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リハビリテーション

 
今回、リハビリテーションについてお話を伺ったのは
長尾病院 院長の服部文忠(はっとり ふみただ)先生です。

■リハビリテーションとは

病気や外傷で障害をきたすと
社会生活や家庭生活に支障が生じます。
そのような際、再び社会生活や家庭生活が出来るように
支援する働きかけをリハビリテーションと言います。


■リハビリテーションが必要となる病気

脳卒中をはじめ、高齢者に多い
大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)の骨折、
腰椎(ようつい)の圧迫骨折。
さらには手足の震えなど動作にさまざまな不具合が起こる
パーキンソン病といったものが挙げられます。
ただリハビリテーションは効果が上がっても
それを維持するのが大変難しいのが現状です。
病院での訓練で日常生活の動作レベルが上がっても、
自宅に帰ってあまり動く機会がないと、
せっかく獲得した能力が低下してしまいます。


■起立訓練

椅子から立ったり座ったりを繰り返す訓練法です。
足の力を使って立ち上がりますが、
実際には全身の筋肉を使っているので
歩行障害のリハビリテーションには非常に大事な訓練です。
特に足腰の弱った高齢者や脳卒中の人に有効だとされています。
その一方で起立訓練は運動が単純な中で
回数をこなす必要があるので
なかなか続かないという問題があります。


■「起立くん」とは

介護施設向けに誕生した
リハビリテーション用のテレビゲーム機器で、
「楽しく起立訓練を」というキーワードのもとに開発されました。
現在は福岡市の長尾病院ほかで使用されています。
きっかけは、あるパーキンソン病の患者さんで
市販のテレビゲームを使って体を動かしていたとき
非常に楽しいと思ったそうで、
「テレビゲームをリハビリテーションに使えませんか?」
というひと言でした。
これを受けてリハビリテーション支援用ゲームとして
九州大学大学院 芸術工学研究院と
長尾病院の共同開発によって生まれました。


■先生よりまとめ

「起立くん」が全てのリハビリテーションに
取って代わるわけではありません。
問題は維持期のリハビリテーションです。
病院で獲得された能力が自宅に帰ると落ちてしまう
と言う現実があるので、
リハビリテーションを担当しているデイケアやデイサービス、
あるいはリハビリスタッフが少ない、いないような施設で
このゲームを使うと維持期のリハビリができる、
さらには介護予防にも使えると考えています。


■補足

さまざまな病気が蔓延する現代では
リハビリテーションは社会復帰を目指す上で
欠かすことのできない大切なものです。
今回紹介した「起立くん」による訓練。
“楽しくリハビリ”をという新しい取り組みは
今後のリハビリテーションの形を変えてくれるかもしれません。

風疹

 
今回、風疹についてお話を伺ったのは
福岡歯科大学医科歯科総合病院 小児科 教授の
岡田 賢司(おかだ けんじ)先生です。

■風疹とは?

風疹ウイルスに感染して発症する感染症です。
妊婦さんがかかるのが一番の問題です。
“3日ばしか”とも言われる風疹は
子どもの病気というイメージがあるかもしれませんが、
最近では乳幼児期に風疹ワクチンの予防接種が
徹底されていることもあり、発症はさほどみられていません。


■昨今の流行について

ここ数年の流行の中心は大人で
男性では20代から40代、女性では20代となっています。
国の風疹対策が浸透しなかったこともあり、
子どものころに予防接種を十分に受けることができなかった年代です。
一例として、国の対策として昭和52年から
当時の女子中学生だけに風疹のワクチン接種をやっていましたが、
男子中学生には行われませんでした。

また年代を問わず、予防接種や風疹にかかった経験がなければ
抗体を持っていないことになり、
感染・発症に至る可能性が高くなります。
風疹は今年になってさらに勢いを増しています。
報告数は去年の数とはもはや比較にならないほどの
尋常ではない値となっています。

今年の流行は去年の流行を受けて、
まず関東を中心に流行って全国に広がっています。
特にゴールデンウィークに流行地に行って、
その後、地元に戻って発病してしまうというのが
多くの関係者が心配をしているところです。


■風疹の感染ルートと症状

風疹はウイルスに感染している人の咳やくしゃみによる
“飛沫感染”が主な感染ルートです。
また感染から発症までの潜伏期間は2〜3週間とされています。
症状は発熱や赤くザラザラとした発疹、
首の後ろのリンパ節の腫れなどがあります。
女性では関節痛を訴える場合もあります。


