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アトピー性皮膚炎

 
今回、アトピー性皮膚炎についてお話を伺ったのは、福岡山王病院 皮膚科部長の久保田 由美子(くぼたゆみこ)先生です。


■アトピー性皮膚炎とは

かゆみを伴う湿疹が特徴のアレルギー性皮膚疾患で、乳児では2ヵ月以上、成人では6ヵ月以上症状が続くとアトピー性皮膚炎と診断されます。
アトピー性皮膚炎は最近、増加傾向にあります。
また空気が乾燥する冬場に症状が悪くなる人が多いですが、最近では夏でも汗が乾いた後に皮膚の乾燥が進んで症状を訴える人が増えています。


■アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎は“アトピー素因を持つ”、“皮膚のバリア機能が弱い”というふたつの遺伝的な体質に由来しています。
“アトピー素因”とは本人または家族が、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか(または複数)にかかったことがある。
併せてアレルギー反応に関係する“IgE抗体”を生み出しやすい体質のことです。

“皮膚のバリア機能が弱い”とは皮膚の表面を覆う皮脂膜やその奥の角質層に含まれるセラミドという脂質が少なくて異物が侵入しやすい皮膚の状態です。
そのような体質の人にダニやカビ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、ソバや大豆といったアレルギー反応に関係する環境因子が要因となって発症します。
また石鹸やシャンプー、化粧品、今の時期では汗などが皮膚を刺激して症状を引き起こす場合があります。その他に精神的なストレスや過労、睡眠不足なども発症や悪化に影響を及ぼすとされています。





■アトピー性皮膚炎の症状

代表的なものはかゆみと湿疹で、湿疹は年齢に応じて特徴が見られます。
乳幼児期では口や首の周りにかゆみを伴うじゅくじゅくとした湿疹が見られます。
学童期ではひざやひじの裏側などにかゆみを伴う湿疹が出来ます。
かゆみが強くなって皮膚を掻きむしることで引っかき傷が多く見られます。
成人期では顔全体や上半身など広い範囲に湿疹が広がります。

症状が進んで病巣を掻きまくるとそこに細菌やウイルスがついてしばしば感染症を起こします。
有名なのは“とびひ”、また小さい子どもに多い“みずいぼ”です。
また上半身を中心にブツブツとヘルペスができ、熱が出て入院を要することがあります。


■アトピー性皮膚炎の治療

「治療の3本柱」というものがあります。
まず皮膚のバリア機能を整える目的でスキンケアを行います。
また薬物療法として炎症がある場合にはステロイド剤を、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン剤を使います。
さらにダニや汗などといった悪化因子を探して対策を立て、皮膚を正常な状態にもっていくようにします。


■先生よりまとめ

アトピー性皮膚炎の80%はだいたい5歳までに発症すると言われます。
その後、小学校高学年から中学校、高校くらいになって良くなる人もいますが、成人になってぶり返す人もいます。成人になって初めて発症する人もいます。
成人ではアトピー性皮膚炎と似た病気も多くなってくるので皮膚科に行って正しい診断をつけてもらって適切な処置が必要かと思います。

夏休みは危険がいっぱい!?子どものトラブル対策

 
今回、「子どものトラブル対策」についてお話を伺うのは、福岡市立こども病院・感染症センター、副院長の青木知信(あおき・とものぶ)先生です。

■安全で楽しい夏休みにしよう!
今年もやってきました夏休み!普段は家の中でばっかり遊んでいる子どもでも、外に連れ出す絶好のチャンスです。海に山にプールにキャンプに…思いっきり体を動かして、丈夫で元気に育ってほしい!そんな親心とは裏腹に、子どもの身にふりかかる思いがけないトラブル…夏休みは危険がいっぱい!?いえいえ、備えあれば憂いなし。今のうちに病気やケガへの正しい対処法を知っておきましょう。

