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正常眼圧緑内障

 
今回、正常眼圧緑内障についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 眼科学 講師の
池田 康博(いけだ やすひろ)先生です。


■正常眼圧緑内障とは

正常眼圧緑内障とは
眼球内の圧力である“眼圧”が正常範囲内ながら
見える範囲“視野”が次第に狭くなる病気です。
1990年ぐらいまでは「緑内障=眼圧が高い」という考えが主流で、
正常眼圧緑内障という病気はあまり注目されていませんでした。
しかし日本人の中には正常眼圧緑内障の人が多く、
緑内障患者の約80%を占めるということが分かってきた結果、
比較的最近、注目されるようになりました。


■眼圧とは

眼球内には水晶体をはさんで
硝子体(しょうしたい)と房水(ぼうすい)という組織がありますが、
この房水が眼球全体を押す圧力が“眼圧”です。
房水は水晶体の周りの組織で絶えず作られていて、
目の中を循環した後、外に排出されます。
眼圧は房水が作られる量と排出される量とのバランスで決まります。

一方、緑内障とは眼圧が高いことなどで
目の奥にある視神経がダメージを受けて
視野に不具合が起こる病気ですが、
最近では緑内障患者の多くが、眼圧の値が高くない
“正常眼圧緑内障”であることが分かってきました。


■要因について

緑内障で視神経がダメージを受ける最大の要因は
「眼圧が高い」ということです。
正常眼圧緑内障の患者さんも同様で、正常範囲内の眼圧であっても、
患者さんにとってはその眼圧は高いと判断されます。
その他の要因としては、
視神経やその周囲の血液の流れが悪いことや
視神経の遺伝的な弱さなどが挙げられます。
最近は強い近視との関連についても注目が集まっています。


■症状について

正常眼圧緑内障を含めて緑内障では見える範囲が狭くなったり、
見えない部分が出てきますが、
初期ではこのような症状はほとんど自覚できません。

またこういった視野の異常は目の中心部よりも
端の方から出やすいということ。
さらに片方の目にある程度見えない部分があっても、
もう片方の目で無意識にカバーしてしまうため、
より症状に気づきにくいと言われています。
それに加え、一般に正常眼圧緑内障では進行がゆっくりなため、
気付いた時には、かなり病気が悪い状態になっていた
ということもよくあります。

ある大規模な調査によると
緑内障と診断された約90%の患者が未治療、
もしくは無自覚の潜在患者であったとされています。
また進行すると中心の部分が見えなくなり視力が低下して、
最終的には失明してしまうことも多い病気です。
ある統計では、緑内障は我が国の中途失明原因の1位と報告されています。


■検査について

検査には眼圧の検査、視野の検査、眼底の検査があります。
眼圧は目の表面に空気を当てて、
目のへこみ具合からその硬さを計算する方法や、
実際に目の表面に触って測定する方法があります。
また眼底検査では光干渉断層計“OCT”によって
神経線維の厚みなどが計測されます。
このOCTでは、正常よりも視神経線維が
少なくなってきているのがすぐに分かるので、
視野異常のない、ごく早期の緑内障の発見に
非常に有用な検査となっています。


■治療について

緑内障の治療の基本は眼圧を下げることです。
眼圧が高くない正常眼圧緑内障でも同様で、
眼圧を下げることを目指します。
最初に使う薬は眼薬であることが多いです。
それらを組み合わせながらベースラインから20〜30%下降させた眼圧、
「目標眼圧」といいますが、これを目指して治療を行います。
また点眼治療と併せてレーザー治療が行われる場合があります。
しかしこれでも目標眼圧に達しなかったり、
症状が進行するときなどでは手術が行われます。


■まとめ

自覚症状の出にくい正常眼圧緑内障の場合、
いかに早期に発見して適切な治療を開始するかが重要になります。
見えない部分やかすんで見える部分があれば、
近くの眼科で詳しい検査を受けましょう。


■まずは“セルフチェック”

正常眼圧緑内障はゆっくりと進行する慢性の病気です。
また早く見つけて病気の進行をゆるやかにすることで失明を防ぎ、
視野を保つことも可能です。
そのためにも40代になったら
まずはセルフチェックから始めてみませんか?。
インターネットで「緑内障、セルフチェック」で検索すると、
多くの眼科クリニックや製薬会社のホームページの中に
視野のセルフチェックが用意されています。
眼科を受診する際の目安として参考にしてみてください。

食中毒

 
今回、食中毒についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 感染制御部 副部長
総合診療科 医長の岸原康浩(きしはら やすひろ)先生です。


■食中毒とは

食中毒の3つの文字「食・中・毒」とありますが、
真ん中にある「中」は、“あたる”という意味で、
文字の通り、食べ物の中にある毒にあたるという意味です。
食中毒は、食品の中に含まれる細菌やウイルス、
キノコやフグなどの自然毒、
化学物質などによって起きる食中毒に分けられます。
食中毒の多くは微生物によるものですが、
特に梅雨から夏にかけての高温多湿な環境は
細菌やウイルスが増えるには非常に都合がいいので、
夏場には細菌性の食中毒が増えることになります。


