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不妊症

 
今回、不妊症についてお話を伺ったのは
中央レディスクリニック 院長の
結城裕之(ゆうき ひろゆき)先生です。


■不妊症とは

妊娠を希望する夫婦が通常の夫婦生活を行っていても、
2年間以上妊娠しない場合を不妊症と言います。
また最近は結婚年齢が遅くなっていることもあり、
1年以上妊娠がなく心配な場合は
婦人科を受診した方が良いかも知れません。


■不妊症の原因

女性にあると思われがちですが、
実際にはほぼ同じ割合で男性にも原因があることが分かっています。
男性に原因がある場合は精子がまったく作られない、
数が少ない、動きが悪いといった精子の異常がほとんどで、
他にも精子の通り道である管が
開腹手術や事故の後遺症などで塞がって不妊症を招くことがあります。
女性の原因で最も多いのが、
卵管が詰まったり細かったりして受精できない卵管障害で、
クラミジアなどの性感染症や子宮内膜症によって起こります。

他にも卵子が育たたない排卵障害や、
子宮内膜の異常で受精卵が上手く着床できない
子宮障害が主な原因とされています。
このように不妊症の原因はさまざまで、
それぞれによって治療法が異なるので、
妊娠するためには検査できちんと原因を突き止めることが大切です。


■不妊症の検査

まずは基礎体温をもとに月経周期に沿って検査をします。
主な検査としては生理5日目頃に行うホルモン検査。
月経終了から排卵までの間に行う子宮卵管造影検査。
高温期7日目頃に行う黄体機能検査。
排卵日頃に行う性交後検査があります。
性交後検査は「フーナーテスト」とも呼ばれます。

通常、射精された精子は1匹も子宮の中には入れません。
しかし排卵期が近づくと、子宮の入り口に粘液が満たされることで
精子の通り道ができます。その通り道が悪かったり、
通り道に精子を殺す抗体があると不妊の原因になります。
そこで排卵日付近で性交渉後に病院を受診して
子宮の入り口の粘液を採取し、
粘液中の精子の状態を顕微鏡で確認します。
不妊の原因には男女が関わっている可能性があるので、
夫婦で病院を受診することが望ましいです。


■不妊症の治療

不妊の原因を取り除いて体を正常な状態に戻してから
性交による“自然妊娠”と、人工授精や体外受精といった
高度な医療技術を駆使する“生殖補助医療”があります。

通常は月経がはじまる14日前が排卵日なので
自然妊娠を促すにはその数日前から3〜4日間隔で
数回性交を行うのが最も適切です。
毎日だったり数週間も間隔を空けたりすると、
かえって逆効果になります。
これはタイミング療法と呼ばれる初歩的な治療法ですが、
これを実践しても妊娠しない場合や
生理不順で排卵日が予測できない場合は、病院の受診を考えましょう。

検査でホルモンや排卵に異常がある場合は排卵誘発剤などで
排卵をコントロールする薬物療法を行います。
それでも効果がなかったり、
精子などに問題がある場合は次の段階として
人工授精をおすすめしています。人工授精は排卵日に行います。
採取した精子の中で良いものを選んで子宮の中に注入する方法です。
それでも妊娠しない場合や不妊の原因が分からない場合には
卵子を体の外に取り出して、精子と受精させた後、
体の中に戻す体外受精を検討します。
体外受精の妊娠率は20〜30%で
不妊治療の切り札と言われていますが、保険は適用されません。
成否に関わらず1回につき人工授精で1万円から2万円、
体外受精で30万円以上と高額になります。
自治体の助成金制度があるので、
必要な場合は最寄りの役所にお問い合わせください。


■先生よりまとめ

医療技術の進歩はめざましく、
以前に比べると不妊治療による妊娠成功率は、格段に高くなっています。
ただ残念ながら100%成功するわけではありません。
しかも妊娠のチャンスは月に1回しかないために、
不妊治療は少なくとも半年から1年は通院するが必要があります。
妊娠まで長い道のりになることも少なくないので、
夫婦で治療について正しく理解して、
私たちと共に治療を進めてまいりましょう。

一過性脳虚血発作

 
今回、一過性脳虚血発作についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター
臨床研究センター長の岡田 靖(おかだ やすし)先生です。