■毎年流行している夏かぜ
冬にはインフルエンザなどの感染症が流行るのは有名ですが、夏にも感染症は流行しています。幼稚園などの集団生活や、プール遊びなどを通して、いわゆる夏かぜが毎年はやっています。夏かぜは発熱やのどの痛みといった症状がみられる、様々な病気の総称です。乳幼児から小学校低学年にかけての子どもたちに多い夏かぜには、手足口病や、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナなどが代表的な病気です。
手足口病は手や足に米粒大の発疹や水疱ができる病気です。痛みやかゆみはほとんどありませんが、口の中の水泡が破れると口内炎になって痛みを伴います。冬の風邪と同じく咳やくしゃみといった症状が見られますが、発熱があるのは患者のおよそ3分の1で、38度前後の熱が1日から2日ほど出ることがあります。
咽頭結膜熱はプールに入ることが多い子どもによく発症することから、別名プール熱とも呼ばれています。急に発熱して目の充血や目ヤニなど、結膜炎が1週間ほど続きます。のどの腫れと痛み、鼻水やせき、さらには腹痛や下痢などの消化器症状が出ることもあります。
ヘルパンギーナは急に40度近い高熱が出て、口の中に赤い小さな水疱ができるのが特徴です。発熱は2日から3日続き、高熱と激しいのどの痛みで食欲が低下します。

■夏かぜの対処法
夏かぜは主にエンテロウイルスやアデノウイルスなどのウイルスが原因で、残念ながら特効薬はなく、抗生物質も効きません。そのため治療は症状に合わせて解熱剤や整腸剤で苦痛を和らげる、対症療法が中心となります。
ただし、ウイルスに対する体内の免疫作用は、体温が38度ぐらいで最も活発になるので、子どもが元気なら様子をみて、あわてて解熱剤を使う必要はありません。38度5分以上の熱で元気がない、食事が食べれないような状態であれば、解熱剤を使用しても構いません。
また熱がある時や食欲がない時は脱水症状に陥りやすいので、こまめな水分補給を心がける事も大切です。医師の指示に従って安静にしていれば、ほとんどの場合は1週間前後で完治します。

■梅雨明け前後は熱中症に要注意!
もう1つ、夏に気をつけたい子どものトラブルと言えば熱中症です。熱中症は“体の中と外の暑さ”によって体温を調節する機能がうまく働かなくなる病気です。
初めのうちは高くなった体温を逃がすために血管が拡張するので、一時的に血圧が下がってめまいや立ちくらみ、筋肉のけいれんを起こすことがあります。さらに大量の汗で体内から水分や塩分が失われると、高熱や頭痛、疲労感、筋力低下、嘔吐など様々な症状が見られます。重症になると、40度以上の高体温になって意識障害が起こったり、体内の血液が固まって様々な臓器が障害され、多臓器不全に至ることもあります。
熱中症の多くは急に暑くなる時に発生します。特に日が差すとすぐ気温が上がる梅雨明け前後は、体がまだ暑さに慣れていないので注意が必要です。

■熱中症の対処法
熱中症は高温・多湿・無風の環境で起こりやすいので、そのような場所で体調不良に気づいたら、熱中症の可能性があると考えて素早く対処しましょう。
例えば屋外だったら風通しの良い日陰に避難させて、衣服をゆるめて寝かせ、安静・冷却・水分補給を行います。できれば水分は、塩分や糖分を含んだスポーツドリンクで補給しましょう。
大汗をかいてぐったりとなったり、高体温になっているようであれば、とにかく体を冷やすことが重要ですが、同時に早急な病院への搬送も考える必要があります。重症例では死亡することもあり、ICUなどの集中治療が必要となることもあります。
熱中症は軽い症状から重い症状へと、短い時間で急速に悪化することがありますので、応急手当てを行った後も、症状の変化を注意深く観察することが大切です。

■ケガの応急処置
夏休みになると子どもは外で遊ぶ機会が増え、骨折や切り傷などのケガをしやすくなります。ケガをしたらまずは応急処置!素早く的確な応急処置でケガの治りが早くなります。
子どもの骨折で多いのは手首やひじで、特に転んだりして倒れた拍子に、手をついて手首を骨折してしまうことが少なくありません。そんな時は身の回りの物を添え木にして、手首をしっかりと固定することが大切です。例えば外でバーベキューをしている時に骨折したら…火を起こすのに使う新聞紙を束にして、テープで腕を軽く包み込むように固定すれば、立派な添え木の替わりになります。ただし患部が変形したり腫れたりしている場合は、腕にテープを巻きつけてしまわないように気をつけましょう。
切り傷に対しては、タオルなどで傷口をひたすら押さえて止血します。途中で開けると再び出血するので、タオルに血がにじんでも気にせずに押さえ続けましょう。出血したら、傷口より心臓に近い場所を押さえると止血できると思われがちですが、血流が悪くなって長時間の止血ができなくなるので、傷口以外を押さえるのはやめましょう。
応急処置が終わったら状態を観察して、ひどいようであれば病院を受診してください。


