KBC九州朝日放送

KBCサイト内検索

福岡恋愛白書13 BD好評発売中

KBC共通メニューをスキップ

肥満と生活習慣病

 
今回、肥満と生活習慣病についてお話を伺ったのは
中村学園大学 栄養科学部教授、中村学園大学 栄養クリニック院長の
中野 修治(なかの しゅうじ)先生です。

■肥満と生活習慣病とは?

生活習慣病は日本人の死亡原因の約3分の2を占めていると言われています。
その生活習慣病の一番の原因は肥満です。
従って肥満を解消することが生活習慣病を予防ための非常に重要なポイントになります。
肥満の判定にはBMIとい指標が用いられます。
これは体重を身長で2回割って出された数値のことで、25を超えると肥満とされます。


■カロリー過多の原因

ほとんどが食生活習慣の乱れから起こってきます。
よく噛まない、早食いでは満腹感が得られにくいため
どんどん食べてしまうということになります。
他にも“ながら食い”や間食をする。
そういった食事習慣がどうしてもエネルギーの過剰摂取に傾いてしまいます。


■肥満に由来する生活習慣病

肥満は脳卒中や心臓疾患、糖尿病、高血圧症、乳がんや大腸がん、
さらには体重の重さからくる腰痛や変形性ひざ関節炎など
全身のあらゆる箇所の生活習慣病の原因となります。
その一例としては、肥満だと脂肪が体の末梢の血管を圧迫することや、
腎臓のナトリウム排泄機能が低下することで高血圧症につながるといった感じです。


■肥満による影響

肥満による一番の問題は動脈硬化です。
特に内臓脂肪から出る いろいろなホルモンが影響すると言われています。
さらに内臓型肥満では“レプチン”という肥満を抑制するホルモンが減ります。
レプチンが減ると太るということもありますが、
レプチンの抗動脈硬化作用がなくなってしまい、動脈硬化が早く進展するとされます。
血管の弾力性が失われる動脈硬化。肥満によってこの動脈硬化が進むと、
脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な疾患につながる可能性があるため、注意が必要です。


■肥満にならないために

毎日決まった時間に体重を測ることをおすすめします。
昨日から増えていたら、その原因を自分なりに突き止めて今日に生かす。
その習慣が肥満の予防につながりますよ。

帯状疱疹

 
今回、帯状疱疹についてお話を伺ったのは
九州大学大学院 医学研究院 皮膚科 講師の高原 正和(たかはら まさかず)先生です。


■帯状疱疹とは?

体に帯状の発疹や水ぶくれができる病気で、
体の左右どちらか片方の神経に沿って発症することがほとんどです。
初めはピリピリするような痛みで始まることが多いですが、
しばらくすると痛みを感じた部分が炎症を起こして赤くなってきます。
それから水ぶくれができて神経痛のような強い痛みを伴います。
顔面に発症した場合は注意が必要で、目の周りにできると視力障害を、
耳にできると難聴や顔面神経まひを起こすことがあります。


■帯状疱疹の原因

原因は水ぼうそうを引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスですが、
このウイルスは水ぼうそうが治った後も体内から消滅せずに、
神経細胞の集まりである神経節に潜伏します。
普段は体に備わった免疫力のためにウイルスは仮死状態ですが、
加齢やストレス、疲労などの影響で免疫力が弱まると活性化して増殖し、
神経に沿って皮膚の表面に出てきます。
この時に神経を傷つけながら移動するため皮膚の症状が出る前に痛みが起こるのです。


■帯状疱疹になりやすい人

免疫力が弱まると発症する病気のため、
体力が低下しがちな50代以降に多いのが特徴で、患者のおよそ7割を占めます。
また水ぼうそうにかかってから20年ほどで
水ぼうそうウイルスに対する免疫力が落ちてくるので、
50代以降だけではなく、若い世代に発症することも少なくありません。


■注意点

帯状疱疹自体は1ヵ月ほどで自然治癒すると言われています。
ところが皮膚の症状が回復しても痛みだけが長く残る場合があり、
これを「帯状疱疹後神経痛」と呼びます。これはウイルスが長期間にわたって
神経を攻撃して傷が残ることで起こると考えられていて、
高齢者や症状の重い人ほど起こりやすいとされています。
早く治療を始めれば皮膚の炎症や痛みが重症化するのを防ぐことができます。
また神経痛も残りにくくなるので、なるべく早く皮膚科を受診することが大切です。


