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宗像 沖ノ島〜祈りの原点をたずねて〜

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腹腔鏡手術

 
今回、腹腔鏡手術についてお話を伺ったのは
国立病院機構 九州がんセンター 消化器外科医長の坂口 善久(さかぐち よしひさ)先生です。

■腹腔鏡手術とは?

お腹に5〜10ミリの穴を5カ所開け、そこからカメラや器具を入れて行う手術で、がんの摘出、近年では摘出後の臓器の再建まで行えるようになりました。
世界で最初の腹腔鏡手術は1986年、ドイツで胆のう摘出術として行われました。
日本では1990年に同じく胆のう摘出術で初めて行われています。
現在、腹腔鏡手術は胃がん、大腸がんなど、さまざまながん治療の現場で行われていて、症例数は年々、増え続けています。


■腹腔鏡手術のメリット@

一番のメリットは患者さんの体に優しいということです。
患者さんが不安に思う、手術後の痛みを軽減させる効果があります。
また傷も小さく、目立ちません。
さらに開腹手術に比べて術後の回復が早いことから、
入院期間も短くて済み、早く日常生活に戻ることが可能です。


■腹腔鏡手術のメリットA

腹腔鏡手術のメリットは医師にもあります。
開腹手術とは違っていろんな視点から見え、体の奥の方、狭い所、臓器の裏側まで良く見えるようになりました。
開腹手術とは違った視野が得られることで、より細かな手術ができるようになりました。
また、従来では開腹手術が必要とされた大きながんでも、抗がん剤治療や放射線治療でがんを小さくしてから腹腔鏡で摘出するという術式が広く行われています。





■腹腔鏡手術の課題

開腹手術とは異なる技術を要することです。
内視鏡外科を専門とする外科医がまだ少なく、治療を行っている病院でも手術症例が少なかったりして技術が未熟ということもあります。
現在、どの病院でも腹腔鏡手術を受けられるという状況にはまだありません。
今後は技術を教育するシステムを作って内視鏡外科専門医を育成していく必要があります。


■腹腔鏡手術での治療と再建

現在、多く行われている腹腔鏡手術は、がんを切除したあとの臓器の再建は開腹手術で行うというものです。
しかし、人によっては再建に伴う合併症が多く見られます。
これでは腹腔鏡手術を行うメリットが減ってしまうので
再建まで腹腔鏡手術で行うことがそのメリットを最大に生かす方法だと言えます。


■まとめ

今後の医療機器の発達や改良、患者さんのニーズの増大に伴い、腹腔鏡手術はますます発展していくと思います。
高齢化が進む日本にとって、体に負担の少ない腹腔鏡手術は頼もしい味方です。
がんの切除に、臓器の再建に。医療に取り入れられてまだ歴史の浅い腹腔鏡手術ですが、それだけに今後の進歩がより期待されます。

梅雨になったら要注意!関節リウマチ

 
今回、「関節リウマチ」についてお話を伺うのは、福岡大学整形外科、助教の前山彰(まえやま・あきら)先生です。



■毎年6月はリウマチ月間!

6月と言えば梅雨…ジメジメした毎日が続くと、なんとなく気分も沈みがちです。実は、関節がはれて痛む関節リウマチの症状は天候に左右されることが多く、天気が崩れ出す前や雨の日に痛みが強くなりがちなことから、全国的に梅雨入りする6月はリウマチ月間として、毎年この病気への注意が呼びかけられているのです。
特に女性は要注意!患者数は男性のおよそ4倍、しかも家事や仕事で忙しい40歳代で発症する人が最も多いんです。



■関節リウマチとは?

