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インフルエンザ

 
今回、インフルエンザについてお話を伺ったのは、
原土井病院 総合診療センター長
九州大学名誉教授の林 純(はやしじゅん)先生です。


■インフルエンザとは

インフルエンザとは、
インフルエンザウイルスが我々の体に入ってきて、
さまざまな症状を起こすウイルス疾患です。
症状としては38度以上の高熱が出る、関節が痛く、
全身がだるい。といったものが見られます。


■その一方で

ウイルスに感染しているにもかかわらず
このような症状が出ないケースもあります。
私がこの病院で経験したのは、
65歳以上の方の半分以上は熱が38度以上出ません。
それからもう一つは、全身症状も軽くて、
ちょっとセキが出て少し熱が出るという方を調べると
インフルエンザだったということがありました。
いわば「隠れインフルエンザ」。
症状が軽く、自分が感染しているとは分からず、
知らない間に広がるケースもあるといいます。
その理由のひとつに、ワクチン接種によって
症状が少し軽くなっていることが考えられます。


■感染要因と対策

インフルエンザが感染する原因としては
咳やくしゃみによる飛沫感染。
空気中のウイルスを吸い込む空気感染。
さらにウイルスが手に付着して鼻や口から侵入する接触感染があります。
一方、予防方法にはマスクを着用する、
加湿器を使うなどして部屋の乾燥を防ぐ。
外出後の手洗い・うがいを徹底するなどといったものがあります。


■予防接種

かからないためにも、
残念ながらかかってしまったときのためにも
効果を発揮するのが予防接種です。
インフルエンザワクチンは
今年から新たにB型1種類が増え4種類の抗原となっています。
それにより去年よりも予防接種料金が上がっていますが、
かからないためにも、早めに予防接種を受けましょう。


■合併症

大人での合併症の代表格が肺炎です。
肺炎を起こすと高齢者では体が弱っていることから
死亡する例も多いということで
高齢者の場合は肺炎が一番心配です。
また子供ではごくまれにインフルエンザ脳症を併発することがあります。
飲ませた水を吐いたり、意識障害やけいれんが見られる場合は
すぐに病院を受診しましょう。


■経過

実はインフルエンザは基本的に自然に治る病気です。
ウイルスも1週間くらいすると普通は体から消えるので、
4日目位で薬くださいといっても意味がないです。
かかってすぐに薬を飲むとウイルスが抑えられるので、
やはり早めの治療が大切です。

進化する外科医療

 
■概要

医療の花形”とも呼ばれた外科医が今、大ピンチ!。
近い将来には日本に外科医がいなくなっちゃうなんて
ウソのようなホントの話も。
とりわけ若い世代で減少が進んでいます。
医学部が増え、入学定員が増えているにも関わらず
その数はどんどん減ってきています。
さまざまな技術的進化を続ける現代の外科医療。
一方で外科医を増やすための進化も迫られ、
もはや“待ったなしの状況”でもあるんです。

今回、進化する外科医療についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 消化器外科 教授の
山下裕一(やました ゆういち)先生です。


■進化する外科医療とは

以前は患者さんにとってすばらしい手術となるように
外科が進化してきました。
現在は“外科医減少”という時代に入っています。
若手外科医の外科医としての環境を整備するために、
外科はもっと進化する必要があると考えています。
“お医者さん”といえば、メスを持って
颯爽と治療を行う外科医を思い浮かべる人も多いと思いますが、
現在ではさまざまな理由から外科医の数が激減しています。
そしてそのことはこれからの我が国で
深刻な問題をはらんでいるのです。


■深刻な問題

問題の基本は高齢化社会です。
高齢化すると、どうしても“がん”の疾患が増えてきます。
がんは現在の医学では外科手術で取り除きますが、
そういう中で外科医の数がこの20年間で
明らかに右肩下がりになっているという
大きい問題が起こっています。
日本外科学会の発表では、
外科志望者数は年々減少している事が明らかになっています。
さらにその値を延長していくと2040年くらいには男女総数で、
また男性志望者に至ってはわずか15年後の2030年ころに
その数がゼロ近くになってしまうと予測されています。


■外科医減少の理由

日本人の研修医へのアンケート結果では、
外科を選ばない理由の第一が“多忙・忙しすぎる”、
“時間外労働が多すぎる”です。
手術が高度化して、難しい手術をたくさんすることになって
手術時間が長くなります。
長い手術が終了したら、それに応じた時間、
患者さんの回復を見極めるまで病院に残っておく必要があります。
また「先生、生命保険に入っているから
書類を書いてください」など、書類が多くなりました。
医師しか書類を書く権限を持っていないので、
手術をたくさんしたら書類をたくさん書かないといけない
という状況になっています。


■その一方で!

