KBC九州朝日放送

KBCサイト内検索

福岡恋愛白書13 BD好評発売中

KBC共通メニューをスキップ

水虫

 
今回、水虫についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 福岡東医療センター 皮膚科 医長の古賀 哲也(こが てつや)先生です。


■水虫とは?

白癬菌というカビの一種が皮膚の最も外側の層である“角質”に感染して起こる病気です。
高温多湿になると白癬菌が増殖しやすくなるため注意が必要です。



■水虫の現状と特徴

現在、日本人の5人から10人にひとりが水虫にかかっているとされ、その数は年々増加傾向にあります。
以前は男性に多く見られましたが、社会進出が進んだことや、
夏場でもブーツを履くといったファッションの影響もあってか、水虫に悩む女性が増えています。
さらに最近では子どもにも増えています。



■水虫の仕組み

白癬菌は皮膚組織の最も外側の角質層に潜み、
そこに含まれる“ケラチン”というタンパク質を栄養源に生息しています。
やがて古くなった角質が皮膚からはがれるのと一緒に床などに落ちますが、その後も数ヵ月に渡って生息します。その後、他の人の皮膚に付着し、そのままの状態が数日続くと角質層に侵入、感染します。
白癬菌は皮膚がふやけたお風呂上がりにもっとも落ちやすく、
足ふきマットやタオルを介して感染します。
他に共用のスリッパなどからでも感染する場合があります。


■水虫の種類

大きく分けて、夏場に増える“趾間(しかん)型”と“小水疱(しょうすいほう)型”、季節を問わず発症する“角質増殖型”があります。
趾間型では足の指の間が湿って白くふやけ、小水疱型では足の裏やふちに小さい水泡ができます。ともにかゆみを伴います。
症状が慢性化して起こる角質増殖型では足の裏全体が分厚くなり、ひび割れのような状態になりますが、かゆみは伴いません。
さらに慢性化が進むと人によっては白癬菌が爪に侵入して白く変形したり、ぼろぼろに壊れる“爪白癬”が起こります。



■水虫の注意点

趾間型や小水疱型が悪化すると、人によってはそこから細菌が体の奥に入って“リンパ管炎”あるいは“蜂窩織炎(ほうかしきえん)”という病気を起こします。
すると高熱、全身倦怠感、足が真っ赤に腫れて歩けないなどという状態になります。



■水虫の治療

夏場に多い趾間型・小水疱型では塗り薬を1〜3ヵ月使用すれば症状がおさまることが多いようです。
一方、角質増殖型は塗り薬に加えて抗真菌剤という飲み薬での治療が必要です。
白癬菌がしぶとく角質内に潜んでいることがあるので、市販薬、病院での処方薬を問わず、症状がおさまったあとも薬は、最低1カ月間は使い続けましょう。



■水虫の予防、対策

水虫の元となる白癬菌は付着してすぐに感染するわけではないので、普段の入浴できちんと足を洗うことで十分、予防できます。
でも自分が水虫にかかったらタオルや足ふきマットは別にしたり、スリッパなどの共用を避け、家族など周りの人にうつさないよう注意しましょう。



■まとめ

水虫そのものはありふれた病気ですが、リンパ管炎など深刻な合併症の引き金にもなります。
また周りにうつすことが多く、本人だけの病気というわけにもいきません。
自然に治ることはないので、症状があったらじっくり治療を続けましょう。



眠気スッキリ能率アップ!昼寝のススメ

 
今回、「昼寝のススメ」についてお話を伺うのは、久留米大学医学部、神経精神科、主任教授の内村直尚(うちむら・なおひさ)先生です。



■昼間に眠くなる理由
私たちが普段感じている眠気には、一定のリズムがあります。一般的には朝起きて夜眠る1日周期のリズムだと思われがちですが、実は半日周期になっていて、最も強い眠気は1日2回、午前2時頃と午後2時頃に現れます。つまり何もしなくても、私たちは昼すぎになると生理的に眠気をもよおします。
また昼食をとると、消化のために血液が胃などに集中するので、脳への血流が少なくなります。 さらに食べた物が消化されて血糖値が上がると、体内で睡眠を促す物質が働き始めるので、より一層眠たくなってしまうのです。