関節リウマチとは、体のあちこちの関節に炎症が起こり、関節がはれて痛む病気で、関節を動かさなくても痛みを生じるのが、他の関節の病気とは異なります。特に手足の関節で起こりやすく、左右対称に同時に発症しやすいのも特徴です。進行すると軟骨や骨が破壊されて関節が変形し、ついには動かせなくなることもあります。
現在、日本における患者数は100万人とも言われ、その数は年々増加する傾向にあり、毎年、約1万5千人もの人が新たに発病をすると考えられています。



■早期発見・早期知用が肝心

関節リウマチの原因はまだ詳しくは解明されていませんが、この病気による関節の痛みや腫れは、免疫の働きに異常が生じるために起こると考えられています。
免疫は体を守るための仕組みで、がん細胞や体内に侵入して来たウイルスなど、異物を攻撃して排除します。ところが何らかの原因で免疫が暴走すると、自分自身の正常な細胞を異物とみなして攻撃してしまいます。関節リウマチでは、関節の内面を覆っている滑膜(かつまく)が異物とみなされて免疫の攻撃を受けます。すると炎症を起こした滑膜が増殖して、軟骨や骨が少しずつ破壊されていくのです。関節リウマチによる関節の破壊は、ゆっくりと進行すると考えられていましたが、実は発症後2年以内に急激に進行することが分かって、早期発見・早期治療の重要性が増しています。



■朝のこわばりに要注意!

関節リウマチの初期に現れる症状として、代表的なのが“朝のこわばり”です。朝起きてしばらくの間、手足の関節が思うように動かない状態が、1時間以上続くこともあります。人によっては、朝起きると手がゴワゴワしていると表現する場合もあります。他にも複数の関節が、左右で痛んだり腫れたり、全身の疲労感、微熱、食欲不振などが続くような場合は、関節リウマチが疑われますので、専門医の診察を受けましょう。



■治療は症状を抑えることが目的

関節リウマチは原因が分からないため、今のところ残念ながら根本的な治療法はありません。そこで症状が治まっている状態、寛解(かんかい)を目指すのが治療の目的となります。そのためには、関節の痛みや腫れをなくすこと、関節破壊の進行を抑えること、関節の変形などで失われた生活機能を改善することの3つが重要です。
治療法には病気の進み具合や症状に応じて、主に薬物療法・手術療法・リハビリテーションがありますが、最近では新薬の開発が進み、薬物療法が大きな効果を上げるようになっています。関節リウマチの治療薬は、炎症を抑えて痛みを和らげる抗炎症剤、免疫機能を正常に戻して病気の進行を抑える抗リウマチ剤、免疫機能を抑制して関節破壊の進行を抑える生物学的製剤の3種類が主に使われます。特に抗リウマチ薬と生物学的製剤を併用することで、関節の痛みや腫れを抑えるだけでなく、関節破壊を飛躍的に抑制することもできるようになりました。



■進歩する手術療法

最近では薬物療法の発達により、以前のように関節の破壊がひどい患者は減少しました。しかしその一方で、薬物療法の効果で症状の治まった患者が、壊れた関節のまま動き過ぎて、関節の状態を悪化させてしまう症例が増えています。その結果、人工関節置換術の手術件数が増加しています。
薬物療法と同様に手術療法の進歩も近年目覚ましく、以前は10年程度とされていた人工関節の寿命も、最近では関節部分に磨耗の少ない材質が使われるようになり、寿命も20年以上と言われていて、入れ換えの必要も少なくなってきています。人工関節の手術は主にひざや股関節に対して行われ、手術の所要時間も片ひざで1時間程度です。悪くなった関節を人工関節に置き換えることで、痛みを劇的に改善することができ、活動性も上がります。専門医から手術の必要性があると診断された場合には、ぜひ前向きに考えてみましょう。
人工関節の手術後は、痛みが2〜3日残る場合もありますが、早ければ翌日から膝を曲げる訓練や歩行訓練などのリハビリを始めることができます。リハビリはがんばり過ぎても逆効果になりますので、医師の指示を守ってコツコツと継続することが大切です

関節リウマチは高齢者の病気と思われがちですが、子どもから大人まで、誰もが発症する可能性があります。原因が分からないので予防法はありませんが、早期に治療すれば病気の進行を食い止めることができます。気になる症状があったら、なるべく早く専門医を受診しましょう

食中毒

 
今回、食中毒についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院 感染制御部長の燗c 徹(たかた とおる)先生です。


■食中毒とは?

