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C型肝炎

 
今回、C型肝炎についてお話を伺ったのは、国立病院機構 九州医療センター 消化器科 医長の中牟田 誠(なかむた まこと)先生です。


■C型肝炎とは

“C型肝炎ウイルス”に感染して肝臓に炎症が起きる病気です。
肝臓には三千億の細胞があると言われていますが、C型肝炎になるとそれらの細胞が炎症によって次々に壊れ、しばしば肝硬変や肝がんといった深刻な病状に進行します。
現在、日本では年間およそ5万人が肝臓の病気で亡くなっています。
そしてそのうちの実におよそ7割はC型肝炎に由来すると考えられています。
しかし近年では治療が飛躍的に進んで、適切な治療を受ければC型肝炎は完治が可能な時代になってきました。


■C型肝炎での問題

自覚症状がほとんどないため、C型肝炎にかかっていることを知らない人が多くいることです。
現在、日本では約200万人の人がC型肝炎にかかっていると推測されています。
しかしそのうち半分以上の人は自分がC型肝炎にかかっていることを知らず、治療を受けていないと考えられています。


■C型肝炎の感染ルート

C型肝炎は血液を介して感染します。かつて医療機関で使い回しの注射針を刺された、あるいはこのウイルスが発見された1989年以前に輸血や血液製剤の使用を受けたことなどが主な感染源だとされます。
ちなみに現在、医療機関では対策が徹底されているのでこういった形での感染はありません。
その他ではピアスを開けた際に使い回した器具を使って感染するといったケースが見られます。
しかしカミソリなど、血液が付着する可能性があるものの共用を避ければ日常生活で感染することはまずありません。



■C型肝炎の進行

感染すると7〜8割の人ではウイルスが排除されずに残ってしまい慢性肝炎になります。
慢性肝炎では10年から30年で肝臓が硬くなってその働きが低下する肝硬変になります。
さらには肝硬変になると、年間7%の割合で肝がんに進行します。
しばしば“沈黙の臓器”と例えられる肝臓。
C型肝炎でも基本的に自覚症状はほとんどありません。
会社などでの血液検査の結果から肝臓の不具合を疑われ、それがきっかけで自分がC型肝炎ウイルスに感染していることを
初めて知るケースがほとんどだとされています。


■C型肝炎の検査

自覚症状がほとんどないので、自分がC型肝炎に感染しているかどうか、医療機関や保健所で検査を受けることが大切です。
まずは血液を採って抗体検査を行います。
結果が陽性であれば専門機関でのチェックが必要です。
専門機関ではウイルスそのものの検査のほか、超音波検査で肝臓の状況を把握して治療法を決定します。


■C型火炎の治療

治療の基本はウイルスを体から排除する“抗ウイルス療法”です。
2011年より「テラプレビル」という飲み薬の新薬が使えるようになりました。
それまで使用していた「ペグインターフェロン」という週1回の注射と「リバビリン」という飲み薬に、このテラプレビル加えた3剤併用療法が行われています。
この3剤併用療法は従来の2剤併用療法に比べて治療期間がおよそ半分となった一方で、治癒率は2倍に向上という画期的な治療法です。
ただし副作用も貧血、皮膚症状、腎障害など注意すべき点があります。
また2010年に医療費助成金制度が見直され、申請を行えば、インターフェロン治療の個人負担が多くの場合で上限1万円に軽減されました。



■まとめ

自分がC型肝炎にかかっていることを知らない人が多くいます。
ぜひ一度、特に40歳以上の人は病院やお住まいの地域の保健所で検査を受けましょう。
万が一、C型肝炎にかかっていても“治る時代”が到来しているので、必ず肝臓専門医を受診してください。
また、これまでの治療で完治していない患者さんも今一度、肝臓専門医に相談してみてはいかがですか?。

これからの季節は要注意!!食中毒

 
今回、「食中毒」についてお話を伺うのは、九州大学病院、総合診療科、医師の村田昌之(むらた・まさゆき)先生です。

■衛生環境が改善しても食中毒は変わらず!?
気温や湿度がぐんぐん上がるこれからの季節は、食中毒に注意が必要です。ところが食中毒を引き起こす食品は、必ずしも腐っているわけではないので、見た目や匂いではほとんど区別がつきません。しかも、以前よりはるかに衛生環境が改善しているにもかかわらず、実はこの数十年間、国内における食中毒の患者数はほとんど変化していないんです。