■昼寝の効果
短い昼寝でも、脳の活動レベルが下がるので疲労回復に役立ちます。また、血圧や脈拍が下がることで心身のリラックス効果があります。さらに昼寝で眠気が軽減して集中力や意欲が高まると、昼間の活動性が上がって昼と夜のメリハリがつくので、夜の睡眠の質が高まります。その結果、夜の睡眠時間が短くても、質の良い睡眠が取れるようになるという効果が期待できます。



■正しい昼寝の方法
昼寝で最も大切なのは浅い睡眠にとどめることです。深く眠ってしまうと起きた時に頭がボーっとして、覚醒レベルが下がってしまいます。
昼寝を浅い睡眠にとどめるには、まずは姿勢が大きなポイントになります。イスに座って、机にうつ伏せになった姿勢で昼寝をしましょう。また、30分以上寝てしまうと深い睡眠が出やすくなってくるので、高校生や大学生では10〜15分、働き盛りの中高年であれば15〜30分、お年寄りであれば少し長くて30〜60分以内というのが、昼寝の時間の目安になります。
また、昼寝は眠気が強まる午後2時前にとるのが最も効果的で、夕方近くになると夜間の睡眠に悪影響を及ぼすので、遅くとも午後4時までには済ませましょう。寝付けない時は無理に眠らなくても、目を閉じて安静にしたり、イスに座ったまま数分間まどろむだけでも、脳の疲れを回復させるのに大きな効果があります。
昼寝から起きる時は、光を浴びたり軽く体を動かすと覚醒レベルが上がるので、昼寝の後は太陽の光を浴びたり軽い体操をすると、心地良く目覚めることができます。さらにカフェインの入った飲み物、例えばコーヒーや日本茶などは飲んで20分後ぐらいから覚醒作用が現れるので、昼寝の前にカフェイン類の入った飲み物を飲むと、スッキリ目覚めることができます。



■昼寝を活用する進学校
短い眠りで心身のリラックス効果が期待できる昼寝は、教育現場でも活用されています。福岡県内屈指の進学校として知られる県立明善高等学校では、6年前から生徒の自主的な参加による昼寝を導入しています。
毎年4月には、睡眠研究の第一人者である久留米大学の内村教授を招いて、新入生を対象とした睡眠講話が開かれます。これは新入生が昼寝を始めるにあたって、昼寝の効果や具体的な方法といった正しい知識を身につけるために行われるもので、講義が進むにつれて内村教授の話に真剣に聞き入る生徒が少なくありません。
明善高校では昼休みの後半15分を、“午睡タイム”として昼寝の時間に当てていますが、午睡タイム中は教室のブラインドを閉じたり、校内放送でクラシックを流すなど、昼寝しやすい環境を整える工夫がされています。あくまでも自主参加なので、昼寝をしない生徒は教室で静かにするか席を外すのがルールになっています。
さらに午睡タイム終了後は掃除の時間になっていて、軽く体を動かすことで目覚めをうながし、午後からの授業に集中できるように配慮されています。



■昼寝の社会的意義
日本人の平均睡眠時間は、この40年間で約1時間も短縮しているとされています。つまり今、多くの日本人は睡眠不足の状態だと言っても過言ではありません。
ところが現代の日本では、子どもから大人まで夜型社会が浸透しており、夜に十分な睡眠をとるのが難しくなっています。私たちは睡眠の重要性をもっと認識して、積極的に昼寝をとり入れることで生活の質を高めていく必要があるのです。

寝る間を惜しんで働くのは立派な心がけですが、忙しい時にこそ上手に昼寝して、午後から眠気スッキリ能率アップ!昼間の眠気は我慢しないで解消しましょう。無理して逆らっていると、良い仕事はできませんよ。

食道がん

 
今回、食道がんについてお話を伺ったのは
佐賀大学医学部内科学 教授の藤本 一眞(ふじもと かずま)先生です。


■食道がんとは?

口と胃の間にある、食道にできるがんです。
早期に見つけるのが大変で、早期に見つかると予後が良くて治療も比較的簡単ですが、進行すると予後が悪く、専門的な治療が必要になります。




■食道の仕組みと働き

口と胃を結ぶ食べ物の輸送路で、長さおよそ20pの筒状の臓器です。壁の筋肉による“ぜんどう運動”によって食べ物を胃へ押し流しています。また食道の終わりの部分は胃から食べ物が逆流しないようになっています。