■帯状疱疹の治療

原因となるウイルスの増殖を抑えるために抗ウイルス薬、
痛みを抑えるために消炎鎮痛剤が処方されます。
痛みがひどい場合は麻酔科医による局所麻酔で一時的に神経をマヒさせる
「神経ブロック」が有効なこともあります。
特に抗ウイルス薬による治療は発症から72時間以内に始めると効果的で、
早く始めるほど症状の悪化を防ぎ、皮膚や神経のダメージを軽くすることができます。

重症になると入院して点滴を行う場合もありますが
帯状疱疹の抗ウイルス薬は主に飲み薬です。
効果があらわれるまで2〜3日かかるため途中、自己判断でやめることなく
最後まできちんと服用することが大切です。
また腎臓の働きが弱っていると薬の量の調節が必要な場合もあるので、
排尿困難やむくみがある人、人工透析を受けている人、
医師から腎臓が悪いと言われた人は医師や薬剤師に相談しましょう。


■帯状疱疹の予防対策

帯状疱疹は完全に予防することはできませんが、
日頃から栄養バランスのとれた食生活を心がけて睡眠を十分にとる、
適度に運動を行うなどして心身の健康に気を配って免疫力を低下させないことが
帯状疱疹の予防につながると考えられます。
また水ぼうそうのワクチンを接種することで、
帯状疱疹が発症しにくくなることが報告されています。
特に高齢者で気になる人は医師に相談してみてはいかがでしょうか。

逆流性食道炎

 
今回、逆流性食道炎についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 先端医工学診療部 准教授の富川 盛雅(とみかわ もりまさ)先生です。


■逆流性食道炎とは?

強い酸性の胃液や胃液を含む内容物が食道に逆流することで
さまざまな不快な症状が起こる病気です。
胃液には食べ物を消化するための強い酸が含まれていますが、
食道の粘膜は胃の粘膜と違って酸に非常に弱いため、逆流によって炎症が起きます。
欧米人に多い病気ですが、最近は食生活の欧米化や高齢化で日本でも増加傾向にあります。


■食道とは?

口と胃をつなぐ長さ25センチ程度の筒状の臓器で、
口から入った食べ物を筋肉の“ぜん動運動”によって胃へと送る働きをしています。


■逆流性食道炎を起こす原因

ひとつは高齢化、もうひとつは食生活をはじめとした生活習慣の乱れが挙げられます。
食道と胃のつなぎ目には下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉があり、
食べ物が通過する時以外にはつなぎ目を閉めて
胃液や胃液を含む内容物が逆流しないようになっています。
さらに私たちの体は ひとたび胃液の逆流が起きても唾液を飲み込んで胃液を薄めたり、
食道のぜん動運動で速やかに胃へ戻したりしています。
しかし高齢になると下部食道括約筋の働きが悪くなったり、
唾液の量や食道のぜん動運動が少なくなって
逆流した胃液を胃に戻すことが困難になるのです。

また脂肪分の多い食事では胃液が増えて逆流が起きやすくなったり、
ホルモンの働きに影響を与えることで下部食道括約筋がゆるみやすくなります。
さらには肥満や加齢が進むと食道と胃のつなぎ目がゆるんで胃がはみだしてくる
“食道裂孔ヘルニア”になりやすく、それでさらに胃液の逆流が起こりやすくなります。

■逆流性食道炎の症状

主には胸やけ、酸っぱい感じのものが口元にまで上がってくる“呑酸”です。
症状が進むと食べ物を飲み込みにくくなる“嚥下障害”が起きます。


■“ピロリ菌”との関連

もともとピロリ菌は胃の粘膜に感染する細菌で、
最近では胃がんの原因にもなると言われていますが、
ピロリ菌に感染すると胃に慢性の炎症が起きて胃液の分泌量が減るといわれています。
そういった訳で衛生環境の問題から多くの人がピロリ菌に感染していた
かつての日本では、逆流性食道炎の患者は少ないことが分かっていました。
一方でピロリ菌を除菌すると人によっては逆流性食道炎を発症することがあります。
しかしそれは多くの場合 一時的で軽いものが多いとされているので、
昨今では胃炎や胃がんなどを防ぐ意味でも積極的な除菌が勧められています。