■食中毒の種類

細菌性の食中毒には大きく分けて感染型と毒素型があります。
感染型は細菌が付着した食品を食べることで
体内に入った細菌が腸で増殖したり、
毒素を出したりして、食中毒を引き起こします。
感染型の代表的な細菌には主に肉類から感染する
カンピロバクター菌やサルモネラ菌、
O-157を初めとする病原性大腸菌、
魚介類から感染することが多い腸炎ビブリオ菌などがあります。

毒素型は細菌が食品内で増殖して毒素を作り出し、
食品と一緒に毒素を食べてしまうことで食中毒を引き起こします。
毒素型の代表的な細菌にはビン詰めや真空パックなどの
密閉された食品から感染するボツリヌス菌や、
人の手に付着して食品へと感染する黄色ブドウ球菌があります。


■食中毒の注意点

食中毒はお年寄りや子どもに起こりやすく、
下痢や嘔吐、食べ物が食べられないことで脱水になりやすいです。
家庭でまずできることは水分を少しずつ摂ることや、
重湯など胃腸に負担のかからないような食べ物を
少しずつでいいので食べることです。
下痢がひどいと下痢止めを使用したくなりますが、
下痢止めの種類によっては腸の動きを止めてしまうものがあります。
腸の動きを止めてしまうと腸の中で細菌や毒素が増えたりして
より重症化してしまうことがあるので注意が必要です。

食中毒の多くは1日から2日もすれば自然に治りますが、
症状によっては早急な治療が必要なケースもあります。
例えば1日に10回以上も便意を催したり、
血液が混ざるような重い下痢をする、
尿の量が極端に減って顔や足がむくむ、嘔吐が止まらない、
さらには体がフラフラしたり
気絶したりするような意識障害が見られる場合は
放っておくと重症化して死に至ることもあるので、
なるべく早く病院を受診しましょう。


■食中毒の予防対策

食中毒の予防の原則は
菌を付けない、菌を増やさない、菌を殺すの3つです。
菌を付けないためには調理前の手洗いが1番大切です。

菌を増やさないということについては
冷蔵庫を過信しすぎないのが大切です。
冷蔵庫の中に食品を詰め込み過ぎない、開閉をできる限り減らす、
生鮮食料品はチルドルームなど
温度管理がしっかりしている場所に置きましょう。
菌を殺す場合には、しっかり火を通して食べることが大事です。
怪しいと思ったら、夏場は“もったいない精神”は捨ててでも
食中毒を予防するために早めに捨てることも大切です。

鉄欠乏性貧血

 
今回、鉄欠乏性貧血についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 血液内科 科長の
岡村 精一(おかむら せいいち)先生です。

■鉄欠乏性貧血とは

鉄欠乏性貧血とは赤血球の中のタンパク質
“ヘモグロビン”の材料となる鉄が不足して起こる貧血です。
貧血にはいくつかの種類がありますが、
その中でも鉄欠乏性貧血は貧血の9割以上を占めているので、
一般的に貧血といえば、この鉄欠乏性貧血を言います。
鉄欠乏性貧血は成長期の男女、
月経や妊娠、出産を経験する女性に多く、
日本人女性の20%以上は鉄欠乏性状態であると言われています。


■ヘモグロビンと鉄欠乏性貧血

赤血球に含まれるヘモグロビンは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素を
体の隅々にまで運ぶ重要な役割を果たしています。
そのヘモグロビンを形作るもっとも重要な物質が鉄ですが、
さまざまな要因で鉄が不足すると
ヘモグロビンが十分に作られなくなって、
全身が酸素不足になります。これが鉄欠乏性貧血です。


■女性と鉄欠乏性貧血

女性は鉄欠乏性貧血になりやすい状況がそろっています。
若い女性に多いとされる月経過多、
子宮筋腫・子宮内膜症などによる出血。
さらにダイエットによる偏食や食事制限によって
鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。
また妊娠中は胎児に、授乳中は母乳にそれぞれ鉄が取られるので、
妊娠期・授乳期の女性は鉄が不足がちになります。


■鉄欠乏性貧血の症状

鉄欠乏性貧血の症状には体内の酸素不足からくる動悸や息切れ、
倦怠感、立ちくらみなどがあります。
また、しきりに氷を含みたくなるといった味覚の異常。
他、めまいや頭痛、耳鳴り、肩こりなど症状は多彩です。
さらに進行すると爪が薄くスプーン状に曲がったり、
舌の表面がつるつるになって舌に痛みを自覚することもあります。


