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急性アルコール中毒

 
今回、急性アルコール中毒についてお話を伺ったのは、
福岡赤十字病院救急科 部長の友尻茂樹(ともじり しげき)先生です。


■急性アルコール中毒とは

急性アルコール中毒とは体内の血中アルコール濃度が急激に高まって、
脳の機能をまひさせ、体に深刻な状況を及ぼす病態です。
意識レベルの低下が進むと同時に激しい嘔吐、低体温、歩行困難、
呼吸数の減弱や血圧の低下などの症状があらわれます。
症状が進むと昏睡から死に至ることもあり、
吐いた物が気道に詰まり窒息死という状態になることもあります。


■お酒を飲むと…

血液中のアルコール濃度が上がるにつれて、
“ほろ酔い期”に始まって“酩酊期”から“泥酔期”、
“昏睡期”の順で酔いが進み、
同時に脳のまひも徐々に進んでいきます。
急性アルコール中毒は“泥酔期”以降で発症しますが、
“泥酔期”は意識がもうろうとして
自分が何を喋っているのか分からないような状態です。
翌日に酔った時の記憶を失くしていることもあります。

“昏睡期”になるとその名の通り昏睡状態になって、
尿や便を漏らしてしまうことがあります。
最悪の場合は脳の呼吸を司る機能がまひするため、
呼吸や心臓が停止して死に至ることもあります。


■“イッキ飲み”について

お酒をイッキ飲みすると大量のアルコールが体の中に入り、
肝臓での代謝が追いつかず、酔っているという自覚もないままに、
ほろ酔い期と酩酊期を一気に飛び越えて
泥酔期・昏睡期に到達してしまう可能性があります。
しかもイッキ飲みをしたからといってすぐに酔いが回るわけではなく、
体の中のアルコール血中濃度がピークに達するまでには
30分から60分の時間差があります。
そのためイッキ飲みをした後にまだ大丈夫と思って飲み続けると、
深刻な状況を招くことになりかねません。
絶対にイッキ飲みはやめましょう。


■予防・対策

急性アルコール中毒は
自分のペースでゆっくりお酒を飲むことで予防できます。
アルコールの代謝能力は人それぞれで、
体調にも左右されるので、顔がすぐに赤くなる人や体調が悪い人、
女性や高齢者、お酒を飲み始めたばかりの人は量を控えましょう。
また空腹時はアルコールの吸収が早まって悪酔いしやすくなります。
お酒を飲むときにはアルコールの吸収を遅らせる
タンパク質や脂肪分を多く含んだ食べ物を一緒にとりましょう。


■処置

急性アルコール中毒には解毒薬はありません。
またアルコールはとても吸収が早いので
胃洗浄などの治療法は効果がありません。
重症の急性アルコール中毒の場合には集中治療室での管理が必要で、
呼吸や循環の厳重なモニター下で点滴をして
アルコールの血中濃度を薄め、尿として排泄させる処置を行って、
アルコールを体の外に出すより方法がありません。
重症の場合は一刻も早く病院に連れて行く事が大切で、
意識を失うほど泥酔している、叩いても反応がない、
失禁をしている、呼吸の異常がある場合などは、
早く病院に連れて行く手配をしてほしいと思います。


■まとめ

お酒の強い弱いには個人差があり、
日本人のおよそ4割はお酒に弱い体質だとされています。
お酒の弱い人は少し飲んだだけでも
急性アルコール中毒になってしまう事があるので、
無理して周りに合わせないで、
自分のペースでのんびりお酒を楽しみましょう。

脳の内視鏡治療

 
今回、脳の内視鏡治療についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 脳神経外科 講師の
野中 将(のなか まさに)先生です。


■脳の内視鏡治療

脳の疾患の治療には頭の骨の一部を開いて治療を行う“開頭手術”、
血管内にカテーテルという細い管を入れ、
血管の中から治療を行う“脳血管内治療”があります。
そしてもうひとつが、頭の骨に小さな穴を開け、
脳の中にカメラを入れて画像を見ながら治療を行う“内視鏡治療”です。


■適用される疾患

脳の奥には「脳室」という脳脊髄液を溜めるスペースがあります。
内視鏡治療はその中の病気を観察、治療することに非常に適しています。
また同じく脳の奥にある「脳下垂体」にできた腫瘍の摘出や、
最近では脳出血の治療も行われています。


■脳出血

脳出血とは脳内の血管が破れて脳の中に出血するもので、
1ヵ月後には発症した人のおよそ半数が命を落とすという深刻な疾患です。
また一命をとり止めても、運動まひや意識障害、
感覚障害などの重い後遺症が残ったり、
寝たきりを余儀なくされることがあります。


■脳出血の原因

脳出血の原因でもっとも多いのは長年の高血圧です。
高血圧で脳内に張り巡らされた細い血管がダメージを受け、
それでできた小動脈瘤という小さなこぶが破裂して脳出血が起こります。


■内視鏡治療の手順

内視鏡治療では皮膚を4cmほど切開し、
専用の器具で1円玉程度の穴を開けカメラを入れます。
そして穴から入れたカメラを慎重に操作し患部まで到達させ、
中の状態を観察したり治療を行ったりします。
またカメラの種類には「硬性鏡」という挿入部分が硬いカメラの他に
「軟性鏡」という挿入部分が軟らかいカメラもあり、
脳の奥深くの開頭手術ではなかなか治療が難しかったところまで
たどり着くことが可能です。


■内視鏡治療のメリット

内視鏡治療は治療による傷が小さく、
開頭手術に比べて手術時間も短いとされ、
患者さんに負担が少ないといわれています。
また出血を早く取り除けることで、その後のリハビリテーションを
より早く始めることができるのもメリットのひとつです。


■先生まとめ

内視鏡治療ですべての脳の疾患が治療できるわけではありません。
従来どおりの開頭手術や、
カテーテルを用いた血管内治療などさまざまな方法から
患者さんに最良の選択をして治療を行います。
また脳の代表的な疾患である脳卒中を予防するには
血圧が上がらないようにカロリーや塩分、過度の飲酒、
タバコを控えることなどが重要です。
健診などで血圧が高いと指摘されたときは、
きちんと治療をすることが大切だと思います。

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