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正しい理解を!ADHD

 
今回、「ADHD」についてお話を伺うのは、福岡市立こども病院・感染症センター、こころの診療科、医師の宮崎仁(みやざき・ひとし)先生です。



■ADHDは珍しい病気ではない!?

ひときわ暑い今年の夏。照りつける太陽にノックアウト寸前の大人たちを尻目に、子供たちは元気いっぱい!ところで、忘れっぽい、落ち着きがない、突拍子もないといった特徴は、元気な子供にありがちですが、日常生活に支障をきたすようなら、注意が必要かも知れません。注意欠陥多動性障害…英語(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder)の頭文字をとってADHDと呼ばれるこの病気、日本では小学生でおよそ3%、30人に1人の割合で見られるなど、決して珍しい病気ではありません。ADHDは何かと誤解されやすい病気ですが、子供の性格や親のしつけに問題があるわけではないんです。



■ADHDの症状とは?

ADHDの主な症状には、不注意症状と多動性・衝動性の症状があります。不注意は集中力が続かない、忘れっぽい、気が散りやすい、多動性というのはじっとできない、落ち着きがない、衝動性というのは、思いついたら突然行動してしまう、といった症状です。
こうした症状の現れ方は人によって様々ですが、主に3つのタイプに分けられます。1つは不注意症状が主な不注意優勢型、そして多動性や衝動性が中心の多動性・衝動性優勢型、さらに最も多いのが、両方の特徴を併せ持つ混合型です。
性別による違いとしては男の子の方が女の子よりも多く、大体3〜5倍多いと言われています。ただし女の子の場合は不注意優勢型が多いために、周囲に気付かれていない可能性があるとも考えられています。
不注意・多動性・衝動性は誰にでも多少はありますが、ADHDの子供はその程度が強く、学校や家庭など複数の場所で困っているのが特徴です。こうした症状のためにADHDの子供は友達から“乱暴者”だと拒絶されたり、先生や親から“悪い子”だと怒られることが多く、コンプレックスを抱えて内心ひどく傷ついています。そのため放置するとうつ状態になったり、反抗的な態度や攻撃的な行動を起こしやすくなってしまうのです。
さらに親も周りから“育て方が悪い”“しつけがなっていない”などと誤解されがちで、誰からも理解されずに、親子で孤立してしまうことも少なくありません。



■ADHDは原因不明!?

ADHDの原因は、まだはっきりとは分かっておりません。ただ今のところ、ドパミンといった神経伝達物質の働きがうまくいってないために、脳内の情報伝達がうまくいかずに生じる症状だと考えられています。つまりADHDは脳の機能不全によって起こる発達障害の1つなので、親の愛情不足とかしつけが悪いとか、そのような環境的な原因で起こる病気ではありません。
私たちの行動を司る脳では、無数に連なった神経細胞によって様々な情報が伝達されています。この時重要な役割を担うのが、ドパミンなどの神経伝達物質です。神経細胞から放出されたドパミンが、次の神経細胞の受容体に結合することで、神経細胞から神経細胞へ情報が伝達されていきます。そして受容体に結合しなかったドパミンは、トランスポーターと呼ばれる部から、元の神経細胞に再び取り込まれます。このドパミンの放出や再取り込みというメカニズムがADHDではうまく働かないために、情報伝達に支障をきたして様々な症状が現れると考えられているのです。



■ADHDの診断と治療について

ADHDの診断では、ADHDが直ちに分かるような便利な検査はありません。ADHDの診断には学校や家庭、診察室など、様々な場面で同じ様に多動である、気が散りやすい、そして幼い時からそうした特徴が見られているということを確認しなければなりません。そのために学校や家庭での状況を詳しく問診したり、学校にアンケートを依頼するなどして、子どもの様子を確認していくので、診断までにはある程度の時間を必要とします。
ADHDの治療で最も大切なのは、ADHDの特徴を理解するということです。ADHDの特徴をふまえて困った行動を減らしたり、大事な行動を身につけたりできるように環境を整えたり、指導したりすることが大切です。それに加えて、薬物療法が必要なこともあります。
ただし、こうした薬は効いてる間は集中力を改善する効果がありますが、残念ながらADHDを根本的に治すことはできません。そのために薬物療法で症状が軽減しているうちに、あらためて治療の基本に立ち帰り、接し方や環境作りを通じて子供に良い行動を教えていくことが大切です。



