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パーキンソン病

 
今回、パーキンソン病についてお話を伺ったのは
BOOCS(ブックス) クリニック福岡 機能神経外科主幹、
パーキンソン病外来担当の島 史雄(しま ふみお)先生です。


■パーキンソン病とは

パーキンソン病とは脳内の一部の神経細胞が変化し
“ドパミン”という神経伝達物質が減ることで
さまざまな運動障害が起こる進行性の病気です。
パーキンソン病は加齢とともに発症が増え、
50歳以上では100人中、1〜2人に見られるとされています。


■パーキンソン病のメカニズム

通常、私たちの脳では“黒質(こくしつ)”と呼ばれる部分から
“線条体(せんじょうたい)”へ向けてドパミンという
神経伝達物質が送られています。
ドパミンは運動の働きを調節し、活動意欲を起こさせる物質ですが、
パーキンソン病ではこのドパミンの量が減ることで
体の動きにいろいろな不具合が起こります。
しかしなぜドパミンが減るのか、その原因はまだ分かっていません。


■パーキンソン病の症状

3大運動症状として手足の震え、筋肉のこわばり、
体の動きが遅くなる“動作の緩慢化”がとして挙げられます。
これらの症状は体の片側からやがて両側に及び、
進行するとバランス感覚が障害されて転びやすくなったりします。
またそういった運動症状が始まる前から
自律神経の症状として嗅覚の障害、便秘、発汗異常、
あるいは睡眠障害として夢の内容に反応して異常な行動が起こる
“レム睡眠行動異常症”を伴うことがあります。
さらに心の障害として うつや認知症が見られることもあり、
うつ症状は患者のおよそ半分に、
認知症はパーキンソン病が進行した患者の
2割程度に起こるとされています。


■パーキンソン病の治療

「L-ドパ」は脳内に不足している
神経伝達物質“ドパミン”を補うための薬で、
病気の初期では効果が長く続くといわれています。
しかし長年 服用すると、薬の効く時間が次第に短くなり、
次に薬を飲む前に症状が現れる
“ウェアリング・オフ”という現象が、
また薬が効いている間、人によっては体が勝手に動く
“ジスキネジア”が起こるなど、
1日のうちで症状の変動が見られます。

受容体刺激薬はドパミンを受け取る
「ドパミン受容体」を刺激する薬ですが、
まれにギャンブル依存や衝動買いなど
自身の欲望を抑えられなくなる
“衝動制御障害”が起こることがあります。

こういうことで日常生活に支障をきたすようになったら
DBS(脳深部刺激療法)という外科治療があります。
DBSとは脳内に電極を植え込んで電気刺激を送り、
神経回路の働きを調整して症状を改善させる手術療法です。


■まとめ

パーキンソン病そのものを治す治療法は今のところありませんが、
薬物療法や今回紹介した外科治療で
症状をコントロールすることは十分に可能です。
パーキンソン病と診断されたら適切な治療を受けられるよう
主治医にしっかり相談してください。

重粒子線治療(後編)

 
今回、重粒子線治療<後編>についてお話を伺ったのは、
九州国際重粒子線がん治療センター、
副センター長の塩山善之(しおやま よしゆき)先生です。


■対象となる患者の条件

「がん」という確定診断がついている人、
がんであることが明確に告知されている人、
また治療のために30分程度、安静にできる人が条件になります。
九州国際重粒子線がん治療センターは、
基本的に他の医療機関からの紹介で受け入れているので
「重粒子線治療がメリットがある」と思われる患者さんが、
主治医から紹介状をもらって受診するという形になります。


■重粒子線治療の特徴

重粒子線をがんに集中して照射するので、
1つの場所にとどまっている塊のがんを治療するのに適しています。
一方で広く全身に転移したがん、
胃や腸など不規則に動く臓器にできたがん、
さらに白血病のような血液のがんは
重粒子線治療の対象にはなりません。


■九州国際重粒子線がん治療センターでは

去年8月から前立腺がんの患者さんに対して治療を開始しました。
その後 徐々に治療の対象を広げ、
去年12月から頭頚部、及び骨軟部の腫瘍の治療を開始しました。
また今年3月から肺、肝臓、膵臓といった
呼吸で動くような臓器の腫瘍に対する重粒子線治療も開始予定です。


■九州国際重粒子線がん治療センターを受診するには

まず主治医に受診の意志を伝えて紹介状を書いてもらいます。
次に画像検査や血液検査といった病状に関する資料を、
検査を受けた病院で準備してもらいます。
資料の返却が必要かどうかは必ず確認しましょう。
受診の予約は主治医にしてもらいます。
ただし、紹介状や資料を主治医から受け取っている場合は、
患者本人やその家族が直接予約することもできます。
初診の際は資料を忘れずに持参します。
画像などのデータを電子カルテに読み込むのに
時間がかかる場合があるので、
時間に余裕をもって受診しましょう。


■まとめ

九州国際重粒子線がん治療センターでは
すでに対象となる部位に放射線治療が行われている場合や、
大きさが15cmを超えるような
大きな腫瘍に対しては治療ができない場合があります。
ただし、個々の患者さんの希望や、
重粒子線治療がその患者さんにとって
メリットがあると判断された場合には、
個別で対応していきたいと思っています。

重粒子線治療(前編)

 
今回、重粒子線治療についてお話を伺ったのは、
九州国際重粒子線がん治療センター
センター長の工藤 c(くどう しょう)先生です。


■重粒子線治療とは

放射線治療の1つで、炭素イオンを作って
光の速度の70%まで加速させ、体に外から照射します。
そうすると体の深い所にまで届いて
エネルギーを集中的にがんに与えるので
副作用が少なく、患者さんに優しい治療法です。
また手術をせず、外来での治療がほとんど可能で、
社会復帰が早いという特徴もあります。


■重粒子とは

その正体は原子から電子を取り除いた
「イオン」と呼ばれる粒子です。
イオンは原子の種類と同じだけ種類があり、
陽子より重いイオンを重粒子といいます。
がんの治療では炭素イオンが使われていて、
これをビームの様に照射するのが重粒子線治療です。


■重粒子線治療のメリット@

これまでの放射線治療で使用されてきた

エックス線やガンマ線は光子線と呼ばれ、
体外から照射すると体の表面近くで放射線量が最大となり、
それ以降は次第に減少していきます。
そのため体の奥にあるがんに十分なダメージを与えようとすると、
その手前にある正常な細胞により大きなダメージを与えてしまいます。
一方で重粒子線は体の表面近くでは放射線量が弱く、
体の奥で最大になるという特徴があります。
そのため、がんをピンポイントで狙い撃ちすることができ、
がんに十分なダメージを与えながら
正常な細胞へのダメージを最小限に抑えることができるのです。


■重粒子線治療のメリットA

放射線治療は、がん細胞のDNAを切って、
がんを増殖できなくする治療です。
重粒子線の場合はDNAを切る力が従来のX線や、
最近出てきた陽子に比べても2〜3倍強いという特徴があり、
その結果、今まで放射線で治り難かったがんでも治るものがでてきた、
あるいは治療期間が非常に短くて済むといったメリットがあります。
しかも重粒子線はエネルギーの集中度が非常に高く、
がん組織に絞って治療ができるので、
手術ではアプローチの難しい場所にあるがんでも治療できます。
また開腹しないので高齢者や体力が弱っている人、
他の持病があって手術し難いという場合にも安全に行える治療です。

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