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五月病

 
今回、五月病についてお話を伺ったのは、
九州中央病院 メンタルヘルスセンター長、
心療内科・アレルギー科 部長の十川 博(そがわ ひろし)先生です。


■五月病とは

五月病とは新年度、新しい生活を始めた人たちが
環境の変化に上手く対応できず、心身に不調をきたすものです。
もともとは過酷な受験勉強から解放された新大学生が
入学後に目的や気力を失ってかかるとされた五月病ですが、
昨今では新社会人にも多く見られるようになっています。

慣れない環境で次第に疲労と緊張が溜まって、
ゴールデンウィークあけには会社に来なくなる
というケースも見られます。
“ストレス社会”と言われ、メンタルヘルスが重要視される現代、
五月病の予防・対策はとても大切です。


■五月病のトピックス

今いちばん深刻なのは「中高年層の異動に伴う」五月病です。
異動にはどういう意味があるかというと、
人間関係を新たに作っていかないといけない、
仕事を新たに覚えないといけない。
そういう中で最初のうちは頑張るわけですが、
しばらく経つと力尽きてしまって、
人によってはいろんな身体症状が出てくることになります。

また中高年層は若い人に比べて
環境の変化に対する適応能力が低くなっているとされ、
そこに周囲からの期待や責任などがのしかかって、
症状の改善がますます難しくなります。
さらに中高年の場合はどうしても
“リストラ”のようなプレッシャーもある…、
最近では“団塊の世代”が抜けていってしまって頼る先輩がいない…。
上からは成績を上げろ、下からはいろんな要求が来る…。
今の時期は中高年の人が非常に大変だと思われます。


■五月病の症状

五月病の症状は大きく身体症状と精神症状に分けられます。
身体症状としてもっとも多いのが睡眠障害です。
その他、食欲低下や頭痛、めまいといった
自律神経の異常に伴う不具合が見られます。
精神症状としては、抑うつ感やイライラ、
やる気の低下などが主なものです。


■症状が進むと

多くの場合ではその場に適応していって、
しだいに良くなっていくことが多いですが、
一部の人では抑うつ感がひどくなって、
もう会社に行く元気もないと、うつ病を起こす人もいるので、
やはり早く対処した方が良いです。


■まとめ

友人や同僚から相談を受けてのアドバイス。
良かれと思って話したつもりが
ついつい自分の考えが入ってしまって、
的確なアドバイスになっていないことがよくあるそうです。
その意味でもまずはしっかりお話を聞いてあげることが大事ですよ。

ペット由来感染症

 
今回、ペット由来感染症についてお話を伺ったのは、
九州大学病院グローバル感染症センター センター長の
下野信行(しもの のぶゆき)先生です。


■ペット感染症とは

ペット由来感染症とは、
ペットとして飼われているイヌやネコといった動物から
人に感染する病気の総称で、
動物由来感染症、人獣共通感染症、ズーノーシスとも呼ばれます。

ペットに咬まれたり引っかかれたりすることで
その傷口から感染したり、食べ物を口移しで与えたり
、ペットを扱った手を介して口から感染したり、
フンなどから出てきた病原体を吸入して感染することがあります。
それ以外にも病気のペットの血を吸ったノミやダニ、
蚊などから間接的に感染することもあります。


■主なペット由来感染症

イヌやネコから感染するパスツレラ症、
ネコから感染する猫ひっかき病やトキソプラズマ症、
オウムやインコなどの鳥から感染するオウム病、
ミドリガメなど爬虫類から感染するサルモネラ症などがありますが、
ペットが病気に感染していても
ほとんど症状がないことも少なくありません

また人の場合では風邪や皮膚病と症状が似ているので、
ペット由来感染症を発症しても
身近なペットからうつったという自覚がなく、
診断する医師がペット由来感染症に詳しくないと
病気の発見が遅れることもあります。


■ペット由来感染症の特徴・注意点

ペット由来感染症はそもそも動物の病気なので
人間には感染しにくく、仮に病原菌が感染しても
健康な人であれば発症に至ることは少ないとされます。
また発症しても軽い症状で終わることが多いと思います。

