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脳こうそく

 
今回、脳こうそくについてお話を伺ったのは九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科 併任講師の鴨打 正浩(かもうち まさひろ)先生です。


■脳こうそくとは?

脳こうそくは脳卒中のひとつです。
脳卒中は大きく脳出血、くも膜下出血、脳こうそくに分けられます。脳こうそくは脳の血管が詰まり血液の中の酸素や栄養分が行かなくなって脳の神経が痛んで壊死してしまう病気です。
脳卒中は日本人の死因第3位を占めていますがその多くは脳こうそくによるものだと考えられています。


■脳こうそくの種類

脳こうそくは大きく、“ラクナ梗塞”、“アテローム血栓性脳梗塞”、“心原性脳塞栓症”の3つに分けられます。
ラクナ梗塞は脳の太い血管から枝分かれした細い血管が
狭くなったり詰まったりして起こるものです。
日本人に最も多い種類の脳こうそくで、長年の高血圧が主な発症要因と言われています。
睡眠中や朝方に多く発症するとされます。

アテローム血栓性脳梗塞は、血管内が狭くなる動脈硬化が脳の太い血管で進み、そこに血の塊“血栓”ができて詰まるものです。
動脈硬化を発症、進行させる糖尿病などの生活習慣病が主な要因で、ラクナ梗塞と同じく睡眠中や朝方に多く発症します。心原性脳塞栓症は心臓にできた血栓が血液の流れに乗って脳に運ばれ、脳の太い血管が詰まるものです。
最も多い発症要因は脈拍が異常に早くなる“心房細動”という不整脈で、日中の活動時に発症し、重い症状が急に現れることが多いとも言われています。




■脳こうそくの症状

脳が障害を受けた場所や範囲でさまざまですが、真っ直ぐに歩けなくなる運動障害、片方の手足のしびれや手足から急に力が抜ける感覚障害、片方の目がしばらく見えなくなる、二重に見える視覚障害、言葉がすぐに出てこない、ろれつが回らない、理解できない言語障害、急にめまいに襲われるバランス障害などが挙げられます。


■一過性脳虚血発作

脳こうそくの患者さんの中にはこれらの症状が一時的に出たあと消えて、その後なんともないといった“一過性脳虚血発作”と呼ばれる症状があることがあります。
この一過性脳虚血発作というのは1時間以内で症状が消えて、
その後どうもないために、ほおっておきがちになってしまいますがこれが前触れ発作で、そのあとに大きな脳こうそくにつながることがあります。このような症状があった場合には、ただちに専門の先生から適切な治療を受けることをお勧めします。


■その他注意点

もし周りに脳こうそくではないかと思われる人がいたら次の3つを実践してみてください。
☆顔「にっこり笑ってみて。」表情をチェックしましょう。〜表情を作った際の顔が歪んで、左右非対称になっていませんか?。
 
☆腕「両手を前にあげてみて。」 〜手のひらを上に両手を挙げると片方の腕が落ちたり、
片方だけが上がらなかったりしていませんか?。
  
☆言葉「“今日は天気がよい”と言ってみてください」
「“ようは、れんきが、ろい…”」〜ろれつが回らなかったり、意味が理解できなかったり
言葉そのものを発せなくなってはいませんか?。


これらのうち、ひとつでも異常が見られたら、ただちに救急車を呼んでください。
私たちのこうした作業がその後の適切な治療につながりひとつの命を救うことにもつながるかもしれません。


■脳こうそくの治療

予防を目的とした治療と、脳こうそく自体に対する治療があります。
高血圧や糖尿病、メタボリックシンドローム、脂質異常症などがある人ではそれらを治療することが脳こうそくの予防につながります。
また心房細動など、心臓の中に血栓を作りやすいような病気がある人では血栓予防の薬が必要となることもあります。一方、脳こうそくを発症したら、一刻も早い治療が必要となります。
最も効果的とされるのが“tPA”と呼ばれる薬剤で、血管内の詰まりの原因となっている血栓を強力に溶かし、症状の劇的な改善が期待できると言われています。また治療後に後遺症が残った場合にはリハビリテーションを行います。
リハビリテーションによって体の機能をできるだけ取り戻すことは退院後の患者さんの生活の質を保つためにもとても大切です。


■先生よりまとめ

高齢化社会となって脳こうそくの患者さんは今後増えてくると予測されています。また生活の欧米化に従って動脈硬化がだんだん増えてきています。日常生活に気をつけたり、危険因子をきちんと治療することで少しでも脳こうそくを予防してもらいたいと思います。