■風疹流行での問題点

大人は症状が強く出る場合もあれば、比較的軽く出る場合もあり、
症状があっても軽い場合ではそのまま仕事を続けてしまうことで
職場やいろんな集団の中で流行っていきます。
これが風疹のコントロールが難しい原因です。


■風疹での注意点

風疹にかからないようもっとも注意が必要なのが
妊娠中の女性の中で抗体を持っていない人です。
妊婦がかかると、お腹の中の胎児が
白内障・緑内障、難聴、心臓疾患、精神疾患などを
かかえて生まれる“先天性風疹症候群”を起こす可能性があります。
特に妊娠初期(3ヵ月くらい)に風疹にかかると
胎児が先天性風疹症候群を発症しやすいとされています。
社会全体で風疹をなくさない限りは妊婦への感染は防ぎえないので、
国や医療機関では、できるだけ多くのみなさんに
ワクチン接種をお願いしています。

また今回の流行の中心になっているのが
これまで十分なワクチン接種を受けていないとされる
20〜40代の成年男性です。
とくに成人男性で今まで風疹にかかったことがない人、
風疹の予防接種を受けたことがない人、
そのどちらかよく分からないという人は
ぜひ予防接種を検討してください。


■先生よりまとめ

もしご自身の母子手帳があれば、
風疹のワクチン接種をやったかどうかを
ぜひともこの機会に確認をしていただきたいですし、
母子手帳がなく、過去にワクチン接種を受けたかどうか分からない、
あるいはこれまで風疹にかかったかどうか分からないという人は
念のためにワクチン接種をお願いしたいと思います。


■補足

最近ではワクチンの予防接種に当たって
費用を助成する自治体も増えてきています。
接種にはそれなりの出費を伴いますので、
予防接種を受けようかなと思い立ったら
お住まいの市役所や役場に一度、確認してみてはいかがですか?

パーキンソン病

 
今回、パーキンソン病についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部神経内科 教授の坪井 義夫(つぼい よしお)先生です。


■パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病の代表的な症状には振戦、無動(動作緩慢)、
固縮、姿勢反射障害の4つがあり、
これらをパーキンソン病の四大症状と呼びます。
振戦とは手あるいは足のふるえが体の片側に強く現れて、
何もしていない時、例えばひざに手を置いた時などに目立ちますが、
何かしようとすると止まるので、
最初は患者さんは不便を感じないこともあります。

無動(動作緩慢)とは動作そのものが遅くなる症状で、
歯を磨く時や顔を洗ったりする時などで
手の素早い動きができなくなります。
また声が小さくなり表情が乏しく、目の瞬きが少なくなります。

固縮とは筋肉が硬くなって手足の動きがぎこちなくなる症状で、
進行すると関節運動に制限が生じることがあります。

姿勢反射障害とは立ったり歩いたりしている時に
バランスを崩した際、反射的に足を踏み出すことができなくなって
転びやすくなる症状で、姿勢が常に前かがみになり、
小刻みな歩行になります。


■パーキンソン病の症状の特徴

主に体の片側から始まり、やがて体の両側へと広がります。
そうした症状の進み具合で病気の程度を示す指標に、
“ホーン・ヤールの重症度分類”があります。
震えなどの症状が片方の手足だけの場合はT度、
両方の手足に現れていればU度、
さらに姿勢反射障害が加わるとV度、
部分的な介助が必要だとW度、
車いすや寝たきりになるとX度になります。
重症度がV度以上で介助が必要な場合は
特定疾患医療費助成制度の対象となるので、
保健所で手続きをすると医療費の自己負担分で
公的な補助が受けられます。


■パーキンソン病のトピックス

最近、パーキンソン病の典型的な運動症状が現れるかなり前から、
特徴的な症状を訴える患者さんが多いことが分かってきました。
こうした症状の中で最も多いのが便秘で、
中年期以降で便秘がちな人は
パーキンソン病を発症する割合が便秘でない人の
3〜4倍という報告もあります。
さらに嗅覚にも異常をきたして食べ物の匂いを感じにくくなるため、
食事が美味しくないとか、味がよく分からないと訴える人もいます。
その他にも、うつ症状が先に現れる人もいます。
またレム睡眠行動異常といって、
夢を見ながら大きな寝言を言ったり、
体を激しく動かすなどの行動を伴うことが
パーキンソン病の前兆として注目されています。


