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宗像 沖ノ島〜祈りの原点をたずねて〜

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ペースメーカー

 
今回、ペースメーカーについてお話を伺ったのは国立病院機構 九州医療センター循環器科科長の中村俊博(なかむら としひろ)先生です。


■ペースメーカーとは?

脈の遅くなるタイプの不整脈治療に用いられる医療機械のことです。
その歴史は古く、約40年以上前から使用されるようになりました。
現在、年間約3万人の患者さんが新たにペースメーカー植え込み術を受けています。
日本には約40万人のペースメーカー患者さんがいると言われています。


■心臓の仕組み

心臓は“心筋”という筋肉でできています。
通常では心筋が規則的なリズムで興奮を繰り返すことにより心臓は収縮と拡張を繰り返しています。
心筋が興奮するために必要なのが電気信号です。
電気信号は洞結節(どうけっせつ)で生み出され、心臓内の特殊な細胞組織を介して全体に行き渡ります。
この働きを「刺激伝導系」と言います。
脈の遅くなる不整脈は、この刺激伝導系の異常が原因であることがほとんどです。


■ペースメーカーが必要な心臓疾患

洞結節の働きが悪くなると、電気信号の数が少なくなったり、
一時的に信号がつくられないことがあります。
このような病気を「洞不全症候群」と呼びます。
一方、電気信号は正常に作られても信号が伝わる過程でそれが途切れてしまうことがあります。
多くは「房室結節」という場所で電気が途切れるためこのような病気を「房室ブロック」と呼びます。
洞不全症候群や房室ブロックでは脈が極端に遅くなったり、数秒間止まってしまうことで、一時的な失神や倦怠感などが起こります。



■ペースメーカーの仕組み

ペースメーカーは“ジェネレータ”という本体と“リード線”からなります。
本体は患者さんの心臓の興奮を感じ取ったり、必要に応じて心臓に電気信号を送ります。
リード線は心臓と本体との間で行われる電気信号のやり取りを伝える導線です。


■ペースメーカー植え込み術

通常、入院が必要です。
手術は局所麻酔で行われるので高齢者でも比較的安全です。
通常では術後1週間程度で退院できます。
退院後はペースメーカーの作動チェックや電池の残量確認などのため半年に1回程度、定期検査を受けますが、手術前とほとんど同じ日常生活を送ることができます。


■ペースメーカー植え込み術後の注意

術後の状態が良好であれば、水泳やジョギングなどの運動ができるようになります。
自動車の運転や旅行も可能です。 
家電製品の多くは使用できますが、IH炊飯器やIH調理器には近づきすぎない。
携帯電話は22cm以上離して使うなどといった注意点があります。
また病院の検査では、磁力と電波を使って体内の様子を画像撮影するMRI検査は受けられません。


■先生よりまとめ

ペースメーカーは数ある医療器機の中で、最も精巧で洗練された人工臓器の一つです。
ペースメーカー植え込み術を受けることにより、遅くて異常だった脈はほぼ正常化します。
多少の注意点はあるものの、元の生活に戻ることが可能です。
ただ電池で動くこの機械は7年から10年で本体の交換が必要です。
異常が無くても定期的なペースメーカーチェックを受けましょう。

猫かわいがりは犬もくわない!?ペット感染症

 
今回、「ペット感染症」についてお話を伺うのは、武石動物病院、院長の西木健一郎(にしき・けんいちろう)先生です。

■より身近になったペット
犬はおよそ2万年前から、猫はおよそ4千年前から、私たち人間と暮らしていたとされています。言葉が通じないからこそ心と心を通わせる、まさに“ソウルメイト”な存在です。
平成20年の統計によれば、15歳未満の子どもが1725万人なのに対して、ペットとして飼われている犬と猫は合わせて2271万匹!もはや子どもよりペットが多い私たちの社会。ペットがより身近になった今だからこそ、あらためてペット感染症を正しく知る必要があります。
可愛いペットに癒されたいからといって、ペットを猫かわいがりするだけの飼い主は犬もくわない、なんてことになるかも知れません。

■ペット感染症とは?
ペット感染症とはペットの犬や猫などの動物から、人にうつる病気の総称です。動物との接触や唾液の飛沫、かみ傷やひっかき傷などで直接感染する場合と、蚊やノミ、マダニといった寄生虫から間接的に感染するケースがあります。住宅事情などから室内で飼われるペットが増えていて、ペットと飼い主のスキンシップがより濃厚になっていることも、ペット感染症を招く原因になっています。
主なペット感染症には、犬から感染するパスツレラ症や猫から感染するQ熱、ウサギやハムスターから感染する皮膚糸状菌(しじょうきん)症などがあります。これらの病気はペットが感染していても、これといった症状が見られないことも少なくありません。
この他にもペット感染症は、動物が通常持っている菌や真菌によって感染するケースが多いとされています。つまり動物は無症状なので、動物が元気だからといって安心はできません。