迷惑な冬の風物詩!?乾燥肌

 
今回、「乾燥肌」についてお話を伺うのは、東比恵皮膚科クリニック、院長の伊藤さおり(いとう・さおり)先生です。

■女性は特に要注意!
乾燥肌は、医学的には皮脂欠乏症と呼ばれます。年をとるにつれて、皮膚の表面を覆っている脂が減っていくことで、皮膚表面の水分が失われて乾燥してしまう状態です。空気が乾燥する秋から冬にかけて症状が出始め、真冬になると一番ひどくなる反面、夏には自然に良くなっていくこともあります。程度の差はありますが、誰でも年をとると皮膚の乾燥が生じてきますが、女性の方が男性より、早い年代から肌の乾燥が始まる傾向にあります。
肌の潤いは、皮膚の表面で厚さわずか0.02ミリの角質層に含まれている皮脂、角質細胞間脂質、天然保湿因子という3つの物質によって、一定に保たれています。皮脂は皮脂腺から分泌される脂で、汗などと混じり合って皮膚の表面を覆う皮脂膜となり、水分の蒸発を防ぎます。角質細胞間脂質は、何層にも積み重なった角質細胞と角質細胞のすき間を埋めている脂です。角質細胞同士をつなぎながら、水分を挟みこんで逃さないようにする働きがあります。天然保湿因子はアミノ酸や尿素で構成されていて、水分をつかまえて離さない性質があります。これによって角質細胞全体が潤って、しっとりとした肌になるのです。

■乾燥肌の原因は?
天然の保湿成分は、20代をピークに減少していくので、年をとるほど乾燥肌になりやすい傾向にあります。特に冬場は気温が下がるために、汗と一緒に分泌されている皮脂の量が少なくなります。室内でも、エアコンの使用によって、空気がどんどん乾燥していきますので、皮膚の水分が蒸発しやすい季節となります。また寝不足や疲労、極端なダイエットや、偏食といった生活習慣に加え、アトピー性皮膚炎といった病気や体質的な要因によっても、肌が乾燥することが分かっています。
さらに最近では、あったか素材の肌着が広く普及していますが、多くは化学繊維で出来ているために、皮膚との間に摩擦や静電気が起きやすく、乾燥肌を引き起こす新たな原因になっています。

■乾燥肌が進むと…!?
乾燥肌はすねや太もも、腰、脇腹などによく見られ、皮膚がカサカサしたりはがれ落ちたりして、かゆみを伴います。しばらくすると皮膚が亀甲状にひび割れて赤みを生じ、かゆみも次第に強くなってきます。さらに進行すると、皮脂欠乏性湿疹と呼ばれる状態になり、夜中に目が覚めるほどのかゆみを生じるようになります。
乾燥肌でかゆみが生じるのは、乾燥してはがれた角質層の隙間から、ダニやほこり、細菌などの刺激物質が入り込むからだと考えられています。さらに肌が乾燥すると、かゆみを感じる神経が皮膚の表面にむかって伸びてきます。そのため刺激に対して敏感になり、かゆみを感じやすくなるのです。

■乾燥肌の治療について
乾燥肌はかくと症状が悪化し、皮脂欠乏性湿疹という状態になります。比較的軽い場合は、皮膚をうるおす塗り薬の保湿剤を使います。かゆみがひどくなってくると、塗り薬のステロイド外用薬や、かゆみを抑える飲み薬の抗ヒスタミン薬を使って治療していきます。特に保湿剤とステロイド外用薬は、量が少なかったり塗りムラがあると効果が乏しく、またステロイド外用薬は量が多すぎると副作用を招くこともあるので、正しい用法・用量を守ることが大切です。

■保湿剤の正しい使い方
保湿剤の量の目安となるのがフィンガーチップユニットです。これは保湿剤やステロイド外用薬などの塗り薬について、適切な量を判断するために提案されている方法で、塗り薬を手の人差し指の先端から第一関節まで出した時の量が、手の平2つ分の面積を塗るのに適量とされています。
続いて指にとった保湿剤を、全体に少量ずつ置いていきます。そして手の平でなじませるように、
しわに沿って保湿剤を伸ばします。例えば腕の場合は、手首のしわを見れば分かるように、横にしわが入っているので、横方向に保湿剤を塗っていきます。ゴシゴシと力を入れ過ぎると、肌を摩擦して余計な刺激を与えてしまうので、優しくなじませるような感覚で塗ることが大切です。保湿剤がきちんと塗れているかどうかを確かめるには、ティッシュを皮膚につけてみて、すぐにはがれなければ大丈夫です。
また保湿剤には水分を閉じ込める働きがあるので、塗る前に水や化粧水で皮膚を湿らせたり、入浴後に水気を軽くふいてから、なるべく5分以内に保湿剤を塗ると効果が高まります。

