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夏バテ

 
今回、夏バテについてお話を伺ったのは
福岡大学筑紫病院 副病院長・消化器内科教授の松井 敏幸(まつい としゆき)先生です。


■夏バテとは?

高温多湿な環境に長くいることで体に起こるさまざまな症状の総称です。
今年も猛暑日の連続で、すっかり体調を崩している人が多いと思いますが、
夏バテは夏が終わった9月が本番なので対策はより重要です。


■注意その@ 胃腸の働きの低下

夏場は暑さで胃腸の働きが落ちて食欲がなくなりがちになります。
すると体に必要な栄養素が不足して夏バテにつながります。
また冷たい食べ物や飲み物ばかりを取ると胃腸が冷えてより働きが悪くなるので注意が必要です。
さらにジュースを飲みすぎると血糖値が上がることで空腹を感じにくくなります。
食欲がわかない原因となるので飲みすぎ、与えすぎには気をつけましょう。


■注意そのA 水分の不足

夏場はたくさんの汗をかき、屋外での軽い作業であっても
1日でその量は2リットルにも及ぶと言われています。
汗は体温を下げるための体の正常な働きですが、同時にナトリウムや鉄分、カリウムやカルシウムといった体に必要なミネラル類も出て行ってしまいます。
水分補給はこまめに行いましょう。








■注意そのB 自律神経の不調

自律神経とは体温の調節や発汗など体のさまざまなコントロールを行う神経組織です。
特に夏場は自律神経が体の調節に追われます。
エアコンの設定温度は外との気温差 5℃以内がベターです。
まだしばらくは熱帯夜にも悩まされそうです。
寝苦しいとなかなか“質の良い睡眠”とはいきませんが、といってエアコンをかけっ放しにすると冷えた体を暖めようと睡眠中に自律神経が働き出します。
“寝たはずなのに疲れが取れない”となるので注意です。


■特に注意すべき人は?

健常な人では秋になって少し涼しくなると回復することが多いですが、潰瘍性大腸炎など慢性の腸の病気がある人、慢性の肝臓の病気がある人、日頃から何らかの薬を飲んでいる人は体の“予備能”が少し低くなっているので夏バテによる影響は健常な人よりも大きく、それをきっかけに持病が悪くなりやすいと言われています。


■夏バテの症状

倦怠感や体が熱っぽい、立ちくらみやめまい、手足の冷えやしびれといった全身症状から、下痢や便秘、食欲不振、といった胃腸の障害。さらにはイライラ感や無気力など精神的な症状までさまざまです。

未来を拓く!先端医療(後編)

 
前回に引き続き「先端医療」についてお話を伺うのは、九州大学大学院医学研究院、先端医療医学講座、教授の橋爪誠(はしづめ・まこと)先生です。

■先端医療の最新動向

先端医療は科学の先端分野の成果を活用した、まったく新しい次世代の医療として、その実現が大きく期待されています。その分野は多岐に渡りますが予防医学の分野では、最近になって予防医療から先制医療へと研究を進めてこうという動きが出ています。
先制医療とは、遺伝情報を元に病気の発症を予測して、症状が現れる前に治療を施す新しい医療のことです。病気の原因を排除するこれまでの予防医療と違って、病気が未熟な内に先制攻撃をして、病気の発症を防いだり遅らせることを目的としています。
新しくオープンした最新の研究施設、九州大学先端医療イノベーションセンターでも、新しい治療法や医療機器を1日も早く実現すると同時に、今後は先制医療に関する研究開発を進めていく予定です。



■医療を変える!?救命支援イス型ロボット

九州大学が研究開発を進めている医療ロボットに、“プレホスピタルケアロボット”があります。プレホスピタルケアとは、病院に搬送される前の応急手当てのことです。一刻を争う緊急時に救急車が到着するまでの間、このロボットがいち早く患者の状態をチェックし、医師の診察や応急手当てを支援することで、救命率が高まると期待されています。
プレホスピタルケアロボットはマッサージチェアのような形状をしています。急に具合が悪くなった人が座ると血圧や心電図、脈拍などを自動的に計測して、そのデータを医療機関に送信します。医療機関ではモニターの前に座った医師が、送信されたデータを元に患者の容体を判断し、将来的には遠隔操作で必要な治療までを行うことを目指しています。
さらにロボット本体には車輪やウインカーが装備されていて、遠隔操作で移動させることができます。例えば救急車が入って来れないような細い路地を、センサーやナビゲーション機能を使って患者を乗せたまま自走して、救急車が待機している所まで患者を運びます。ゴルフ場などのレジャー施設や公共施設への設置を想定して、今後はよりコンパクトな形状を目指すなど、実用化されれば救急医療の姿が大きく変わると考えられています。