■パーキンソン病のメカニズム

脳の黒質と呼ばれる部分の神経細胞が
何らかの原因で減少してしまうために起こります。
黒質の神経細胞では神経伝達物質の1つである
ドパミンが作られています。
そのため神経細胞が減少するとドパミンも減ってしまうので、
脳の指令が筋肉に上手く伝達できなくなって
スムーズに動けなくなるのです。
脳の神経細胞は誰でも年をとると自然に減少していきますが、
パーキンソン病では実際の年齢以上に
神経細胞の減少が進んでいきます。
これまでの研究でドパミンの量が正常な人の20%を下回ると
パーキンソン病の症状が現れると考えられています。


■似たような病気

パーキンソン病以外にも手足の震えや筋肉のこわばりなど、
同じような症状を呈する病気があり、
それをパーキンソン症候群と呼んでいます。
主に抗うつ剤や血圧降下剤の副作用として起こる
薬剤性パーキンソン症候群や、
動脈硬化で脳の小さな血管が詰まって起きる
脳血管性パーキンソン症候群があり、
他にも、脳の神経細胞が侵される多系統萎縮症や
進行性核上性麻痺などの病気もあります。
これらの病気は原因も治療法もパーキンソン病とは異なるため、
神経内科外来では診察や検査において
パーキンソン症候群ではないかどうかを
しっかり診ることになります。

■パーキンソン病の治療

飲み薬で不足したドパミンを補う薬物療法が中心です。
基本となる治療薬は直接的にドパミンを増やすレボドパ製剤と、
体内のドパミンを有効利用して間接的にドパミンを増やす
ドパミンアゴニスト製剤の2種類で、
他にも作用の異なる薬を組み合わせたり
病状によって使い分けたりします。
ただし、どの薬をどれくらい服用するかは
患者の症状やライフスタイルを考慮して検討されるので、
病状に合わせた適切な治療のために定期的な診察が必要となります。

早期には薬が良く効くので、
自分に合った薬を選んでしっかりと症状を良くして、
同時に毎日必ず運動の時間を作ることが必要です。
薬物治療を5年以上続けていると、
薬が効いている時間が短くなるウェアリング・オフ現象や、
手足がくねくねと勝手に動いてしまう
ジスキネジアと呼ばれる運動合併症が起こる場合がありますが、
これらの問題は薬の量や種類、
服用の仕方を変えることによって改善することが可能です。
またパーキンソン病薬の服用を急にやめたり量を減らしたりすると、
高熱や筋硬直を伴う悪性症候群が現れる危険性があるため、
自己判断で薬の服用を変えたりしないで
必ず医師や薬剤師に相談して下さい。

高コレステロール血症

 
今回、高コレステロール血症についてお話を伺ったのは、
国際医療福祉大学大学院 教授の佐々木 淳(ささき じゅん)先生です。

■高コレステロール血症とは

血液中の脂質に異常がおこる“脂質異常症”のひとつで
血中のコレステロール値が高くなった状態です。
我が国においてはこの高コレステロール血症は増加傾向にあります。
血液中の総コレステロール値が
220mg/dL以上でそのように診断されますが、
昨今では中でも“悪玉コレステロール”と呼ばれるLDLの値が高い
高LDLコレステロール血症が要注意とされています。


■コレステロールとは

生命を維持するために必要な物質です。
細胞膜の構成成分になったり、ステロイドホルモンや性ホルモン、
ビタミンDなどの材料になります。
また脂肪を溶かして吸収を進める“胆汁酸”も
コレステロールからできています。


■コレステロールが働く仕組み

コレステロールは血液中には溶けないので
特殊なタンパク質に包まれたような姿で移動しています。
そして働きの違いによって“善玉”と呼ばれるHDL、
“悪玉”と呼ばれるLDLに分けられます。
HDLは血管の壁についた余分なコレステロールを回収して
肝臓に運ぶ役割を果たしています。
全身の不要な分を拾い集めるので“善玉”と呼ばれています。
一方、LDLはコレステロールを全身に届けています。
しかしその量が多すぎると血管に悪影響を与えるため
“悪玉”と呼ばれています。


■“悪玉コレステロール”が多い状態を放置すると…

体の中の血管壁にコレステロールが
徐々に溜まって血管が厚く硬くなる、
「動脈硬化」が起こってきます。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞を発症する可能性が高くなります。
現在、日本人の死因の約30%が
これら動脈硬化性の疾患と言われています。