■子どもをやる気にさせるコツ!ADHDの対処法

ADHDの子供はいつも叱られてばかりなので、ほめられる経験があまりありません。そこで上手にほめることによって、良い行動を増やすことができます。
例えば食事の時。食べながら観てるテレビの子供番組が気になって、子どもがそわそわし始めまたら、まずはテレビの登場人物もたくさん食べたから強くなったとか、食べ物に興味が移るような言い方をして、子どもを食事に集中させましょう。さらに1つ食べたら苺をあげるというように、目標を細かく設定してたくさん褒めるようにすると良いですよ。
つづいては勉強してる時。つい漫画を読んだりボンヤリしたり、なかなか集中力が続かないようなら、ADHDの子供は1人だと気が散りやすいので、誰かがそばに付いててあげると、ある程度がんばることができます。そして手間はかかるかも知れませんが最後まで付き添って、勉強が終わったら楽しいことがあるようにすると、良い習慣付けが身に付きやすいといされています。
最後に遊んだ後のお片付け。ADHDに限らず、子どもはなかなか整理整頓ができませんが、親が一緒になって競争しながら片付けるなど、遊び感覚をとり入れて楽しく片付けをさせましょう。さらに親がほとんど片付けても、最後の1個を子どもに片付けさせて褒めてあげると、子どもは達成感を持つことができます。そうした体験を積ませてあげることで、色んな事ができるようになる自信にもつながっていきます。
ADHDの子どもはどうしても怒られることばかりしてしまうので、怒られ過ぎることで自信をなくしていたり、やる気をなくしてたりする子どもが少なくありません。ほめることによって、そうした自信ややる気を回復させてあげることが大事です。


ADHDでは親が比較的早い段階で気づいても、適切な対応をとれないことが少なくありません。でも病気を見逃したままにしていると、他の障害が併発するなどして治療が難しくなってしまうことがあります。子供の様子が気になったらまずは専門医に相談しましょう。

熱中症

 
今回、熱中症についてお話を伺ったのは九州大学病院 救命救急センター
診療講師の野田 英一郎(のだ えいいちろう)先生です。


■熱中症とは?

気温や湿度が高くなったときに体が対応しきれなくなって起きる、さまざまな症状のことを総称して呼んでいます。
今年は去年と同じくらい猛暑が予想される中、節電も広く訴えられているので去年以上に熱中症患者が増えると予想されます。


■熱中症のメカニズム

私たちの体は体温が上がると皮膚から空気中に熱を放出させたり、汗によって熱を気化させたりして体温を下げます。
しかし気温や湿度が高いと、人によっては熱の放出や発汗ができにくくなり、体温が下がらないことで熱中症へとつながるのです。


■熱中症の注意点

気温が高く、日差しの強い屋外にいることで起きやすくなります。
しかし日差しの弱い屋外、あるいは家の中や体育館など屋内であっても湿度が高い場合では熱中症の危険があります。


■熱中症の症状

重症度に応じてT度、U度、V度に分類されています。
T度は軽症で、めまいや立ちくらみ、失神、筋肉痛などが起きます。
U度は中程度で、頭痛や吐き気が起きます。
V度は重症で、意識混濁や全身けいれんなど、命に関わる症状が出てきます。
V度では早く救急車を呼んで救急病院へ運ぶことが重要です。