■注意点

鉄欠乏性貧血の多くは、摂取不足や女性の月経過多に代表される
慢性的な出血が原因です。
まれに、その慢性的な出血が、実は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、
さらには胃がんや大腸がんなど重篤な疾患が原因のこともあります。
特に男性や閉経後の女性が鉄欠乏性貧血になった場合には
そういった油断のならない病気が隠れていることが考えられるので、
病院を受診して、十分な検査が必要です。


■鉄欠乏性貧血の診断

動悸、息切れ、疲れやすさなどの症状がある人には
問診を行った上で、血液検査、ヘモグロビンや鉄の測定をします。
通常の鉄欠乏性貧血では食事改善などの指導、
鉄の補充療法をします。
飲み薬の鉄剤の服用によって1ヵ月ほどでヘモグロビン量が戻りますが、
体に貯蔵されている鉄はまだ不足していて
すぐに再発するので補充は約3ヵ月間必要です。


■まとめ

食べすぎや飲みすぎ、過大なストレスは胃腸の働きを悪くして、
必要不可欠な栄養素をきちんと取ることができなくなります。
鉄欠乏性貧血でお悩みの人は一度、自分の生活を見つめなおして、
改善のポイントがないか チェックしてみてはいかがですか?

知覚過敏

 
今回、知覚過敏についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 歯内治療科 講師の
和田 尚久(わだ なおひさ)先生です。


■知覚過敏とは

知覚過敏とは虫歯や歯の神経に炎症がないにも関わらず、
冷たい食べ物や飲み物、甘い物、
歯ブラシなどが歯に当たった時に生じる、一過性の痛みのことです。
知覚過敏で感じる痛みは虫歯などとは違って
持続することはありません。
しかし悪化すると熱い物がしみたり、
息を吸っただけで痛むようになります。


■歯の仕組み

私たちの歯は外側から順にエナメル質、象牙質、
神経と血管の集まりである歯髄(しずい)でできていて、
健康な歯は表面を覆うエナメル質によって
外部の様々な刺激から遮断されています。
ところが象牙質には象牙細管(ぞうげさいかん)という
無数の細かい管が歯髄まで通っているため、
何らかの原因で象牙質が歯の表面に露出してしまうと、
刺激が象牙細管を通って直接歯髄に伝わり
しみたり痛んだりといった不快な症状を引き起こします。


■知覚過敏の原因

原因として多いのは歯周病や老化、
ブラッシングが強い場合に歯茎が下がってしまうことです。
歯茎に覆われている歯の根元にはエナメル質がなく、
歯肉が下がってしまうことで象牙質が露出しやすくなって、
知覚過敏の原因となります。
さらには歯の根元が大きくえぐれる「くさび状欠損」も
原因と考えられています。
くさび状欠損は、以前は強い歯磨きが
原因だと考えられていましたが、
それにかみ合わせの異常が組み合わさって、
例えば歯ぎしりが強くて歯の根元が弱くなっているところに
強いブラッシングをすると、くさび状欠損を生じることがあります。


■ほか注意点

歯の表面のエナメル質はpH5.5以下の酸性で溶け始めます。
酸によって溶けた歯は酸蝕歯(さんしょくし)といって、
歯がもろくなったり、透けたり黄ばんで見えたりします。
これはエナメル質が薄くなっている状態で、
溶けてしまったエナメル質は2度と元には戻りません。
酸蝕歯になった歯は象牙質が露出しやすくなるため、
知覚過敏を招く原因の1つになっています。
私たちが普段口にしている食べ物や飲み物の多くは酸性で、
特に炭酸飲料やお酢といった酸っぱい物を
頻繁に口にする習慣がある人は、
酸蝕歯になりやすいので注意が必要です。


■知覚過敏の対策

知覚過敏は歯の磨き過ぎが原因の1つということがあります。
しかし歯が痛いからといって歯磨きを怠ってしまえば虫歯を招き、
症状が悪化します。
歯磨き剤の中にはフッ素が含まれていて、
適切な歯磨きを行うことで歯の表面の再石灰化が促されます。
それにより露出した象牙質の神経につながる穴を塞ぐことで、
知覚過敏の症状を抑えることが可能となります。
つまり正しい歯磨きが、治療の第一歩だと言えます。

さらに硝酸カリウムという成分を含んだ
知覚過敏専用の歯磨き剤を継続して使用すると、
過敏になった歯の神経の反応を鈍くして
知覚過敏を抑制する効果があります。

歯磨き以外の治療法としては、
歯科医院で露出した象牙質の表面に
知覚過敏処置剤を塗ることがあります。
それにより神経への刺激を遮断し知覚過敏の症状を
和らげることができます。
ただし虫歯や歯周病、かみ合わせに異常がある場合は、
そちらの治療を優先して行うことが知覚過敏の治療にもつながります。


■まとめ

知覚過敏は老若男女に関係なく誰にでも発症する可能性があります。
歯がしみたからといって必ずしも知覚過敏とは限りませんが、
虫歯や歯周病の場合もあるので、
気になる時は歯医者さんできちんと診察を受けましょう。

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