しかし子どもや高齢者、
糖尿病患者など免疫力が低下している人は注意が必要です。
また妊娠中にトキソプラズマに初めて感染すると、
まれに胎児に影響が出ることがあります。
しかしだからといってペットを手放す必要はないと思います。
手洗いをきちっとやる、ペットをきれいにして、
糞の処理などをきちっとやっておくと心配はないと思います。


■ペット由来感染症の原因

ペット由来感染症の原因は主に細菌やウイスルなどですが、
最近は住宅の気密性が高くなったことで
身の周りに病原菌が繁殖しやすくなっています。
さらにペットを室内で飼うことが多くなり、
人とペットが接触する機会が増えたことや、
まるで家族のようにペットと一緒に寝るなど、
過剰なスキンシップを楽しむようになったことも、
ペット由来感染症を招く原因になっています。


■まとめ

ペットを飼っていて体調が悪くなったり、
熱が出たり、リンパ節が腫れたり、
病院にかかって治療を受けているのに症状が良くならない時には、
医師に自分がペットを飼っていることを伝えて、
ペットの種類や様子など説明すると
診断の助けになって適切な治療につながることがあります。
またいろいろと相談できる かかりつけの動物病院で、
年に1度はペットも健康診断を受けておくと安心でしょう。

末期がんのケア

 
今回、末期がんのケアについてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州がんセンター 名誉院長、
八木病院顧問の牛尾 恭輔(うしお きょうすけ)先生です。

■末期がん患者と家族

心臓発作や脳血管障害などで急に命を落とすのに比べて、
がんの場合は診断がついてから亡くなるまで、
ある程度の時間があります。
その時間はその人の人生にとってとても大事です。

やりたい仕事があればやっておきたい。
自分の思いがあれば、子どもや孫に伝えておきたいなど、
そういったことを全うさせるのが「クオリティーオブライフ」
人生の質だと思います。
家族はその人の人生の質を助けてあげられるような場所に行って
共に考えてやる事が非常に有効だと思います。
またそれが、残された家族にとっても、
心の安らぎになっていくのではないでしょうか。


■末期がん患者

多くは時間の経過につれて病状が進行し、食事や排泄、入浴など、
それまで当たり前に出来ていたことが
段々とできなくなっていきます。

さらに病状が進んで終末期が近づくと
内臓の機能低下による血液中の有害物質や、
痛みを抑える医療用麻薬の影響で脳が「眠ったような状態」になり、
“せん妄”と呼ばれる症状が現れる事があります。
せん妄は認知症に似た意識障害で、
つじつまの合わないことを言ったり、
見えないものが見えたりするような事が起こります。


■患者さんへは…

患者さん自身は不安なんです。
特に夜、ちょっとうす暗くなって意識が少し混濁している時に
いろいろなものが見えたり、聞こえたりします。
それで大声を出したり、いろいろな事を言いますが、
それは病気がそうさせているので、
家族はそれを拒否して叱ったりせず、ゆっくり聞いてあげること
あとは触れてあげることが必要だろうと思います。
手を握ってあげたり、ふくらはぎを撫でてあげる、
それだけでも非常にいいと思います。


■末期がん患者の特徴

末期がんの特徴に“強い痛み”があります。
頭痛や腹痛といった病気の痛みは
強くなったり弱くなったりしますが、がんの場合は
放置するとずっと痛み続けてどんどん強くなっていきます。

がん患者のおよそ8割がこうした痛みを経験すると言われていますが、
最近は痛み止めに使える麻薬の種類も増えて、
以前のような耐え難いほどの痛みではなくなっています。
このように痛みのコントロールが可能になった現在、
あらためてクローズアップされているのが心の問題です。
特に末期がん患者は、治療に伴う金銭的な悩みや、
負担をかける家族への気兼ね、人生に対する絶望感などから、
うつ状態になってしまうこともあります。


■心のケアについて

癒しを感じてもらう方法はたくさんあると思いますが、
その中で「画像の力」を活用していただきたいと思います。
皆さんなぜアルバム持っているかといえば、
やはり昔の写真が懐かしいからです。
そのような写真を見ることによって
患者さん自身が昔のことを思い出す。
その時にやはり痛みや社会的な苦しみ、
経済的な苦しみなどが少しは緩和されるだろうと思います。