外科を志した若手医師は多忙などを承知の上でその道を歩んでいます。
そこにあるのは自らの手で手術を成功させ、
患者さんに喜んでもらいたいということ…。
お腹を開ける開腹手術の時代から、
お腹を開けないで腹腔鏡で手術をする腹腔鏡手術の時代、
若い医師は両方を覚えないといけないです。
しかし外科医が減少しても若い人に覚えてもらえれば
相対的に早くから手術をする人が増え、
外科医減少にわずかにブレーキがかかり、
若い人はモチベーションが上がってきます。


■そんな中

若手外科医の技術の向上に思わぬ形で役割を期待されているのが
“腹腔鏡手術”です。
腹腔鏡手術とはお腹に数ヵ所、小さな穴を開け、
カメラや器具で治療を行う術式のこと。
この手術は傷あとが目立たない、痛みや出血が少ない、
術後の回復が早く退院も早いといったメリットがあります。
腹腔鏡手術はますます増えていく時代になっていますが、
実は若手医師に“もってこい”の手術なんです。
子どものころからコンピューターゲームで育った若手医師は
手先が非常に若く、
腹腔鏡手術に対してトレーニング次第ではどんどん器用になっていく。
そのような時代的な背景、医学の進歩、
機械の進歩が若手医師を後押しして
結果的には患者さんに優しい手術を提供することができます。


■先生よりまとめ

外科医はまだ減少している時代ですが、
外科医が減少しているということと併せて、
腹腔鏡手術・ロボット手術など
新しい手術が展開されていることも発表してもらうことは
私たちにとって有難いことです。
その行く末は患者さんにとって優しい外科手術、
外科医にとっても、若手を育てる環境に発展していけば
何よりと考えています。

糖尿病網膜症

 
■概要

今や日本人の国民病とも言われる糖尿病。
40歳以上の3人に1人が糖尿病かその予備軍だと考えられています。
糖尿病は全身の血管に障害を及ぼす病気で、
進行するにつれてさまざまな合併症のリスクが高まります。
中でも糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害の三大合併症は、
放置すると深刻な事態を招きかねません。
特に糖尿病網膜症は視覚障害の原因として
緑内障に次ぐ第2位を占めていて、
視覚障害者の6人に1人はこの病気によって失明しているのです。
糖尿病患者のおよそ40%にこの病気が起きていると考えられていて、
失明を防ぐには早期発見が肝心です。

今回、糖尿病網膜症についてお話を伺ったのは、
福岡大学筑紫病院 眼科部長の
向野利寛(こうの としひろ)先生です。


■糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は糖尿病のコントロールが悪いと
5年から10年して目の底に起こってくる病気です。
最初は自覚症状がないままに経過します。
糖尿病網膜症で症状が出た時というのは
だいたい末期と言われています。

そのため糖尿病網膜症では定期的な検査が必要です。
眼科では瞳を開く薬を使って目の底を詳しく診ます。
それが嫌で眼科を受診しない人もいますが、
一度 瞳を開いても3〜4時間で元に戻るので、
自覚症状がない内に定期的な検査を受けることが
とても大切になります。


■網膜とは

物を見るのに欠かせない網膜は眼球の内側を覆う薄い神経の膜で、
無数の細かい血管が張り巡らされています。
糖尿病によって血液中の糖分が多い状態が続くと
全身の血管が少しずつ損傷を受けます。
特に網膜の血管は細いので損傷しやすく
放っておくとやがて詰まってしまいます。
すると網膜に十分な酸素が行き渡らなくなって酸欠状態になるため、
新しい血管ができて酸素不足を補おうとします。
ところが新生血管はとてももろくて破れやすく、
出血すると視界の異常や視力の低下を招きます。


■糖尿病網膜症の種類

糖尿病網膜症は現在3つの段階に分かれています。
最初が単純糖尿病網膜症、
それから前増殖期網膜症、増殖期網膜症です。
単純網膜症は糖尿病発症から5年前後で発症してきます。
この場合は自覚症状はありませんが、
網膜の毛細血管が障害されます。
そのために血管瘤と言う血管のつぶができるのが最初です。
その後、そこが弾けて網膜に出血し、
それから網膜血管からいろいろな物が漏れて、
それは滲出物・白斑と言いますが、そういうものが出てくる。
この時期であれば糖尿病のコントロールをしっかりすれば元に戻ります。
血管障害も改善されて、ほとんど正常近くまで戻すことができます。


■その後は

やがて血管が詰まって網膜が酸素不足になり
新生血管を作り出す準備が始まります。
これが前増殖期網膜症で、ここまで進むと
糖尿病をコントロールしても病状は改善しません。
この段階でも視力に影響はありませんが、
人によっては詰まった血管が原因で、
かすみ目が現れることもあります。
糖尿病網膜症の最終段階は増殖糖尿病網膜症と言います。
これは目の眼の底網膜から中心の硝子体(しょうしたい)に向かって
新生血管や増殖膜が出た状態です。
この新生血管ができると、それに伴ってその血管が破れて
硝子体出血を起こして急に見えなくなる。
例えば朝起きた時に全く見えなくなったと言って来られる方もいます。
この出血を繰り返しているうちに網膜が剥がれてきて失明に至ります。