ケガはもちろん夏かぜや熱中症も、子どもが外で遊ぶからこそ降りかかる災難です。危ないからといって子どもの遊びを制限しないで、万が一の時は周囲の大人が正しい対処法でしっかりサポートすることが大切ですよ。安全で楽しい夏休みにしましょう。

COPD

 
今回、“COPD(慢性閉塞性肺疾患)”についてお話を伺ったのは、九州大学病院 呼吸器科教授の中西 洋一(なかにし よういち)先生です。


■COPDとは?

COPDとは体に有害な物質を吸い続けることで肺に慢性的な炎症が起きる病気です。
その原因の大半が長年の喫煙習慣であることから別名“タバコ病”と言われています。
COPDは世界中で増加傾向にあり、WHO(※世界保健機関)は8年後の2020年には、全人類の死亡原因の第3位になると予測しています。
また全国的な疫学調査の結果、現在、我が国には500万人以上の患者がいることが分かっています。


■COPDはなぜ増えている?

COPDはタバコを吸うとすぐになる病気ではなくて、20年、30年、50年の蓄積の結果としてなる病気です。
従って昨今、喫煙率が下がったからと言ってCOPDの患者さんがそれに合わせて減るという訳ではありません。


■COPDの症状

初期では坂道や階段を上がる際に息が苦しい、人に遅れをとるといったものが見られます。
やがて進行すると体に酸素を取り込みづらくなって安静にしていても息苦しくなったり、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜいめい)が聞こえてきます。
COPDは一度かかると完全には治らないとされ、気管支ほかさまざまな組織が詰まった肺の内部は次々に壊されて、いわばスカスカの状態になります。




■対策としての“禁煙”について

人の肺機能は誰でも加齢とともに低下していきます。
ところがタバコを吸うとその低下の速度が速まります。
速まっていってある時期まではなんともない、ある時期からは苦しい、やがては命を落とすことになります。
禁煙を思い立ってタバコを止めても肺機能の低下は止まりませんが、低下の具合は吸わない人と同じ程度の速度になります。
つまり早く止めれば天寿を全うできます。
症状が出てから止めても寿命は延びます。
禁煙をどのタイミングでするかということが肺機能を維持する上での非常に決定的な要素になります。


■COPDの検査

ひとつは画像的な検査、もうひとつは機能的な検査です。
CT画像では軽症だと肺の異常を示す無数の黒い穴が見られ、重症になると黒い部分がだんだんと大きくなって見えます。
機能検査でもっとも重要なのはスパイロメトリー検査です。
一気に息をぶっと吐いて最初の1秒間でどれくらい息が吐けたかを調べます。


■COPDの治療

薬物の吸入療法、酸素療法、呼吸リハビリテーションの3種類があります。
吸入療法というのは気管支を広げたり、痰の分泌を減らす事によってCOPDの患者さんの体が楽になる、QOL(生活の質)が向上する治療法です。
酸素療法は肺の働きが低下し、通常の呼吸だけでは酸素が不足する患者さんに行われるものです。
呼吸リハビリテーションは残された肺の機能を引きだし、呼吸を楽にするための日常訓練で、筋肉の強化や運動、栄養の管理などさまざまな項目からメニューが組まれます。



■先生よりまとめ

COPDは実は日本でも世界でも非常な勢いで増えているという事実があります。
このことをやはり広く認識する必要があると思っています。
そのために最も大事なことはやはり禁煙。
禁煙は早ければ早いに越したことはない。
また、たとえ遅かったとしても遅すぎることはない。
これがCOPDを私たちが克服するための最も重要なカギだと思います。


ワクチン&検診で防ごう!子宮頸がん

 
とっても健康らんど 第708
『ワクチン&検診で防ごう!子宮頸がん』
放送日:平成24年7月7日

今回、「子宮頸がん」についてお話を伺うのは、九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授の加来恒壽(かく・つねひさ)先生です。