■食中毒の原因は?
一般的にはキノコやフグなどの自然毒、メタノールなどの化学物質、そして細菌の3つに大きく分けられますが、発生頻度からいえばそのおよそ9割を占めているのが、細菌性の食中毒です。細菌は高温多湿を好むので、細菌性食中毒は夏場に発生する頻度が増えてきます。そしてこれかの季節、特に気をつけたい菌としてはサルモネラや腸炎ビブリオ、カンピロバクター、病原性大腸菌O157などがあげられます。
サルモネラは生肉、特にとり肉や卵から多く感染します。激しい腹痛や下痢、発熱、おう吐などが急激に起こるのが特徴で、水のような便や粘血便が出ることもあります。
腸炎ビブリオは海水に存在して、水温が15度を超えると増殖するため、夏になると刺身などから感染しやすくなります。主な症状は腹痛や下痢、発熱、おう吐などです。
カンピロバクターは生肉や内臓、井戸水や湧き水などの飲料水を汚染します。感染すると腸炎を発症して、発熱や倦怠感、頭痛、吐き気、腹痛などを引き起こします。
病原性大腸菌O157は極めて感染力が強く、肉類や井戸水が主な感染源ですが、人から人へ直接伝染することもあります。初めは風邪に似た症状で、その後、激しい腹痛や血便、重症化すると尿毒症や貧血、脳症を併発して、意識障害に至ることもあります。

■下痢止めは慌てて飲まない!
食中毒で下痢の症状がある時に下痢止めを飲むと、原因菌が腸の中に停滞して症状が長引いてしまう可能性があります。下痢止めを使用するかどうかは、病院を受診して医師の判断に従いましょう。また、発熱や血便などの症状が強い場合、さらに小児や高齢者の場合は、症状が重篤化することがあるので早めに病院を受診しましょう。
食中毒で下痢やおう吐を繰り返した体は、水分が不足して脱水症状を起こし易くなります。そのため看病する時は、スポーツ飲料を飲ませるなどして、水分と同時に塩分や糖分の補給にも気を配りましょう。また、おう吐がある時は、吐きやすくするために体を横向きに寝かせて、窒息しないように気をつけることが大切です。

■食中毒予防の3原則
食中毒を防ぐには原因となる菌を、付けない、増やさない、殺すという3つの原則を守ることが大事です。
菌を付けない…調理や食事の前、トイレの後などはきちんと手を洗って、手から食品に菌を移さないように気をつけましょう。
菌を増やさない…生鮮食品や冷凍食品は、常温で放置すると菌が増殖する恐れがあるので、買って来たらすぐに冷蔵庫へ入れましょう。
菌を殺す…加熱して調理する食品は、充分に火を通して菌を殺しましょう。特に肉類は中までしっかり火を通して、出来上がったらなるべく早く食べるようにして下さい。そして少しでも怪しいと感じたら、食べずに捨てる。古い食材や料理は諦めも肝心です

■食中毒を防ぐ調理の工夫
肉や魚と生で食べる野菜を同じまな板で扱うと、食中毒を招く恐れがあります。そこでいつも使うまな板の上に、プラスチック製の薄いまな板を重ねてから肉や魚を扱うと、食中毒の予防につながります。さらに使用後のまな板の消毒には、お茶をいれた後の茶ガラがおすすめです。茶ガラに含まれるカテキンには殺菌作用があるので、そのまま手にとってまな板にこすりつけて、流水で洗い流しましょう。
食中毒の予防には、肉や魚にしっかり火を通すことが肝心ですが、つけ合わせに殺菌作用のある梅や、消化酵素を含む山芋や大根などを一緒にたべると、食中毒を防いで消化を助けてくれます。


食事の後は調理器具や食器はすぐに洗って、キッチンを清潔な状態に保ちましょう。きれいに見える食器や食品が清潔とは限りません。食中毒を防ぐには、きれいなだけではいけません。見た目で安心せずに、衛生的な取扱いを心がけましょう。

水虫

 
今回、“水虫”についてお話を伺ったのは、楠原皮膚科医院 院長の楠原 正洋(くすはら まさひろ)先生です。


■水虫とは?

