意!こうした病気や習慣を改善したりならないように気をつけることが、慢性腎臓病の予防につながるのです。

■早期発見・治療の意義
さらに慢性腎臓病になると、腎機能の低下に伴って心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患を発症しやすくなることが明らかになりました。つまり腎臓を守ることは、心臓や脳を守ることにつながるのです。
また、腎臓病は治らないと言われてきましたが、最近では免疫抑制薬や優秀な降圧薬を使用することで腎臓が悪くなるスピードを抑えたり、場合によっては良くなることもあります。そのためにも早期に発見し、危険因子を是正して必要な治療を開始することが最も重要です。

■早期発見に欠かせない検査
慢性腎臓病は尿と血液の検査で分かります。これらの検査によって、タンパク尿や血尿といった尿の異常、または腎臓の働きを表す糸球体ろ過量が基準値(60ml/分/1.73m2)を満たさない、このいずれかが3ヵ月以上続くと、慢性腎臓病と診断されます。糸球体ろ過量とは、腎臓を構成する糸球体が1分間にろ過できる血液の量で、老廃物の一種であるクレアチニンが血液中にどれくらい溜まっているかを示す血清クレアチニン値を元に計算されます。
血清クレアチニン値は、一般的な健康診断で行われる血液検査の項目に含まれています。日本慢性腎臓病対策協議会のホームページ(http://j-ckdi.jp/ckd/check.html)では、年齢と性別、血清クレアチニン値の3つを入力するだけで、簡単に糸球体ろ過量が計算できるようになっていますので、気になる方は参考にしてみて下さい。

■治療は専門医の元で!
慢性腎臓病の治療の目的は、透析が必要となる末期腎不全への進行を遅らせることと、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患になるのを防ぐことです。治療は主に肥満の是正、禁煙、適度な運動、食事療法によるタンパク質や塩分の制限、そして薬物療法による血圧や血糖のコントロールなどで、特に高血圧や糖尿病がある場合は、医療機関できちんと治療を受けることが大切です。
そして検査で異常が見つかったら必ず医療機関を受診して、慢性腎臓病と診断されたら、腎臓の専門医を紹介してもらいましょう。

慢性腎臓病は多くの人の健康を脅かす深刻な病気であるにも関わらず、社会的な認知度は未だに低いのが現状です。これといった自覚症状がなくても、特定健診をはじめとした検査をしっかり受けて、早期発見を心がけましょう。

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