今こそ治そう!C型肝炎

 
今回、「C型肝炎」についてお話を伺うのは、九州大学病院総合診療科、教授の林 純(はやし・じゅん)先生です。


■治療しやすくなったC型肝炎

平成20年4月から、C型肝炎の治療に対して医療費を補助する制度が始まりました。数ある病気の中で、なぜC型肝炎が医療費補助の対象になったのか?その主な理由は3つあります。
1つは治療を受けている患者が少ないから。C型肝炎は自覚症状が乏しく、かなり悪化するまで病気に気づかない場合も少なくありません。
2つめは、C型肝炎が肝臓がんの原因だから。肝臓がんの8割近くはC型肝炎が原因とされ、C型肝炎を治せば肝臓がんを大幅に減らせると考えられています。
3つめは近年、治療法が飛躍的に進歩したから。その結果、C型肝炎の多くは完治が望めるようになったのです。
さらに去年の4月からは医療費の新しい助成制度が始まり、自己負担の上限が原則1万円になるなど、治療しやすい環境の整備が進んでいます。C型肝炎をしっかり治すなら、今が絶好の機会なのです。



■C型肝炎の原因はウイルス

C型肝炎は、体内に入り込んだC型肝炎ウイルスが肝臓に住みついて、そして肝臓を破壊していく病気です。放置すると肝硬変、さらに肝臓がんへと進行することがあります。
C型肝炎ウイルスの感染経路で最も多いのは、このウイルスに感染した人の血液を輸血された場合です。さらに、当時は十分に消毒したと思われていた注射器が、今の基準と照らし合わせたら実は不十分だったことが分かり、そうした注射器が一般に使用されたことで、感染が広がったと考えられています。ただし現在では、1度使用した注射器はすべて廃棄して、新しい注射器を使用するようになったので、注射器で感染することはありません。
C型肝炎ウイルスの感染者は、このウイルスの検査法が確立した1989年より前に輸血や予防接種を受けた40代以上の中高年に多く、その数は150万人から200万人と推測されています。ところが医療機関で治療を受けている患者は、およそ50万人に過ぎません。残りの100万人から150万人の中には、自分がC型肝炎ウイルスに感染していることに、気づいていない人も多いと考えられています。



■進化する治療法

C型肝炎の治療は原則として、インターフェロンを中心とした抗ウイルス薬によって、体内からC型肝炎ウイルスを排除することで完治を目指します。
最近では、主にペグインターフェロンとリバビリンの併用療法が行われるようになっています。ペグインターフェロンは、通常のインターフェロンが少なくとも週に3回以上は注射が必要なのに対して、週1回の注射で十分な効果を発揮する新薬です。リバビリンは飲み薬で、単独ではC型肝炎ウイルスに対して効果がありませんが、インターフェロンと併用することで、ウイルスの排除効果を飛躍的に高めることができます。
ペグインターフェロン・リバビリン併用療法で、効きにくい1型のウイルスでおよそ50%、効きやすい2型のウイルスに対しては、およそ80%を完治させることができるとされています。



■C型肝炎の最新治療

最も新しい治療法としては、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法に、新たにプロテアーゼ阻害剤という抗ウイルス薬を併用すると、非常に有効率が高いということが海外で報告され、日本でも治験が行われています。この新しい治療法に関しては、例えばインターフェロンの治療中はウイルスが非常に少なくなっても、治療をやめたら再びウイルスが出てくる再燃例については、ほとんど治ってしまうと報告されています。
さらに患者の遺伝子を調べることで、薬が効きやすいのかどうかが分かるようになっていて、プロテアーゼ阻害剤による治療は、効きやすいという遺伝子を持ってれば、ほとんど100%効くと言われています。



■肝臓の硬さが分かる!フィブロスキャン検査

C型肝炎については、放置すると肝臓がんになる危険性が高いということで、大きな社会問題になっています。それではどういう人が肝臓がんになりやすいのかというと、肝硬変、あるいは肝硬変に近い人が、肝臓がんになりやすいということが分かっています。
ただし、肝硬変かどうかは専門医であればある程度分かりますが、一般の医師にはその判定が難しい場合もあります。そこで最近ではフィブロスキャンという新しい検査によって、肝臓の硬さが簡単に判断できるようになりました。フィブロスキャン検査では、振動が軟らかい物質の中では遅く、硬い物質の中では速く伝わる性質を利用しています。つまり、体の表面から打ち込んだ振動波が肝臓を伝わる速度を超音波で測ることで、肝臓の硬さを調べることができるのです。
検査結果は数値で表示され、値が大きいほど肝臓が硬いことを表します。6を超えたら要注意で肝炎が疑われ、10を超えたら肝硬変の一歩手前、15を超えたら肝硬変になっていると考えられます。
フィブロスキャン検査は痛みが全くないなど患者の負担が非常に小さく、検査結果もその場で直ちに分かります。そのため診察の度に繰り返し検査ができるので、肝臓の経過を詳しく観察できるという利点があり、C型肝炎に治療に大きな効果が期待されてます。