水虫は「白癬菌」というカビ、いわゆる真菌の一種で起こる病気です。
高温多湿な環境を好むので、梅雨の時期から夏にかけて非常に繁殖が盛んになります。


■水虫の現状

現在、日本人の5人にひとりが水虫による症状を訴えているとも言われ、しかもその数は年々、増加傾向にあります。
水虫は長い時間皮靴を履いて仕事をする男性サラリーマンに多い病気とされてきましたが、最近では女性にも見られるようになりました。女性の社会進出が進み、男性と同じように長い時間、靴を履く人が増えたことが理由に挙げられます。
また最近では、若い女性が夏場でもブーツを履くようになりました。
これも水虫には好ましい環境です。


■水虫の種類について

水虫には「趾間型」、「小水泡型」、「角質増殖型」の3つのタイプがあります。
「趾間型」は足の指の間が赤くなってかゆみが出て、その後に皮がむけたり、ただれを起こしたりします。
「小水泡型」は足の裏などに小さな水疱が固まってできて、これも強いかゆみを起こします。
「角質増殖型」は長く水虫を患っている人に多く、足の裏が厚くなって角質がカサカサになったりします。
かゆみはありませんが、ひどいときはひび割れを起こすことがあります。
その他には爪に感染した「爪白癬」、ごくまれですが手に感染した「手白癬」があります。




■水虫の感染について

水虫(白癬菌)は人の足に感染すると皮膚組織の一番外側にある角質層に住み着き、そこに含まれる“ケラチン”というタンパク質を栄養源に生き続けます。
やがて住み着いていた角質が古くなって皮膚からはがれると白癬菌も落ちていき、一緒にはがれた角質を栄養源にして時に数ヵ月に渡って生息を続け、他の人の皮膚に付着するチャンスを待ちます。
白癬菌は皮膚がふやけたお風呂上がりにもっとも落ちやすく、つきやすいとされ、洗面所の足ふきマット、その他、共用のスリッパなどが主な感染の場とされています。


■水虫のやっかいな点

患者さん本人が困るだけではなく、治療を怠ると家族など周囲の人たちにも感染が広がることです。
最近では小さな子どもさんにも水虫が見られるようになりました。
学校で集団発生したという話は聞きませんので、やはり家庭内の環境で感染したと考えられます。
要因としては、水虫を持つお父さんが屋内に持ち込むこと。
さらに近年では女性の社会進出に伴い、お母さんも水虫になるケースが増えていることが考えられます。


■水虫のトピックス

本来、水虫は夏の病気ですが、最近では冬にも発症する患者さんがいます。
最近の暖房器具の発達により、冬場でも十分に足を暖めて汗をかくような、夏場と同じような環境が作られるせいだと考えられます。
1年を通して油断大敵となった感のある水虫。症状にお悩みの方はどうぞ、ご注意を。






■水虫の治療について

水虫の治療は種類によって変わります。
「趾間型」・「小水泡型」では塗り薬で治しますが最低でも1ヵ月、場合によっては2ヵ月、3ヵ月間の治療が必要です。
「角質増殖型」は塗り薬だけでは治りにくいので飲み薬を飲む場合があります。
飲み薬で治療する場合は患者さんの症状にもよりますが、2ヵ月くらいの期間が必要になります。


■水虫の予防・対策

水虫の原因となる白癬菌は付着して即、感染するわけではありません。
毎日の入浴で足を洗うことで十分、予防できます。
もし自分が水虫になってしまったら家族など周りの人にうつさないよう、足ふきマットなどは分けて使いましょう。
なお白癬菌は洗濯すると流れてしまうので洗濯物を別々にする必要はありません。


■先生よりまとめ

夏場に水虫が再発するという人がいますが、治療の途中に症状が改善をして治ったと自分で判断をして治療を止めてしまうせいだと思います。
足は特に角質が厚いので白癬菌が深い所に残る場合があります。
ですから症状が治まっても1ヵ月から2ヵ月の間、塗り薬を続ける必要があります。
決して自然に治るというものではありませんので、なにか異常を感じたら病院で適切な診断と治療を受けてください。


30〜40代の女性は要注意!関節リウマチ

 
今回、「関節リウマチ」についてお話を伺うのは、福岡大学病院、腎臓・膠原病内科、講師の三宅勝久(みやけ・かつひさ)先生です。

■6月はリウマチ月間
梅雨…すっきりしない天気が続くと、気分どころか体調まで悪くなるような気がするものですが、なかには本当に症状が悪化する病気があります。それが関節リウマチ。関節がはれて痛むこの病気、実は雨の前後に痛みが強くなることから、全国的に梅雨入りする6月はリウマチ月間として、毎年この病気への注意が呼びかけられています。
特に働き盛りの女性は要注意!女性の患者数は男性のおよそ4倍で、その多くは30〜40代で発症しているんです。