■原因はペットよりも人にあり!?
ペット感染症の原因は、動物と接する側に問題がある場合がほとんどです。例えば疲れがたまっていたり風邪をひいたりしていると、免疫力が下がってしまいます。さらに妊婦や高齢者、子どもといったもともと免疫力の低い人は感染しやすくなります。
さらにスキンシップの取り過ぎも感染の原因になります。特に口の過剰な接触が問題です。ペットと人の口が接する時間が長いと、容易に雑菌などが入りやすくなりますので、注意が必要です。

■ペット感染症の予防法
ペット感染症を防ぐには、ペットの身の周りを清潔にする事が大切です。普段からブラッシングなどの手入れを心がけて、小屋や敷物は雑菌が繁殖しやすいので、こまめに洗いましょう。特にペットのフンや尿には、病原菌が含まれているかも知れません。放置して乾燥させてしまうと病原菌が空気中に放出されることもあるので、汚れたトイレは早めに処理するようにしましょう。
また室内で犬を飼っている場合は、散歩から帰って来たら、足だけでなくお腹やお尻など体が床に着く部分はすべて洗いしましょう。
さらにペットに触れると、知らないうちに唾液や傷口を触ってしまうこともあります。ペットは平気でも人には有害な病原菌もあるので、ペットとのスキンシップの後は必ず手を洗うようにしましょう。
もっともペットとの接し方に関して、あまり神経質になる必要はありません。ただし口については注意が必要です。動物の口は鳴いたり食べたりするだけではなく、舐めるのも仕事のうちなので、外に行った時に匂いを嗅ぎながらいろんな物を舐めたり、排泄の後に舐めたりというのは当然のことです。このように動物の口は思ったよりも雑菌が多いので、口を清潔に保つことが人と動物が健康に過ごすためには重要です。

■予防は歯みがきと耳そうじから!
ペットのケアで最も大切なのは、特に犬や猫の場合、顔の周りを清潔に保つということです。そこで飼い主にぜひ実践してほしいのが、ペットの歯みがきと耳そうじです。
歯みがきに関してはペット用の歯ブラシもありますが、初心者にはガーゼがおすすめです。指に巻いたガーゼを水でぬらして軽く絞り、ペット用の液体歯みがき粉をつけて、歯の表面をこすります。ペットの歯みがき粉はゆすぐ必要はありません。そのまま飲んでしまっても大丈夫です。歯みがきは短時間で終わることが大切で、ペットが嫌がる場合は、今回は右側だけにして次の機会に左側を行うというように、日によって変えてもいいのでとにかく飽きさせずに、長く続けて習慣付けることが重要です。
耳そうじで最も大事なポイントは、耳穴の位置です。犬の場合、耳をめくるとたくさんのひだがありますが、一番下の方に耳穴があります。そこから鼻に向かって洗浄液を2〜3滴押して、必ず耳を持った状態で耳の根元を軽く揉みます。すると耳の奥に洗浄液が入っていくので、少し揉んだら手を離して頭を振らせて、耳の表面に出てきた洗浄液をティッシュで拭きとります。犬の耳は中で曲がっていて、指を奥まで入れても鼓膜までは届かないので、しっかりと拭きとりましょう。耳そうじもあまり時間をかけずに、手早く行うことが大切です。
歯みがきも耳そうじも、初めから毎日行う必要はありません。まずは週に1〜2回から始めて、少しずつ慣らしていきましょう。

■ペット感染症の対処法
ペット感染症の対処法としては、定期的に寄生虫などを駆除することと、年に1回しっかりワクチンを打つことです。その時にきちんと獣医さんに検診をしてもらうようにしましょう。普段の手入れは耳の掃除や歯みがきで、顔の周りを清潔に保つというのが重要になります。
感染した場合の人の症状としては、風邪のような症状や皮膚病が多いので、通常の治療をしていく中で治りが悪い場合には、医療機関の先生にペットを飼っていることを伝えると、治療がスムーズにいくことがあります。

空前のペットブームと言われて久しい昨今、ペットは家族の一員として、同じ部屋で寝食を共にすることも珍しくありません。親しき仲にも礼儀あり…ではありませんが、ただ可愛がるのではなく、ペットは正しく可愛がることが大切ですよ。

献血

 
今回、献血についてお話を伺ったのは福岡県赤十字血液センター所長の清川 博之(きよかわ ひろゆき)先生です。


■献血とは?