細菌やウイルスといった病原微生物がついた食べ物や、有害な物質が含まれた食べ物を取ることによって、吐き気や下痢など不快な症状をもよおすものです。
清潔志向が高いと言われる 私たち日本人ですが、毎年3万人程度の食中毒患者が発生しています。
気温や湿度が上がる梅雨から夏場は病原微生物の増殖が活発になり食中毒が急増します。


■食中毒の原因となる微生物とは?

「腸炎ビブリオ」は魚介類を主な原因食品とし、一般の細菌より3倍以上のスピードで増殖します。
また海水温度が20℃を超えると急速に増えます。
「サルモネラ」は食肉やタマゴ、タマゴによる加工品などを原因食品とします。
家畜やペットなどの体内に常在し、乾燥に強いとされています。
「カンピロバクター」は生や加熱不十分な食肉、特に鶏肉を主な原因食品とします。
少ない菌量で感染し、10℃以下の低温でも長い期間、生存します。
「病原性大腸菌」は生肉や加熱不十分な食品、
ふん便などで二次汚染された食品や飲料水などを介して感染します。O‐157、O‐111はこの種に属する「腸管出血性大腸菌」です。


■食中毒の注意点いろいろ

カンピロバクターや病原性大腸菌は冷蔵庫や冷凍庫に入れていても完全には死滅せず、感染性が残る場合があるので注意が必要です。また家庭、飲食店を問わず、生肉に触れたお箸で食べ物を口に運ぶと感染する危険があります。
さらに、体の抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は食中毒を起こすと
症状が重症化しやすいと言われているので十分に注意しましょう。


■食中毒の予防法は?

病原微生物を“つけない”、“増やさない”、“退治する”という3原則があります。
その3原則を守るように日常生活を送ることが大切です。
・消費期限を確認し、お店で購入したら早く持ち帰りましょう。
・冷蔵、冷凍の必要な食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫へ入れるようにしましょう。
・肉、魚、卵などを扱ったら、しっかり手洗いを。包丁やまな板は熱湯消毒する。
・加熱は中心部を75℃以上で最低1分間は行いましょう。
・食事の前にも手を洗う。調理した食品は室温で放置せず、早く食べましょう。
・残った食品を温めるときは十分に加熱を。臭いのおかしいものは食べずに処分しましよう。


■まとめ

食中毒による下痢や腹痛を起こした際に安易に下痢止めを服用すると、病原体が体の中に溜まってしまい、病状の悪化を招くことになりかねません。
「もしかして何かに当たったかも…」と思ったら自己判断をせず病院を受診しましょう。
家庭での食中毒対策のひとつひとつは決して難しいものではありません。
“食中毒はいつなんどきでも起こる”という意識を日頃から持っておくことが大事です。

子どもの歯を守れ!小児歯科

 
今回、「小児歯科」についてお話を伺うのは、福岡歯科大学、成育小児歯科学、教授の尾崎正雄(おざき・まさお)先生です。



■小児歯科の役割とは?

小児歯科は一生かめる良い歯を作るために、乳歯や永久歯をきちんと育てる手助けをする科で、0歳から15歳ぐらいまでを対象にしています。健康な自分の歯で、一生きちんとかんで元気に過ごすためには、小さい頃から自分の歯を守るということが大事です。そこで子どもの時から、歯磨きの指導や口の中を衛生管理を教えるのも、小児歯科の役割です。



■むし歯の原因は細菌!?