■乾燥肌を防ごう!
乾燥肌を防ぐには、日常生活でのちょっとした心がけが大切です。まずは、朝晩のスキンケアで肌の潤いを保つこと。そして入浴の際は長く湯船に浸かり過ぎたり、ナイロンタオルを使ってゴシゴシ体を洗ったりすると、皮膚を守ってくれる表面の潤い成分を、必要以上に落としてしまうので注意が必要です。また、かきむしると症状が悪化しますので、爪は短く切って患部をできるだけかかないようにしたり、皮膚を刺激するとかゆみが強くなるので、肌着はなるべく木綿など、肌に優しい天然素材の物を使用しましょう。

乾燥肌はごくありふれた病気で、加齢や季節に伴う自然な変化でもあります。そのためかなり悪化するまで我慢してしまう人も少なくありません。早く治療するほど効果的なので、かゆみが気になって夜眠れないなどの自覚症状がある場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

アナフィラキシー

 
今回、アナフィラキシーについてお話を伺ったのは、遠賀中間医師会 おんが病院 救急総合診療科 ・H CU部長の末廣 剛敏(すえひろ たけとし)先生です。


■アナフィラキシーとは

特定の物質に対する全身的な反応のことを“アナフィラキシー”と言います。
その中でも、症状が重くて血圧が下がったりする場合を“アナフィラキシー・ショック”と言います。


■アレルギー反応とアナフィラキシー

私たちの体は、外から細菌やウイルス、花粉などの異物が侵入すると、それらを排除するために“抗体”が作られます。
そしてその後も異物がなお体内に入ると人によっては抗体が過剰に反応して、体に不利な働きを起こすことがあります。これが“アレルギー反応”です。
アナフィラキシーとは、このアレルギー反応が全身に起きた状態のことでときに“アナフィラキシー・ショック”という危険な状態に陥ります。


■主な要因について

ハチの毒、薬剤、食物の大きく3つが挙げられます。
スズメバチやアシナガバチによるハチ毒アレルギーはアナフィラキシー発症要因として一番多いとされ、日本ではハチの毒によるアナフィラキシー・ショックで養蜂家や農林業の人を中心に毎年数十人が死亡しています。
ハチの毒にはたくさんの刺激物質が含まれていて、それがショックの原因になります。

薬剤アレルギーでは解熱鎮痛剤や抗生物質、
ときにはCT画像検査で使う造影剤が要因となる場合があります。
食物アレルギーで一番多いとされるのはタマゴです。
その他ではソバや小麦、魚類では青魚、
ほかエビやカニなど甲殻類がきっかけになると言われています。
■症状について

アレルギー反応の程度で差がありますが、初期ではじんましんがでたり、気分が悪くなったりします。
併せて呼吸がしにくくなる、脈が早くなる、脂汗をかく、などといった症状も見られます。
またアレルギー反応で放出される化学物質によって全身の毛細血管が拡張し、血圧低下から意識がなくなるといった重篤な状態になる可能性があります。


■注意点

アナフィラキシーは軽い症状からどんどん悪くなっていくので、なるべく早めに救急車を呼ぶようにしましょう。
特にソバアレルギーは、あっという間に悪くなるので様子を見ることなく、すぐ病院に運ぶことが大事です。


■予防、対策について

アナフィラキシー・ショックの一番大きな原因がハチの毒です。
ハチもどんどん人間の生活範囲に進出してきているので
最近では民家の軒下とかでよく見かけます。
そういうところはなるべく近づかない、ものを投げない、
刺激しないといったことが大事です。巣があった場合は役所に連絡して専門の業者に駆除してもらいましょう。

薬剤アレルギーに対する予防では一度じんましんなどの症状が出た薬剤は使わないようにする。処方薬であれば医師に相談しましょう。また食物アレルギー予防では自分にどんな食材でアレルギー反応が出るのかを知っておくことが大事です。
血液検査などでアレルギー反応につながる物質が分かります。





■まとめ

寒さが厳しい今の時期を過ぎてほどなくするとスズメバチは活動を始めます。
もしスズメバチに出会い、口から発する“カチカチ”という威嚇の音が聞こえたら、手で振り払ったりすることなく、慌てず騒がず静かにその場を立ち去りましょう。