日本赤十字社が行っている事業のひとつです。
健康な一般の人々のボランティアで得た血液は、病気やけがなどで輸血を必要としている患者さんに使われたり、さまざまな血液製剤となって医療に役立てられています。
日本赤十字社では16歳から69歳までの人々に献血バスや献血ルーム、血液センターで献血の協力をお願いしていますが、
全国各地で血液は常に不足しているというのが現状です。


■献血が必要な理由

血液を人工的に作れないこと。長期間、保存できないこと。
一定の安全基準があり、献血による血液全てが使用できないことなどがあります。
また大災害が起こると、一度に多くの負傷者が発生し大量の輸血用血液が必要となります。
さらに臓器移植手術などの高度医療は輸血無くして行うことはできません。


■献血の現状

血液提供者の年齢層は78%が50歳未満の人々で、そのうちの27%が16歳から29歳という若い世代です。
その一方で輸血用の血液は85%が50歳以上に使われていて、現状としては若い世代が高齢者医療を支えるという構造になっています。
しかし今後、少子高齢化が急速に進むと、このままでは今よりさらに血液が不足することが予想されます。
また近年では少子高齢化と併せて10代、20代といった若年層の献血離れが著しく進んでいて、その対策が今後の課題とされています。



■献血の種類

200ml献血、400ml献血、成分献血があります。   
200ml献血、400ml献血は血液中の全ての成分を採血するいわゆる“全血”という方法です。
一方、成分献血は血液中の血漿(けっしょう)や血小板(けっしょうばん)だけを採血して、赤血球や白血球は提供者の体内に戻すという方法です。
献血の際には提供者の考えを最優先しつつ、できれば400ml献血か成分献血への協力をお願いしています。
これは同じ血液型でも、ひとりひとりの血液は微妙に異なるため、輸血の際にたくさんの献血者からの血液を合わせれば合わせるほど、発熱や発疹などの副作用が出やすいとされているからです。


■献血のメリット

献血は、血液提供者にも自分の体の状態を知ることができるというメリットがあります。
献血後、10日前後で血液提供者のもとに血液検査結果表が届きます。
その内容は医療機関で受ける血液検査とほぼ同じものです。
これによって最近、急増している糖尿病などの生活習慣病が早く見つかって、軽い段階で症状が改善するかもしれせん。
ただしエイズウイルス(HIV)検査目的の献血は遠慮してください。
HIV検査はお住まいの保健所等で行ってください。


■まとめ

今後の血液の確保のために欠かせないのは若い世代の献血です。
最近では学校などで、その啓発を目的とした「献血セミナー」も広く行われています。
今日も血液を待っている患者さんがいます。
まずは1度、献血バスや献血ルーム、血液センターに足を運んでみませんか?

グルメ時代の落とし穴!?痛風

 
今回、「痛風」についてお話を伺うのは、福岡大学医学部整形外科、教授の内藤正俊(ないとう・まさとし)先生です。

■もはや“ぜいたく病”にあらず!?
文字通り、風が吹いても痛いことから痛風と呼ばれるこの病気、かつては“ぜいたく病”とも呼ばれ、美食にふける上流階級に特有の病気でしたが、豊かな食生活を謳歌する現代では、よくある生活習慣病の1つです。
働き盛りの男性に多いのが特徴で、女性は男性に比べるとかなり少ないのですが、閉経すると発症しやすくなります。以前は50代だった発症のピークが30代に移るなど、最近では若年化が進んでいて、治療を受けている患者は全国におよそ87万人、いつ発症してもおかしくない痛風予備軍は500万人もいると推定されています。

■痛風の原因は?
痛風による関節炎は痛風発作と呼ばれ、血液中に含まれる尿酸が過剰に多い、高尿酸血症の状態が長く続いたために、血液に溶けきらなくなった尿酸が結晶化して、関節にたまることで引き起こされます。
健康な人の場合、体内にはおよそ1200mgの尿酸が常に蓄積されています。その内の半分以上が毎日入れ替わっていて、およそ4分の3は尿として、残りは汗や便として排泄されますが、この排泄が上手くいかなくなると尿酸が体内にたまってしまいます。尿酸には体内で溶けにくいという性質があり、増えすぎると結晶化して関節を包む滑膜と呼ばれる部分に付着していきます。これが高尿酸血症と呼ばれる痛風予備軍の状態です。