C型肝炎は症状がなくてもなるべく早く、治療を始めることが大切です。C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは血液検査で分かります。成人であれば誰でも無料で受けられますので、まずは最寄りの保健所まで問い合わせて下さい。

白内障

 
今回、白内障についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 眼科学分野 講師の江内田 寛(えないだ ひろし)先生です。

■白内障とは?

目の中のレンズに相当する“水晶体”が濁って視界に影響を及ぼす病気です。
水晶体は遠くを見るときには薄く、近くを見るときには厚くなって見たいものにピントを合わせる働きをしています。本来は透明な組織ですが、水晶体が白内障で濁ると生活の中でさまざまな不具合が生じてきます。


■目の仕組み

目の組織はカメラに例えられます。フィルターに当たる“角膜”、絞りに当たる“虹彩(こうさい)”、レンズに当たる“水晶体”、フィルムに当たる“網膜”といった感じです。


■白内障の原因

多くは加齢による“加齢白内障”がほとんどです。
年を取ると白髪やシワが出るのと同じで、ある一定の年齢になるとほとんどの人が白内障を罹患します。
問題になるのは60歳以上の方となります。


■加齢以外の原因

糖尿病やアトピー性皮膚炎の合併症として白内障が起こることがあり、そういった病気の人では10代、20代といった若い年代で白内障にかかる場合があります。


■白内障の症状

視力の低下や、ものが霞んで見える。
日中の光や車のヘッドライトが異常にまぶしいといったものがあります。

■白内障と視力低下

白内障を疑って眼科を受診する患者さんの多くは視力の低下を症状として訴えますが、眼科医は裸眼ではなく、矯正視力でその人の目が良いか悪いかを決定しています。
白内障で手術をしなければならないと慌てて来院した患者さんでも実は加齢によって遠視が進行しているだけで眼鏡をかけるとよく見えるということがあります。


■白内障の検査

一番重要な検査は視力検査です。さらに眼圧検査、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査に加えて、眼底に疾患があると白内障の治療だけでは十分に視力が回復しないことがあるので、
眼底検査も行います。


■白内障の治療

初期の白内障では点眼治療が行われます。
進行した白内障では最近「水晶体超音波乳化吸引術」という手術がよく行われます。
まず角膜を2oから3o切開します。そこから超音波を出す器具を入れ、濁った水晶体内にある、核、皮質と呼ばれる中の組織を吸引し、水晶体内部を空っぽの状態にします。
その後、中に水晶体の代わりになる“眼内レンズ”が折りたたんだ状態で挿入されていきます。
眼内レンズが開いて装着、手術は終了。小さい切開で済み、患者さんの目に優しい手術です。


■まとめ

症状がある人全てが手術を受けなければならないという訳ではありません。
眼科医に診てもらって、自分の目がどういう状態であるのか把握した上で治療を選択するのが良いでしょう。



ひとりで悩まず相談を!過活動膀胱

 
今回、「過活動膀胱」についてお話を伺うのは、国立病院機構九州医療センター、統括診療部長の井口厚司(いぐち・あつし)先生です。



■トイレが近くなる!?過活動膀胱

膀胱が過敏になってトイレが近くなる病気、過活動膀胱。たいして尿がたまっていないのにトイレに行きたくなるので、少量の排尿を何度も繰り返すうちに、膀胱がだんだん小さくなっていくと考えられています。日本には800万人を超える患者がいると考えられていますが、その内で治療を受けているのはたった1割程度に過ぎません。多くの人が誰にも相談できずに、我慢したりあきらめたりしているんです



■突然の強烈な尿意に要注意!