体の中から若々しく!アンチエイジング

 
今回、「アンチエイジング」についてお話を伺うのは、福岡大学医学部、内分泌・糖尿病内科、教授の柳瀬敏彦(やなせ・としひこ)先生です。

■医学の力で老化を防ぐ
情け容赦なく進む“老化”という名の時計の針。ある程度年齢を重ねてくると、年を追うごとに感じられる見た目や体調の変化は、誰にとっても気になるものです。ところでもし、その時計の針が進むスピードを、医学の力で遅らせることができるとしたら…それがアンチエイジングです。今回は特に体の内側から若さを保つ秘訣に迫ります。

■アンチエイジングの目的
アンチエイジングの目的は、ひと言でいえば健康寿命を達成するということです。健康寿命とは心身ともに自立して健康的な生活を送れる期間のことで、そのために病気を予防したり、さらには見た目の若さを保って生き生きとした毎日を過ごすことが大切になります。
逆に老化とは、例えば酸化作用が関係しているとか、遺伝子が関係しているとか、様々なことが言われていますが、その1つにホルモンがあります。ホルモンの分泌が年をとって低下していくことが老化現象の1つであるならば、そのホルモンを補うことによって老化が防げるのではないかと考えられているのです。
ホルモンとはもともと“刺激する”とか“目覚めさせる”といった意味を持つ言葉で、全身の組織や臓器を刺激して、バランスよく機能するための調整を行う化学物質のことです。私たちの体内では様々な臓器から作用の異なるホルモンが分泌されています。その数は確認されているだけで40種類以上にもなり、血流によって全身に運ばれて、体の正常な機能を維持するのに役立っているのです。

■加齢で減少する4つのホルモン
年をとると減少していくホルモンは主に4つあります。1つは女性の閉経後に減少していくエストロゲン、いわゆる女性ホルモンで、もう1つはテストステロン、いわゆる男性ホルモン、さらに副腎から出るホルモンでDHEA、そして成長ホルモンです。
この中で唯一エストロゲンは、女性の更年期障害に対する補充療法が保健診療として認められています。以前はエストロゲンを補充することによって、動脈硬化や乳がんが増えるのではないかと心配されていましたが、その後の研究によって60歳未満の方に対して5年以内であれば、エストロゲンを補充しても特に問題はないという考え方が一般的になってきています。エストロゲンのアンチエイジング効果は、主に美肌効果と性的活動性の向上だとされています。
テストステロンは男性ホルモンの一種で、20歳代から徐々に分泌が減少していきます、そして中高年になると性的能力の低下や抑うつ気分、骨密度や筋肉量の低下につながることがあります。こうした症状に対してはテストステロンの補充療法が効果的ですが、一方で不適切なテストステロンの補充は、前立腺肥大や前立腺がんを引き起こすリスクがあるとされています。
DHEAはエストロゲンやテストステロンの元になることから万能ホルモンとも呼ばれています。体内に最も多く存在するホルモンですが、年をとるにつれて直線的に分泌が減少します。日本ではDHEAの補充療法は認可されていませんが、欧米ではサプリメントで利用されていて、女性の骨密度の改善やシミが消えて肌が若返るといった効果が報告されています。
成長ホルモンは文字通り、子どもの身体的な成長をうながすホルモンですが、大人になってからも重要だということが、最近分かってきました。成長ホルモンには脂肪の分解作用や筋肉の増強作用があることから、加齢による成長ホルモンの減少が中高年の肥満に関係してるのではないかと考えられているのです。そこでアンチメタボやアンチエイジングとして、成長ホルモンを補充すれば良いのではないかという考え方が生まれてきていますが、残念ながら日本ではアンチエイジング治療としての成長ホルモンは勧められていません。

■運動でアンチエイジング!
ところが成長ホルモンは運動によって手軽に増やすことができます。運動の効果で脂肪が減ったり筋肉が増えたりするのは、成長ホルモンの作用が関係していることが分かっています。さらに成長ホルモンには、肌をみずみずしくする働きもあるのではないかと考えられています。
運動をすると体内には疲労物質である乳酸がたまりますが、この乳酸が刺激となって成長ホルモンの分泌がうながされると考えられています。ただし運動の負荷が強すぎて乳酸が高すぎると、かえって成長ホルモンの分泌が妨げられるので、ちょっときつめの有酸素運動を20〜30分間続けると、最も効率良く成長ホルモンが分泌されると言われています。

いつまでも健やかで、生き生きとした人生こそがアンチエイジングです。日ごろから運動不足の人は、まずは適度な運動を習慣づけることから始めてみてはいかがですか?

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