■食道がんの現状と危険因子

比較的高齢者に多く、50歳代以降で急激に増加します。
また男性に多く、かかる率、死亡率ともに女性の数倍に及びます。最近では、胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流し、胸やけなどが起こる逆流性食道炎を原因とした「バレット食道がん」も注目されています。食道がんの危険因子として性別では男性、生活習慣では喫煙・多量の飲酒が挙げられます。




■食道がんの症状

早期ではほとんど自覚症状がなく、あったとしても熱いものが多少しみる、少し胸やけがするといった程度です。しかしある程度進行すると、飲食物が飲みこみづらい、つかえる感じ。
さらには会話がしづらいといった症状を感じます。





■食道がんの特徴

食道がんは比較的、早期の時期が長いと言われています。
早期であれば内視鏡治療が可能で予後も良いですが、その時期をすぎると一気に進行がんになり、治療も大変です。




■食道がんと胃がんの違い

胃がんの原因の多くはピロリ菌感染で、ピロリ菌に感染していない人に胃がんができる確率はすごく少ないと言われています。一方、食道がんでは、ピロリ菌に感染していない人に逆流性食道炎が多く、それが元で食道がんになりやすいという見解もあるので、食道がんとピロリ菌感染の関係は胃がんとは違って、一概には言えないのが現状です。




■食道がんの検査と治療

食道がんを見つけるには透視やレントゲン撮影などがありますが、第一は内視鏡検査です。治療は早期では内視鏡手術を行います。早期であれば非常に高い割合で治癒が可能です。


■先生よりまとめのお話

お酒を飲む方、たばこを吸う方、男性の方はできれば定期的に内視鏡検査を受けてください。また、食道がんを早期に見つけるのはとても難しいので、経験豊富な先生に診ていただいた方が良いと思います。




メンテナンスはお早めに!ロコモティブシンドローム

 
今回、「ロコモティブシンドローム」についてお話を伺うのは、九州大学大学院医学研究院、整形外科、教授の岩本幸英(いわもと・ゆきひで)先生です。

■ロコモティブシンドロームは寝たきりの原因!?
今から3年前にスタートした特定検診をきっかけに、今やすっかり世間に定着したメタボリックシンドローム。内臓脂肪の蓄積が様々な生活習慣病を引き起こすことが明らかになり、私たちの健康への意識が大きく変わったとされています。
そして今、私たちの健康を左右する新たなシンドロームが大きな注目を集めています。それがロコモティブシンドロームです。ロコモティブとは英語で運動や機関車を意味する言葉で、自分で動くというイメージがありますが、年をとるにつれて運動機能の衰えが徐々に進行し、自分で動くことができなくなっていくのがロコモティブシンドロームです。
世界に類を見ない早さで高齢化が進む日本…急激な高齢者の増加と共に、要介護者も増え続けるなか、ロコモティブシンドロームはメタボリックシンドローム、認知症に並ぶ、寝たきりの三大要因の1つと考えられているのです。


■ロコモティブシンドロームとは?
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により要介護となる危険性が高い状態のことです。その実態を広く一般市民に知ってもらうために、平成19年に日本整形外科学会が、ロコモティブシンドロームという疾患概念を提唱しました。略して「ロコモ」とも言います。
運動器とは体を動かす骨や関節・筋肉・神経などの総称です。これらは連動して働いるので、どれか1つが悪くなると体はうまく動かなくなり、やがて要介護状態になってしまいます。運動器の障害は、高齢になって突然現れるのではなく、若い頃からの生活習慣や環境が蓄積されて引き起こされます。ですから、将来寝たきりにならないためにも、元気なうちからロコモ対策を考える必要があります。
私たち日本人の平均寿命は男性で79歳、女性で86歳で、日本は世界一の長寿国です。ところが平均寿命から、病気などで要介護状態となった期間を差し引いた健康寿命になると、男性では72歳、女性では78歳になります。つまり老後を考えると、男性で7年間、女性で8年間は、寝たきりなど介護が必要な状態になる可能性が高いということになるのです。


■ロコモティブシンドロームの原因は?
ロコモティブシンドロームは、加齢による筋力の低下やバランス能力の低下、あるいは様々な骨関節疾患によって引き起こされます。特に腰痛の原因となる変形性脊椎症、ひざ関節痛の原因となる変形性ひざ関節症、高齢者の骨折の主な原因である骨粗しょう症が、三大疾患とされています。これらの病気の患者数は非常に多く、変形性脊椎症は全国で約3千8百万人、変形性膝関節症は8百万人以上、骨粗しょう症は1千万人以上と推計されています。つまり、ロコモティブシンドロームは国民病と言えるのです。