■若い女性に急増中!
日本では年間およそ8千5百人が発症し、3千人あまりの女性が亡くなっている子宮頸がん。女性特有のがんとしては乳がんの次に多く、特に20代から30代では、すべてのがんの中で第1位になるなど、子宮頸がんは若い女性の間で急増している病気です。子宮頸がんと言えば、ワクチンで唯一予防できるがんですが、実はワクチンを接種したからといって、絶対に安心というわけではありません。

■早期発見は症状が出る前に!
子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、女性で最も多いがんの1つです。初期にはほとんど症状がありません。しかし病気が進行すると出血やおりものが増えたり、場合によっては痛みなどいろんな症状が現れます。ごく初期の段階であれば治療も十分にできますが、いろんな症状が現れてから見つかると、がんが進行している場合が多いので、症状が出ない内にできるだけ早く発見することが大切です。

■子宮頸がんの原因はウイルス
子宮頸がんの原因は、皮膚や粘膜の接触によって感染するヒト・パピローマウイルスで、多くの場合、性交渉によって感染します。ヒト・パピローマウイルスは、私たちの皮膚にも存在しているごくありふれたウイルスで、およそ8割の女性が一生に一度は感染すると言われています。つまり性交渉の経験のある女性なら、誰でも子宮頸がんになる可能性があるのです。
しかし、ヒト・パピローマウイルスに感染したらといって、必ず子宮頸がんになるわけではありません。多くの場合は、その人の持ってる免疫やその他の体の働きで、感染が持続せずにウイルスは自然に排除されます。実際にがんになるのは感染した方の0.15%と、非常に頻度が低いと言われています。ウイルスに感染した細胞は、数年から十数年かけて徐々にがんに変化していきます。
ヒト・パピローマウイルスには100種類以上のタイプがあり、そのうちの15種類ほどが子宮頸がんを引き起こします。なかでも16型と18型の2種類のヒト・パピローマウイルスが、20代から30代の子宮頸がん患者のおよそ60%に見つかっています。そこで特に発がん性の高いこれらのウイルスに対する予防ワクチンが開発され、すでに100ヵ国以上で予防接種が実施されています。日本でも11歳以上の女性に対して、積極的なワクチン接種が推奨されていて、原則として中学生と高校1年生を対象に、公費によるワクチン接種への補助も行われています。

■予防に検診が必要な理由とは?
一方でワクチンの予防効果は、60〜70%と言われています。つまり発がん性のヒト・パピローマウイルスを、すべて予防できるわけではありません。そこで、子宮頸がんの確実な予防と早期発見のためにはワクチン接種だけでなく、子宮頸がん検診が非常に大切になります。
子宮頸がん検診の受診率は欧米では非常に高く、8割を超える国がたくさんあります。ところが日本では約20%という非常に低い受診率のために、依然として子宮頸がんが多いという状況があります。子宮頸がんから身を守るためには、ワクチンを接種した人でも20歳を過ぎたら2年に1度、できれば毎年、検診を受けることが望まれます。

■子宮頸がん検診の流れ
子宮頸がんはウイルス感染から発がんにいたる過程が明確で、細胞ががん化する前の期間が数年から数十年と長いため、定期的な検診が早期発見につながりやすいとされています。子宮頸がん検診では、まず最初に問診で自覚症状などを確認し、続いて医師が子宮頸部の状態を目で確認する視診、さらに子宮頸部の細胞を採取する細胞診、最後に子宮全体と卵巣や卵管を触診で調べます。細胞の採取は医療用の綿棒で子宮頸部を軽くなでる程度で、痛みはほとんどありません。採取した細胞は、顕微鏡でがん細胞の有無を調べます。
検査に要する時間は10〜20分程度で、およそ1ヵ月で細胞診も含めた検査結果が出ます。


子宮頸がんの治療では、がんの再発を防ぐために子宮を全部摘出しなければなりませんが、ごく初期であれば病巣だけを取り除く手術で、子宮を温存することもできます。将来に妊娠や出産の可能性を残すためにも、ワクチン接種と検診で子宮頸がんから身を守りましょう。

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