■常識を変える!? 電動車いすロボット

九州大学では他にも、バイクのように乗れる新しい電動車いすロボット、“ユニバーサルビークル・ロデム”の研究開発も進めています。一見スクーターのような形状ですが、足の不自由な人や高齢者が乗り降りしやすいように、様々な工夫が施されています。
例えばベッドの端に座った状態から車いすに乗り移る時に、普通の車いすだと途中で体の向きを変える必要があります。体をうまく動かせない人にとっては、決して簡単な動作ではありません。それがロデムの場合は、ハンドルを握ってサドル状のシートに体をすべらせるだけで、簡単に乗り移ることができます。普通の車いすだと、乗り移ろうとして体の向きを変えるために介護の手を必要としたり、乗り移るまで時間がかかったり、転んでケガをすることもあるなど、車いすで問題となる動作や手間を解決して安全性を高めるために、既成概念にとらわれない全く新しい車いすロボット、ロデムが開発されました。
さらにシートは電動で上下させることが可能で、ロデムに乗った時の目線の高さが、人が歩く時の目線の高さと同じ位になるように設定されています。ロデムの開発コンセプトはズバリ!『もっと自由に、行きたいところへ』。周りを見上げて過ごすような車いす生活から脱却して、よりスタイリッシュで乗ってみたいと思わせる魅力的な乗り物としての車いすを作る…ユニバーサルビークル・ロデムは近い将来の製品化を目指して、九州大学先端医療イノベーションセンターでさらなる改良を進めていくということです。

医療技術の進歩は近年めざましく、日本の先端医療は国内だけでなく、海外からも大きな注目を集めています。誰もが分け隔てなくより健やかな生活を送れる様に、先端医療への飽くなき挑戦はこれからも続いていくのです。

未来を拓く!先端医療(前編)

 
今回、「先端医療」についてお話を伺うのは、九州大学大学院医学研究院、先端医療医学講座、教授の橋爪誠(はしづめ・まこと)先生です。



■技術立国・日本!

製造業を始めとして農業から情報産業に至るまで、日本の優れた技術は様々な分野で世界中から大きな注目を集めています。もちろん、医療の分野も例外ではありません。革新的な医薬品や医療技術の実現を目指して、今まさに全国各地で研究開発が進められています。



■先端医療とは?

先端医療が従来の医療と大きく異なるのは、生命科学の分野や材料の分野、コンピューターサイエンスの分野など、様々な分野の新しい科学技術を医療の分野に取り入れて、まったく新しいコンセプトの医療を開発しようとしている点です。その1つが再生医療であったり、コンピューターを使ったロボット手術や、遺伝子情報をもとにした個別の医療、いわゆるゲノム医療などです。



■先端医療の発展がもたらす恩恵

身近な先端医療の例として、例えば画像診断の分野では、この30年でレントゲンからCT、MRI、PETと技術革新が進みました。その結果、様々な病気の早期発見が可能になっただけでなく、早期治療による治療成績の向上や、医療コストの削減にもつながっています。
他にも先端医療の発展には、従来は不可能だったことができるようになる有効性、副作用や医療ミスのリスクを小さくする安全性、さらに患者の苦痛を和らげる低侵襲(ていしんしゅう)性といった成果が期待されているのです。



■日本における先端医療の課題

日本の科学技術、特に先端医療技術のレベルは世界のトップクラスにあるにも関わらず、実はそれを実用化したり、製品化して新しい日本発の薬や日本発の医療機器として、海外に展開できているものはほとんどありません。
研究開発して製品化するまでには、臨床試験という非常に大きなハードルがあります。これをきちんと越えなければ製品化はできません。ところが、この研究開発と製品化を橋渡しする臨床試験のシステムが日本では非常に弱いということで、その克服が今の日本の大きな課題となっています。



■先端医療の新たな拠点が始動!