一生かめる良い歯を育てる…その第一歩となるのがむし歯の予防です。
むし歯の原因は主にミュータンス菌と呼ばれる細菌の一種で、この菌が食べ物に含まれる砂糖を栄養にして、歯の表面に粘着質の物質を作ります。するとこの物質の中に様々な細菌が住みつき、どんどん増えていきます。これがプラークです。やがてプラークに住みついた一部の細菌が、食べ物の糖質を材料にして酸を作り出し、歯のエナメル質を溶かし始めます。これがむし歯になるのです。
ミュータンス菌などのむし歯菌は、最初から口の中にいるわけではありません。歯が生える6ヵ月頃から24ヵ月位までの間に、主に母親から移って口の中に定着すると言われています。感染経路は、例えば母親が食べ物を冷ますために、スプーンをなめてから食べさせたり口移しすることで、唾液を介して移ると言われています。特に母親の口の中が汚かったり、むし歯が多かったりすると、子どもの口の中にも高濃度でむし歯菌が感染することが考えられます。子どものむし歯を予防するために、母親が日頃から口の中を清潔にしたり、むし歯の治療をしておくことが大切です



■乳歯のむし歯に気をつけよう!

ところで、子どもの乳歯はいずれ永久歯へと生え替わるので、むし歯になっても大丈夫…なんて思っていませんか?
実は赤ちゃんの乳歯が顔を出した時には、すでにアゴの中では永久歯も育ち始めていて、永久歯は乳歯から枝分かれするように生えてきます。そのため乳歯のむし歯を放置すると、その後に生えてくる永久歯もむし歯になりやすくなったり、永久歯の歯並びが乱れてかみ合わせが悪くなる原因にもなります。不揃いな歯並びでは食べ物のカスが歯と歯の間にたまりやすく、歯肉炎や歯周病にかかりやすくなるなど、将来の健康にも悪影響を与えかねないので、乳歯の虫歯はしっかりと対処する必要があるのです。
乳歯は永久歯よりも痛みを感じにくいので、子どもはむし歯ができていても、母親に歯が痛いなどと訴えないことがあります。ですから日頃から親が子どもの口の中をチェックしてあげることが必要です。
例えば歯の表面というのは、普通はツルっとした状態ですが、それがすりガラスのように白く粉をふいたような状態になると、初期のむし歯が疑われます。その場合はすぐに歯医者を受診したり、その部分を歯ブラシで徹底的に磨くと元に戻ることがあります。しかし歯と歯の間のむし歯などは素人目には見つけにくいので、半年に1度は小児歯科を受診して、チェックしてもらいましょう。



■仕上げ磨きでむし歯予防!

子どものむし歯を防ぐには仕上げ磨きが肝心です。子どもが小さい頃は、ひざの上に寝かせて磨くのが一般的ですが、4〜5歳になるとなかなかじっとしていてはくれません。そこで子どもをイスに座らせて、その後ろに親が立って、子どもの頭をお腹で支えながら磨くと、子どもの頭が後ろに逃げるのを防いで上手に磨くことができます。また仕上げ磨きは、必ず洗面所で行う必要はありません。例えばリビングでテレビを見ながら仕上げ磨きをすると、子どもも大人しくしてくれるのでおすすめです。
歯磨きの強さは、歯ブラシが少ししなって、毛先がしっかり歯に当たる程度が目安です。そして5〜10分はしっかりと磨きましょう。子どもの歯は小学校低学年、8歳位までは親が仕上げ磨きをしてあげる必要があります。



■歯並びの悪い子どもが増えている!?

小児科医の間では、最近はむし歯よりも、歯並びの悪い子が目立つようになってきたと言われています。その原因として考えられているのが食生活の変化です。昔は硬い食べ物をバリバリ噛んでいましたが、最近の子どもはハンバーグやグラタンなど、軟らかい食べ物を好む傾向があります。そのためかむ回数が減って口の機能が悪くなり、その結果、歯並びが悪くなってると考えられているのです。良くかむということは歯並びをきれいにするばかりでなく、脳を活性化したり消化を助けたり、免疫機能を充実させる働きもありますので、子どもには一口で20回から30回は良く噛むように指導してあげて下さい。

歯医者を嫌がる子どもに対して、「痛くないから」と嘘をついて連れて行ったり、「悪い子は歯医者に連れていく」などと怖がらせたりするのはやめましょう。そして上手に治療を受けることができたら、思いきりほめてあげて下さい。子どもの歯を守るには、子どもを歯医者嫌いにさせないことが大切ですよ。

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