■“バレット食道”との関連

バレット食道とは食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わっていく病気で、
逆流性食道炎だと起こりやすいと言われています。
逆流が起こることで度重なる炎症が起き、
それを繰り返すうちに粘膜が変化して、胃の粘膜のような粘膜組織に変化していきます。
その結果 ごくまれにですが、そのバレット食道から食道がんが発生する場合があります。


■まとめ

逆流性食道炎の症状が続くと気分も憂鬱になりがちです。
日ごろから胃液の分泌を促す肉類や脂っこい食べ物を控えて腹八分を心がけましょう。特に飲みすぎ食べすぎの中年男性、食道の筋肉が弱くなる高齢者の方はご注意ください。

脳血管内治療

 
今回、脳血管内治療についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 脳血管内治療科長・医長の
津本 智幸(つもと ともゆき)先生です。


■脳血管内治療とは

頭を開ける手術を開頭手術と言いますが、脳血管内治療とは頭を開けずに
血管内に“カテーテル”という細い管を入れ、頭の血管内の患部にまで進めて、
カテーテルから入れられたコイルやステントという器具を使って治療を行うものです。


■脳血管内治療の流れ

まず足のつけ根を小さく切開して動脈にシースと呼ばれる短いチューブを入れます。
その中にガイドカテーテルという直径3mm程度の細いチューブを通して、
首の頸動脈まで挿入します。
そしてガイドカテーテルの中に、さらに細い直径0.5mmから1mm程度の
マイクロカテーテルを通して脳の病変部まで誘導します。
そこからコイルで動脈瘤を塞いだり、マイクロカテーテルの代わりに
バルーンのついたカテーテルやステントと呼ばれる金属製の筒を通して、
狭くなった血管を拡張します。
最近ではカテーテルを血栓の先まで入れて、
コイル状のワイヤーで血栓を引っかけて回収したり、
吸引ポンプに接続したカテーテルで血栓を吸い出して除去する
新しい治療法が登場しています。


■治療の対象となる病気

1つは「脳動脈瘤」です。
脳動脈瘤は破れるとくも膜下出血につながりますが、
破れた後の動脈でも破れる前の動脈でも治療が可能です。
もう1つは脳梗塞のひとつで「脳塞栓症」と言う、
心臓から血栓という血の塊が飛んできて頭に詰まるような病気です。
2010年くらいから脳梗塞に対するカテーテル治療が進んでいて、
2つ新しい方法が出てきています。
これからもさらにいろいろな方法が出てくる予定です。


■脳血管内治療のメリット

頭を切り開く外科的な開頭手術と比べると傷跡が小さい上に
手術時間も3分の2程度で済むので患者さんへの負担が小さいという点です。
さらに外科手術では難しい脳の中心部でも治療が可能で、
病変部周辺の脳細胞への影響を最小限に抑えることができます。
また多くの場合、脳血管内治療は全身麻酔で行われますが、
局所麻酔でも可能なことから、
高齢者をはじめとした全身麻酔が難しい人でも治療を受けることができます。


■脳血管内治療の注意点

脳血管内治療は年々進歩していて96〜97%では治療を行うことが可能です。
ただ一方で2〜3%では何らかの合併症をきたす可能性があります。
1番考えられるのは、ワイヤーやカテーテルに血栓が付着して、
それがワイヤーなどから剥がれて脳の血管を詰めて脳梗塞を起こすことです。
その予防として手術前に血栓が付きにくいような薬を飲むことがあります。
さらに手術中は薬剤の点滴を行って合併症を減らそうという処置をしています。

脳梗塞では発症から4〜5時間以内の患者さんでは
「tPA」という点滴を行って血栓を溶かす処置を行います。
血栓が溶けない場合にはtPAの点滴を行った後に血管内治療を行います。
ただし治療が可能な目安は発症からだいたい8時間までとされているので、
自覚症状として言葉が出難い、ろれつが回らない、
半身のマヒ、しびれなどが出たらできるだけ早く病院を受診してください。
受診が早いほど、元の健康的な生活に戻れる可能性が高くなります。

過去の記事


All Rights Reserved. Copyright © KBC Co.,Ltd. 1998 -  許可なく転載を禁じます