■高コレステロール血症の原因と症状

多くは食生活の乱れによる動物性脂肪や卵黄など、
コレステロールを多く含む食品の取りすぎが挙げられます。
また多くの場合で自覚症状はありません。
そのため健診などでコレステロール値が高いと言われても気にならず、
放ってしまいがちになります。
高コレステロール血症のこわい点はそこで、
痛みなどの症状がないまま動脈硬化を進行させ、
心筋梗塞、脳梗塞といった深刻な疾患を引き起こす
危険性をはらんでいるのです。


■高コレステロール血症の治療法

食生活の改善と薬物療法です。
日本動脈硬化学会では肥満に注意し
動物性脂肪や乳製品、卵黄の摂取をおさえる。
一方、魚や野菜、果物、大豆、海藻など、
伝統的な日本料理に使われる食品を取る
「The Japan Diet(ザ・ジャパン・ダイエット)」が勧められています。
また薬物療法では体内でのコレステロールの合成を抑える薬が
日本で開発され、心筋梗塞や脳梗塞を
およそ30%予防できるとされています。


■まとめ

高コレステロール血症は自覚症状がほとんどなく、
放置すると動脈硬化が進んでいくので、
健康診断や人間ドックなどで数値を把握して
普段から気をつけることが大切です。

リンパ浮腫

 
今回、リンパ浮腫についてお話を伺ったのは、
ナグモクリニック福岡 院長の
北村 薫(きたむら かおる)先生です。

■リンパ浮腫の原因

リンパ浮腫は原因が不明なものもありますが、
原因が分かっているもので日本でいちばん多いのが、
がんの手術で近くのリンパ節を一緒に取ることで
リンパ腺の流れが悪くなって、
関連する場所のリンパが溜まってしまうというものです。
腕だと乳がんの手術や放射線治療、
足だと婦人科や直腸がんなど泌尿器全般、
それらによって腕や足が腫れるのが、
がん手術後の続発性リンパ浮腫です。


■リンパ管とは

私たちの体内には酸素や栄養を運ぶ血液とは別に
余分な水分や老廃物を運ぶリンパ液が
リンパ管を通ってほぼ全身に行き渡っています。
リンパ管は体の末端から中心へと向かう時、
細菌などの異物を除去するために、
フィルターの役目を果たすリンパ節に集まります。
主なリンパ節は左右対称に脇の下や足のつけ根にありますが、
手術でリンパ節が切除されると、流れを遮られて、
行き場を失ったリンパ液が皮下組織に溜まって
リンパ浮腫になります。


■リンパ浮腫の症状

最初は症状がありません。
例えば乳がんの術後であれば腕まわりが1〜2センチ増えていても、
あんまり気づかずに過ごしてしまう事が多いようです。
少し進んでくるとだんだん皮下組織が硬くなりますが、
そうなると押してもへこまない、硬い浮腫に変わります。


■リンパ浮腫での弊害

腕のリンパ浮腫では物を握り辛くなるので、
効き腕だと字を書いたり、料理で包丁を持つのが不便になります。
足のリンパ浮腫では歩くのが困難になるため日常の動きが制限され、
外出はもちろん室内の移動も難しくなり行動範囲が狭まります。
さらにリンパ浮腫が起こると外見上の変化で
精神的な苦痛を受けることも多く、
外出が嫌になって うつ状態を招くこともあります。


■リンパ浮腫の治療

中心は圧迫です。硬くなっている浮腫は
圧迫だけではなかなか治らないので、
用手的リンパドレナージと言って、
リンパ液を流れにくい場所から迂回して、
体の奥に流してあげるような特殊な医療技術を使って、
圧迫と用手的リンパドレナージを併用することで、
より手や足を細くする治療が行われます。
ただし、いわゆる美容目的のリンパドレナージと
用手的リンパドレナージは、全く目的も手技も違うので、
リンパ浮腫の方が美容用のを受けても治らないのはもちろん
むしろ悪くなったりすることがあるので非常に注意が必要です。


■リンパ浮腫の予防

予防はなかなか難しいですが肥満を避け、
標準体重を保つことが大事です。
家族も、本人が疲れすぎないように
家事をサポートすることなどで発症させなかったり、
発症された人はそれをひどくさせないことも十分にできるので、
家族全員でリンパ浮腫の予防も、治療も、
一緒にたたかっていくのが重要になります。

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