■一過性脳虚血発作とは

一過性脳虚血発作というのは脳卒中のひとつで、
脳の血管が一時的に詰まってマヒなどの症状を起こします。
それが数分から数十分、長いものでも24時間以内に
症状が消失してしまうものです。
一過性脳虚血発作は脳梗塞を起こす前の
“前ぶれ発作”として昨今、注目を集めていて、
実際には脳梗塞を起こした人のおよそ3割に見られるといわれています。


■一過性脳虚血発作の原因

脳の血管の動脈硬化によるものと心臓の病気によるものがあります。
脳の血管の動脈硬化ではさまざまな原因で血管の壁が厚くなって、
その中にコレステロールや脂肪の塊が溜まっています。
その一部がはがれてできた血の塊“血栓”が
血管内に詰まった場合に症状が起きます。
また血管が細くて急激に血圧が下がったようなときにも
症状が一時的に出ることがあります。
また心臓では不整脈のひとつである“心房細動”によって
心臓の血管にできた血栓がはがれて脳の血管にたどり着き、
そこで一時的に詰まることで一過性脳虚血発作が起こる場合があります。


■一過性脳虚血発作の症状

一過性脳虚血、発作は英語では、
Transient(一過性の)
Ischemic(血流が乏しくなる)
Attack(発作)ですが、
それぞれの最初の文字を合わせて“TIA”とも呼ばれています。
最近、症状の標語として、“TIA 顔、腕、言葉と目に注意”
という言葉があります。
症状は血管が詰まった箇所によりさまざまですが、
もっとも多いのは片側の腕が上がらなかったり
手足や顔面に起こるマヒです。
その他には、ろれつが回らない、言葉が出にくい。
片方の目が一時的に見えにくくなるといったものも挙げられます。


■一過性脳虚血発作の注意点

一過性脳虚血発作ではこれらの症状は数分から数十分で治まります。
しかしこれは脳梗塞発症の危険なサインであり、
それを見逃すことでしばしば深刻な事態に陥ります。
一過性脳虚血発作は脳梗塞の前ぶれ症状として危険なもので、
これを放置しておくと3ヵ月以内に15%から20%くらいの人に
その後、脳梗塞が起こると言われています。
また最近の研究ではTIAの発作から
わずか2日以内に半分くらいの人が
脳梗塞に陥っているということが分かっています。
従って、一過性脳虚血発作が起こった場合には
すぐに医療機関を受診することが大切です。


■一過性脳虚血発作の検査

一過性脳虚血発作が疑われる場合には
詳しい問診のあと、頭部MRI検査ですでに脳梗塞が起きていないか、
血管の詰まりがないかなどが確認されます。
また動脈硬化の進行具合を見るため、
首もとを走る頸動脈の超音波検査、
ほか心電図検査、血液検査などが進められます。
また頭蓋骨を通して脳の血管の流れを確認し、
一過性脳虚血発作の原因となる血栓が流れてきていないかどうかを確認する
“経頭蓋超音波検査”も大事です。


■一過性脳虚血発作の治療

原因によって治療法が異なります。
動脈硬化をベースにした一過性脳虚血発作では、
「抗血小板薬」という血液をサラサラにする薬剤を服用します。
その他、コレステロールを下げる薬などを用います。
一方、心臓の病気が原因で起こる一過性脳虚血発作では
「抗凝固薬」という、もう少し強力な、
血液を固まりにくくする薬剤を使って治療します。


■一過性脳虚血発作の予防対策

予防対策でもっとも大切なのが禁煙です。
タバコに含まれるニコチンなど
さまざまな有害物質は血管を傷つけ、動脈硬化を進めます。
併せて高血圧症や糖尿病、
脂質異常症といった動脈硬化を進める病気がある人、
心房細動という不整脈がある人は医師の適切な指導や治療が大切です。


■先生よりまとめ

一過性脳虚血発作は後遺症を残す脳卒中になる前の
“最後の警告発作”です。
ですからこういった症状に気づいたら
いち早く専門の医療機関を受診して予防に心がけましょう。


■補足

脳梗塞が命に関わる深刻な病気であることは知っているけれど
一過性脳虚血発作はあまり聞きなれないという人も少なくないと思います。
しかしこの前ぶれ発作は脳梗塞発症の重要な警告です。
くれぐれもそのサインをお見逃しなく!

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