糖尿病網膜症を発症してから、
糖尿病のコントロールがあまり上手くいってないと
10年から15年かかって末期になります。


■糖尿病網膜症の治療

糖尿病網膜症は原因となる糖尿病を改善しないと
目を治療しても網膜自体が傷んで見えにくくなってしまいます。
そこで糖尿病網膜症の治療では、病気の進行を遅らせるためにも、
まずは糖尿病をしっかりコントロールすることが大切です。
その上で病状が進んでいる場合は失明を防ぐために、
レーザー光(ひかり)凝固治療や
硝子体手術といった外科的治療が行われます。

レーザー光凝固治療は目の底の網膜の傷んだ所を
光凝固することによって潰す方法で、
それによって新生血管の発生を予防しようとする治療です。
これは視力を改善させるというものではなくて、
糖尿病網膜症が進まないようにするための治療と考えていただければいいと思います。

硝子体手術がもう1つの治療ですが、
これはレーザー光凝固治療を行っても、
網膜症が進行して硝子体中に新生血管が出てきた症例に対する治療となります。
新生血管ができると、そこから硝子体中に大出血を起こして見えなくなるので、
この出血を全部取って、網膜から目の中心に出てきた血管膜を全て取って、
網膜剥離があると一緒に正常な場所に戻します。
そうすることによって失明を防ぐという治療になります。


■補足

硝子体手術を行って網膜症の状態がある程度落ち着いても、
あくまでも網膜の前にある悪さをする物を取るだけであって、
網膜自身を新しくする方法ではありません。
糖尿病の治療が上手くいってないと網膜自体が傷むので、
手術して良く見えるようになった目がまた見えなくなることがあります。
この場合は眼科的な治療法はありませんので、
常に糖尿病のコントロールをすることがとても大切になります。


■まとめ

糖尿病網膜症は自覚症状がないまま進行し、
気づいた時には病状が悪化していることも少なくありません。
早く治療を始めるほど視力の低下を免れるので、
糖尿病を患ったら定期的に眼科で検査を受けて
早期発見につなげましょう。

心筋梗塞の予防

 
■概要

厚生労働省の発表によると
年間に4万数千人が亡くなるという心筋梗塞。
かつては50代以上の病気と言われていましたが、
近年では若い世代にも増えています。
発病すれば、その死亡率は20%とされていて、
なにより予防が肝心です。

今回、心筋梗塞の予防についてお話を伺ったのは、
福岡山王病院 循環器センター長の
横井宏佳(よこい ひろよし)先生です。


■心筋梗塞とは

心臓はポンプの働きをしていて全身に血液を送っています。
心臓が元気に動くためには心臓の筋肉に血液や栄養が必要で
それを送り込んでいる血管を冠状動脈といいますが、
病的に冠状動脈の中が狭くなったり、
血の塊などができたりして詰まってしまう。
すると心臓の筋肉に血液や栄養が行かなくなって
全身に血液を送り出せなくなる。
そういう状態を心筋梗塞といって、
心臓の病気の中で最も命を落とす確率の高い怖い病気です。


■心臓とは

私たちの心臓は全身に血液を送るポンプの役割を果たしていて、
脳や肺・胃などのすべての臓器に酸素や栄養分を送っています。
心筋梗塞とは心臓を取り巻く冠動脈が詰まり、
その働きが次第に落ちていく疾患です。


■発症リスク

たばこを吸っている人、運動をしていない人、
食事が乱れている人は注意が必要です。
食事が乱れている人は血液検査をするとコレステロールが多くなったり、
血糖が多くなったり、血圧が高くなったりして
心筋梗塞が起こりやすいとされています。
特に最近注目されているのは、
太り気味で糖尿病の人が心筋梗塞になりやすいということです。


■心筋梗塞の原因と症状

心筋梗塞の原因には、たばこやお酒の飲みすぎ、
運動不足や食べすぎによる肥満など
日ごろの乱れた生活習慣が挙げられます。
症状は胸が焼ける・締め付けられる、肩や背中が痛いなどですが、
今まで体験したことのない痛みが突然に、
脂汗をかくぐらいにあらわれるのが特徴です。


■多発する季節

夏と冬で比較すると冬の寒い時の方が心筋梗塞の発症は多いです。
寒いので血管が縮んで、それが閉塞の原因になります。
また暖かい室内から急に寒い屋外に出ると
温度差で血圧に大きな変動が生じ、
心臓や血管に大きな負担をかけます。
さらに入浴時、寒い脱衣所から暖かい浴室に入るときなども要注意で、
脱衣所は暖房器具で暖めておくなどの対策が必要です。


■受診の目安

痛みが1、2分で治まる時は翌日の受診でもいいかもしれません。
しかし痛みが5分以上治まらない、
脂汗が出てくるといった時はすぐに救急車を呼んで、
できるだけ早く循環器専門病院で診察を受けることが大切です。


■予防対策

まずはタバコを控えて、お酒の飲み過ぎに注意する。
そして食生活に気をつけてバランスのいい食事をとる。
さらにウォーキングやジョギングなど
適度な運動を心がけるといったことが大事です。

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