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肺炎

 
今回、肺炎についてお話を伺ったのは
国立病院機構 福岡病院 院長の岩永 知秋(いわなが ともあき)先生です。


■肺炎とは

病原菌が肺の中に侵入することで発症します。
体力や体の免疫力が落ちている人に起こりやすいと言われています。
風邪やインフルエンザがこじれて肺炎になることもあるので、冬場は特に注意が必要です。
また高齢者は老化現象によって免疫力が低下している上に、
食物や唾液が誤って気管に入ってしまう
「誤嚥(ごえん)性肺炎」になりやすいとされています。


■肺炎の仕組み

肺炎の原因となる細菌やウイルスは
呼吸によって鼻や口から体内へ侵入しますが、
健康な人は病原菌をのどで排除することができます。
ところが風邪を引いたりしてのどが炎症を起こしていると、
人によっては病原菌が肺に侵入して肺炎を引き起こします。
特に喘息や肺気腫といった呼吸器の慢性疾患、
糖尿病などにかかっていると肺炎になりやすいので注意が必要です。


■肺炎の症状

咳、痰、発熱が典型的な症状です。
さらに食欲低下、全身の倦怠感なども起こります。
しかし高齢者ではそういった特徴的な症状が出にくく、
なんとなく元気がない、食欲がないといったことから
肺炎が見つかることがあります。


■肺炎を引き起こす病原菌

半数近くは肺炎球菌で、他にはマイコプラズマや
嫌気性菌(けんきせいきん)が多く見られます。
肺炎球菌は毒性が強く、発症すると短時間で重症化しやすいのが特徴で、
肺炎の他にも髄膜炎や中耳炎、副鼻腔炎などを引き起こすことがあります。

マイコプラズマによる肺炎は痰をあまり含まない乾いた咳が特徴です。
今年は大流行した去年を上回る過去最多の患者が発生していて、
そのおよそ8割を子どもが占めています。
また高齢者では重症化しやすいとされています。
嫌気性菌は口の中に存在する細菌ですが、
酸素を嫌うため口の中ではあまり増殖しません。
しかし誤嚥によって肺の中に入ると密閉された環境で増殖しやすくなります。


■肺炎の検査

胸部の画像検査、レントゲン検査があり、
血液検査と併せて炎症反応が起きているかどうかをチェックします。
肺炎がどんな種類の病原菌で起こっているかを調べるためには痰の検査が必要です。


■肺炎の治療

まずは推定された菌に対する抗菌薬で治療を始めます。
その後、通常3日ほどで培養検査の結果が出るので必要に応じて抗菌薬を変更します。
その他、必要に応じて水分補給、栄養補給、酸素吸入などの補助療法も一緒に行います。
抗菌薬は症状が軽くなったからといって勝手に止めたり量を減らすと、
薬の効きにくい菌が増えたり、再び悪化して重症化することがあります。
病原菌が完全にいなくなるまで医師の指示通りに正しく服用することが大切です。


■肺炎の予防

「手洗い・うがい・マスクの着用」が基本で、その上でワクチン接種が必要です。
ワクチンは1つは肺炎球菌に対して行うワクチンで、
5年ほど有効期間があると言われています。
もう1つはインフルエンザに対してですがこれは毎年打たないといけません。
誤嚥性肺炎の予防では、
食事をする時に頭を起こしてしばらくその姿勢を保つことが大事です。
さらに歯磨きで口の中を清潔に保つことは、
例え誤嚥しても誤嚥性肺炎を起こすリスクを下げるという意味でとても大切です。

膵がん

 
今回、膵がんについてお話を伺ったのは、
九州大学大学院医学研究院 病態制御内科 准教授の伊藤 鉄英(いとう てつひで)先生です。


■なぜ早期発見が難しい?

膵がんは小さい場合はほとんど症状が見られず、
見つかった時には進行した状態が多いとされています。
ただし胆汁を流す胆管や膵液を流す膵管に腫瘍ができれば
小さくても黄疸や膵炎の痛みが出て早く見つかることがあります。
しかし多くの場合では背中の痛み、糖尿病の悪化、
栄養不良などで見つかることがほとんどです。


■膵がんチェックリスト

10個の設問の合計点で判断します。
まずは症状に関する2つの項目を各2点で計算してください。

@最近、食後にみぞおちの辺りや背中が痛むことはありませんか?
A背中を叩くと体に響くことはありませんか?

続いて生活習慣に関する8つの項目を各1点で計算してください。
なお、たばこは本数、頻度は関係ありません。

B50歳以上である
Cたばこを吸う
Dほぼ毎日飲酒する
Eコーヒーを1日5杯以上飲む
F肉や脂っこい食べ物が好き
G野菜はあまり好きじゃない
H最近ストレスが多い
I運動不足または太り気味

症状の項目に1つでも該当している人、
症状がなくても生活習慣の項目だけで合計4点以上の人は
病院で膵臓の検査を受ける事をお勧めします。症状があって合計が5点以上の人、
症状がなくても生活習慣の項目だけで合計7点以上の人は要注意です。
膵がんが疑われるので病院で検査を受けましょう。


■膵がんの検査

主に血液検査と画像検査です。
画像検査には超音波検査、CT検査、MRI検査などがあります。
強く膵がんが疑われる場合には内視鏡カメラを十二指腸に入れて
膵管に造影剤を入れて細胞組織を調べる内視鏡的膵管造影が行われます。
最近では超音波内視鏡が普及しています。膵臓のすぐ近くから超音波を照射して
1p以下の小さな膵がんも発見できるとされています。


■膵がんの治療法

主に手術療法・化学療法・放射線療法の3つで、
進行の程度と状態を考慮してこれらから1つ、あるいは組み合わせて治療が行われます。
手術療法は膵がんを完治させる唯一の治療法ですが
膵臓の切除は腹部外科手術の中でも難しいものの1つとされていて、
以前は術後の5年生存率が10%程度と決して高くはありませんでした。
しかし最近では術後に抗がん剤を投与することで、
5年生存率が20%〜30%に向上しています。


■治療の今後

2001年に塩酸ゲムシタビン、ジェムザールという薬剤が
非常に治療に効果があるということで膵がん患者に使用されています。
さらに新しい分子標的薬剤や抗がん剤が開発され、
ジェムザールなど別の薬を組み合わせることでさらに治療成績が良くなるということで
内科的治療の今後に期待がもたれます。

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