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てんかん

 
今回、てんかんについてお話を伺ったのは、
九州大学病院 神経内科 診療准教授の
重藤 寛史(しげとう ひろし)先生です。


■てんかんとは

てんかんとは脳内にある神経細胞に異常な電気活動が起こり、
さまざまな発作症状が繰り返し見られる 慢性の脳の病気です。
てんかんは日本人の100人にひとりがかかるとされています。
また小児だけではなく成人、高齢者でも発症します。


■てんかん発作の要因

要因はさまざまありますが、小児では先天性、脳の奇形。
高齢者では脳出血、脳腫瘍、
さらにはアルツハイマー型認知症など変性疾患によって
発作を起こすケースが増えています。
また「元々てんかん発作を起こしやすい素因がある人」がいて
そこに寝不足や過度のストレス、
大量の飲酒などが引き金となって症状を発症する場合があります。


■てんかんの症状

脳は大きく、前頭葉(ぜんとうよう)、側頭葉(そくとうよう)、
後頭葉(こうとうよう)、頭頂葉(とうちょうよう)に分けられ、
異常な電気信号が起きた場所でそれぞれ症状も異なります。

前頭葉ではけいれん発作が起きて、
手足がかたくこわばったり、ピクピクしたりします。
側頭葉ではけいれん発作が起こるとは限らず、
意識がなくなったり、言葉が一時的に分からなくなったりします。
後頭葉では光が見えるなどの視覚異常が、
頭頂葉では片側の手足の感覚異常が見られます。
こういった症状は通常、数十秒から数分間続きます。
そして多くの場合では発作が終わるとともに元の状態に戻ります。

またこのような てんかんでは意識をなくしたり、
けいれんを起こす“前兆”として不安感やむかつき、
異臭、幻聴などを自覚することがあります。


■それ以外のてんかん発作

脳幹部という脳の深い部分に問題がある場合は
“全般性てんかん”と言って、
一気にけいれんなどの症状が起こります。
全般性けいれんでは患者さんはあまり意識がなく、
気がついたら救急車で運ばれていたということが多いです。


■てんかんの診断、検査

診断で大事なのはまず話をよく聞くことです。
てんかんと似た症状の病気は多くあります。
(※失神、心因発作、中毒症状、低血糖による意識障害、
睡眠時の行動異常など)
診断ではまず、その後の的確な治療のために、
てんかんかどうかの鑑別が重要になります。
また、てんかんは電気活動の異常なので
脳波検査で脳に電極をつけて、脳のどこに発作の震源地があるのか、
あるいは震源地は頭全体なのかを調べることが大切になります。


■てんかんの治療

全般性てんかんなのか、ある一部分から広がっていくものなのか、
それによって内服薬が変わってきます。
適切な薬を使えば6〜7割は発作が起こらなくなるとされます。
残りの3〜4割は日本には新薬が2000年以降、
5剤出てきているので、
それをうまく使いながら治療を進めるということになります。
さらに最近では薬物療法で症状の改善が見られない場合に、
手術でてんかんの病巣を取り除く治療も行われるようになっています。
また普段の生活では、てんかん発作を起こしやすくするとされる
寝不足やストレス、お酒の飲みすぎに気をつけましょう。


■先生よりまとめ

適切な診断と治療をすれば7割方は薬で治ると言われているので、
正しい診断と治療を受けることが大事だと思います。
てんかんは運転や妊娠など
いろいろな社会的な問題を含んでいるので
いろいろな業種の人が協力しあいながら
克服していく疾患だと思っています。


■補足

てんかんは決して特別な病気ではなく、
子どもから高齢者まで、誰にでも突然、起こりうるものです。
もし自分がてんかんと診断されたら、適切な治療と併せて
普段の生活の中でどういう点に注意が必要なのか
主治医にしっかり相談しましょう。

再生医療

 
今回、再生医療についてお話を伺ったのは
国立病院機構 九州医療センター 名誉院長
博多駅前かしわぎクリニック院長の
柏木 征三郎(かしわぎ せいざぶろう)先生です。


■再生医療とは

これまでの再生医療は皮膚移植、骨髄移植、臓器移植が主でしたが、
最近では“幹細胞”を用いた再生医療が注目されています。
これは病気を治すことはもちろんですが、
最も期待されているのは一種の“若返り”、
老化防止の作用が認められている点です。