これは「ライフレビュー法」といって、
幼年期から学童期・青年期・成人期と年代順に過去を回想することで、
やがて自分の人生を受け入れて心が平穏になっていきます。
さらにいつか見た懐かしい風景、
生命力に溢れた植物や動物には人を癒す力があります。
そうした画像もライフレビューのきっかけとして有効だとされています。

※牛尾先生が中心となって立ち上げたウェブサイト
「癒し憩い画像データベース」には、
20万点を越える写真や動画が
キーワードで検索できるように整理されていて、
病院や福祉施設など様々な場所で利用されています。
詳しくは「癒し憩い画像データベース」
iyashi.midb.jp/で検索ください。

防災の心得

 
今回、“防災の心得”についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 先端医療医学講座
災害・救急医学 助教の永田 高志(ながた たかし)先生です。


■災害とは

災害は大きくふたつに分けられると思います。
ひとつは“自然災害”もうひとつは“人為災害”です。
自然災害としては地球の活動に由来する地震や地滑り、
噴火などや、気候に由来する台風、大雪など。
他、鳥インフルエンザなど感染症も自然災害に含まれます。
人為災害としてはテロや、自動車・列車・航空機・船舶などでの
多数傷病者事故が挙げられます。

東日本大震災は地震、津波、そして原子力災害という、
人為災害と自然災害の合わさった“複合型災害”で、
恐らく人類が初めて経験した特殊な複合災害であったと思います。


■自然災害について

近年、自然災害は世界的に増加傾向にあります。
ある著名な医学雑誌で発表された統計では
発生件数は右肩上がりで増え、それに伴い、
経済的損失も年々大きなっていることが示されています。


■自然災害の原因

自然災害増加の原因には昨今の
“ゲリラ豪雨”などに代表される気候の変動、
その他、森林の伐採などが挙げられます。
昨年はフィリピンで大型台風、高潮の発生がありました。
また人口が密集する都市部では
都市機能を越えた大きな自然災害が起こると、
一度に多くの人々が被害を受けることになります。
国内でも今年の冬、
大雪による大規模な社会の麻痺が起こったことは
記憶に新しいところです。


■災害時の心得とは

季節によってさまざまな災害に見舞われる日本は、
諸外国の中でも比較的 災害が多い国だとされています。
災害時は自治体や警察、消防、救急、自衛隊など、
普段は別々の仕事をしている人々が
いかにひとつの組織として活動できるかがカギとなります。

個人についても、やはり“自分が被災者になる”
という意識が大事です。
例えば今年は関東地方でもたびたび大雪に見舞われましたが、
みなさん、例えばスノーブーツを持っていますか?
あるいは雪道でチェーンを巻くことができますか?
あるいは嵐に巻き込まれたときに
適切な行動をとれる自信がありますか?
そういう意味では、よそで起こった自然災害に対して、
ひとりひとりに
“もしかしたら次は自分たちが遭遇するかもしれない”
という意識がもっとあって良いのではと思います。


■災害と避難生活

ひとたび大規模災害が起きた際に
深刻な問題となるのが“避難生活”です。
災害というと車や列車事故などでの
“ケガ”のイメージがあると思います。
それはそれで正しいことですが、それとは別に原因は問わず
やはり大規模災害であれば
結果的に避難生活を強いられるという大きな問題が発生します。


■避難生活について

1995年の阪神・淡路大震災、2004年の中越沖地震。
アメリカでは2005年、ハリケーン“カトリーナ”という
大きなハリケーンによって避難所の問題が大きく注目されました。
その次にくるのが恐らく2011年3月11日の東日本大震災だと思いますが、
先進国の人々は、紛争などでしばしば避難所生活を強いられる
開発途上国の人々に比べて
避難所の問題に実はあまり慣れていません。
災害が起きて避難所生活になったときにどうやって生活するか、
生きていくかを日頃から考えることが
“防災の心得”の第一歩だと思います。