■日常生活で分かる!7つのロコチェック
朝起きてから夜寝るまで、私たちは何かしら体を動かしています。そこで普段の何気ない行動で、ロコモティブシンドロームの危険性がチェックできます。これからご紹介する7つのロコチェックに1つでも当てはまれば、ロコモティブシンドロームの可能性があります。
@着替える時に、片足で立ちながら靴下をちゃんとはくことができますか?
A掃除機を使ったり布団の上げ下ろしといった、体を動かす家事が難しくなってはいませんか?
B家の中の何気ない所でつまずいたり、滑ったりしていませんか?
C階段を上る時に、手すりがないと上れないということはありませんか?
D15分以上は歩き続けていられない、なんてことはありませんか?
E買い物をして、2kgほどの荷物を持ち帰るのが難しいと感じていませんか?
F横断歩道を渡る時に、青信号の間に渡り切ることができなくなってはいませんか?
これらの項目に1つでも当てはまれば、運動能力が低下している証拠です。運動器の障害が原因かも知れませんので、整形外科で専門医の診察を受けましょう。


■ロコモティブシンドロームを防ごう!
ロコモティブシンドロームとは何か1つの病気を指しているわけではなく、体を動かす仕組み全般に関わることなので、何か1つ対策を取れば予防できるというものではありません。特に体を動かすことがロコモティブシンドロームの予防や改善につながるので、運動能力が低下した人でも無理なく行えるように考案されたロコモーショントレーニング、略して「ロコトレ」を積極的に行うことが大切です。
ロコトレの具体的な方法としては、片脚立ちとスクワットがあります。片脚立ちは体がふらつかないように、テーブルなどに片手をついて立ちます。そして目は開けたまま、テーブルについた手と同じ側の足を、床につかない程度に上げましょう。左右の足で1分間ずつ、1日3回を目安に行います。片手で体を支えられない場合は、両手をついて行っても構いません。
スクワットは足を肩幅よりやや広く開いて、つま先を30度くらい外に向けます。そして深呼吸をするペースで5〜6回、ゆっくりとお尻を上げ下げしましょう。ひざは90度以上曲げないように注意して、これも1日3回を目安に行います。スクワットができない場合は、イスに腰掛けて腰を浮かす動作を繰り返すだけでも構いません。
他にもロコトレには様々なトレーニング方法があります。特に中腰になって、ひざを曲げた状態でゆっくり移動する太極拳は、片脚立ちとスクワットの状態が常に織り込まれてるため、ロコトレとして非常に有効です。もちろん太極拳を本格的に行う必要はありません。腰に手を当てて、ひざを曲げて中腰になった状態で、片足を斜め前に出してゆっくりと重心を移動します。そして後ろ足を引き寄せたら、今度は逆の足を斜め前に出して、同じ様に重心をゆっくりと移動していきます。深呼吸をしながらゆっくり行いましょう。痛みを感じるようなら無理は禁物です。ロコトレは非常に簡単で体に優しい運動なので、翌日まで痛みが残る様な場合は整形外科を受診して専門医の診察を受けましょう。
ロコトレはいつでもどこでも簡単に行えます。ただし安全のためにイスやテーブルの近くで行うなど、くれぐれも転ばないように気をつけて下さい。


■ロコトレのすすめ
先日発生した東日本大震災によって、多くの被災者が不自由な避難所生活を余儀なくされていますが、避難が長期化するにつれて、特に高齢者の間でロコモティブシンドロームの発生が増えています。そこで被災者の方々にロコトレを紹介してロコモティブシンドロームを予防し、寝たきりになるのを防ごうという試みが行われています。これからの復興に向けた長い道のりの中で、寝たきりのお年寄りが減って元気なお年寄りが増えることは、医療費の削減や労働力の確保だけでなく、広く社会の活力につながることが期待されるなど、今この時だからこそロコトレの普及がもたらす社会的意義は大きいのです。

ロコモティブシンドロームは多くの人にとって決して他人ごとではありません。体を動かす時に不具合を感じたら、なるべく早く専門医を受診しましょう。車を長く乗り続けるにはメンテナンスが欠かせないように、人の体も長く使うにはメンテナンスが必要ですよ。

過去の記事


All Rights Reserved. Copyright © KBC Co.,Ltd. 1998 - 許可なく転載を禁じます