■骨が溶けて壊れる病気
骨や関節、筋肉などが、全身的な炎症を伴って侵される病気を、総称してリウマチ性疾患と呼びます。この中で、体の免疫システムの異常によって起こる病気の一群を、膠原病(こうげんびょう)と言います。関節リウマチは膠原病の一種で、一言でいうと“骨が溶けて壊れる病気”です。関節に炎症が続いて腫れて痛み、軟骨や骨が徐々に破壊されるため、進行すると関節が変形して、動かせる範囲が狭くなり、寝たきりになってしまうこともあります。

■朝のこわばりに要注意!
関節リウマチの症状には、大きく分けて関節症状と全身症状の2つがあります。
関節症状の多くは手足の指や手首の関節炎から始まり、左右対称の関節に起こるのが特徴です。また、朝起きた時に関節がこわばるのはこの病気特有の症状で、動かしているうちにだんだんと楽になりますが、この“朝のこわばり”が1時間以上も続く場合は注意が必要です。
全身症状は微熱やだるさ、めまい、食欲低下など風邪の症状に似ていますが、風邪が1週間前後で治るのに対して、関節リウマチでは6週間以上症状が続き、この間、体重が減少する人も少なくありません。また、関節リウマチによって全身の血管に炎症が起きて動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことが分かってきました。そのため関節リウマチになると、寿命が10年縮むとも言われています。

■関節リウマチは原因不明!?
関節リウマチがなぜ起こるのか、その原因はまだよく分かっていません。今のところ、体内に侵入した細菌やウイルスを、攻撃して排除する免疫システムに、何らかのきっかけで異常が生じ、自分自身の組織を攻撃してしまう…といった現象が関節内で起こることによって、関節に炎症が起こると考えられています。関節で炎症が続くと、関節の中にある滑膜(かつまく)が増殖して厚く腫れ上がり、やがて滑膜が軟骨や靭帯(じんたい)を侵食し、さらに進行すると骨まで破壊されてしまいます。

■期待される薬物療法の進歩
関節リウマチの治療は、かつては腫れや痛みを和らげることが中心で、関節の破壊を抑えることはできませんでした。現在では、病気の仕組みが解明されて治療薬の開発が進み、早い段階で免疫システムを調節する薬で病気の進行を抑え、関節破壊を防ぐことが治療の目標になっています。さらに完治はしなくても、症状が消えて薬もいらなくなる“寛解(かんかい)”と呼ばれる状態を目指すこともできるようになりました。ただし、薬物療法で十分な効果が得られなかったり、関節の破壊が進んで生活に支障をきたすような場合には、人工関節や関節形成といった手術が必要になることもあります。
関節リウマチの治療薬には、大きく分けて抗炎症薬、抗リウマチ薬、生物学的製剤の3種類があります。抗炎症薬は、腫れや痛みなど今ある症状に対して、病気の初期から必要に応じて用います。抗リウマチ薬は、過剰に活性化した免疫システムを調節する薬で、病気の進行を抑える働きがあります。生物学的製剤は、日本では数年前から使用され始めた新しい薬で、関節リウマチの炎症や関節破壊を引き起こす物質に直接作用して、その働きを抑える薬です。この薬と抗リウマチ薬を併用することで、関節の痛みや腫れを抑えるだけではなく、関節破壊を抑制することも可能になってきました。

■診察の要は触診
関節リウマチの治療は、できるだけ早い時期に始めることが望ましいとされています。良く似た症状の病気と区別するのが難しいため、診察では血液検査やX線検査などを繰り返し行って、いくつかの診断基準と照らし合わせて、慎重に診断が下されます。ただし、早期の関節リウマチではX線検査で異常が見つからなかったり、血液検査も決め手とならないため、関節の腫れ具合を医師が直接触って確かめる、触診が重要となります。
診察ではまず最初に、どういう症状があるのかを確かめる問診が行われます。次に医師が実際に患者さんの関節を触る触診で、炎症や症状の有無を調べます。関節リウマチは手の関節、なかでも指の第2関節と第3関節、そして手首の関節に痛みが起きやすいとされています。そこで手を診察する場合、まず関節が炎症で赤くなっていないかということを、1つ1つ丁寧に見ていきます。続いて痛みの有無を確かめるために、触診が行われます。1つ1つの関節を医師が2本の指で押さえて、「痛くないですか?痛くないですか?」と確認します。そうやってどこの関節が痛いのか、どれくらいの数の関節が痛いのかを確かめることで、リウマチの活動性といった病気の程度を判断することもできます。
さらに手首の関節は軽く上下に動かして、痛みだけでなく可動域も確認します。ある程度病状が進行して、少し骨に変形があると、普通は90度くらい曲がるのが、そこまで曲がらないということがあります。痛みが強い場合は無理に曲げることはありません。こうして1つ1つの関節を診ていくので、診察に要する時間は5〜10分、痛みが強かったり、多くの関節に痛みがある場合はさらに時間がかかることもあります。