そこで先端医療の速やかな実用化を目指して、最先端の研究開発に取り組んでいる大学と製品化のノウハウを持った企業が連携した、新たな研究開発拠点が九州大学にオープンしました。それが先端医療イノベーションセンターで、研究開発から実用化までを一貫して行うことができる、国立大学としては日本初の施設です。6階建ての建物の2階には最新のインテリジェント手術室、3階には臨床試験を行う治験病棟、4階には再生医療用の細胞培養施設と外来診療室、5階には共用実験施設、6階には企業との共同開発を進めるオープンラボスペースと、4階を境にして下に診療施設、上に研究施設を備えています。



■開発が進む最先端の内視鏡ロボット

なかでも2階のインテリジェント手術室には、ナビゲーション手術用とロボット手術用の2つの手術室があり、最先端の医療機器に対応していますが、その1つが単孔式手術ロボットです。単孔式手術とは最新の内視鏡手術のことで、従来の内視鏡手術が3ヵ所から4ヵ所の穴を開けて行うのに対して、単孔式手術ではおへそに1ヵ所だけ穴を開けて手術を行います。患者の負担が小さいなどのメリットがありますが、動きを制限された状態で器具を操作するため、より高度な技術が要求されます。そこで難しい単孔式手術をより安全に、より正確に行うために、このロボットが開発されました。



■内視鏡手術の技術革新

さらに最近では内視鏡の画像を、3Dで立体的に表示できるようになっています。3D立体内視鏡手術装置と呼ばれる医療機器で、内視鏡カメラの先端にある2つのレンズで撮影した、わずかに角度の違う2つの映像を重ねて、3Dメガネでは見ると浮き上がって見えます。映像が立体的に見えるようになったおかげで、これまで分かりづらかった奥行が認識できるようになり、以前と比べて手術がとてもやりやすくなりました。

今回は主に内視鏡手術をサポートする最新の技術をご紹介しましたが、もちろん先端医療はそれだけではありません。次回の先端医療・後編では病気になるのを防いだり、暮らしをサポートしてくれる、
最先端の医療ロボットに迫ります。

足の動脈硬化

 
今回、足の動脈硬化についてお話を伺ったのは、
福岡赤十字病院 循環器内科の末松 延裕(すえまつ のぶひろ)先生です。


■足の動脈硬化とは?

“下肢閉塞性(かしへいそくせい)動脈硬化症”と呼ばれ、生命に関わるような全身疾患の発症や悪化につながるものです。



■動脈硬化とは?

血管の壁がもろく、固くなったり、動脈内に脂肪分が溜まって血流が悪くなる状態のことです。動脈は全身に血液や栄養を送る大事な血管ですが、動脈硬化が首もとの頸(けい)動脈で進むと脳梗塞を、心臓の冠状動脈で進むと心筋梗塞を、足の動脈で進むと下肢閉塞性動脈硬化症を引き起こす危険があります。



■注意点

下肢閉塞性動脈硬化症では頸動脈や心臓の冠状動脈など全身の血管に同じく動脈硬化が進んでいることが多く、脳梗塞や心臓発作、狭心症、心筋梗塞などを発症するリスクが高いと言われています。
またアメリカのある調査では、下肢閉塞性動脈硬化症の発症後5年間での死亡率は、近年増えている乳がんや大腸がんよりも高いという結果が報告されています。



■発症のリスク

一番大きなリスクは喫煙です。
たばこに含まれる有害物質が血管に長い時間をかけてダメージを与え、血管の老化を進めます。すると徐々に血管が変形したり狭くなったり、詰まったりします。その他にも高血圧や肥満、糖尿病や脂質異常症(※血液中に脂肪分や“悪玉”コレステロールが多い)などといった生活習慣病、さらに過大なストレスも発症を高める要因とされています。



■足の動脈硬化の症状

足先が冷たい、しびれる、色が青白くなるといったものに始まり、歩いている最中に太ももやふくらはぎが痛み、自由に歩けなくなるという状態に進行します。症状が軽いうちは歩くのを休むと痛みは和らぎますが、進行するとじっとしていても刺すような痛みが続きます。
また足に動脈硬化が進むと血流が滞ることで足の組織や細胞が破壊される“壊死”が進みやすくなり、最悪の場合、足を切断するという事態に陥る可能性があります。さらに足が痛くて体を思うように動かせないことが生活習慣病の発症や悪化につながり、それが動脈硬化をいっそう進行させ、脳梗塞や心筋梗塞発症の要因にもなってしまいます。



■先生よりまとめ

足の動脈硬化は心臓や頭部、全身の臓器で進む動脈硬化を同時に見つける、“窓口”となるものです。
一度、専門の外来(足病外来)を受診してチェックを受けたほうが良いと思います。
足の動脈硬化は高齢化が進む我が国では今後、増えると考えられています。
またこの病気による足の痛みやしびれは生活の質を低下させるだけではなく、深刻な疾患の引き金ともなります。足に違和感がないか、日頃から注意しましょう。


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