■痛風の痛みの正体
体内にたまった尿酸の結晶は尿酸値の急激な変動といった刺激を受けると、一部が滑膜からはがれ落ちます。すると白血球が異物と判断して斉に攻撃するために、激痛を伴う関節炎、いわゆる痛風発作が起こるのです。
痛風発作は、血清尿酸値の急激な変動が引き金となって起こることが多く、食べすぎや飲みすぎ、過剰なストレスや激しい運動は血清尿酸値を上昇させるので、痛風発作を招きやすいとされてます。また、尿酸は温度が下がると結晶化しやすいため、暖かい場所から寒い場所へ急に移動した場合などに、痛風発作が起こることもあります。

■痛風発作は体からの警告!
痛風は突然関節が赤くはれ上がって、我慢できないほどの激痛を伴う病気で、足の親指の付け根が最も起こりやすく、他にも手の指やひじ、ひざ、アキレス腱に起こることもあります。多くの場合、痛みは3日から10日程度で自然におさまりますが、原因である高尿酸血症を放置していると、痛風発作が再発して次第に慢性化していきます。痛風が慢性化すると、筋肉や皮膚の下に痛風結節という尿酸の結晶のかたまりができることもあります。
尿酸の結晶は関節だけでなく、他の臓器にもたまっていきます。特に腎臓にはたまりやすく、軽度の腎障害では自覚症状はありませんが、重症化すると腎不全に陥って、透析が必要になることもあります。さらに尿を排泄する際に、尿酸が結晶化して尿路結石になったり、痛風患者は心筋梗塞や脳血管障害といった合併症を併発する割合も高く、痛風発作の激痛は「尿酸がたまってるから治療が必要だ」という体からの警告とも言えます。

■痛風の治療とは?
痛風の治療は薬物療法が中心で、薬には尿酸の排泄を促進する内服薬と、尿酸の合成を阻害する内服薬があります。ただしこれらの薬で尿酸値が正常に戻っても、勝手に服用をやめてしまうと、2週間ほどで元の状態に戻ってしまいます。薬は専門医に副作用等もコントロールしてもらいながら、きちんと服用することが大切です。
痛風発作が起こった場合はなるべく安静にして患部を冷やし、非ステロイド系の鎮痛抗炎症剤を多めに服用するなどして関節の炎症を抑えて、痛みがやわらぐのを待ちます。また、痛風発作の直前には、“ムズムズする”“ピリピリする”“違和感がある”などの前兆症状を自覚する場合があり、発作が始まる前にコルヒチンという薬を内服すると、発作を予防したり軽減したりすることができます。

■痛風は体内のゴミ処理問題!?
痛風の原因となる尿酸は、プリン体という物質が元になっています。プリン体は体内の細胞や様々な食品の中に含まれていて、細胞の新陳代謝やエネルギーの消費によって、プリン体が分解されると尿酸が生じます。つまり、尿酸は生きていく上で不可欠な生命活動の中で発生する老廃物で、この体内のゴミ処理問題がうまくいかないのが、痛風という病気の本質です。
そこで痛風を予防するためには、水を1日2ℓ以上飲むなどして尿酸の排泄をうながすと共に、食事で摂取するプリン体の量を減らし、体内のゴミを少なくする工夫が大切です。

■痛風予防は食事から!
プリン体が多く含まれる食材としては牛肉や豚肉、鶏肉といった肉類、レバーやホルモンといった内臓類、他にも魚の干物や魚卵などがあげられますが、プリン体は旨味の元にもなりますので、かつおやいりこ、干しシイタケでとった出し汁にも多く含まれます。
ただしプリン体は水に溶けやすいため、肉などの食材をゆでるとおよそ3分の1がゆで汁に溶け出します。鍋物のように食材をゆでる料理はプリン体を減らすのに効果的ですが、ゆで汁を最後に雑炊などにして食べてしまうと、プリン体を減らすことにはなりません。残ったゆで汁はきちんと捨てましょう。またイモ類や海藻類といったアルカリ性食品には、体内の尿酸の排せつをうながす働きがあります。痛風が気になるなら、お出汁は昆布出しがおすすめです。
ちなみにビールはプリン体が多いことで知られていますが、食材から摂取するプリン体と比べると、それほど多くはありません。それよりもアルコールそのものに尿酸の排せつを妨げる働きがありますので、痛風や痛風予備軍の方はなるべくお酒は控えましょう。

痛風は痛みが治まれば、尿酸値をコントロールしながら普通の生活ができます。糖尿病ほど厳しい食事制限は必要ありませんが、まずは食材について正しい知識を持ち、調理法を工夫するなどして、できるだけプリン体を控えることが大切ですよ。

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