■患者さんの体験談
Q)受診のきっかけとなった症状は?
A)元々肩こりだったのが、その痛みがひどくなって、寝返りもできないような状態になりました。市販の痛み止めを飲んでも、まったく効きませんでした。ただ、動くとちょっとだけ楽になりましたが、痛みは1日中続いていました。
Q)薬物療法で症状がほとんどなくなり、今では以前と変わらない生活を送っているそうですね。
A)私の場合はリウマチの治療を受けてから元々の肩こりもなくなって、病気になってかえって良かったというぐらい楽になりました。普段の痛みじゃない場合は、やはりすぐに専門医を受診した方が良いと思います。

■早期受診のすすめ
関節リウマチは、以前はかなり病気が進行してから、関節破壊が始まると考えられていましたが、その後の研究によって、発症から1年以内に関節が急速に破壊されていることが分かってきました。ねんざや打撲など、特に思い当たることがないのに、左右の同じ関節が痛みだしたり、その痛みが2週間以上続く場合は、関節リウマチを疑って早めにリウマチ専門医を受診しましょう。

関節リウマチは激しい痛みやこわばりを伴う病気ですが、患者の多くは周りに迷惑をかけまいと無理をしてしまいがちです。病状を悪化させないためにも周囲の人が症状のつらさを理解して、しっかりサポートすることが大切ですよ。

歯周病と全身の病気

 
今回、“歯周病と全身の病気”についてお話を伺ったのは、九州大学病院 口腔総合診療科 教授の樋口 勝規(ひぐち よしのり)先生です。


■歯周病と全身の病気の関係とは?

歯周病は以前から糖尿病を進行させるといったように、口だけではなく全身の病気と密接に関係していることが考えられてきました。
最近ではさらにたくさんの全身の病気の発症や進行に影響を与えることが分かってきました。


■歯周病のメカニズム

通常、歯と歯ぐきのすき間はごくわずかです。
しかしそこに汚れや細菌が溜まって炎症が起きるとすき間が広がって、“歯周ポケット”という空間が広がります。
歯周ポケットには、細菌の塊 “プラーク”がつきやすくなります。
この状態をほおっておくと歯周病へとつながります。


■歯周病の注意点

歯周病を悪化させる危険因子には喫煙が挙げられ、たばこに含まれるニコチンが毛細血管を収縮させ流れを悪くすると言われています。
歯周病には特有の自覚症状はなく、気がついたときにはかなり症状が進んでいることも少なくありません。
歯ぐきがかゆい、痛い、出血がある。歯が長くなった気がする。
歯と歯のすき間が広がった感じがする。
硬いものが噛みにくくなったなどの場合には一度、検査を受けましょう。




■歯周病と全身の病気について

私たちの歯ぐきには無数の毛細血管があり、歯周病菌はその毛細血管に侵入して全身を駆け巡ります。
すると歯周病菌が放つ毒素やそれに伴う炎症反応で狭心症や心筋梗塞、糖尿病の悪化、早産や低体重児出産のリスク拡大など、さまざまな影響が生じるとされています。
また高齢者に多い誤嚥性肺炎という病気があります。
老人はよく唾などを誤嚥しているので、ブラッシングを怠ると歯垢(プラーク)や歯石、さらには虫歯で柔らかくなった歯の組織の一部を誤嚥して肺炎を起こすことがあります。


■歯周病に関するトピックス

最近では歯周病治療に関係して“周術期の口腔管理”というものが重要視されています。
周術期とは手術前、手術中、手術後を指すものです。
私たちが手術を受ける際、もし歯周病や虫歯があると人によっては術後の傷跡に感染が起きたり肺炎を合併することが分かってきました。
そこで近年では、歯周病や虫歯があれば事前に治療を済ませる、手術前後には口腔ケアを受ける取り組みが進められています。
このプロジェクトは国を挙げて取り組みが行われ、今年2012年の4月からは保険にも組み入れられました。
いろいろな手術を受けることが分かったら虫歯や歯周病の治療を必ず受け、手術の前後には歯科医師や歯科衛生士から口の中の清掃を受けるようにしてください。


■まとめ

全身の病気の引き金ともなる歯周病。
症状がなくても歯医者さんで定期的にお口周りのチェックを受けることが一番の予防対策です。


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