過活動膀胱の主な症状には、1日に何度も排尿をくり返す頻尿、急に我慢できないような尿意が起こる尿意切迫感、トイレまで間に合わずに尿がもれてしまう切迫性尿失禁などがあります。特に強烈な尿意に突然襲われる尿意切迫感がある人は、この病気の可能性があります。このような症状があると、外出先で慌ててトイレを探さなければならないなど、生活上何かと不便で外出も控えがちになります。そのために気分も落ち込んでしまい、生活の質を大きく損なうことがあります。
過活動膀胱の患者は男女ともに中高年に多く、しかも高齢になるほど増加する傾向があります。ところが最近では、もっと若い人にもこの病気がみられるようになってきました。



■排尿の仕組みとは?

膀胱は、ゴム風船のように伸び縮みする柔軟な筋肉でできた袋状の臓器で、尿が300ccから400ccほど溜まると膀胱の筋肉が圧力を感じ、その信号が脊髄を経て脳に伝わり、尿意をもよおします。ここで脳が“排尿する”と判断したら、再び脊髄を経て膀胱と尿道にその命令が伝えられます。するとバルブの働きをしている尿道括約筋が緩んで尿道が開き、同時に膀胱の筋肉が収縮して尿が体外に排出されるのです。
このように排尿は脳とその命令を仲介する脊髄や泌尿器の連係で行われますが、自分の意思とは関係なく膀胱が勝手に収縮して、排尿を始めようとしてしまうのが過活動膀胱なのです。



■過活動膀胱の原因は ?

過活動膀胱の原因は様々ですが、大きく2つに分けられます。1つは脳梗塞やパーキンソン病、認知症などの脳の病気、あるいは脊髄のケガや病気など、神経に原因がある場合。もう1つは老化、それから男性では前立腺肥大症、女性では出産などによって骨盤底筋が弱くなったというような、神経以外の原因で起こる場合があります。また原因が分からないものもたくさんあります。
ただし過活動膀胱と似た症状を持つ人の中には、膀胱炎や結石、膀胱がん、前立腺がんなどの怖い病気が潜んでいることもあるので注意が必要です。他にもいつも飲んでいる薬の副作用で、過活動膀胱と同じ様な症状が出ることもあります。このような原因の場合には、過活動膀胱とは呼びません。



■過活動膀胱の治療について

過活動膀胱の治療は、まずは薬物療法を行うのが一般的です。最近では副作用の少ない新薬が開発されて、大きな効果を上げています。
その他にも、トイレをできるだけ我慢して排尿の間隔を伸ばし、膀胱に尿が溜まるようにする膀胱訓練や、肛門や膣を繰り返し締めたり緩めたりすることで、尿道を締める筋肉を鍛える骨盤底筋体操を続けることによって、症状を軽くすることができます。
過活動膀胱の薬物療法では、抗コリン薬が主に使われます。排尿の際には、副交感神経の末端からアセチルコリンという物質が放出されることで膀胱の収縮が促されますが、抗コリン薬にはこのアセチルコリンの働きを弱めて、膀胱の異常な収縮を抑える作用があり、飲み始めてから1週間から1ヵ月位で効果が現れます。抗コリン薬には喉が渇くなどの副作用が見られることがありますが、なかでも注意が必要なのは、普段から排尿に障害のある方でさらに排尿障害が増悪し、尿が一滴も出なくなる尿閉の状態になることがあります。そのために抗コリン薬の処方に関しては、排尿がちゃんとできているかどうかを見ることが必要で、排尿後に尿が膀胱内に残ってないかどうか、残尿測定をする必要があります。
残尿検査は腹部にエコー(超音波)を当てて、膀胱の大きさを計測することによって、残尿の量を予測する検査です。エコーは水に反射するので、膀胱内に残尿が残っていれば黒い影が映りますが、残尿がなければ画面には何も映りません。残尿検査は痛みもなく、2〜3分で終わる簡単な検査なので、誰でも安心して受けられます。

過活動膀胱は命に関わる病気ではありませんが、独りで悩んだりあきらめたりしないで、まずはお医者さんに相談しましょう。受診にあたっては1日の排尿回数や尿もれを記録したり、どんな時に症状が起こるのかチェックしておくと、正確な診断の助けになりますよ。

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