薬のハナシ

 
今回、お話を伺ったのは、
九州大学名誉教授、前九州大学病院薬剤部 教授の
大石了三(おおいし りょうぞう)先生です。


■薬の副作用について

薬はそもそも人体にとって異物なので、
人によってはアレルギー反応によって、
湿疹や肝障害などの副作用を起こすことがあります。
また薬が効き過ぎても副作用を起こすことがあります。

例えば降圧薬が効き過ぎると血圧が下がり過ぎて、
ふらつきや反射性の頻脈を起こすことがあり、
また血液凝固を抑制する薬が効き過ぎると出血などを起こします。
薬は発売されるまでに長い年月をかけて
有効性と安全性がチェックされ、
安全な使い方、用量・用法が定められています。
きちんと服用しないと効かなかったり、
副作用が出ることがあります。


■薬の飲み方について

薬には主に食前・食後・食間・頓服(とんぷく)の
4つのタイプがあります。

食前は胃が空っぽの状態で
食事の30分から1時間ほど前のことです。

食後は胃の中に食べ物が残っている状態で、
食事をしてから30分以内が目安です。

食間は食事と食事の間のことで食事の最中ではありません。
食事から2時間ほど経った空腹時を指します。

頓服は決まった時間ではなく、
発作時や症状のひどい時に服用することです。

薬によって1日何回まで飲めるか、
次の服用までどのくらい間隔を空ければいいか異なるので注意が必要です。


■薬を飲み忘れたら…

薬の飲み忘れに気がついた時は、
それほど時間が経っていなければすぐに飲んで下さい。
次の服用時間が近づいていた場合は忘れた分を1回とばして下さい。
決して次の時に2回分飲むことは避けて下さい。

多くの内服薬は食後服用の指示になっていると思いますが、
これは食事をきっかけとして
飲み忘れを防ぐという意味合いがあります。
また胃を荒らしやすい抗炎症薬、
空腹時に服用するとほとんど吸収しない薬もあります。
そういう物は必ず食後に飲まなければなりません。
多忙で食事を抜くことが多い人は
食後に関わらずその薬を飲んでいいかどうか、
薬局で尋ねてください。


■その他 薬について

薬を水で飲むのは飲みやすくするためだけが理由ではありません。
水と一緒に飲むことで薬は胃の中で溶けて、
体に吸収されやすい形になります。
薬を水なしで飲むと胃の中で溶けにくくなって
効き目が遅くなったり、悪くなったりします。
さらに薬が喉を通過する時につかえたり、
食道や胃の粘膜に薬が付着して、潰瘍を起こすこともあります。


■“お薬手帳”について

いろいろな薬を飲んでいる人は
薬の相互作用によって悪い影響が出ることがあります。
薬の効き目が強くなって副作用が出たり、
逆に効き目が弱くなるなどです。
特に高齢者でさまざまな疾患を抱えて
複数の病院を受診している人は
薬の相互作用には注意しなければいけません。

薬の相互作用による影響を防ぐためには病院や薬局で配布している、
“お薬手帳”を利用するのが1番大切です。
しかし複数のお薬手帳を持っている人もときどきいて、
それだと薬剤師がチェックするのが難しくなるので、
お薬手帳は必ず1冊にまとめるようにして下さい。


■注意点について

薬の有効期限は市販薬であればパッケージ等に記載されていますが、
一般的に錠剤や粉薬は常温保存で数ヵ月程度です。
病院で処方される薬は基本的に飲み切ることを前提としているので、
症状が治まったからといって途中で勝手に服用をやめないで、
最後まできちんと飲み続けましょう。

薬は特に指定がない場合は
室温で直接日の当たらない場所に保管して下さい。
子どもの薬などで甘くした水薬がありますが、
これは冷蔵庫で保管してもカビなどが生えてくるので、
処方の期間が過ぎたら必ず捨てて下さい。

また飲み忘れなどで余った薬を他人にあげてしまう人が時々います。
しかし病院で出される薬は
患者さん1人1人に合わせて選んで処方される物なので
自分には良くても他の人にいいとは限りません。
場合によっては副作用を招くこともあるので、
余った薬を他の人にあげることは絶対に避けて下さい。

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