■幹細胞とは

幹細胞とはいろいろな組織や臓器を構成する細胞へと枝分かれする、
文字通り“幹”になる細胞です。
1つの幹細胞は細胞分裂によって
様々な機能を持つ細胞へと変化していきます。
幹細胞には主に受精卵から採取する“ES細胞”、
成人から採取する“体性幹細胞”、
人工的に作り出す“iPS細胞”の3種類があります。
ただし受精卵を壊して作るES細胞には倫理上の問題があり、
iPS細胞はがん遺伝子を組み込んで作ることから
がんを引き起こす危険性があるため、
まだ実用化には至っていません。


■メリット

自分の幹細胞を使うので全く拒絶反応がないことです。
また従来は骨髄に含まれる幹細胞を使っていましたが、
脂肪に含まれる幹細胞では骨髄の100倍程度の量を取れるので
現在の再生医療では皮下の脂肪組織由来の幹細胞を使っています。


■施術法

ヒト脂肪由来幹細胞による再生医療では、
まずは局部麻酔を施した患者さんの
下腹部や太ももを小さく切開して、
皮下脂肪を5gから10gほど採取します。
続いて完全な無菌状態に保たれた施設で、
皮下脂肪から分離した幹細胞を
4週間から6週間かけて、およそ1億個になるまで培養します。
そして大量の幹細胞を体の隅々にまで行き渡らせるために、
静脈注射で30分ほどかけて
ゆっくりと患者さんの体内に注入します。


■効果

静脈注射された幹細胞は全身に広がりますが、
障害された部位や病気の部位など、
特に必要な所に集まる現象があり、
これは「ホーミング効果」と言われています。
必要な所に幹細胞が到着して、その3ヵ月後には
幹細胞がそこの部位の細胞に変化しているというデータもあります。


■まとめ

幹細胞による再生医療は臓器移植の深刻な臓器不足や、
従来の医療では治せない難病を克服する切り札というだけでなく、
様々な病気の治療法をも変えてしまうかも知れません。
次世代医療の本命として、今後のさらなる発展が期待されます。

足の動脈硬化

 
今回、足の動脈硬化についてお話を伺ったのは、
小倉記念病院 循環器内科 副部長の
曽我 芳光(そが よしみつ)先生です。


■足の動脈硬化とは

最近“食の欧米化”が進んで、日本人にも動脈硬化が増えています。
動脈硬化が心臓の血管で進むと狭心症や心筋梗塞がつながりますが、
足の動脈にできると“閉塞性動脈硬化症”
という病気につながります。
動脈硬化とは血管内に“プラーク”と呼ばれる
脂肪やコレステロールの塊が付着して血流が悪くなるものです。
動脈は全身に広がっているので、
足に動脈硬化があるということは
心臓や首などの重要な臓器の血管でも
動脈硬化が進んでいる可能性が高いことを示しています。


■足の動脈硬化が進みやすい人

足の動脈硬化の発症や進行は日頃の生活習慣が大きく影響します。
具体的には肥満や高血圧、糖尿病の人。
腎臓や心臓に病気がある人では足に限らず
動脈硬化が進みやすいとされています、
さらにタバコは動脈硬化を進めるとともに
ニコチンが足先の末梢血管を収縮させる作用があるので
長年、喫煙習慣がある人は注意が必要です。


■足の動脈硬化の症状

足の動脈硬化の症状には歩いている際のふくらはぎやすね、
足先の痛みやしびれ、足が重たい感じがあり
これは“間歇性跛行(かんけつせいはこう)”と呼ばれます。
動脈硬化で足の血流が悪くなると、だんだん足の色が悪くなったり、
じっとしていても足が痛くなってきます。
さらにそれらを放置すると“壊疽(えそ)”といって
足が腐ってくるような重篤な事態になりかねません。
この病気の1〜5%の人にその可能性があると報告されています。


■足の動脈硬化の診断

まずは発見を早くすることが大事ですが、
これには“歩くこと”が非常に重要です。
できるだけ歩いて足に違和感や冷え、
痛みがないかを自分で見つけるのが良い方法です。
また腕と足首の血圧を同時に測る“ABI検査”では
足に動脈硬化が疑われる場合、
足首の血圧が腕よりも低い値を示し、診断の目安となります。


■足の動脈硬化の治療

足のどこにどれくらいの病気があるかというのを診断した上で
薬物療法、運動療法を行いますが、
十分に改善が得られない患者さんには“血行再建”といって
狭い血管を広げる治療を行うことがあります。


■まとめ

足の動脈硬化である閉塞性動脈硬化症は
年齢を重ねるにつれて罹患率が増える病気で、
誰にでもなりうる可能性があります。
ただ早期発見によって治療をできることが言われていますので、
症状のある方は早めに近くの先生に相談しましょう。

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